ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした   作:犬型大

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レベルファイブ犯罪者4

「‘一人だけだ’」

 

「‘仮に僕たちが力を合わせても一人も倒せないよ’」

 

 一人なら無効化できるのはいいが、もう一人を実力で押さえつけるのは不可能だと言わざるを得ない。

 二人の正確なレベルは知らないが、少なくとも80は超えているはずである。

 

 トモナリもエリオットもレベルは40を超えたところであり、倍近い差がある。

 大きなレベルの差は単純なステータスを生むだけじゃない。

 

 当然ながら戦闘経験も違うし、何よりスキルが違うのだ。

 レベル40ではスキルスロットが二つ開放されるので、最初から持っているファーストスキルを含めてスキルは三つとなる。

 

 レベル80ではさらに二つ、合計四つのスキルスロットが解放されてスキルの数は五つとなる。

 仮にステータスが同じだとしたら、多くのスキルを保有している方が有利である確率が高い。

 

 多くの人に危害を加えて犯罪者となるならステータスも低くはないだろう。

 レベルを考えると差がある。

 

 当然ステータスにも差があるだろう。

 そこにスキルの差まで加わると勝つことは絶望的だ。

 

 その仮定だってレベル80のものであり、レベル100であればさらにスキル一個分の差が広がってしまう。

 

「‘そもそも無効化だって……どうやるんだい? それも戦わなきゃいけなかったりする?’」

 

「‘そうだな……ある程度は’」

 

 無効化できるといっても、トモナリがどんな方法を抱えているのかエリオットは知らない。

 相手を無効化できる技を持っているなら、個人戦の最中に使っていてもおかしくない。

 

 しかしそんな技を使っている様子はない。

 となるとアーティファクトか何かだろうとエリオットは予想した。

 

 離れた相手を無効化してしまうなんて都合のいいアーティファクトを持っているはずもないので、制限があるはずなのだ。

 無効化したい相手を無効化するために、ある程度制圧する必要がある。

 

 結局のところ戦わねばならないということであり、無効化するにしても厳しいなとエリオットは思った。

 

「‘せめて他のところの状況が分かればいいんだけどな……’」

 

 脱獄の状況や他の犯罪者がどうしているのか分かれば、助けがどれぐらいできそうなのか予想も立てられる。

 あるいはジェームズたちの要求に対して外でどんな動きが起きているのか知れれば、トモナリたちだって希望を持って耐えることができる。

 

 何も分からず、ただ不安の中で待っていることだけしかできないというのはなかなか辛いのである。

 トモナリとしてはみんな逃げたかなと考えていた。

 

 観客席はともかく、控え室までは流石に目が届かない。

 他のみんなは控え室で試合を見ていたはずで、逃げられる可能性は高い。

 

「みんなが無事ならいいんだけどな……」

 

 これからどうなるのか。

 これはトモナリが回帰前に経験したものや記憶したものの中にはない出来事である。

 

 慎重に考えて動かねば被害者が増えてしまう。

 トモナリは目立たぬように気配を消してひたすらにステージの上で立ち尽くす。

 

 戦うよりも辛い時間にも耐え抜いて、生き延びてやるとトモナリは冷静さを保とうとしていたのである。

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