ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした   作:犬型大

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恐竜も竜だろうか4

「向こうも到着しているようだな」

 

 二階に繋がる大きな扉の前にシノハラたちの部隊がすでに到着していた。

 合流してお互いの様子を軽く確認する。

 

 お互いに怪我人もなく疲労も大きくない。

 

「どうだい? 何か見えたかい?」

 

 イヌサワがこそっとトモナリに声をかける。

 何か見えたかとは未来予知の話だ。

 

 中に入ればまた何か見えるかもしれないと言ってあるので未来予知で何か分かったことがあるのかと聞いているのだ。

 

「やっぱり何か起こるなら三階ですかね」

 

「それは未来予知かい?」

 

「そんなようなものです」

 

 トモナリは回帰前の知識を未来予知として活用している。

 このゲートにおいて起こる出来事については回帰前に事故としてニュースにも取り上げられたものである。

 

 当初ただゲート事故が発生したとしか伝えられなかったのであるが、隠しきれない大きな出来事があってゲート事故の詳細にも目が向けられた。

 それはイヌサワの引退である。

 

 大怪我を負ったイヌサワはゲート事故の後に引退することになったのだ。

 どんなゲートで何が起きたのか、人々の関心が高まるのは当然だった。

 

 ゲートについての情報が出てきたのはイヌサワが引退した後しばらく経ってからだったので、トモナリもこんな早い時期に例のゲートが出現すると思わなかった。

 ただ少しだけ期待して五十嵐ギルドを選んだことは間違いない。

 

 一階から三階まで普通のゲートであることはトモナリも知っている。

 このまま進んでもゲート事故は発生しない。

 

「何か分かったらすぐに教えてくれ。みんなで、無事に帰るんだ」

 

「もちろんです」

 

 軽く水分補給なんかをしてすぐに二階に挑むことになった。

 二階への扉に近づくと扉がゆっくりと開いた。

 

 ゲートと同じく青い魔力が扉の向こうに渦巻いている。

 最初と同じくイガラシたち数名が中の様子を確かめるために先に入る。

 

「大丈夫だ」

 

 少し経ってイガラシが戻ってくる。

 ゲート周りの安全を確認したのでみんなも二階に向かう。

 

『二階

 攻略条件:研究所を見つけろ』

 

「珍しい条件だな……」

 

 二階に上がると二階の攻略条件が表示された。

 何かのモンスターを倒すということがほとんどの中でモンスターを倒すこと以外を目的とした条件が出てくることは珍しいといえる。

 

 攻略条件なんて細かいところまで覚えていなかったのでこんな条件が現れたのかと普通に驚いてしまう。

 

「しかも研究所……か」

 

 一階の感じでは特に何かの文明を感じるものはなかったのだが、研究所なんて響きは誰が聞いても人が作ったものであり人工的な響きだと感じた。

 時にゲートの世界は何かの文明を感じさせることがある。

 

 建物があったり整備された道のようなものがあったりすることもある。

 モンスターとして人だったかもしれないスケルトンなどのアンデッドが現れたりすることもあって、異世界の生活を感じさせるゲートもたまには現れたりするのだ。

 

 だが研究所なんて人の気配が強すぎる。

 

「周りの環境としては見つけやすそうだけどね」

 

 イヌサワが周りを見る。

 一階は草原だった。

 

 時々木立があるぐらいで草の背は低くて見晴らしが良かった。

 二階も見晴らしが良い。

 

 草が減って荒野に近い感じになっている。

 木立すらパッと見た感じにはないけれど、やや地形的な起伏はあるのでその点では多少の見にくさはあるかもしれないというぐらいである。

 

 イガラシは再び部隊を二つに分けると研究所の捜索を始める。

 時折ミニサウルスが出てくる他は問題もない。

 

「こちらに何かあります!」

 

 捜索していると地面に金属の扉のようなものを見つけた。

 

「これが研究所だろうか。ふっ!」

 

 イガラシが扉に手をかけて開けようとする。

 

「ぐっ……ダメだ。開かない」

 

 扉はびくともしない。

 軽く剣で切りつけてみたりもしたが分厚い金属の扉の表面に浅い傷がつくだけだった。

 

「ハズレかもしれないな。この場所は覚えておいて付近を捜索しよう」

 

 ここに扉があるということは研究所が近いことは間違いない。

 ならば他の出入り口も近くにある可能性が高い。

 

 開けられたり、開いている扉があるかもしれない。

 イガラシはもう少し周辺を探してみることにした。

 

「ここにも何かあります!」

 

「どれどれ……これも開かなそうだな」

 

 近くで同じような扉を見つけた。

 けれどもピッタリと閉じていて力尽くで開けるのは難しそうであった。

 

「次を探そう」

 

 二つも扉があったのだからこの辺りで間違いなだろうと捜索範囲を広げる。

 

「なんだがSFチックだね」

 

 地面に埋め込まれた扉、研究所、やや荒廃した大地に、人のいない土地。

 何かの小説のようだとイヌサワは感じた。

 

 内容的にはホラー寄りかな、なんて考えながら小説ならどうなるだろうかと先を予想してみる。

 

「なんだか向こうにやたらとミニサウルスがいるな」

 

 地面が少し隆起して高くなっているところから周りを見回していたイガラシが離れたところにミニサウルスの群れがいるのを見つけた。

 これまでもミニサウルスは何体かの群れで行動していたので群れていてもおかしいことはない。

 

 けれどもこれまでみた群れよりも数が多いのである。

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