ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした   作:犬型大

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終末を夢見る者6

「‘なんだと……あれを倒しただと?’」

 

 ジョンの顔にも驚きが広がっている。

 

「‘確かに油断するなとは言われていたが……まさかこれほどとはな。チッ……他のナンバーズも連れてきてはいないしな。名前に数字が入っているからナンバーズにしてやろうと思ったのに、使えないやつめ’」

 

 ジョンは盛大に舌打ちする。

 いまだに状況は終末教に有利である。

 

 しかし有利にも関わらず押し切れていない状況に苛立ちを覚える。

 ブラジルの覚醒者を一人倒して、そこから崩れると思ったらアメリカが上手くフォローしてどうにか持ち直してしまった。

 

「‘それに明らかに少なすぎる……’」

 

 ジョンは戦うトモナリたちを見て少ないと思っていた。

 ゲートに入った正確な人数は把握していないが、各国が連れてきている人の数から考えた時にこれが全てではないはずだ。

 

 トモナリたちが来て、後から他の者も送られてきたことから参加した覚醒者を分けて攻略していることは予想できる。

 人数からするとまだ他にもいるはずなのに、いつまで経っても他が送られてこない。

 

「‘俺は撤退する’」

 

「‘ジョ、ジョン様!?’」

 

 有利なのに大きな違和感が拭えない。

 これをジョンは危険だと判断した。

 

「‘ご命令が……’」

 

「‘うるさい。お前は死ねと命令されたら死ぬのか?’」

 

「‘そんなことはありませんが……’」

 

「‘俺は危険だと判断したらたとえ命令があっても逃げる。命あるから命令にも従えるんだよ。この状況……何かが’」

 

 おかしい。

 そう口にしようとした瞬間、封鎖していた工場の入り口で大きな爆発が起きた。

 

「‘チッ……やはりか’」

 

「‘ジョン様! ……ジョン様?’」

 

「‘お前が戦え。俺に命を捨てさせようとするな’」

 

 逃げようとするジョンを引き止める終末教の胸に剣が突き刺さった。

 冷たい目をしたジョンが抜いた剣を突き刺していたのである。

 

 ジョンが胸から剣を抜いて、血を振り払う。

 胸を刺された終末教は一度倒れ、すぐに起き上がった。

 

 しかしその目にはもはや生気はなく、うつろに視線をさまよわせている。

 

「‘少しでも時間を稼いでこい。俺の命のためにな。正しい終末を迎えるためには生きていなきゃいけないからな’」

 

 ジョンの命令を受けて終末教はトモナリたちの方に向かう。

 

「‘みんな無事か!’」

 

「あれはルドンさんか」

 

 工場に飛び込んできたのはトーマス・ルドンであった。

 ルドンが魔法を放つ。

 

 魔力の玉が弾丸のように打ち出され、終末教たちはなすすべもなく倒れていく。

 

「……助かったな」

 

 続々と教員たちが工場に入ってくる。

 あっという間に終末教が制圧されていく。

 

「‘終末教には操られた死体が混じっています! 普通の人とは違うので気をつけてください!’」

 

 心配はいらないだろうが注意を促しておく。

 

「うっ……」

 

 助けが来てトモナリも気が緩んでしまった。

 ドラゴンズコネクトが解除されて、胸から飛び出したルビウスが床に落ちる。

 

「トモナリ君!」

 

「マコト?」

 

「助け、呼んできたよ!」

 

 ふらついたトモナリを支えたのはマコトであった。

 隙をついて工場からマコトは抜け出した。

 

 どこにいけばいいのか分からなかったが、近くに道路があったので道なりに移動したら電波が入ってきた。

 そこからイリヤマに連絡して助けを呼んだのである。

 

「ああ、助かったよ」

 

 正直ギリギリのところだった。

 あと少し助けが来るのが遅ければトモナリたちは全滅していたか、あるいは生きるために終末教に下っていたかもしれない。

 

「他のみんなは?」

 

「途中でゲートに何かされてることに気づいたらしいんだ。だから無事だよ」

 

 どうやったのかは謎であるが、ゲートから出た瞬間に他の場所に飛ばされるように魔法が仕込まれていた。

 途中でそれに気づいた人がいて、魔法は破壊された。

 

 トモナリたち二グループよりも後に出てきたグループは無事にゲートを出られたのだ。

 

「大丈夫か、トモナリ?」

 

「ヒカリもよく戦ってくれたな」

 

 厳しい戦いだった。

 ジョンの能力も回帰前の時点よりも未熟なようだったので助かった。

 

「マジであいつら……何なんだよ」

 

 正しい終末が何なのかいまだに分からない。

 別に勝手に言っている分にはいいのだが、こんな風に手を出してくるのは非常に厄介だ。

 

「それにやっぱり、もう一本ぐらいちゃんとした武器が必要だな」

 

 いつまでもドラゴンズコネクトで戦う時に武器を持つ相手を避けてはいられない。

 ルビウスを身に宿した時にも使えるような武器が必要だとトモナリは改めて思ったのだった。

 

ーーー

後書き

先読みの方では第四章完結しました!

よければギフト投げて読んでね!

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