「…マスター?どうしてここにいるんだ?」
「ロンドンは来たくなかったんだけど…まぁいい、それならそれでやるだけだ」
不貞隠しの兜を被っているモーさんが目の前にいて、濃い魔霧の時点で確定した。ここはロンドン、よりにもよって高レア組がある程度揃っている最悪な特異点である。
「ジキルのやつが使ってたねぐらに移動しようぜ。誰がいるのか調べるなんてことは長ったらしくてやりたくない」
「…籠城でもするつもりか?」
「いいや、下準備だ。オレの魅力に痺れてもらうための、な?」
ヤンデレにそのセリフを至近距離で言われるの怖いんでやめてください。というか円卓組はなんでスバダリみたいに平然と歯の浮いたセリフ言えるんだよ!
「とはいえ鎖なんてつけないから安心してくれ。そもそもそんなことしちまったらいつ奪われるかでヒヤヒヤするしな」
「じゃあモーさんの後ろに見えるこれはなんだ?明らかに対策用のものにしか見えないんだけど?」
なんか、その…凄く反応に困る槍が後ろから出ていた。具体的には魔改造されているロンゴミニアド。誰のものなのかは明白だろう。
『ただの遠隔起動立体装置です。やはりこれくらいしないと捻りが足りませんもの』
(いやまあ確かにブリテンではあるからモーさん来てるんだけどさ…そっちの親が出てこないでいいだろ…)
なんでこんな危険になってるんですかね?しかも凄いグランドのときと同じ危機感をガンガン感じる。
「これは異聞帯の母上がつけたやつだ。色々と悩んだが、肉体と魂を折半することで折り合いはつけたから気にしなくていいぜ」
「なんでこうもモルガンのときは母娘そろってんだよ…まあいい、セイバーとしてお前のことを護衛してやるから安心しろ」
『私もついていますから安心してください。妻として娘と夫を完璧にエスコートしてみましょう』
「やめとけ」
普通ならここで手を取って相手の出方を観察したほうがいい…のだが今回は間違いなくヤンデレの正妻戦争において最強格の彼女が出ているだろう。キャスターも確定してるしタッグで来られることを踏まえれば逃げたほうがいいという結論に達するだろう。
(死んでもらったほうがいいのは事実ではあるけどな…囮にする前に死なれるとなれば他のサーヴァントとの戦闘で不利になるだろうし)
どれだけ頑張っても強化解除と女性特攻攻撃には耐えられないのだ。
というかあくまで俺の能力でも無理な可能性があるからヤバいんですよね()
「どう対策しろってんだよ…あ、ヤバそうだな」
念の為周囲の霧をラウンドフォースで晴らしてみたが、空に三日月が輝いているから夜であることが確定した。
てことは回避不可能じゃん。ゲイボルグと同じくらいの強さだから絶対に勝てないし。
「モーさん、令呪を
虎の子の令呪を切るとは思わなかったが、別に4日間くらいなら2画あれば事足りるだろう。
欲を言えばオベロンが補充してくれるかもしれないけど、それは流石にしないと思うからあくまで明日あったらいいくらいの感覚で行こう。
「任せろ、マスター!」
「
「はぁ!?」『はぁ!?』
絶対にこの場にいたら巻き込まれるだろうし、一度離れたほうがいい。その判断で退却させたけど、恐らく恨まれるだろう。
「来いよジャック、遊んでやる…!」
かなり面倒そうな相手だが、座標をずらすようにしていけば殺されはしないはず。そんな子供じみた技で宝具で対抗できるかは謎だけど。
「うぅん、
背中におんぶの格好で抱きついてきたジャックは刃物を持ってない。ナイフを隠していたりとかできないような肌面積の服を着ているし問題ないか。
「とりあえずおんぶでいいのか?別に他の乗り方がいいとかあるならそっちにするけど」
「ううん。ちゃんとぎゅっとできるからこっちがいい」
凄い首を絞めてくるけどジャックちゃんに喉を切り裂かれるよりましだから我慢しよう。そもそも推しとおままごとできるならご褒美だしいっか。
「…で、なんでこんなことしたの?」
「
「そうなんだけどさ…アサシンは一応悩んでいるから何とも言えないんだ」
グランドアサシンはジャックちゃんとほぼ同期のあのアサシンでどっこいどっこいだからな。
余程のことがない限りジャックちゃんで決まりなんだけど、一体どうしてそれを今確認しようとしたのか。
(どんなことが考えられるんだろう…う〜ん…そういや他のサーヴァントって…!)
「ちょっ、離れてくれよ…!」
「やーだー!まだ一緒がいい!」
ゴネるジャックちゃんでここに罠があるのは確定した。今から核となるだろう本を探すのは不可能に近いし、この世界ごとぶっ壊すか。
「ここは先輩の私に任せて!」
なんでそっちが先に来るんですかね?
凄い最初とのデジャヴを感じつつ、絶対回避で避ける。
瞬間、えげつない大きさの月が落ちてきた。
「ふふん、私も先輩としてやっと活躍できたね!聖杯を持っている君もそうだし、やっぱり私の運命の人だよね?」
「なんで聖杯を握ってんの?怖いよ?」
というかジャックがいなくなってるってことはちょうどスキルを発動させてなかったのか。
(ジャックって確か回避のスキルを持ってた筈じゃ…いや、とりあえずは目下の問題である先輩に対応しないとな)
さらっと聖杯を持たされたしなんかそれっぽい雰囲気になりそうな鍵も用意しているしなんか用意周到だな。
「ふっふっふー、これでもBBと一緒にいろいろと考えたんだ!ほら、これなんかは別のフィクションの世界から持ってきたもので、私と君の二人きりになれるラブホの鍵だよ!」
「へぇ…ってかおかしいもん多すぎない?凄い四次元ポケットか何かみたいになってるよ?」
今いるのは魔術協会の地下。本とか魔獣とかは一切出会っていなかったことを踏まえるとそういう系のアイテムも持っているらしい。
「それは魔除けの鈴だね。ほら、良い音色でしょ?」
「やめて、ちょっと聞くだけで逃げ出したくなるから」
どうやら魔のものを近づけないようにしているらしく、なぜかは知らないけど凄く嫌悪感が鈴の音ででてきてしまう。
(う〜ん…もしかして魔性かなんかでも特性に入ったのか?でもモンハンのハンターになっててもそんなことは起こり得ないからなあ…)
「ごめんごめん、少し意地悪しちゃったよね。それじゃオベロンさんからの伝言を伝えるね」
「…へえ、ブリテンダーとかじゃないんだ。もしかしたらジャンヌとかもあり得ると思ったんだけどな」
エクストラクラスからの情報ってだけで信じていいかどうかはまた別の話として、とにかく情報が手に入るのなら助かる。
「えっとね、あと3日間は耐えられればいいんだって。ほら、途中だからちょっと不安だったでしょ?」
「そりゃあこんな悪夢につっこまれたらな。というか正妻戦争の勝利条件ってなんなの?」
「それはね…うーんと、何とも言えないかな。キミの認識がかなり重要な悪夢とおんなじ感じだね」
「あぁ、メリュジーヌのときか」
いなかったのに出たあの悪夢も確かに俺の認識が重要だった。それならすぐに帰れるようにすればいいのに。
「それはね、どれにしても悪夢としての安全機能が働いてるって言えばいいのかな…悪夢で生きてる全員と出会わないと勝手に帰れないようになってるの。もちろん、一瞬で帰れたりとかもしないしタイムラグもある。ほら、光の粒子とか舞ってたてしょ?」
「…確かにな」
とはいえ、それも確かに考える余裕があるから理解できる。おおかた現実に干渉してこないようにするためだろう。
「だからといって私たちも困ってないわけじゃないんだからね。今回だって普通のサーヴァントとして生きたかったのにこうやっているしさー…もっとなんか別のときに出たかったよ…」
「まあ、出番あるだけましだろ。つーかここでどーたらこうたらやるよりロンドンの街のほうがよかったんじゃないか?」
「それだとバーサーカーのモルガンとかに補足されそうな気がしたからね。今回も今回で結構すごい人が多いし…やっぱりもう少しムードのある場所がよかったけど仕方ないか」
「待て?」
なんかさらっと体を近づけられてるし押し倒されそうだし。誰だよこんな場所にいるのに安全だって判断したの。俺だわ。
「ヤンデレになってるのは私もそうだからね。ほら、図書室ならこうやって休めるでしょ?」
「その休むだと意味が違うよ?というかその鍵って意味あるの?」
「そんなのあるに決まってるじゃん。誰も来てないよ?」
確かに誰も来てないけどさ、違うじゃん。そのために使えるとしたらそれはご都合主義が過ぎるだろうに。
「図書室とか隠れてそういうことするのには絶好の場所じゃない?」
「それはせめて学校でやることなんだよ…頼むから大人しくここから出させてくれ」
「無理だよ。サーヴァントになった私の力をとくと見て!」
いつの間にか手に持っていた鉄球をぶん投げられてしまえばほぼ避けることはできない。至近距離だから絶対回避で避けても次はない。
ゴトン。
「………あの、さ」
「うん。せめてこの空間でここまで準備してこうやって投げてチェックメイトだってイキってそのまま後輩を襲おうとするんだったら自分の投擲力くらいは把握しておくべきじゃない?」
せめて砲弾を転がさないようにしてくれよ、なんでこのタイミングでこうやって避けられちゃうの色んな意味で台無しだよ。
「シリアスを返せ…!?」
後ろから再度殴られる鈍い音が鳴るのと同時に視界が暗転する。
シリアス、やっぱお前帰れ。
「ふふ、大丈夫ですかマスター?やはり風紀委員たるもの、こうやって倒れてしまった生徒を看病するのも大切ですよね」
「いや、間違いなく直撃は避けたから無事のはずなんだけど…」
しかしなぜか頼光ママの言うことを信じてしまいそうになる。流石にありえないと自分自身でわかってるのに…あ、これが魅了か。確かに若干の違和感を感じるな。
「折角ですので外を少し探索しましょうか。マスターのことを探していた不埒な教師といき遅れた女狩人はもう殺しているのでご安心を」
「可哀想なやつもいたもんだなぁ…余りにも理不尽な理由で殺されてんなぁ…」
いや、確かに聖杯戦争としては正しい形ではあるんだけどさ。それでもなんか相性差を覆しているのはなんでさ。
(つーか普通に他は誰だ?恐らくライダーとアーチャーはランサーこと頼光ママに殺されてるし、セイバーとバーサーカーはモーさんとモルガンで埋まってる。アサシンとキャスターは出たし、エクストラクラスは先輩…本当に誰だよ)
わからないものはしょうがないので探索しよう。もしかしたらフランちゃんがいるのかもしれない。
【いずれ名がつく伝承よ─】
だからなのか、これには気づけなかった。明らかに暗くなってきた街灯に。
【愚かで無垢な、彼らの呪いか─】
どんな言葉なのか、理解できたはずなのに。この場所であるなら結びつけられたはずなのに。
【それとも単なる婦女の嫉妬か?】
体では理解したくなかった。一度彼女が死んだ時点で警戒は捨ててしまっていた。
【どちらにしても解決不能、宮に入りし幼き呪い─】
彼女の紅い目がこちらへと近づいてくる。宝具として警戒するべき因果の逆転が少女という形をとって迫りくる。
【我らは既に捨て子に非ず、故にて微睡む血の殺戮─】
【
最後のところだけをやりたかった。だから自分でも少々雑と想いながらもつっこんだんですよね。
セイバー→モードレッド
安定と信頼のサーヴァント。山本がいればこいつ一人で足りる。しかし残念ながらいないのでモードレッドはロンドンで最初で会うサーヴァントとして決定した。
ちなみに確認したらこの時にモードレッドは女性だってわかってた。なんでこいつ二年間放置してたんだ?
アーチャー→アタランテ
モーさんもいるしジャックちゃんもいるしでアタランテを選出確定してました。ちなみに本来だったら頼光ママの乱入するところはアタランテにやってもらう予定だったのだけれど、頼光ママが滑り込みで出てきたのでこれなかった。
子供を思うことは風紀委員との戦いに敗れたのだ。
ランサー→源頼光
本当に滑り込みでやってきたランサー。エルキドゥを狙ってたのに来なかったけど風紀委員と子供と金時との関係性とかいう盛り込みやすそうな要素しかないので採用された。もしここで出せなかったらイドで出そうとしてた。
ライダー→ブーディカ
なんかこの小説内では影薄くてごめんね。エウロペと悩んだ結果、頼光ママにすぐに倒されてもおかしくないとの理由で選出された可哀想なキャラ。今年の水着サーヴァントに選ばれてほしいと切に願う今日この頃ですな。
ちなみに流石に扱いが雑なのでグランドライダーで活躍してもらおいます、よかったね。
キャスター→ナーサリー・ライム
残念だったな、ナーサリーは本の姿でもゴスロリ姿でもなく偽装としてやってきたんだ。最初にアサシンを消化としたと思っていた俺の姿はお笑い者だったぜ!
なお今回のナーサリー・ライムが化けていた理由としてはジャックちゃんが一番今回のサーヴァントではブラフが使いやすいからです。少しくらいなら宝具の演出を自分で作れるナーサリーちゃんならではの行動でした。
バーサーカー→モルガン
出番が少なさすぎて申し訳ないと思う反面、散々今まで暴れてたんだからいいだろとめ思う自分がいる。モルガンさんがモーさんと別行動を取っていたのは、慣れない洗脳魔法陣を作成しようとしていたから。
ちなみに全部ムーンキャンサーにふっ飛ばされた。ガッツを使わないのが悪いと思います。
エクストラクラス→岸波白野
もはやどこにでも使えるパイセン、異論は認めよう。でも多分どこからでも絡んでいける先輩ポジはお前だけだ。
ちなみに鉄球はダンガンロンパのパロディ。本家では図書室の上から落ちてくるけど、今回は折角なので目の前てぶん投げてもらいました。なお当然風紀委員から刺されている辺りちょっと危機感は足りてない。
アサシン→ジャック・ザ・リッパー(グランド)
もはや作者の悪ふざけ、というか大暴走するって書いた理由はこちら。推しキャラなのでトップクラスに強いことやりたいなーでもヤンデレにするんだったらそのままでやっちゃうと芸として少ないかなーなんて考えていたのでグランド化。まだまだ先だけどしょうがないんだなも。
グランド宝具名についてはいいのが思いつかなかったので原初の母であるティアマトをつっこんで解体の漢字を弄った。やはりグランドサーヴァントならこれくらいしないと不公平じゃない…?
次回→今回よりはまし、ただしもっと工夫したほうがよかった感が否めない