〜高専遺体安置所〜
『...わざとでしょ』
『と仰いますと』
伊地知は内心、心臓の音がやけにうるさく感じた。
『特級相手しかも生死不明が5人救助に人数がいるとはいえ一年生派遣はありえない』
『僕が無理を通して悠仁の死刑に実質無期限の猶予を与えた』
『面白くない上の連中が僕と傑のいない間に特級を利用して体よく始末しようってとこだろう』
『他の4人が死んでも僕達に嫌がらせができて一石二鳥とか思ってんじゃない』
伊地知が震える。
カタカタ
『ですが、派遣が決まった時点では本当に特級になるとは...』
『犯人探しも面倒だ』
『上の連中、全員殺してしまおうか?』
『珍しく感情的だな』
『『!』』
安置室のドアから硝子と夏油が入ってきた。
硝子は目の前の光景にため息を吐き、夏油は少し眉を寄せた。
『随分とお気に入りだったんだな、彼』
『僕はいつだって生徒思いのナイスガイさ』
『恵たちは?』
『みんな無事だよ、だけど少し精神のほうがね』
『理子と美里さんもあまり出さない様しているけど少し暗いね』
夏油は静かに言った。
『あとあまり伊地知をいじめるな、千鬼が言ってたろ』
『上層部と私たちの間で苦労しているからって』
『(もっと言って)』
『男の苦労なんて興味ねーっつーの』
『あっそう』
『(もっと言って!)』
伊地知は心の中で懇願する。
『(伊地知...あとで千鬼に伝えとくか)』
夏油は自分で言うつもりはなく、千鬼に注意してもらうと思った。
『で、これが』
バサッ
『宿儺の器か』
『好きにしていいんだよね』
『役立てろよ』
『役立てるよ、誰に言ってんの』
--------------------------
『長生きしろって...』
『自分が死んでちゃ世話ないわよ』
『....あんたたちは仲間が死ぬのは初めて?』
釘崎の質問に答える3人は俯いて答える。その表情は明らかに落ち込んでいるようだった。
『タメは初めてだ』
『うちも』
『私も』
『ふーん、その割には平気そうね』
『...野薔薇だってそうじゃん』
『当然でしょ、会って2週間やそこらよ』
『そんな男が死んで泣き喚くほどちょろい女じゃないのよ』
『(野薔薇...)』
そう言う野薔薇だが、表情には出さない様にしているのが3人には分かった。
『なんだ、いつにも増して辛気臭いなお前ら』
『お通夜かよ』
真希が恵たちの前に現れる。
『禪院先輩』
『『真希先輩』』
『恵、私を苗字で呼ぶんじゃ』
『真希、真希!』
真希が呼ばれた方を見るとパンダと棘が木の影に隠れていた。
『マジで死んでるんすよ、昨日一年坊が1人!』
『おかか!』
『.....は、や、く、言、え、や〜』
『これじゃあ私が血も涙もない鬼みてーだろうが!』
『実際そんな感じだぞ!』
『ツナマヨ!』
『....なに、あの人たち』
『二年生の先輩だよ』
『禪院先輩、呪具の扱いなら学生一だ』
『呪言師の狗巻先輩、おにぎりの具しか語彙がない』
『パンダ先輩』
『あと1人乙骨先輩っていう唯一手放しで尊敬できる先輩がいるんだが、今は海外』
『パンダをパンダのままで済ませるつもりか』
『野薔薇ちゃんパンダ先輩は学長が作った突然変異呪骸なんだよ』
『そうなんだ(それじゃあぬいぐるみ?)』
『いやー、すまんな喪中に』
パンダは手を合わせて一年生達にお願いをする。
『お前たちに京都姉妹校交流会に出てほしくてな』
『姉妹校交流会?』
『京都にあるもう一つの高専との交流会だ』
『でも、それって二・三年がメインのイベントですよね』
『その三年のボンクラが停学中なんだ、人数が足んねぇ』
『だからオマエら出ろ』
『交流会って何すんの?』
『東京校、京都校それぞれの学長が提案した勝負方法を1日ずつ2日間かけて行う』
『つってもそれは建前で、1日目が、団体戦2日目が個人戦って毎年決まってる』
『しゃけ』
『個人戦団体戦2日間かけて戦うの?呪術師同士で!?』
『あぁ、殺し以外なら何をしてもいい呪術合戦だ』『やるだろ、仲間が死んでるもんな』
『『『『やる』』』』
『(俺は)』
『『『(私は)』』』
『『『『(強くなる!そのためだったらなんだって!)』』』』
『でも、しごきも交流戦も、意味がないと思ったらやめるから』
『同じく』
『うちもー』
『私も』
そんな一年生達を真希は鼻で笑う
『ハッ』
『まぁ今ぐらい生意気ならやり甲斐はあるわな』
『おかか』
--------------------------
『つまり、君たちは今の人間と呪いの立場を逆転させたいと、そういうわけだね?』
あるファミレスで神凪蒼真は誰かと話していた。
だが周りから見るとただ1人で不気味な独り言を言っているようにしか見えなかった。
『少し違う』
頭が火山のような呪霊、漏瑚は神凪に訂正を加える。
『人間は嘘でできている。表に出る正の感情や行動には必ず裏がある』
『だが負の感情憎悪や殺意などは偽りのない真実だ』
『そこから生まれた我々呪いこそが真に純粋な本物の人間なのだ』
『偽物は消えて然るべき』
『...現状、消されるのは君たちだ』
『だから貴様に聞いているのだ、どうすれば我々は呪術師に勝てる?』
『戦争の前に3つの条件を満たせば勝てるよ』
『まず、五条悟を戦闘不能にする。』
『2つ目は両面宿儺、虎杖悠仁を仲間に引き込む』
『死んだのだろう?虎杖とかいうガキは』
『さぁ、どうかな』
そう言いながら蒼真は話を変える。
『そして3つ目だが、これは状況で変わる
龍山千鬼を戦闘不能にするか、大嶽丸を仲間に引き込むか』
大嶽丸の名が出た時、漏瑚の目が見開かれる。
『大嶽丸だと....奴も龍山千鬼とやらの中にいるのか?』
『そうだよ、彼が学生の頃にね』
『だが、問題がある。宿儺と大嶽丸は宿敵同士だ
一緒にいてぶつからないわけがない』
『そう、だから状況次第で変えるのさ』
『詳しく説明しよう』
これからを志す呪術師の影で暗躍する者たちは計画を実行しつつあった。
硝子と絡む話などをもっと増やしたほうがいいですかね?
あとオリジナル呪霊増えても大丈夫ですか?