ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした   作:犬型大

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目指せレベルアップ3

「アイ……トモナリ君」

 

「ん? おう、マコトじゃないか」

 

「僕も一緒にいいかな?」

 

「ああ、なんなら4班も一緒に」

 

 トモナリたちのところにお弁当を持ったマコトが近づいてきた。

 笑顔でマコトを受け入れたトモナリはマコトの後ろに見える4班の子たちも手招きする。

 

 無事特進クラスに編入となったマコトは空いた4班にそのまま入ることになった。

 4班は別班ではあるものの以前のゴブリンキングのゲートで一緒に行動を共にした班であり、今ではトレーニングも8班とやっている。

 

 だからクラス内で見れば仲のいい連中であるといえる。

 そこにマコトが入ったのはトモナリにとってもマコトにとっても運が良かった。

 

 本当に運だけかは怪しいところもあるけれど空いた席は二つだけだったので運でも半分の確率で4班には入ることにはなっていた。

 

「最近編入してきたミナミ君だよね? 私、清水瑞姫、よろしくね」

 

「よろしくお願いします」

 

 マコトは編入したばかりでまだクラスにも馴染めていないタイミングでゲート攻略となった。

 4班の奴らも悪い奴らではないけどやはり知り合いの方が安心するとトモナリのところに来た。

 

「トモナリ君とは友達なの?」

 

 一般クラスに友達がいるとは意外だとミズキは思った。

 中学は結局教室にほとんどいなかった。

 

 微妙な距離感もあるし入学前からの友達には見えない。

 でもだからといってあまり一般クラスの方とも交流は少ないのでミズキもまだ友達といえるような子もいない。

 

「あっ、その……」

 

「おう、友達なんだ」

 

 トモナリはマコトの肩に手を回す。

 多少特殊な出会いだったことは否めないがもう友達と言ってもいいだろう。

 

「と、友達? 僕たち……友達?」

 

「なんだ? 嫌か?」

 

「う、ううん!」

 

 キョトンとした顔のマコトは嬉しそうに首を振った。

 未だにトモナリはマコトの憧れである。

 

 そんなトモナリと友達だと言われて嬉しくないはずがない。

 

「ふぅーん」

 

「むっ! トモナリの友達は僕もだぞ!」

 

「もがっ!?」

 

 マコトに嫉妬したヒカリがトモナリの顔面にしがみつく。

 

「ふふっ、分かってるよ。ヒカリさんがアイ……トモナリ君の一番だって」

 

 マコトは前はアイゼン君呼びだった。

 終末教の件で協力してくれたしトモナリでもいいと言ったら少しずつトモナリと呼ぶ努力をしている。

 

「よくわかってるな、マコト!」

 

 一番だと言われてヒカリは鼻息荒く笑顔を浮かべる。

 

「しがみつくのはいいが、鼻はやめてくれ」

 

 トモナリがヒカリの頭を両手で挟んで顔から引き剥がす。

 流石に顔を覆われては息が苦しい。

 

 ちゃんとお風呂に入っているのでヒカリはボディソープの良い匂いはするけれど。

 

「ぬうぅ〜トモナリィ〜」

 

 トモナリはそのままヒカリの頬をムニムニと揉む。

 

「羨ましい」

 

 ヒカリの頬を揉むトモナリをサーシャはいいなという目で見ている。

 

「ふふん、ほほなりははらいいのは」

 

 トモナリだからいいのだ。

 頬を揉まれてもヒカリはなお嬉しそうにしている。

 

「もうすぐ先に入った班が戻ってくるぞ。次に入る3班と7班、4班と8班は準備しろ」

 

 イリヤマがゲートの中から出てきた。

 トモナリたちはテントの中から出て装備の最終チェックをする。

 

 自分のものだけでなくお互いに装備の不備がないか確かめ合う。

 

「マコト君も自分の装備持ってるんだ」

 

「う、うん。トモナリ君のおかげで」

 

 装備を身につけたマコトの腰にはナイフが差してある。

 支給品のナイフでないことにミズキが気がついた。

 

 先日ルビウスをもらった時にマコトもマサヨシに伝えた功績としてナイフをもらっていた。

 トモナリも手伝って選んだのでマコトにとってはかなり大事なものとなっている。

 

「トモナリ君が? またなんかしてるんだね?」

 

「またとはなんだ?」

 

「いっつもなんかしてるでしょ」

 

「いつもじゃないさ」

 

 そんなにいつも行動しているわけじゃない。

 休む時は休んでいるとトモナリは思う。

 

「マコト」

 

「な、なに?」

 

「これ食っとけ」

 

「チョコ……?」

 

「顔が青いぞ」

 

 マコトは緊張で顔色が悪い。

 トモナリはマコトの手を取ると小袋に入ったチョコを渡した。

 

「あまり気負いすぎるな。大人もいるし、俺もいる。今回のゲートは学長までいるんだ」

 

「……う、うん」

 

 マコトはチョコを口に入れて転がすように溶かして食べる。

 甘みが口に広がり、同時にトモナリの言葉を頭で反すうして心を落ち着かせようとする。

 

 トモナリがいる。

 そう考えると少し気分が楽になった。

 

「無理をすることはないんだ。気を抜きすぎず、気負いすぎず戦えばいい」

 

「それが難しいですよ」

 

「いつか慣れるさ。今は周りにみんないるから緊張しすぎるな」

 

「……ありがとう」

 

「なーんかやさしーねー」

 

「当然だろ? 図太いお前とは違うんだよ」

 

「にゃんだと!」

 

 優しくマコトをフォローするとトモナリにミズキが渋い顔を向ける。

 トモナリが優しくないとは思わないけどマコトへのフォローはいつもよりも優しい感じがある。

 

「まあいざとなれば俺を頼ってくれ!」

 

 ユウトもマコトに白い歯を見せて笑いかける。

 

「他のならともかくミズキも含めて8班は強いからな」

 

「褒めたり貶したり……」

 

「図太いってのも褒め言葉だ」

 

「褒められてる感じがしない……」

 

 血を見るような戦いの世界で神経的な図太さがあるのはいいことである。

 繊細すぎる人はこの先の戦いに耐えられない。

 

 だから一般クラスに移るような人も出てきてしまうのだ。

 その点でミズキは良い性格をしている。

 

 だからある意味図太いというのも褒め言葉なのだ。

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