ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした   作:犬型大

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素材集め1

「ちょっとずるくなーい?」

 

「あれは個人的な備えだからな」

 

 インベントリは便利。

 しかも今回の人生で得られたインベントリは、なぜか回帰前のものよりもはるかに大きい。

 

 無限ではないのだろうけど、乱雑にものを入れてもいっぱいにならない。

 回帰前は過酷な環境だったのでどんなところでも寝られるような自信はある。

 

 しかしやはり寝具があって快適に寝られるのならいうことなどない。

 テントの中でトモナリは自分で持ってきた布団で寝ていた。

 

 ミズキはずるいというけれど、個人で用意したものなのでずるいとなんて言われても困ってしまう。

 体調管理も能力のうち、なんていう人もいる。

 

 インベントリに余裕があるならこうしたものを持ってくるのも一つの考えなのだ。

 

「んー、今度から僕もそうしよう」

 

 コウは体を伸ばす。

 流石にベッドまでとは行かないが、枕と布団ぐらいあってもいいかもしれない。

 

「片付ける時に枕を布団の中に入れて巻くようにすると一アイテムとみなしてもらえていいぞ。さらに容量の余裕があるならダブルサイズの布団とかでシングルサイズのマットレスを包むとそれも一つ扱いとかな」

 

「へぇ」

 

 インベントリの判定は意外と緩い。

 一袋にまとめてしまえば、中に何が入っていようと袋を一つとしてインベントリに納めることができる。

 

 寝具も布団、マットレス、枕なんて別々に持ち込んでもいいのだが、インベントリに収納する時にまとめると一つにできるのだ。

 

「それじゃあそろそろゲート攻略も行きますか」

 

 軽く朝食を食べ、すぐに動けるように体を動かしておいた。

 トモナリたちはゲートの前に移動する。

 

 日が昇ってきていて上から斜めに光が差し込み、ゲートの周りは幻想的にも思える光景が広がっている。

 モンスターひしめくゲートがその真ん中にあることを忘れれば、ただ綺麗だと思えたのに。

 

 だがトモナリたちはこれからゲートに挑まねばならない。

 幻想的な光景に心奪われている場合ではない。

 

「ルビウス」

 

「ふむ、やはり出てくるのは気持ちがええのぅ」

 

 トモナリはルビウスを呼び出す。

 赤いミニドラゴン姿のルビウスは両手をあげて体を伸ばす。

 

「頼むぞ」

 

「まかせよ」

 

 ルビウスを呼び出したのには理由がある。

 

「そんな能力もあるのは便利だな」

 

 ルビウスはゲート中に入っていった。

 ゲートは不用心に入ってはいけない。

 

 入ってすぐにモンスターが待ち受けていることはまずないが、時折人が入るのには過酷な環境のゲートなこともある。

 何も知らずに飛び込めば怪我をしたり、帰ることが難しかったり、時には死んでしまうこともある。

 

 今回すでに攻略した人がいるので中のことは分かっているけれど、何が起こるか分からないのがゲートである。

 基本に則ってゲートの中を確かめてから入るのもとても大事だ。

 

 今の時代ドローンを使うなんて方法もあるが、ドローンもタダじゃない。

 実はアカデミーでも貸し出していたりするのだけど、意思疎通の取れる存在が見てくれた方が安心である。

 

 ルビウスなら戦えるし、逃げられる。

 召喚して実体はあるものの、倒されれば召喚が解除されるだけなので死ぬ不安もない。

 

「ルビちゃんも可愛いよね」

 

「ん、ツンデレなところもいい」

 

 ルビウスの見た目はヒカリとも大きく変わりがない。

 見た目上の可愛さは他のみんなも認めるところであるのだけど、可愛いもの扱いされるとルビウスは怒るのだ。

 

 だがいつの間にかルビウスもルビちゃんなどと呼ばれて可愛がられる対象になっていた。

 

「大丈夫そうだぞ」

 

 ニュッとゲートから顔だけ出してルビウスが戻ってくる。

 たとえ知ってるゲートだろうと油断しないというのは大事である。

 

「私ももう少しレベルが低かったらな……」

 

 カエデが悔しそうに目を細める。

 カエデもタケルもすでにゲートに入れるレベル44を超えていた。

 

 特進クラスの中でもかなりレベルが高い。

 課外活動部としても二人はやはり順調な方である。

 

 ただここからレベルを上げていくのは大変になる。

 

「危なくなったらすぐに撤退するので」

 

「ああ、気をつけるんだぞ」

 

 信頼はしているが、心配はしてしまう。

 

「よし、みんな行くぞ」

 

 安全を確保しても油断はしない。

 タンクであるサーシャを先頭にしてゲートの中に入って行く。

 

「もう一階にもありそうな雰囲気あるね」

 

 ゲート中は洞窟だった。

 完全に閉鎖された空間ではあるけれど、天井や壁に光る不思議な鉱石が露出していて活動できるぐらいの明るさはある。

 

 それでもまだ薄暗さはあるので、ランタンをつけてしっかり明るくしておく。

 

「二階への入り口は一番奥に出ているらしいから進んでくぞ」

 

 事前に一、二階の情報は頭に叩き込んである。

 構造を写した地図もあるので道も分かっているし二階への入り口がどこに出現しているのかも分かっていた。

 

 二階に行くのには一番奥まで行く必要がある。

 トモナリたちはサーシャを先頭にしてミズキ、コウ、トモナリの順で縦に並んで進んでいく。

 

「敵はなーし! 安全なのだー!」

 

 ヒカリは少し先に飛んでいって偵察するという役割を与えられてやる気に満ち溢れている。

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