いきなり【最強】の魔力を持つ魔王に転生したら、俺が強すぎて異世界のヤツらがまるで相手にならない件。 作:大月秋野
神は第七世界の地球にエデンと呼ばれる楽園を創造し、そこにたくさんの動物、食べられる木の実が
アダムには動物の仲間がいたが、人間の仲間がいない。彼は一人だ。
ヤハヴェは人間が彼一人だけでは
神はエデンの木に
その頃、地上にサタンと呼ばれる悪魔の王がいた。
サタンはかつて神に仕えた天使だったが、神が自分よりも我が子たるアダムに
以後サタンは悪魔の王となって地上に君臨している。
サタンは一匹の蛇へと姿を変えて、エデンに忍び込んだ。そしてアダムとイヴを言葉
そして――――。
「息子達よ。
ヤハヴェはアダムとイヴを厳しく問い詰めた。
「ああ神よ。我々は大きな間違いを犯しました。貴方の言う事が正しいと知りながらも、知恵の果実を食べたい欲求が湧き上がり、貴方の言い付けを破ったのです」
アダムとイヴは自分達が犯した
「汝らは、自分達が犯した罪から逃れられると、そう考えているか」
ヤハヴェは
「
アダムとイヴは罰を受け入れる覚悟を示し、神への恭順の証とする。
神は二人の返答に満足したように「フム」と
神は二人の言葉に嘘があったならその場で焼き殺すつもりでいたが、二人が示した覚悟はまことのものであった。彼らは神に逆らった事の重大さを自覚し、取り返しの付かない事をしたと後悔し、神が望むなら命まで差し出す覚悟をしたのだ。
神は二人の言葉を聞いて、だいぶ心象が良くなった。心から反省の意を示した者をそれ以上厳しく
神は言い付けを破った罰として、二人を楽園から追放した。
そしてこう言ったのだ。
私はお前達に知恵の果実を食べるなと忠告した。お前達の魂が『知恵』という毒に冒されて、我への信仰を失うのを恐れたためだ。だがお前達は知恵の果実を食べた。
だがお前達に一度だけ
汝らが神への愛を失わぬ限り、我はお前達を傷付けたりはしない。だがもし神への愛を失ったと判断すれば、我は躊躇なく地上の人間を洪水で押し流すだろう。
決して忘れるな。これは神とお前達人類が交わした契約なのだ。
決して忘れるな。お前達が地上に
……アダムとイヴは神に言われたその言葉を胸に抱いて、地上に降りて行った。
大魔王サタンはその後神に戦いを挑んだが敗れて、地獄の奈落へと封印されたと、そう言い伝えられている。
◇ ◇ ◇
「……これが楽園追放の真実だ」
アザトホースが、原初の人類が楽園を追い出された
「地上に降り立ったアダムとイヴは子を
長い年月を
「他の世界に移り住んだ人類は、そこでも数を増やしていった。今、あらゆる異世界に存在するホモサピエンス型の人類は、全てアダムの系譜に
現生人類がアダムの
(フゥーーム……どの異世界にもホモサピエンス型の人類がいて、共通の言語、共通の文化があるのは、全て同じ起源から生まれていたからだったのか……)
ザガートは話を聞き終えて、思わず声に出して
いわゆるファンタジー異世界は、ザガートが元いた世界とは異なる次元に存在する。にも関わらず全く同じ人類がいた事をこれまで疑問に感じた事は無かった。
だがゲームの世界ならまだしも、現実の異世界に同じ人類がいた事など普通に考えたらおかしいのだ。宇宙の歴史が完全に同じにならない限り、生物の進化の系譜が同じになるとは考えにくい。
それも神が人類を移住させたからだと考えれば
『それでその人類の生みの親たるヤハヴェが、なにゆえ第七世界の人類を滅ぼそうと思い立ったのだ?』
ブレイズが頭の中に湧き上がった疑問を口にする。ヤハヴェが人類の創造主である事は理解したが、肝心の人類抹殺という凶行に至った理由は聞けていない。
「
アザトホースが不死騎王の疑問に答える。契約とは神への信心を失わない事を条件として、人類が生存を許されたくだりの事を指す。
「人類は厳しい自然の中で原始的な暮らしをした時代には、神への信仰を捨てなかった。神を恐れ、
人類が自然と共に生きた時代には神への信仰があったが、時代が進むとそれが失われた事を明かす。
「ヤハヴェは
神が約束を
「……ッ!!」
アザトホースが発した言葉に、その場にいた者達は心底驚愕した。
神が信仰を取り戻させるために魔族を生み出し、人類を攻撃させた黒幕だというのだ。
いくら人類
最初からそうだと分かっていたら、人は神を信仰などしなかっただろう。
とても愛する我が子に向けたとは思えない、悪魔の仕打ち……真相を知らされて一行は心底ゾッとさせられた。
レジーナは「今まで私達を騙していたのかッ!」と叫びたい衝動に駆られたが、神がこの場にいないので叫んでも意味がなく、グッと
アザトホースは
「我ら魔族は人類を徹底的に攻撃し、
魔族の襲来により人類が絶滅の危機に
「だが魔族がいなくなって地上に平和が訪れると、人類は再び文明を発展させた。するとまたしても人類は神への愛を失ったのだ。神はもう一度同じ事をしたが、結果は変わらなかった。何度文明を後退させても、人は文明を発展させると神を
世界が平和になると同じ歴史が繰り返された事、それが神に深い絶望を抱かせた事を明かす。
「結局人の魂が『知恵』という毒に
知恵の果実を食べた現生人類を絶滅させて、新たな人類を作り直す、壮大なリセットを神がもくろんだと語る。
「これまで二度
神が勇者を召喚しなければ、人類抹殺計画は容易に遂行される……それがヤハヴェの狙いだったと明かす。
「……まさかこの世界ではなく、異世界の神が勇者召喚を行うなどとは、夢にも思わなんだ」
ゼウスによる勇者召喚という想定外の事態が起こり、計画が
むろん異世界の神が召喚した勇者とは、魔王ザガートの事を指す。
「ザガート……我を
戦いが始まる前に魔王に言われた侮辱の言葉を、的を
「何の喜びも感動も無い、神に言われるがまま仕事をしただけの、空虚な人生……それが千年続いた。だがそれもようやく終わる」
自分の人生が無意味でつまらないものだったと語り、終わりを迎えられる事への喜びを口にした。
「これで知っている事は全て話した……後は煮るなり焼くなり、好きにするがいい」
話したい事を全て話し終えたと伝えて、今後の自らの処遇をザガートに
「大魔王よ……ここで生き長らえる事は、お前の本意ではあるまい。ならば望み通りにとどめを刺してやるのが、せめてもの情けというもの……」
ザガートはこれまでの彼の口ぶりから、他ならぬ大魔王自身が死を望んだのだろうと考えて、本人の意思を尊重する事に決めた。
「魔王……
アザトホースは感謝の言葉を口にすると、ガクッと力尽きて事切れた。
……それは宇宙を