【仮面ライダーセイバー】 リマジ版セイバーライダーズの設定・短編集 作:北村 貴之
京都府京田辺市。
ここで、何やらよからぬことが起こっていた…。
「うわあああああっ!?」
京田辺市内の住宅地で、老夫婦が悲鳴を上げて腰を抜かしている。
彼らは今、異世界からやってきた怪異「アナザーライダー」のひとりである、「アナザー鎧武」に襲われていた。
鎧武者のような外見をしたアナザーライダーだ。
手には太刀を握っている。
アナザー鎧武は太刀を振り回して老夫婦を脅していた。
戦う力がまったくない老夫婦は完全に怯えている。
アナザー鎧武が太刀を振り下ろそうとすると…。
「何してやがるっ!」
突如、アナザー鎧武を妨害するかのように何者かが飛び蹴りを繰り出した。
アナザー鎧武は、その蹴りを受けて大きく後ずさった。
「あ、あんたは…!?」
老夫婦は驚いた。
アナザー鎧武を蹴りつけたのは、なんと仮面ライダーティルヴィングに変身する青年、香芝直幸だった。
ソードオブロゴスの剣士だ。
首元には藤色のマフラーを巻いている。
着ている衣服はどこか忍者を思わせる黒を中心とした衣装だ。
「ここは俺に任せて早く逃げろ!」
直幸が老夫婦を逃がすとアナザー鎧武は彼を目掛けて襲いかかってきた。
「やる気なのか」
直幸がそう呟くと、懐から「聖剣ソードライバー」を取り出してそれを腹部に当てた。
するとソードライバーから帯のようなものが飛び出し、それが直幸の腰に巻き付く。
ソードライバーには剣のようなものが納刀されている。
これこそが、直幸が使用する聖剣「黒嵐剣漆黒」だ。
直幸は再び、何かを取り出す。
それは、大きなワンダーライドブックだ。表紙には忍者のような絵と、「骸骨忍者伝」と文字が書かれている。
直幸はそのワンダーライドブックをソードライバーにセットした。
「変身!」
直幸はそう叫んで、ソードライバーから剣を引き抜く。すると、ワンダーライドブックから音声が流れる。
「骸の咆哮!忍の残香!黒嵐渦巻く百鬼夜行! 骸骨忍者伝!」
音声とともに、直幸の姿が仮面ライダーへと変化する。
赤い複眼に、黒を基準とした忍装束のようなスーツの「仮面ライダーティルヴィング 骸骨忍者伝」がここに爆誕した。
「さあ、来い」
仮面ライダーティルヴィングに変身した直幸は、挑発するように太刀を構えるアナザー鎧武を見据えて言った。
「はあっ!」
ティルヴィングは漆黒を片手にアナザー鎧武に斬りかかった。しかし、アナザー鎧武はその太刀を受け止めると、反撃の蹴りを放つ。
ティルヴィングはそれを受けて後ずさりした。
「くっ!やるな」
そう呟くと、ティルヴィングは再びアナザー鎧武に斬りかかる。
だが、今度はその攻撃がかわされた。そして逆に斬撃を受ける。
「ぐあっ!?」
ティルヴィングはダメージを負う。
アナザー鎧武は休む暇を与えずにティルヴィングに斬撃を放つ。
「ぐああああっ!!」
その斬撃を受けたティルヴィングは大きく吹き飛んだ。
地面を転がると、体勢を立て直しながら立ち上がり、再び斬りかかる。しかし今度は横薙ぎの太刀を食らった。
「うあっ!」
ティルヴィングはまたも大きく吹き飛ばされる。そして地面を転がった。
そんなティルヴィングは、あることを思い出す。
(そうだ、アレ使ってみるか)
ティルヴィングは漆黒を構えたまま、あるものを取り出す。
それは、紫色の小型ワンダーライドブックだ。
「滅亡迅雷モンスターズ!」
そのワンダーライドブックから音声が流れた。
これは、先日海馬コーポレーションの三沢という男からもらったものだ。
「ものは試し…、ってか」
そう独り言を呟くと、刀身の先端にあるワンダーライドブックをスキャンする場所に「滅亡迅雷モンスターズ」を読み込ませた。
すると、ワンダーライドブックが消失し、ティルヴィングの左手にアタッシュケースのようなものを持つ。
「これは…?」
ティルヴィングはいきなり左手に握られたアタッシュケース型のものを見て呟く。
すると、アタッシュケースが突如、弓のような形へと変形する。
「そうか…」
ティルヴィングはそれを見て理解したようだ。
ティルヴィングが持っているのは、紫色のラインの入った弓形武器「アタッシュアロー」だ。
弓部分は刃のようになっており、これを剣のように運用可能だ。
ティルヴィングは漆黒を一旦ソードライバーに納刀すると、アタッシュアローを構えた。
アナザー鎧武は何が起こったのか理解できぬまま、太刀を持ちティルヴィングへと向かっていく。
ティルヴィングはアタッシュアローで光の矢を生成してアナザー鎧武に撃ち放つ。
「はあっ!」
光の矢は全てアナザー鎧武に命中した。
アナザー鎧武はダメージを受けて後ずさる。
その隙にティルヴィングはアタッシュアローからまたも光の矢を生成し、アナザー鎧武目掛けて放っていく。
アナザー鎧武は抵抗できぬまま、矢の攻撃を食らい怯んでいた。
「決めるぞ」
と呟くとティルヴィングは召喚したプログライズキー「アメイジングコーカサスプログライズキー」をアタッシュアローの装填部分に装填した。
そして先程のようにアローをアナザー鎧武に向ける。
「アメイジングカバンシュート!」
音声が流れ、黄金色の巨大な矢が、アナザー鎧武に向かって放たれる。
アナザー鎧武は逃げようとするも手遅れ。
放たれた矢はアナザー鎧武に命中した。
「ぐおおおおっ!!」
光の矢で爆散しながらアナザー鎧武が断末魔をあげると、その体は炎に包まれて消滅した。
「ふーっ…」
ティルヴィングの変身を解除した直幸は一息つくと、アタッシュアローは消失した。
直幸は先程使った「滅亡迅雷モンスターズ」を持ち、見つめる。
「これが人工ワンダーライドブックか…。なかなかやるな」
直幸はそう独り言を呟くと、その場を去った。