下層部に来ると鎌を持った少女とシルバーメインもどきが睨みあっていた。
「悪い、今現着した。状況説明を頼む」
一応そこのシルバーメインもどきの格好のやつをぶっ飛ばせばいいんだろうけど先に状況だけは知っておきたい。
すると多分少女側からこちらに話しかけられる。
「そいつらが資産の差し押さえとか言って私達を鉱山から追い出して占拠してるのよ!あんたもシルバーメインならなんとかしなさいよ!」
ん…?あ、シルバーメインって上官だと変な服装していいのか。だから俺の服装について誰も突っ込んだりしなかったんだな。
なんか明らかにモンハン世界の格好だしおかしいとも思ってるけど。
「じゃあお望み通りになんとかするとしますかね…!」
ぶっつけ本番というわけでもなく、さっき丹恒に止められたタイミングでガンランスの使い方は理解している。最悪は全部斬撃でなんとかするつもりである。
「なっ…!これは正当な権利である!犯罪者になっても構わないのか!?」
「クドいんだよ、犯罪者が。ヒト様の生活めちゃくちゃにして法に頼るなんてガキのやることと変わんねぇんだよ」
「キサマ…おい、門番!ここでこいつを見せしめにするぞ!」
挟み撃ちの体制を取られるが無駄である。なんせこちとらガンランスだぞ?
バックステップからの十字払い。砲撃を撃つにしてはちょっと市街地が近すぎたからしょうがない。
「…ガキはガキらしくそこで寝てろ」
仕上げにキノコの胞子から作った眠り粉をかける。獣がいるとは思えない状態だしこっちのほうがよさそうだな。
「…あんた、やるみたいね。名前はなんて言うのかしら?」
「ただのシロイ、だ。一応ブローニャの父だが逃げ出したクズだと思って差し支えない」
「ブローニャの父、ねぇ…わざわざここで嘘を名乗る理由もないし信じるとするわ。そのブローニャの友人のゼーレ。鉱山の解放に手を貸してくれるかしら?」
「もちろん。ガンランスで娘にいいところ見せないとな」
随分しっかりとした少女…えっと、ゼーレである。もともと俺がいることに対してもきっぱりと割り切っていることを見るに、白黒はっきりつけるより敵味方を優先するタイプかな。
いかんせんキャラの名前が一致しないからな。サーヴァントとして見るのを一回やめるか、面倒だし。
「それにしてもどうなってるの?見たところブローニャのよりも旧型だけど」
「ボウガンも兼ねてるし…うん、次見せるか」
流石に現実基準なら使えるようになってほしいんだよな…頼むからまともであってくれ。
鉱山区。ここで砲撃は使えないので普通のライトボウガンとして運用するか。
火力をマシマシに構成した結果としてライトってなんそやってなるけどな。
「見張りにはこれで充分だろ」
8発分装填していた捕獲用麻酔弾を連打して眠らせる。一発も外さなくて済んだのはやはりハンターとしての腕前かな。
「凄いのね、シロイ」
「まぁこれでも金を稼がないといけない事情があったんでな…もちろんギャンブルの借金とかじゃないし、全てが終わったらブローニャに打ち明けるつもりだよ」
あくまでごちゃごちゃしているけど基本は俺の感覚と変わらない父親である。悩んで最近できた友人に相談とかしてるのかな?
「そんなところまで律儀にするのは血筋かしらね。どうせ今回の騒動のMVPになるんだしその功績でチャラになるんじゃない?」
「…そうなるように努力するよ」
別の弾を装填しながら俺は答える。やっぱりここで頑張ればブローニャに認めてもらえそうだし頑張るか。
「…えー、ここにいる犯罪者様。この鉱山区における他の協力者は全て人質となっております」
ドサッと相手の指揮官組の方へと集めた人を投げつける。首元には取れない呪いであるデスギアの頭が全員分つけてある。
外そうとすると1時間くらいかかるからめっちゃ根気のいる作業だけどね。
「もちろん外す術は俺以外には知らないのでさっさと投降してくれます?嫌ならだっさいもんつけてもらいますし」
機械のでっかいのが相手なら俺はギリギリ読み勝てそうだが、どうしたもんか。これで相手方の事情をある程度把握しておきたいってのもあるし。
「それがどうした!我々の給料が40%カットされたくなければこの星を奪うしかないのだ!」
「はぁ?人の星を勝手にモノ扱いしないでほしいんですけど?それにここの人たちを何だと思ってるのかしら?」
一応手元にある星の借金書の契約を見た。かなりハイテクであり、しょっちゅうこちらで更新される前の情報を取ってある。
…うわ、凄い改ざんされてる。初期の段階まで遡ったけど契約を更新する際は勝手にやっていいなんて書いてないじゃん。
「…オーケー、つまり契約は不成立であるんだな。じゃ、殺すか」
手元にガンランスの中にラピッドヘブンを装填する。本来なら弱すぎて最弱とも呼ばれているけど、今回はガンランスの弾としてである。
「よっ、と!」
上空から装甲の薄いところへめがけて突きを叩き込む。数センチだけしか入らなかったがこれで充分である。なんせここには銃口が中へと入っているのだから。
引き金を引いて5発分を当てれば燃える音がし、ついでその後は動かなくなった。
「他のやつも喧嘩あるなら買うぞ?もちろん代償は大きいけどな」
一応使えなかった余りのラピッドヘブンの弾を足元に掠めるように撃ち出す。ガンランスの砲撃ならもうちょい弱いけど…今の速さで出されると思わせられたら勝ちだな。
「はい。はい…!?」
電話から相手の焦った様子が伝わるが…ともかく撤退を選んだようだ。普通に考えればこんな行動をそこまで酷くない債務者相手にやるのがおかしいんだよなぁ…
「お、撤退する感じか。別にその勢いでベロブルグから退散してもいいんじゃないか?」
「諦めなさい、シロイ。防衛戦なら明らかにこちらが不利なのよ」
「でも金はもう返せるんだよなぁ…」
モンハン世界の稼いだ金、ついでに言えば今までの借金返済分を考えると借金を返すくらいは余裕なんだよな。
別に1000万程度なら誰でも稼いでるし。モンハンの基準ではあるけど。
「あんた、どっかから銀行強盗してきたの?」
「いやー…娘に渡すお土産とか考えると色々と、ね。もちろん清い手段だよ」
そもそもモンハンの素材だってカンパニーに交渉して高値にしてるし。ウイルスとしてやばいのとかは隠しているけど、それでも全部売れば十年分くらいの予算は賄える。
「ならあんたがさっさと返せばいいじゃない。変に取り返しのつかない事態になったら不味いわよ?」
『ここでイブキのアシストっすよ!ある程度の情報なら渡してあげるっす!』
「大丈夫だ、問題ない。それを含めて今からスヴァローグに話し合いをしに行くってだけだ」
もしくは別にトパーズでもいい。借金をこの状態でしっかり返したって証明をどこかにやっておきたいからな。
「…お優しいことね。クラーラのところにいるだろうし会いに行ったら?」
クラーラのところ、とかスヴァローグとかはよくわからんが誰かから勝手にインストールしてもらっている。今回ってどんな理由でどういう風に考えてこっち来てんのかね?
「そうだな。ありがとうゼーレ」
鉱山そのものは資産が潤沢にありそうなんだけどな。ここで俺がやったりしたら本末転倒だしピッケルだけ置いてクラーラのところへと行くことにする。
「…どういたしまして」
一瞬こちらのことを鋭く見てきたと思うが、まあ気のせいということにしておこう。
「…さて、どうしたもんか」
余り普段から使わない素手だが、今回は明らかに役立つ。
「やっちゃえ、スヴァローグ!」
「殲滅する─」
クラーラの声に合わせて出てくるミサイルの弾幕を無理矢理はたき落としたり回避してなんとか生存する。
というかこのセリフでクラーラの中身は確定じゃん。絶対に見た目と元ネタまんまやんけ。
「話は聞いてくれないのか…?」
「お兄さんは好みなので…えっと、先に手足を壊してからクラーラがお世話します!安心して結婚してください!」
「自信満々にロリが言うことじゃないよね!?」
「えっと、じゃあ…壊したいので、動かないでもらえませんか…?結婚したい、ので…」
「…違う、そういう意味じゃないんだ…!」
ゼーレとブローニャと丹恒ってまともだったんだな。守るべきものを打ち砕き始めてんだもんこいつら。
【新しい情報だ。まさかこうなるとはな…この赤い彗星の目を持ってしてもわからぬとは…あ、コーヒー溢しちゃった…ふふふ…】
とりあえずスヴァローグはここにいる時点で元の世界と大分変わっているらしい。
変わっているとかどうこうの知識を入れる前に前の知識を入れろよ節穴の目を持つ奴ら。
「クラーラ、やってたことってわかる?」
「やってたこと…さっき開拓者のお姉さん達がトパーズさんと同じ場所に行きたいって言われたので渡しました…」
やばい、明らかにそっちやんけ。こんなところでバーサーカーことスヴァローグと戦闘している暇はなさそうだ。
「えっとね、クラーラ。俺も同じような理由で同じ場所行きたいからもらえる?」
「あとで戻ってきてください…やり終わったらクラーラのワガママを聞いてもらいますから」
確実にヤンデレの要求を飲みたくないんよなあ。一応終わったらこの体を譲り渡すってことになるんだろうし、そうなるならブローニャのところに返すのが一番いい。
…どうしたもんかな。
たどり着いた場所は明らかに機械とオーバーテクノロジー感あふれるところだった。
「丹恒。とりあえず鉱山のほうは片付けたけど…こっちはどうした?」
「スターピースカンパニーが狙ってるのがここにあると聞いたからやってきた。トパーズが中にいるんだったらカチコミかけるけど…」
「その必要はない。その前にあなたの銀河打者が片付ける」
「叶もやる気なんだね!目的がわかんない以上頑張るけど…負けないよう頑張ろうね!」
「ふむ、どうやら私も頑張るしかないみたいだ…」
二人が喋ったあとに一応目をこすってみる。明らかにいないはずの星5がいる気がする。
「アーチャー?」
「どうした、マスター。こちらに現界しているのがそんなに変か?」
「逆にそんなに変じゃなきゃこれほど驚いていないんですよねぇ…」
まさかアーチャーがいるとは思わなかった。スタレとコラボしたって言ってたし居てもおかしくはないけどさ。
「…まあここでの私も色々とあるから気にしなくていい」
「そうかい」
なんか後ろにSがついていそうな凛ちゃんがいるけど気のせいということにしよう。こいついっつも女難の相にあってんな。
「それはマスターが言えたことかい?」
「さぁな。別に俺のは今に始まったことじゃない」
トパーズ&カプをぶっ飛ばしはしないだろうけど…雑魚敵ラッシュとかかな。
その程度ならまだ防げるし大丈夫だな。苦しくなるのは火力が足りなくなったりしてからだ。
(中ボスであの程度ならラッシュは余裕だけど…問題はどう説得すればいいかね…?)
もう既に金は下ろしてきてる。まあ、なんとかなればいいやろ。
投げやりになっていく気持ちはあるけど、どうすればいいもんだか。
「ん、ナナシビトとシロイさんじゃん。どうしたの?結婚する?」
「なんでお前らは初手に結婚って選択肢が入ってるの?もしかして結婚って社会的な最初の挨拶になってる?」
「うーん、気になるんなら私と結婚して社会的な挨拶をなくす?」
平然とこいつらが結婚したい言ってるけどそんな簡単に告白していいもんじゃないだろ。しかもこいつ一応バツイチって設定になるぞ。
…次の夢くらいには相談できると嬉しいなぁ(白目)
「もういい。今は先に借金の返済をするか─まさか、しっかり耳を揃えて用意したからこれでいいよな?」
ガンランスの盾を水平に投げ、トパーズのところに当たった時点で蓋が剥がれ落ちる。
「…ちゃんとトランクの中に入ってるね。じゃあ担保として君をもらうね?」
「えっ?ちょっと待って?」
どうしたトパーズ。なんでこんなことをしてくるんただろ…?
「いやだってほら、不良債権に対してちゃんと返済しても…ね?」
「ゴリ押しで連れてこうとしてない?えっ、ちょっとまってくださいよ!?」
「いやよいやよも好きの内…大丈夫、粉塵で楽になれるからさ」
その粉塵は間違いなくヤバいヤツだろ。媚薬とかその類だろうし…断っても絶対に飲ませるやつだ。
パシュンとした音の直後、俺は意識を失った。
後日、トパーズの隣に懐いている次元プーマンが一匹増えた。名前はシロイ。
余談となってしまうが、トパーズの財産に男物の鎧や武器が増えたそうだ。ぶかぶかなそれらを被って遊んでいる次元プーマンを見てトパーズは喜んでいた。
というわけで一回全部書けました。やっちゃえバーサーカー!
そんなノリでまとめつつ、イエローモンキー将軍様への返信です。
「まさか私を選ぶとはな…凛?少し話しているから待っててくれ…うん、よかった。とりあえず私を相談役に選ぶほど人生経験は豊富なわけではないのだけれど、選ばれたなら全力を尽くそう。…岸波?君のその複雑そうな目を向けるのはやめてくれ。パールヴァティーもこちらを見るのをやめてほしいのだが…ともかく。後は構成を詰めるだけだ、楽しみに待っててくれ」