ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした   作:犬型大

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お泊まり会3

「悪かったな、買い物付き合わせて」

 

「いいって、泊まるのに必要なもんだろ?」

 

 駅で合流してすぐに家ではなかった。

 ちゃんと準備していたつもりでも意外と見落としがあって必要なものがいくつかあった。

 

 なので駅から家までの途中にあるスーパーに寄って買い物をして、それから家に向かったのである。

 

「ただいま、母さん」

 

「ただいまなのだぁ〜」

 

「あら、おかえり」

 

「お邪魔しまーす」

 

「いらっしゃい」

 

 家に帰るとゆかりが出迎えてくれる。

 ミズキたちトモナリの友達を見てゆかりが嬉しそうな顔をする。

 

 嘘だと疑っていたわけではないがトモナリが本当に友達を連れてきて安心と嬉しさがあった。

 

「みんな礼儀正しくて良い子そうじゃない」

 

 流石に高校生なのでしっかりとしている。

 泊まるわけでもあるしゆかりにちゃんと挨拶するのは当然である。

 

「これ、お世話になるので」

 

「あら、別によかったのに」

 

 コウが手土産をゆかりに渡す。

 

「用意がいいな」

 

「姉さんが持ってけって」

 

 “アイゼンさんのお宅にお世話になる? なら絶対持っていきなさい”

 そんなことを言われてコウは手土産を持参していた。

 

 高校生にしちゃ出来すぎた心遣いだと思っていたが秘書を務めるようなミクのアドバイスがあったなら納得である。

 

「へぇ、綺麗にしてんじゃん」

 

 男子勢はトモナリの部屋に案内する。

 狭い部屋だと思ったことは一度たりともないけれど高校生四人も集まれば流石に手狭にも感じる。

 

「おい、何してんだ?」

 

「いや、秘蔵の本でもないかなって思って」

 

「あるわけねーだろ」

 

 部屋の隅に荷物を置いたユウトが本棚の本の後ろを覗き込んでいた。

 もちろんそんなところに秘密のものを隠すはずがないし秘蔵の本なんてものはない。

 

「こういうのはベッド下だって聞いたこともあるよ」

 

 コウがドヤ顔で知識を披露する。

 

「そこにもないよ。というかそこにもじゃなくてないよ」

 

「つまんねーなぁー」

 

「家から追い出すぞ、お前」

 

「んだよ、こういうの定番だろ?」

 

「今時エロ本隠してるやつなんかいないって」

 

「なになに、トモナリ君エロ本隠してるの?」

 

「違うって!」

 

 別の部屋に荷物を置いてミズキとサーシャもトモナリの部屋にやってきた。

 二人増えるともう部屋は結構狭い。

 

「よいしょっと」

 

 ミズキは遠慮もなくトモナリのベッドに腰掛ける。

 

「んーもう布団敷いちまおうぜ」

 

「……そうだな」

 

 夜までまだ時間はある。

 みんなでだべりながら過ごそうと思っていたけれどベッドにみんな腰掛けることはできない。

 

 リビングはキッチンと繋がっていてゆかりがせっせと夜ご飯の準備をしている。

 邪魔もできない。

 

 そうなると床に座ることになるのだけど直に床に座るなら布団でも敷いてしまおうとユウトが提案した。

 どうせ寝る時には布団を敷くことになる。

 

 今から敷いていても問題はない。

 トモナリの部屋に泊まる三人分部屋いっぱいに布団を敷く。

 

 レンタルしてきたお布団はふかふかとして結構良いものであった。

 

「そう言えば一つ聞きたいんだけど」

 

「なんだ?」

 

 布団にかからない部屋の隅にテーブルを置いてそこにコップやら飲み物やらを用意した。

 スーパーで必要なもの以外にも色々と買い込んできていた。

 

「試練ゲート攻略したじゃない?」

 

「ああ、そうだな」

 

「能力値倍になってたけど出てみたら思ってたより能力値高かったんだよね」

 

 No.10をクリアしてトモナリたちはレベルが15にもなっていた。

 レベル9で試練ゲートに入ったわけだからかなりレベルとしては伸びた。

 

 同じ学年の子達と比べても高くなった。

 そしてゲートにいた時は能力値が倍になっていたから分かりにくかったけれど、ゲートを出て落ち着いて能力値を見たミズキは違和感に気づいた。

 

 自分の能力値が想像よりも高かったのである。

 上がったレベルから考えた時の能力値とズレがある。

 

 上振れすることはあるけれどもそれでもだいぶ違っていた。

 

「それはな、あのゲートで能力値倍の恩恵を受けている時にレベルアップすると倍の能力値がアップするんだ。それはゲートを出ても消えないんだ」

 

 オークと連戦だったためにレベルアップのたびに能力値を確認したりしなかった。

 細かく確認していると能力値が倍伸びていることや倍になった上で恩恵でさらに倍の能力値になっていることにも気づいただろう。

 

 結局ゲート攻略中はあまり確認をせず、ゲート攻略後は終末教のせいで慌ただしくなってしまった。

 

「だから一回のレベルアップでも能力値がいつもの倍伸びてたんだ」

 

「そうだったんだ」

 

「えっ、そうなのか!?」

 

 ユウトが慌てて自分のステータスを確認する。

 

「あっ、ホントだ!」

 

 ようやく自分の能力値が高めに伸びていることにユウトも気がついた。

 

「コウやサーシャは気づいてたようだな?」

 

「そうじゃないかなって思ってたよ」

 

「ミズキと同じく疑問だった」

 

 コウは能力値を見てゲートの恩恵でレベルアップで倍伸びていることに気づいていた。

 二階でもわざわざオークを倒して回ろうとトモナリが言っていたことも併せてレベルアップを狙っていたのだなと理解していた。

 

 一方で何も言わなかったサーシャの方は疑問には思っていたけれど、トモナリが何かしたのだろうとすんなりと受け入れていた。

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