【仮面ライダーセイバー】 リマジ版セイバーライダーズの設定・短編集   作:北村 貴之

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その2 アナザーライダー現る 炎の剣士、出陣

京都府京田辺市、JR京田辺駅前にて…。

 

「ギギー!シネーッ!」

人ならざる者の声が響く。

ここに、怪異「アナザーライダー」の一種、「アナザービルド」が暴れていた。

「仮面ライダービルド ラビットタンクフォーム」を歪めた外見をした怪異であるアナザービルドは、口から火球を吐き出しながら人々を襲っていた。

「うわーっ!殺されるーっ!」

「た、助けてーっ!」

人々はそう叫びながら、アナザービルドから逃げ惑っている。

逃げ惑う人々の中に、1人、アナザービルドに立ち向かおうとする男がいた。

黒い法衣のようなものを纏った、七三分けの黒髪の男が、ベルトのようなものを腰に装着した状態で現れた。

「ギギッ!オマエ、ダレッ?」

ただひとりだけ逃げずにいるその男を見て、アナザービルドは少し戸惑い襲う手を一旦止める。

「俺?俺は葛城直己。またの字を、『仮面ライダーセイバー』。以後、お見知り置きを」

「仮面ライダーセイバー」という名を聞いたアナザービルドが反応したようで、

「ギギギーッ!コイツ、テキ、テキッ!コロス!」

どこか歓喜しているような、それでいて怒り狂っているような、そんな叫びをアナザービルドが上げた。

「望むところだ。かかってこい」

「ギギーッ!」

挑発に乗ったアナザービルドが再び火球を吐き出す。

しかし、葛城直己は服の懐からあるものを取り出した。

それは、小さな赤い本のようなものだった。

アナザービルドの火球は、その本による魔力によりかき消された。

「ギギッ!?」

攻撃が防がれたことに驚くアナザービルド。

直己は、右手に持っていたその本を、アナザービルドに見せるようにして見せびらかしていた。

「お前は初めてかな。こいつは『ワンダーライドブック』といってな、俺たち仮面ライダーが変身するために必要なものだ」

直己はその本のことについて説明をした。

「そして…。俺の腰に着いているのが、『火炎剣烈火』が装填された『聖剣ソードライバー』。所謂変身ベルトってやつだ」

「ギギッ…!」

アナザービルドが、それを見て驚く素振りをする。

「さて。説明はここまでにして…、と」

直己は早速、聖剣ソードライバーに装填すると思われる、赤いワンダーライドブックを起動させた。

「ブレイブドラゴン」

ワンダーライドブックから音声が鳴る。

直己はその「ブレイブドラゴン」のワンダーライドブックを、ソードライバーの左スロットに装填した。

直己は、右手で納刀状態の火炎剣烈火を握り、トリガーを引きながら抜刀する。

そして、火炎剣烈火による変身を叫んだ。

「変身!」

直己が勢いよく火炎剣烈火を引き抜くと、

「烈火抜刀!」

という音声が鳴った。

直己が火炎剣烈火を構えた状態のまま、仮面ライダーの姿へと変化を遂げる。

「烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!」

そして、火炎剣烈火を一旦ドライバーに納刀する。

こうして直己は、「仮面ライダーセイバー ブレイブドラゴン」に変身完了した。

この形態はセイバーの基本形態にあたるフォームだ。

「お待たせ」

待たせてしまっていたアナザービルドに、セイバーはそう告げた。

アナザービルドは、

「ギギーッ!」

とセイバーに威嚇するように火球を吐き出した。

しかし、セイバーはその火炎放射を軽く避けた。

避けられた火球はそのまま着弾し、爆風を起こす。

「うわっ!熱っ!」

少し熱さを感じたが、その程度で済んだようだ。

「ふむ…。火を使うのか。なら、こちらも」

セイバーはソードライバーに装填されたワンダーライドブックのページを押し込むように触った。

そして、アナザービルドに向けて右手を伸ばし…。

「ドラゴン・ワンダー!」

と叫んだ。

すると、セイバーの右手から、火炎放射が発射された。

高熱の火炎放射がアナザービルドを襲う。

「ギギギー!ア、アツイー!」

かなりのダメージのようで、アナザービルドは地面を転げ回った。

 

「コレが本物の炎ってやつだ」

セイバーはどこか自慢気に、そう呟いた。

「さて。そろそろ決着をつけようか」

セイバーは火炎剣烈火を構え、アナザービルドへと向き直った。

そして、火炎剣烈火が納刀された状態でトリガーを2回引く。

「必殺読破!」

とソードライバーから音声が鳴る。

それと同時に、セイバーが勢いよくジャンプする。

「ドラゴン一冊撃、ファイヤー!」

ソードライバーから叫ぶような音声が鳴ると、右脚にエネルギーが集中していく。

エネルギーの充填が完了したところで、宙の上のセイバーは、

「火龍蹴撃波!」

と叫び、勢いよくアナザービルド目掛けて、猛火を纏ったような右足で蹴りを繰り出した。

「ギギーッ!」

アナザービルドが、セイバーの必殺技に直撃し、爆散した。

「よし」

変身を解除した直己はそう呟いた。

 

そして、その戦いを見ていた1人の少女がいた。

少女はこう呟いた。

「仮面ライダーセイバー…。かっこいい…!」

と。

そんな少女のことなど知らず、直己は、

「呆気なかったな…。まぁ、これで一安心だ」

と言いながら、バイクに跨り去っていった。

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