ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした   作:犬型大

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ドラゴンナイト2

『交感力

 EXスキル

 モンスターと心を通わせることができるようになるスキル。知能と意思を持ったモンスターの言葉が理解できるようになる。モンスターから僅かに好感を得られ、親密になりやすくなる』

 

 やはりこのスキルのおかげであの時ヒカリの言葉が分かるようになったのかとトモナリは思った。

 モンスターの言葉が理解できるなんてかなり特殊で不思議なスキルである。

 

 ただ戦いに活かせるかと考えてみてもあまり活きそうなスキルではない。

 

「もう一つは……」

 

 問題はもう一つのスキルの方である。

 交感力の方はトモナリの記憶にもある普通のスキルスロットのところに入っている。

 

 一方でもう一つのスキルは通常のスキルスロットの上にある。

 スキルの置いてある位置としても見たことがない。

 

「いや……」

 

 こんなものあるのかと思ったけれどふとある人のステータス画面を見せてもらった時のことを思い出した。

 特殊な職業の持ち主で職業独自のスキルを持つ人だった。

 

 その人も確か通常のスキルスロットの上に特殊なスキルが置かれていた。

 

「つまりこれは職業に由来する特殊スキルということなのか?」

 

 トモナリはスキルに触れて説明を確認してみる。

 

『魂の契約 (ドラゴン)

 モンスターと魂の契約を結ぶことができる。魂の契約を結んだ相手とは相互作用が得られ、成長によって互いに強くなることができる。その代わり魂で繋がっているので片方のダメージが伝わるなどのデメリットがある。

 このスキルの対象はドラゴンのみになります』

 

「なるほどな」

 

 何をもってドラゴンナイトなどというのかトモナリは理解した。

 つまりはドラゴンと契約できる能力を持った職業なのである。

 

「どうした?」

 

 契約の相手は言うまでもないだろう。

 トモナリの視線を感じてヒカリはシッポを振りながらニヘラと笑う。

 

「どうやら俺のスキルでお前と魂の契約をできるようなんだ」

 

「魂の契約? なんだそれ?」

 

「分からん。それをしたらどうなるのか俺にも分からない。でもきっと契約すると俺とお前は本当にパートナーになるんだ」

 

「パートナー? それは友達よりすごい?」

 

「……そうだな。きっと命を共にするような関係になる。嫌なら……」

 

「なる! 僕はトモナリのパートナーになる!」

 

 初めてできた友達。

 そんな友達の、友達よりもすごいパートナーになれる。

 

 嫌なんてことはない。

 むしろ他のやつがトモナリのパートナーになる方が嫌だとヒカリは思う。

 

「分かったから離れろ」

 

 ヒカリはトモナリの頭にしがみつき、頭を引っ付けて目を覗き込んでいる。

 聞くまでもなかったなとトモナリはヒカリを引き剥がす。

 

「じゃあ今一度聞く。俺と魂の契約をしてくれるか?」

 

「うん! トモナリ、僕は君のパートナーになるよ」

 

 トモナリが問いかけてヒカリが答えた瞬間、道場の中に強い風が巻き起こった。

 トモナリとヒカリの体が淡く光って、それぞれの胸から光が伸びていく。

 

 そしてトモナリから伸びた光とヒカリから伸びた光が絡み合って一つになっていく。

 

「トモナリは言ってくれた。生きてる限り友達だって。僕も生きている限りトモナリと友達だ」

 

「……ありがとな、ヒカリ」

 

 ヒカリに友達いないんじゃないかと思ったけど、トモナリだって友達が多い方じゃない。

 こんな風に言ってくれる相手なんて回帰前にはいなかった。

 

「今から俺たちは魂で繋がった関係だ」

 

 繋がった光が一層強く輝いてトモナリとヒカリは目を閉じた。

 再び目を開けた時二人を包み込んで、繋がっていた光は消えていた。

 

 ただ目には見えなくとも繋がっている。

 そんな気がしてトモナリとヒカリは目を合わせて笑顔を浮かべた。

 

「なんじゃ! 何をした!」

 

「……えっ?」

 

 テッサイが道場の中に入ってきた。

 何を言っているのかとトモナリが周りを見回すと壁にかかっていた木刀や竹刀なんかが落ちていた。

 

 最初に発生した風によって壁から落ちてしまっていたようだった。

 

「ほれ、戻せ」

 

「はーい……ヒカリもやるぞ」

 

「ほいほい」

 

 トモナリとヒカリは落ちた木刀を拾って壁にかける。

 

「どこかでゲートが発生したらしい。そのせいで学校も午前中で終わりのようで孫娘が帰ってくる。ヒカリがいるからバレんようにここに昼もってきちゃる」

 

「分かりました」

 

 一緒に食べろなんて言われたらどうしようと思ったけれどテッサイはそこら辺ちゃんと配慮してくれた。

 

「もう少し待っておれ。今折りたたみの机も持ってくる」

 

「あっ、自分で運びますよ」

 

「おう、そうか。こっちだ」

 

「ぼ、く、は〜トモナリの〜パァ〜トナ〜」

 

 ご機嫌なヒカリを連れてトモナリは道場の裏にある蔵から折りたたみテーブルを道場まで運んでくることになった。

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