【仮面ライダーセイバー】 リマジ版セイバーライダーズの設定・短編集 作:北村 貴之
異世界の侵略組織「ハンドレッド」と日夜闘いを繰り広げる、コーネリア城直属の組織「ソードオブロゴス」。
彼らが今いるのは、東京付近に存在する町、童実野町にある「海馬コーポレーション」だ。
海馬コーポレーションの会議室にて、仮面ライダーセイバーこと葛城直己、仮面ライダーブレイズこと二階堂まどか、仮面ライダーエスパーダこと五條理解、仮面ライダーカリバーこと結崎美穂、仮面ライダーティルヴィングこと香芝直幸が椅子に座っていた。
出されたお茶をすすりながら彼らが待機していると、がちゃり、と扉が開く音がし、そこから男性が出てきた。
白髪が目立つオールバックの髪型に、灰色のスーツ姿の中年の男だ。
スーツのジャケットには海馬コーポレーションの社章が付けられている。
「お待たせ致しました、ソードオブロゴスの皆さん」
首からぶらさげている社員証には「技術開発部主任 三沢 大地」と書かれていた。
手には白銀のアタッシュケースを持っている。
「どうも、わざわざお時間を割いていただきありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ今日はお忙しい中…。お呼びいただきありがとうございます」
二階堂まどかが立ち上がりながら礼をすると、カリバーこと結崎美穂も立ち上がりながら礼をする。
「先日は私の高校の後輩が襲ってきたハンドレッドの一員から助けられたそうで」
三沢は頭を下げた。
彼が言っているのは、後輩である恋愛・結婚アドバイザーの遊城十代が大阪の日本橋にてハンドレッドに襲撃された際に、仮面ライダーセイバーである葛城直己に助けられたことであった。
今回、そのお礼として、あるものを渡したく、ソードオブロゴスの5人を呼んだのであった。
彼らの上官である4混沌は高校の教師を兼任しており、授業をする関係で来ていない。
(あのおっさんの先輩か)
直己は腕を組み、三沢が持ってきたアタッシュケースを見ている。
中が何なのかが気になる様子だ。
「こちらを…」
まどかは三沢に促す。
「ありがとうございます。では、失礼します…」
アタッシュケースを開くと、そこには3つの小さな本のようなものが入っていた。
その中にあったものを直己が見る。
(…ワンダーライドブックか。しかし見たことのない絵柄だ)
渡されたのはワンダーライドブック。
ソードオブロゴスの仮面ライダーたちが使用する本のようなアイテムだ。
「なぜワンダーライドブックが?」
直幸が尋ねる。
「実は私、以前コーネリア城の技術部門にいまして。そこで得た知識をもとに、わが社の技術開発部で独自で開発したものです」
三沢がそう返答した。
直己たちは知らなかったが、この男はコーネリア城にいたらしい。
アタッシュケース内のワンダーライドブックは、左から紫、青、白のものがあった。
「ええと、左の方から、『滅亡迅雷モンスターズ』、『エイムズアニマルファイル』、『飛電の秘伝物語』となっています」
ワンダーライドブックの表紙にはそれぞれ仮面ライダーと思われる戦士が描かれている。
異世界の仮面ライダーだろうか。
「これも仮面ライダー?」
美穂がそう聞く。
「ええ。あなた方とは違う世界のライダーです」
三沢が答えた。
「これはどう使うんだ?」
直幸がそう尋ねる。
「ライドブックを、聖剣のスキャン部分にスキャンして使うんです」
三沢はアタッシュケースの中のワンダーライドブックを手で示した。
「そうするとそのライドブックに対応した武器が召喚されます」
つまり、それぞれの本をスキャンするだけで、異なった武器を使用できるらしい。
5人はお互いの顔を見合わせた。
「…で、どんな武器が出て来るんだ」
直己がそう質問した。
「ものは試し、と言います。アナザーライダーやハンドレッドが現れたら使ってください」
詳しいことは教えてくれなかった。
「…わかった。ありがたく受け取っておこう」
直己がそう言い、他の4人も頷いた。
「はい。どうかお使いください」
その後、三沢は彼らに礼をすると部屋を出ていったのであった…。
場所は変わり、海馬コーポレーションの技術開発部の部屋。
先程ソードオブロゴスの剣士たちにワンダーライドブックを渡した三沢が戻ってきた。
彼の部下である胡桃沢が、パソコンで作業をしている。
黒眼鏡をかけたふっくらと太った男だ。
頭部には中華帽を被っている。
「あ、三沢さん」
胡桃沢が戻ってきた三沢に反応する。
「ああ、いま戻った」
「ワンダーライドブック、渡せました?」
胡桃沢が尋ねる。
「ああ、渡したよ」
三沢はアタッシュケースをデスクに置いた。
中はワンダーライドブックが入っていたが、それは先程剣士たちに渡したために今は空だ。
「しかし、親会社に内緒でこっそり開発したものを容易く渡して大丈夫なんですかね」
胡桃沢が心配そうな声でそう聞く。
「…まぁ、こちらからのせめてもの反抗だ。幸い上層部には流れていない」
三沢は自分のデスク近くの椅子に腰掛けにパソコンを起動した。
「ソードオブロゴスの若者たちには頑張ってほしいね、この世界を守ってもらうのを」
三沢はそう言いながら、パソコンのキーボードを打ち始めた。
「しかし、助けたおっさんの先輩がうちの城で働いてたなんて、驚いたなぁ」
直幸がペットボトルのお茶を飲みながら直己にそう言った。
場所は変わり、東京近辺のホテル。
実は三沢からワンダーライドブックを受け取った後、彼らにホテルを手配してもらっていた。
「ああ、銀ちゃんもレオナちゃんも教えてくれなかった」
直己はそう返答した。
まどかと美穂と理香は別の部屋に泊まっている。
「あのおっさん、何歳なんだろうな?」
直幸がそう尋ねる。
「さぁ…、少なくとも35歳は超えてそうな感じだったけど」
直己はそう答えた。
ふかふかそうなベッドに横たわり天井を眺めている。
「しっかし…。こんな高そうなホテルを手配してくれるなんて太っ腹だなぁ」