ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした   作:犬型大

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姉妹たちをどうするか2

「彼女たちは人工生命体……ホムンクルスというやつなんだ」

 

 ディーニたちはオートマタでもない。

 正確な分類でいくなら人工的に作られた生命体であり、呼称としてはホムンクルスというものになるのだ。

 

 元々ディーニたちは生きた人だった。

 しかしとある事件によってディーニたちは死ぬことになる。

 

 だがディーニたちの父親はディーニたちを生き返らせようとした。

 その結果が死体とオートマタ技術を利用して作り出されたホムンクルスなのである。

 

 オートマタ技術が使われているので半分オートマタでもあるのだけど、オートマタであるというよりはオートマタ技術を使って作られたホムンクルスなのだった。

 

「それで……四人はこれからどうしたい?」

 

「どうって何だよ?」

 

「俺は命令で無理やり何かさせるつもりはない。何かしたいことがあるなら応援しようと思う」

 

 きっと覚醒者協会としては、ディーニたちが戦力として戦ってくれることを期待している。

 しかしトモナリは無理をさせるつもりはない。

 

 戦いたくない人を戦わせることほど残酷なことはないからだ。

 必要となれば、そうすることもあるかもしれないが、今はそこまで切羽詰まっていない。

 

「私はご主人様に従います。私の仕事はご主人様を守ることですので」

 

 最初にサラリと答えるのはディーニ。

 常に冷静な態度を崩すことがないディーニは自分の考えを主張することも少ない。

 

 自由にしていいと言ってもトモナリについていきそうだった。

 

「私にできる戦うことだ。料理とかやってみたいけどな。こっちの世界、色々あって面白そうだ」

 

 サントリもカラリとした性格である。

 距離の近い女友達のような感じで、明るい雰囲気の持ち主だ。

 

 四人姉妹の中で、回帰前に出会った唯一の存在で最後まで人のために戦い抜いた尊敬もできる人である。

 何かしたいことと言われても、得意なことは戦うことだしトモナリに恩返しできるようなのは戦うぐらいだろうとサントリは思っていた。

 

 トモナリとなら一緒に戦ってもいいだろうと感じていた。

 

「僕は少しダラダラしたいかな」

 

 シテトラはボーイッシュな見た目をしているが、中身はややオタク気質でインドアなところがある。

 

「サポートタイプだし……やりたいこともあるんだ」

 

 シテトラはトモナリのことを見る。

 ディーニやサントリ、ペンターゴに比べてシテトラの能力はやや特殊だった。

 

 あまり直接戦いには向かず、シテトラ本人も戦いに向いた性格をしていない。

 

「あとさ、お兄さん、あの子……出してもいいかな?」

 

「ああ、いいよ」

 

「ありがと!」

 

 トモナリが許可を出すとシテトラが腕まくりをする。

 肩まで袖をまくると二の腕に手をかけてパカっと開いてしまった。

 

 ゆかりが驚いて目を見開く。

 

「出ておいで、ヘキサム」

 

 二の腕の中からひょこっと顔を出したのは手のひらに乗りそうなサイズになったヘキサムだった。

 シテトラが生み出したオートマタであり、生前飼っていた犬を参考にしたらしい。

 

 どこいったのかと思っていたが、腕の中に収納していたと聞いた時にはトモナリも驚いてしまった。

 ここら辺はオートマタっぽい感じではある。

 

 検査されたり連れて行かれたら面倒なので、ずっと腕の中に隠していたのである。

 ぴょんと腕から飛び出して床に降り立ったヘキサムは、ググッと体を大きくする。

 

「あら? 大きくなるね?」

 

 ゲートの中ではすごく大きくなれていたが、家の中だからかデカい犬ぐらいのサイズでヘキサムは留まった。

 ヘキサムも整体をベースにしたホムンクルスのようなものだが、こちらはディーニたちよりもオートマタにかなり近い体をしている。

 

 割とメカっぽくてトモナリは好きだ。

 

「この子と一緒にのんびり研究できたらいいかな? 姉さんたちが無茶すれば僕が治すし」

 

 ざっくり言えばシテトラはメカニックみたいなものである。

 

「……ぬいぐるみ作りたい」

 

「ぬいぐるみ?」

 

「うん。あとは、服とか」

 

「……昔から好きだったもんね、そういうの」

 

 ペンターゴは大人しい性格をしている。

 怪力であるという能力を持っているけれど、そんな力がどこにあるのかというぐらいに物静かな子である。

 

 フウカやサーシャに近いものも感じる。

 可愛いものが好きで、ヒカリなんかのこともペンターゴは気に入っていた。

 

「戦いは……やってもいいかなってぐらい」

 

 別に戦いが嫌いなわけじゃないが、サントリのように積極的なほどでもない。

 

「ふぅん、なるほどね」

 

 四人の意見をそれぞれ聞いた。

 トモナリは腕を組んで少し考える。

 

「ならどうだろう。シテトラとペンターゴはここに住んでみるつもりはないか?」

 

「えっ?」

 

「ここに?」

 

「トモナリ? 急に何を……」

 

「二人も実力は確かだ。でも戦いに積極的じゃない。この家にいて、母さんを守ってほしいんだ」

 

 トモナリはずっと考えていた。

 何が四人にとってもいいのかということを。

 

 戦いたくないというのならそれでもいい。

 ただ自由にしておくというのもきっと覚醒者協会としては望まないだろうと思った。

 

 母親の警護をお願いする。

 これは戦いたくないシテトラとペンターゴにとっても悪くない提案だと思う。

 

 住む場所を提供し、のんびりと過ごしてもらう。

 一方で何かがあればゆかりを守って戦う。

 

 これぐらいならば戦ってほしいとお願いしてもいいだろう。

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