正妻戦争二日目。今回はローマっぽいけど、そのローマから連想される殆どのサーヴァントが男性だ。前回のオルレアンはまだ誰が出てくるかを考える余地があったからましとも言えるかもしれない。
(そもそもローマ以前にまた森か。もうちょい場所にパターンをつけろよ)
前回の時点で結構な愛の重さになってしまっている以上、先手必勝で殺すつもりのほうがいいかもな。
今回はガンランスが使えるような状態でないので、使いにくい少し大型の片手に切り替える。動きが重くなってもそんな隙は生じないはずだ。
武器の確認をしていると、後ろからなにかが這いずってくる音がする。こちらに近づいているようだ。
(先手必勝で殺すしかないか…!)
雑に溜めて二連斬りをしようとした─
「お父さん、久しぶり?」
─けど無理矢理単発で押し留めて武器をしまう。なんで娘がラミアの状態で来るって考えられなかったんだろ。
そもそも英霊扱いされてることに驚いてるよ。
「ごめん、敵と間違えた…」
まずは土下座である。幸いにして傷は深くなさそうだけど女の子のお腹に大きい傷をつけてしまったのが問題なのである。
「お父さんに一生ものの傷をつけられるなんて…まあ、今日は悪夢の中ですし怪我しても明日には元通りですからいいでしょう。あと久しぶりなので絡みつかせてください」
「ん、いいよ」
まくし立てたり蛇の体を持ってたり色々とつっこみどころの多い娘ではあるけど、とりあえずは可愛い娘である。
「久しぶりに会ったから大きくなったね…そもそも会ってもない未来の娘に久しぶりって言うのも少し変な気がするけど…」
「まあ、しょうがないですよ。どんな人が来ても守り抜けるようにこの体、キャスターになりましたから」
「選んだクラスが最悪すぎない?」
なんでよりにもよってキャスターを選んだのだろうか。近接戦闘においては最も弱いクラスなんだが…もしかしたらガンドの力なのかもしれない。
「とはいえ、私もよく英霊については覚えてないのでお父さんが教えてください」
「サーヴァントの誰が来るかってこと?…他のFateシリーズはそんなにやってないから誰が出るかわかんないんだよな…」
「知りません。私としてはお父さんを守り抜くだけです」
この前ファザコンばれしたラウラは隠す気もないらしく、こちらへとすり寄って密着していた。絡みつき過ぎて正直息ができなくなりそう。
「もしくはこのまま骨ごと砕いて私のものにしても構いませんが」
「久しぶりだからって興奮しないでくれ…」
なお、離れた時にはガララアジャラ亜種の装備に全部変わっていた。ガラちゃんとは最近悪夢で会ってないけどこんなもんなら全然戦えるだろう。
「マスター…?あの、来てもらえませんか?」
今のサーヴァントのトップバッターはアナちゃん。なんで一番マシなのを最初のほうに引くのだろうか。でもあとの方が地獄なら殺せばいいだけだから問題ないね。
「いや、どこに連れてくんだよ。罠をしかけてるとかそういうことはないだろうとは思ってるから教えてくれ」
「えっと、神殿です。ここなら他のサーヴァントにも邪魔されないでマスターを独り占めできるかなって思ったので」
神殿…かあ…逃げるときには不便だけど他ならないアナちゃんだからなぁ…俺のカルデアではヘラの代わりにラストのフィニッシャーとして色々*1と頑張ってくれたからなぁ…
「ま、いいよ。じゃあ早速行こうか」
「いいんですか?絶対なにか企んでますよ?」
「その、危害は加えないって約束しますから」
明らかにこちらに対して罠をかけようとしているようには見えないしつっこんでもいいだろ。下手なサーヴァントと戦闘するよりアナちゃんの近くで乱戦にしたほうがいいし。
「まあ、多分今日については心配しなくて大丈夫ですよ。もう殆ど判明してますし…」
「…じゃあ行くか」
判明しているのに言わないってことはつまり関連性のある人たちってことですね。
なら火力低いし大丈夫か。間違いなくラウラがいる以上勝てるだろうし。
「それで、昨日は大丈夫でしたか?いえ、お父さんの悪夢については詳しいことを知らないので」
「えっと…」
「いやまあ俺から説明するよ。ってかやっぱりそっちでもオベロンは引けてないんだな…」
どこから飛んできたのかわからないから何ともいえないし、もしかしたらサ終して引くことができなくなってたのかもしれない。
それでもとりあえずは悪夢が確定してるので詳しく話してあげると、ラウラはまた絡みつく。
「なんでまた絡みついてきたん?」
「お父さんに私の匂いをマーキングします。本当は裸でやりたかったんですけどそれは拒否されそうなので」
というよりほぼラミアの姿の時点でほぼ全裸だと思うのだが。やっぱりそこらへんの感覚は人と蛇で違うのかもしれない。
「やめておいたほうがいいと思います。姉様たちが明らかに不機嫌になっちゃうので…」
想像はしていた通りエウリュアレとステンノか。でもそんなに警戒する必要はなさそうだよな。
「えっと、ライダーの私もアヴェンジャーの私もセイバーの私もいますよ」
「ローマって蛇が出没するのが基本なの?」
なるほど、恐らくラウラも蛇繋がりで呼ばれたのだろう。となると間違いなくバーサーカーは清姫。
今回は完全に蛇しかいないな。ラウラはキャスターなだけマシとするべきか、今回は絶対にねちっこくなると嘆くべきなのかわからないな。
「というかそうなると見分けがつかないじゃん。どうするつもり?」
「正確に言えば分裂したりして棲み分けてるので問題ないと思います。クラス名で呼んだりすればわかりやすいかと…」
「じゃあアナって呼ぶか」
公式でもそう呼ばれてるからね、かわいいししょうがないね。
「…別にマスターがわかるのならいいです。ライダーの私、行きますよ」
「わかりました。しっかりと魔法陣から離れないでくださいね?」
「明らかに転移の陣ではなく魂食いの陣だがそれについては?」
なんか凄い嫌な気配がするんだけど。どうしてこんな危険な目に会わなきゃならんのだ。
「それは単純に神殿に連れて行くのでこちらのほうが効率がいいんです」
「…神殿への移動、ですか。それは果たしてお父さんが耐えられるんですか?どうせ耐えられませんよねそうですよねということでお父さんは私がもらいます」
「……は?」
なんか平然と俺のことを独占しようとしてきたラウラにチョップを入れてしっかり観察する。なんか少しだけ違うことがわかるのはオベロンからの知識だろう。
(まあもらえるもんはありがたいしもらっとくか…でも単に難しいだけで単なる移動の術式っぽいな)
「ラウラはとりあえずおちつけ。あととりあえず今回の感じだと逆に目を離した瞬間どんな技が飛んでくるかわからんから中に入ってたほうがいい」
あと清姫が中にはいってこないだろうという希望的観測もある。また燃やされる森がかわいそうだし。
そんな理由で空の雲を突き抜けて神殿へとふっ飛ばされた。
エレベーターの悪いところ寄せ集めた感じで最悪な乗り心地だったけどな。
しっかりとした神殿の中に堂々と佇む二柱。そっくりなマネキンだと言われたら信じてしまいそうなほどに美しい女神たちからのお出迎えである。
(なんだ、単なる魅了か…)
よくわからなくても前のメタトロンより弱いのでなんとかなる。これくらいなら許容範囲だ。こっそり魅了を魔法で解除しておく。
「あら、メドゥーサ。ちゃんとここに連れてこられるなんて生意気ね」
「そうね。罰として
「ごめん瓜二つ過ぎて全くわからん」
にしてもわかりにくい。コマンド並べたら絶対にわからない自信があるぞ。つーか普通に間違える。
「えっと。マスター、姉様達に付き合ってもらえますか?」
「その前にまずラウラをなんとかしてやれ。全然話についていけてなくてぽかんとしてるぞ」
「なら妾がもてなそう。同じ体であるからわかりあえることもあるだろう」
後ろからひょいっとゴルゴーンに抱きかかえられたラウラだけど、明らかに捕食者の目をしている。今回に限っては推しキャラだろうと味方とはならないから分断されるのはもってこいなのかもしれない。
(でも久しぶりに会えた娘だからなぁ…)
「お父さん、私ちょっとゴルゴーンさんに教えてもらいますね。この体だとお父さんと上手に愛し合えないので 」
「…さいですか。まあ気を付けて?」
他ならぬ娘が乗り気ならば俺が反対する理由はない。というかなんで愛し合うことが前提なのかを問いただしたい。
見えすいた地雷を踏んだら味方がいなくなるからしないけど。
「うん、お父さんこそ」
「ほれ、ラウラはこっちへと来い。いくつか石像を使って手ほどきをしてやる」
あ、これもしかして味方がいなくなるのはどっちにしても変わらなかったパターンだな。これなら一緒にもてなしてもらったほうがよかったのかもしれない。
(今からこうしたいとか言ったら間違いなく殺されるからアナちゃんについていくしかないか…)
遠ざかっていく娘を見つつ、アナと一緒にステンノ達のところへ向かう。
「すみません、やっぱりこんなお家じゃ満足できませんよね…」
「永住するかどうかはさておいて姉妹でずっと過ごしてきた空間を卑下するのは違うんじゃない?」
「何を言っているのかしら、マスター。
「そりゃ確かに欠陥住宅だな」
三姉妹の話に相づちを打ちつつ、今からどう逃げるかを考える。男殺しなんてそんな危険な…!ここは穏便に清姫で…!
(いやそもそも清姫もヤバいヤツだってことを忘れちゃいけないじゃん。こうやって数の質量で押されるかヤンデレとしての濃度で押されるかの違いだし…)
「ハーレムとかそんなこと言ってらんないしね」
「マスター?もしかして
「マスターの癖に生意気ね。そうね、逆に
ヤバい、聞き取られてたしメドゥーサが無言で鎖を出してきたしなんか怖い。
「失言だった。悪かったな、かわいいアイドルと一緒にいられたらちょっと気が大きくなっちゃった」
完全にヤンデレとは無縁の方向に褒めて気を紛らわせようか。実際に何か攻撃されるとこちらが不利すぎる。
「あら、そうなのね。やっちゃいなさい、ダメドゥーサ?」
「そうね。
「では、ごめんなさい…!」
謝るんなら最初から攻撃しないでくれ。
そう言葉を言う前にメドゥーサから距離を取る。アナのときの鎌はぜっったいに戦わないほうがいいってことは身に沁みてはないけど体感で理解している。
(絶対に傷が残るタイプじゃん…正妻戦争でヤバいヤツ多すぎないか?)
安定の絶対回避で避けて血風独楽で走り去る。セイバーに変化しながらならランサーの攻撃は有利で受けれるはずだ。
「それなら
「
放たれた矢にぴったり盾を合わせてガードする。充填したエネルギーをそのまま使って変形する。魅了はそのまま回避で受ける。
「ジャストガードだよっ!!」
一回だけでも魅了が効かないのは大きなプラス要素だ。これならこの神殿から抜け出せる。
(どうせ天空に呼んだってことは地面は脆いんだろ…!)
超高出力で地面ごとぶっ壊す。白い雲の中へと突っ込むことに躊躇はできない。
落下中にも攻撃できるサーヴァントは当然いる。特に今回のサーヴァントではメドゥーサ…まあ、セイバーがいい例だろう。
「今度こそ自由と永遠でいたいの。わかる?」
「わかってるから踏みにじるんだよ。悪かったな、色んな意味で…!」
スタンされないように目線を合わさずにブレイドダンスで宝具攻撃をいなす。武器を傷つけたらメドゥーサが悲しむからな。
…そこまでわかっていても、どれだけ自分自身が好きであっても決めることはできない。
「そう。本当に
「シンプルに見た目とか全部引っくるめて好きに決まってんだろ…!」
もともとそんなにやり込んでいなかったFGОに復帰したきっかけはこのメドゥーサである。単にかっこいいしかわいいしで一番使っていた。
だがその上でこの戦争では何も言えない。それこそが愛の証と言えばいいのか、それとも地獄をわかってこの悪夢を終わらせればよいのか。
「…ごめんな」
謝罪をするが容赦はできない。オーバーキル気味に昇竜撃で潰すと、勢いのままに落下する。
「……朝か」
餌をよこせと言わんばかりにカプカプと噛むガラちゃんを撫でつつ空を見やる。
少し雷鳴の轟いた音が姉妹の慟哭に聴こえてるのは─
─きっと、幻聴ではない。
清姫だと思ったらなぜかメドゥーサエンドになっちゃった。後悔はしていない。
セイバー→メドゥーサ
今回のいいところを持ってた作者の推し。グランドセイバーに来なかったのはランサーのほうで全部使いたいから。
正直ゴルゴーン三姉妹六人で一番シャトーの適性が低い気がする。推しキャラだからなおさら慎重に使いたいんだもん。…推しキャラ以外は雑に使ってるとかそういうことじゃないです。単にラストのシメに使うってなったら慎重にやりたくない?
アーチャー→エウリュアレ
原作では割とお世話になる人が多いと思う下姉様。本当はエウリュアレを主軸にしたかったけれどステンノ様とキャラが被るから断念。そもそもヤンデレに魅了を持たせるとワンパターンになりやすいよねって話。
でもなんだかんだ許せないのは一人称のややこしさ。許せん。
ランサー→メドゥーサ
弊カルデア内のランサーの最強格…というか他のランサーがいない。そんな理由でもヘクトールおじさんからキリシュタリアまでお世話になってます。汎用性としてはエウリュアレよりあると思ってました。
実はメドゥーサの中では一番最初に来てる。ライダーより速いのはなんでだ?
ライダー→メドゥーサ
バーサーカーに比べたらマシくらいの空気。可愛そうだけど作者としてはプロトタイプの扱いに困ってるからね、しょうがないね。
あと今回そんなに主張せずに姉様達に従ってないのは前回のハベにゃんの影響でそんなに病み度が高くなってないのもあって基本はサポートに回っていた。
アサシン→ステンノ
この前エウリュアレとステンノを並べて使ったら意味不明過ぎて困惑した。ボイスだけで見極めなきゃいけないの難しすぎる。あとやっぱり女神だからって可愛いのは反則だと思います。
ちなみに今回ステンノ様を使う予定はなかったけどこの前ひょっこり出てきた。まさか出てくるなんて思わない…思わなくない?
キャスター→ラウラ
蛇系のキャスターのサーヴァントがありとあらゆる面でメドゥーサと相性が悪いのでやむを得ずラウラを採用。ちなみにラミアみたいにしたりやけに絡みついたりしていたのは番に対する求愛行動とかなんとか。実の父に対してやってる辺りやっぱり頭おかしいと思いました。
バーサーカー→清姫
もはや言わずもがなヤンデレ正妻の代表。この正妻戦争におけるスーパーポジティブストーカーだが、今回は行動する前に神殿に拉致されたから近づけなかった。
そもそも清姫は原作のほうで優遇されている溶岩水泳部なんだから我慢してほしい。メドゥーサも大概な気もするけど。
エクストラクラス→ゴルゴーン
スト限の星4を許すな。そんな恨みがありつつも持っているからそんなに強く言えないゴルゴーンさんです。弊カルデアにおけるイドが速く終わったのはゴルゴーンがいたからこそ、みたいなところもある。
そんなゴルゴーンさんは今回は神殿を作ることで相当ぐったりしており、ラウラを案内したぐらいで限界でした。そもそもそうじゃなかったら人間が固有結界壊せるわけないだろいい加減にしろ。
ちなみにローマ要素は今回なかった。メドゥーサに合うの選ぶとこうなっちゃったからね…
次回は三日目なのに水着回です。配布とか使うのは毎日投稿するのでユルシテ…ユルシテ…