ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした   作:犬型大

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二つ目のスキル12

「とりあえず……」

 

 ヒカリにしがみつかれたままトモナリは体を動かしてみる。

 かなり調子がいい。

 

「ただルビウス無くなっちゃったな」

 

『妾ならおるぞ?』

 

「剣の方だよ」

 

 今のところ体にデメリットはない。

 けれど一つだけ厄介なことがある。

 

 それは剣のルビウスが手元になくなってしまうことであった。

 体に鱗が生えているので防御面ではいくらか強化されているけれど、やはり武器があるのとないのでは大きな差がある。

 

『そんなものなくとも……今なら妾のブレスも使えるじゃろう』

 

「ブレスだと?」

 

『そうだ。意識してみよ』

 

「ブレス……」

 

 トモナリは目を閉じて集中する。

 

「むっ! ヤナギ、クロハ、防御を展開しろ!」

 

「はい!」

 

「ん」

 

 トモナリの中の魔力が大きくなったのをマサヨシは感じ取った。

 フウカとテルがトモナリの前に飛び出す。

 

 テルが絶対防御を発動させ、その後ろでフウカが闇を広げる。

 

「はああっ!」

 

 トモナリがイメージしたのは回帰前に見たヒカリのブレス。

 口を大きく開けたトモナリからブレスが放たれる。

 

「むひょーーーー!」

 

 ブレスを放つトモナリにヒカリの興奮は再びマックスになる。

 トモナリのブレスがテルに当たり、さらに拡散したブレスがフウカの闇が受け止める。

 

 感じられる魔力だけでなく、フウカが珍しく苦しいような顔をしていてトモナリのブレスの破壊力の高さがみんなにも分かった。

 

「はぁ……はぁ……あれっ……」

 

 ブレスを放ったトモナリは急なめまいにふらついた。

 ドラゴンズコネクトが解除されてルビウスが地面に落ちる。

 

「魔力が無くなった」

 

 たった一回のブレスでトモナリが持っていた魔力が全て消費されてしまった。

 あまり何も考えずに放ったブレスに全て持って行かれたのだ。

 

「最後の切り札、もしくは加減覚えないとな……」

 

 魔法とはまた違う高威力の攻撃ではあったけれどここまで魔力を使ってしまうのなら連発はできない。

 ブレスを使ってもいいように加減できるようにするか、ブレスで戦いを終わらせるしかない。

 

「ヒ、ヒカリ?」

 

「トモナリ、カッコよかったのだぁ〜!」

 

 大興奮のヒカリがトモナリの顔面に抱きつく。

 

「アイゼン」

 

「学長? あれ、先輩たちも何でそんなところに……」

 

 マサヨシに声をかけられたトモナリは顔からヒカリを引き剥がす。

 そこでようやくテルとフウカがトモナリの前に出ていたことに気がついた。

 

 二人とも肩で息をしている。

 

「今やったそれは使うべきところを見極めなければな。下手すると壁や天井が吹き飛ぶところだった」

 

「あっ……」

 

 どうしてテルとフウカがいるのかトモナリはようやく理解した。

 

「初めてで加減が分からなくて……」

 

 想像していたものよりもはるかに威力が高かった。

 テルとフウカがいなければ建物に大穴が空いていたところであった。

 

「すごい威力だったね。絶対防御がそのまま押し切られるところだったよ……」

 

 相手の攻撃を返す絶対防御だが絶対的なスキルでもない。

 全ての威力を返せるわけではなく、防御そのものも名前通りの絶対ではないのだ。

 

 トモナリのブレスを押し返していたけれどもあまりにも威力が高すぎて絶対防御の限界を超えかけていた。

 トモナリの魔力がもっと高ければ絶対防御を貫いていたかもしれないとテルは冷や汗を浮かべる。

 

「うん、すごかった」

 

 冷静に見えるフウカも額に汗を浮かべていた。

 絶対防御によって散らされたブレスを受け止めていたのだがそれだけでもすごい力であったのだ。

 

「まあ、魔石のおかげかいいスキルを手に入れたようだな」

 

「そうですね。使い所を考えればかなり強力なスキルだと思います」

 

 トモナリはニヤリと笑った。

 魔石やモンスターの死体を捧げたおかげなのかは分からないが、強いスキルを手に入れたことは間違いない。

 

「もう一度あの姿が見たいのだ〜」

 

「また今度な」

 

 剣が無くなることとヒカリが大興奮することが今の所のデメリットだなと思いながらも、ドラゴンズコネクトのメリットの方が多そうだ。

 どんなスキルなのかはこれからもうちょっと要研究であるとトモナリは思ったのだった。

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