魔法陣から抜けると、そこは赤銅色の世界だった。
一面に広がる赤銅色の砂、吹き付ける風、それによって舞い上がった砂がまるで小さな散弾のようにぶつかってくる。
そして何より…
「あっっっっつ!!!」
熱い、とにかく熱い!
しかも全く湿気がないから日本人にはつらいッ!
『よりによってここか…急いだほうがいい、冗談抜きで死ぬことになる』
「そうですね…ほら、行きますよノスフェラトゥさ…」
「うへぇ~~~おじさんもうダメだぁ~~」
「『どうした⁉』」
「あっつい…暑くて干からびそ~~…」
『…本当に大丈夫かこいつ?』
「……急ぎましょう」
今、私は何故か美少女ボイスを出し始めたノスフェラトゥさんを背負って砂漠を歩いている。
一応日光を防ぐためのマントは貸してあげたがそれでも辛いらしい。
「ほら、しっかりしてください…私だって辛いんですから…」
そう言った直後
「ん?…あれはまずい!」
私はあるものに駆け出していった…
しくじった。
一人の少女は三匹のミミズのような怪物、サンドワームに囲まれながらそう思った。
少女の名はアースィマ
一人の姉を持つ16歳の少女である。
もともと彼女は、【アンカジ公国】というところで姉と二人で暮らしていた。おっとりとした姉と違い勝ち気で活発であり、少し…いやかなりのんびりとしている姉の面倒を見ていた。
もちろんこの砂漠、【グリューエン大砂漠】に足を踏み入れたことは数えるぐらいしかない。
ではなぜ彼女がここにいるのか、それには勿論理由がある。
姉が原因不明の高熱で倒れたのだ。
医師に見せても治癒師に頼んでもどうにもならない、そして、寝床から起きれず毎日苦しむ姉の姿。
このままでは姉が死んでしまう、そう考えた彼女は他の所の人なら治せるかもしれないと家を飛び出した。
しかし、日中夜歩き続けてもどこにも着かない。そして、体力と精神が限界に近づいた彼女は目の前まで迫っていたサンドワームに気がつかなかった。
慌てて回りを見渡した時にはもう囲まれていた。
「くそったれ……!」
彼女は持っていた短刀を構える。だが今の状態ではろくに戦えないだろう。
半場やけくそだ。限界寸前の体に鞭を打って覚悟を決めた
その時、
「こっちだデカブツ!
圧倒的な光彩ッ!!!」
突如目の前のサンドワームの横っ面が大きく吹き飛んだ。
何が起こったのか分からずにいると、他のサンドワームも顔面を叩き潰され、地面に倒れ伏していた。
そして倒れ動かなくなったサンドワームの前には、黄金のマントを羽織った白髪の褐色の女性が佇んでいた。
ふぅ、意外と何とかなった。
倒したデカいミミズを前にしてそう思った。
「おっと、そこの嬢ちゃん。大丈夫か?」
私は後ろでへたり込んでいた少女に声をかけた
「え、えぇ助かったわ」
「そんで、私が言えたことじゃないが…なんでこんなとこに?」
「…あんたには関係ないでしょ」
「生憎、私はお節介焼きなんでね。まぁ助けてくれた恩ってことで、な?」
「……わかったわよ」
「どう、これでいいかしら?」
「まぁ理解できた。……なるほどねぇ」
私は彼女から話を聞いた。
この少女、アースィマはどうやらこの先にある【アンカジ公国】に住んでいるらしい。姉が高熱で倒れてしまった為にそれを治せる者を探してろくな準備もせず家を飛び出したらしいが……せめて準備くらいはしろ。
「そんで?どうすんだい。これ以上動いたらくたばっちまうぞ?」
「……あんたには関係ないでしょ」
「はぁ……しかたない。そらよっと」
私はアースィマを左肩にかかえる。
「ちょっと!?なにすんのよ!」
「なにって……そのアンカジとやらに行くつもりだが?」
「はぁ!?なら一人で行きなさ「喋ってっと舌かむぞー!」話を聞けぇぇぇぇ!!!」
そうして私はアースィマが来たであろう方向へと駆けていった。
「ここかぁアンカジってのは!」
「はぁ…ッ!はぁ…ッ!し、死ぬかと思った…ッ!」
数時間後、私達はアンカジに辿り着いた。
そこは、馬鹿でかい壁に囲まれた乳白色の都市だった。そして囲んでいる壁から光の柱が昇って、ドーム状の結界を形成している。
「そ、そろそろ…ッ降ろして貰えないかしら…ッ!」
「おっと、すまないね」
アースィマを降ろしてから、一緒に門へと向かう。すると門番達が呼び止めてきた。
「止まってくれお嬢さん、ステータスプレート…ってそこにいるのはアースィマちゃんか!?」
「何!?本当だ!おーい!みんなー!」
すると街の方からその声を聴いたであろう人たちが集まってきた。
「アースィマちゃんだ!」「アースィマちゃんが!?」「何日ぶりだ!?」「良かった…ッ!帰って来てくれて…ッ!」「アースィマ姉ちゃんー!」
「へえ、随分慕われてるじゃないか?」
「……うっさいわね」
そうして集まって人たちにアースィマはしぶしぶこれまで起きたことを話し始めた」
「お゛ま゛え゛ぇもし死んじまってたらおまえの姉ちゃんはどうすんだよぉ!」
門番の一人が号泣しながらアースィマの頭を撫でまわした。
「ちょ、ちょっと!やめなさいってば!わたしが悪かったわよ!」
それを少し離れた所から眺めていると、もう一人の門番が話しかけてきた。
「…そこの嬢ちゃん、あの子を…アースィマちゃんを助けてくれてありがとうな。感謝するぜ」
「はっ、丁度ここに寄るとこだったしな。ま、いいってもんさ」
「だが一応ステータスプレートは見せてもらえるか?」
「ん?あぁほらよ」
そうして私は
「いやぁ~実はおじさんも持ってるんだよねぇ~」
すると右手に抱えていたノスフェラトゥさんが相変わらずふにゃふにゃした美少女ボイスで答えた。
「……よし、問題ない。通っていいぞ!」
「お、ありがとさん」
そうして通ろうとすると、
「……お嬢さん、あんたがなにもんでどんな奴かは分からん……だが、もしできるのなら…ッあの子の姉ちゃんを…治してやってくれ…ッ!」
その門番の男は藁にも縋るような顔で頼んできた。
「…ッ!あぁ、勿論だとも」
「ありがとう…ッ……あと、そのなんだ、その恰好……ちょっとな露出が…」
さっきとは打って変わって、気まずそうな声をして、少し顔をそらしながらその門番は言う
そう言われて私は自分の胸を見…
……ははぁーん
「……気になるかい?」
「……ッ!?」
そうして私はその男だけしか見ていないのを確認して……
「ほらよ」
胸を隠していた部分を
「…ッ!?…ッ!?」
「……そんじゃあな」
私はアースィマの方へと歩いて行った。
しばらくして後ろから何か音がした気がするが…さて、なんなんだろうな?
『……あれ、もしかしてうちの
いまの主人公はいわゆる貪欲の王と同じあの露出の多い方の服です。
……さてさて、何を見せたんでしょうねぇ。
あ、ファンアート、感想どしどし応募中でーす
「フフフ……セック「ヤメナイカ!」ス!」