最新話だけでなく過去に出した話でも誤字報告をしてくださり、とても嬉しく思います。
これからもよろしくお願いします。
あと花御の文字化けが書きにくかったので、文字化けはなしで書かせてもらいます。
『楽しくなってきただと?危機感の欠如』
漏瑚は嘲るように言い放つと、火山のような頭部から奇妙な虫を無数に生み出す。
[
『(わざわざ人のいないところに来るとは僕を狙ったのは確かだね)』
五条は軽く首を傾げながら、迫り来る火礫蟲を観察する。
そのまま直撃すると思われたが、寸前で火礫蟲はピタリと空中で停止した。
『これ当たるとどうなんの?』つんっ
五条は興味深そうに火礫蟲から出ている針の先端をつつく
『イア゛ァァァァァァ、』
ボンッ!!
『音と爆発の二段構えか、器用だね』
凄まじい爆発だったが、五条は無傷だった。
漏瑚は瞬時に五条の横に移動して間髪入れずに顔に炎を放った。
『まだまだ』
さらに体に触れ消し飛ばす
『ふっ...こんなものか、蓋を開けてみれば弱者による過大評価』
漏瑚の顔が歪む。
『今の人間はやはり紛い物、真実に生きておらん
万事醜悪、反吐が出る』
『このまま夏油傑も殺し、龍山千鬼は.....様子を見るか』
『へー、傑と千鬼も知ってんだ』
呑気な声を聞いた漏瑚は驚き、すぐに振り返る。
『ますます話を聞きたいね』
煙が晴れると無傷の五条がいた。
『.....どういうことだ?』
漏瑚の眉間に深い皺が寄る。
『んー簡単に言うと当たってない』
『馬鹿な、さっきとはワケが違う』
『儂は確かに触れて殺した』
『君が触れたのは僕との間にあった[無限]だよ』
『?』
『手、出しなよ。教えてあげる』
『....(殺意はない、探るだけ探るか)』
警戒しつつも、漏瑚は五条の手に触れようとすると直前で止まり、どんなに押し出そうとも触れられない
まるで見えない壁があるようだった。
『ね』
『(触れられん!寸前で止まる)』
『(これが無限か?)』
五条は微笑みながら説明する。
『止まるって言うか僕に近づくほど遅くなってんの』
『でどうする?僕はこのまま握手してもいいんだけど』
五条は普通に漏瑚の手に触れる
『...断る』ギリ
『照れるなよ、こっちまで恥ずかしくなる』
五条は漏瑚の手を握った。
『貴様!』
ボギュッ!
『ガハッ』
漏瑚が何かを言おうとした時、五条は思いっきり腹を殴った。
『(速い!ただ呪力で強化した打撃じゃない!なんだこれは?!分からん!)』
『まだまだ』
ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!
何度も殴られ漏瑚は気絶しかける。
『無限はね本来至る所にあるんだよ。僕の呪術はそれを現実に持ってくるだけ』
『収束と発散この虚空に触れたらどうなると思う』
『術式反転[赫]』
ドドドドドドドド
赫を放たれ、漏瑚は吹き飛ばされるが、すぐに体制を立て直し攻撃に移る。
『おのれ!』ドウッ
その後ろにまわり五条は蹴りを放つ
バキャッ
『あっ、ちょうどいいか』
漏瑚は湖に落ち、神凪の言葉を思い出した。
『いいけど死ぬよ、漏瑚』
『....眉唾ではなかったな、だが当たらぬなら領域に引きずり込むまで』
『?(どこへ行った?)』
『ごめんごめん待った?』
五条が突然現れ隣には虎杖がいた。
『ソイツは(宿儺の器!やはり生きていたか)』
『見学の虎杖悠仁くんです』
『先生、俺10秒前くらいに高専で映画見てたよね?』
『とんだ』
『(説明する気ないな)』
漏瑚は虎杖を見ながら考える。
『(今後のため虎杖は殺せん、我々の目的に気付いたのか?)なんだそのガキは、盾か?』
『違うよ、言ったでしょ見学だって』
『今この子に色々と教えていてね、君は気にせず戦ってよ』
『(なんで俺宙に浮いてんだ?)』
『足手纏いを自ら連れてくるとは、愚かだな』
『大丈夫でしょ、だって君』
『弱いもん』
その言葉を聞いた漏瑚の頭は一気に噴火し、周りの温度が上昇する。
ボォォォォ!
『舐めるなよ小僧!そのニヤケつらごと飲み込んでくれるわ!』
虎杖は今までの記憶を思い出し、五条の言葉が信じられなかった。
『(弱い?コイツが?)』
『(コイツ、今までのどんな呪いよりも遥かに強い!)』
ぽん
五条は虎杖の頭に手を置き、
『大丈夫、僕から離れないで』
漏瑚は印を結び、
『領域展開【
瞬時に周りが火山の中にいるような景色になった
『なんだよこれ!』
『これが領域展開』
『術式を付与した生得領域を呪力で周囲に構築する
君たちが少年院で体験したのはまだ未完成の領域
ちゃんとしたやつなら一年全員死んでたよ』
五条は至って冷静に虎杖に説明する。まるで危機感がないようにも感じられた。
『領域を広げるのは滅茶苦茶呪力を消費するけど、それだけに利点もある』
『一つは環境要因によるステータス上昇、もう一つは』
バゴーン!
五条に攻撃を仕掛けるが当たらず、漏瑚は舌打ちをする。
『チィッ(並の術師なら入れた時点で焼き切れるのながな)』
『領域内で発動し、付与された術式は絶対当たる』
『絶対!?』
『ずぇ〜ったい!』
『でも対処法もあるよ』
『今みたいに呪術で受けるか、オススメしないけど領域外に逃げること』
五条が話していると、漏瑚が問いかける。
『貴様の無限もより濃い領域で中和して仕舞えば儂の術も届くのだろう?』
『うん』
漏瑚はその言葉を聞き、新たな人間の矜持として五条を殺そうと決心した。
それに対して五条は穏やかに話す。
『そして、領域に対する最も有効的な手段はこっちも領域を展開する』
『その場合、より洗練された術がその場を制するんだ』
『灰すら残さんぞ!五条悟!』
五条が目隠しを取る。まるで青空や澄んだ海のような綺麗な目だ。
そして印を結び、
『領域展開【
その瞬間——
漏瑚の領域が消え、漏瑚自身も何もできなくなった。
『何が起こった?何も見えん、何も感じん』
頭の中でさまざまな情報が流れ込むが、一向に終わらず、何も反応ができなくなってしまった。
『違う、何もかにも見える、全てを感じる!』
『いつまでも情報が完結しない!』
『故に何もできん!』
ガシッ
五条は漏瑚の頭を掴む。
『ここは無下限の内側』
『知覚、伝達生きると言う行為に無限回の作業を強制する』
そして少し微笑む。
『皮肉だよね、全てを与えられると何もできず緩やかに死ぬなんて』
『でも君には聞きたいことがあるから、これ位で勘弁してあげる』
ブチブチッ
五条は漏瑚の頭を取った。
そして領域を解除し、漏瑚をそこら辺に放り投げると、質問をする。
『さて....誰に言われてここにきたの?』
※
漏瑚と五条が戦っているのを観察している二つの影があった。
『どうする?助ける?』
神凪蒼真は特級呪霊である花御に質問する。
『私は高専関係者に見られるわけにはいかないからここで帰らせてもらうよ』
『助けたいなら助ければいいさ
君たちにそんな情があるかは知らないけどね』
帰ろうとする神凪に花御が通りすがりに
『(呪霊と侮るとまた恐ろしい目にあいますよ)』
そう言って漏瑚の元へ向かった。
『....言ってくれるね、呪霊の分際で』
努めて平静を装いながらも、声には僅かな濁りが滲む。
神凪は内心舌打ちした。
脳裏には眼前まで迫る巨大な鬼の拳が連想される。
『(違う、あれはもう過去のことだ)』
そう自分に言い聞かせるように、ゆっくりと息を吐く。
それでも、心の奥底に染みついた恐怖は、容易に消え去るものではなかった。
※
漏瑚は五条に踏みつけられながら、尋問されていた。
『命令されて動くタイプじゃないでしょ』
『僕たちを殺すと何かいいことがあるのかな?
どちらにせよ相手は誰?』
漏瑚をグリグリしながら質問を続ける。
『早く言えよ祓うぞ、言ってもある祓うけど』
『呪いって普通に会話できんだね』
すると五条の頭上から木のようなものが降ってきた。
ドスッ、パァァァァァァァ
刺されたところから花が咲き、
『『綺麗〜』』
戦意が削がれてしまった。
五条は急いで自分の頬を叩く
パシン
『(呪術?だよな、戦意が削がれる)』
『げっ!』
虎杖の足に枝が絡みつき、同時に漏瑚の頭を花御が持ち去った。
『先生俺は大丈夫!そいつ追って』
虎杖はそう言うが地面から木の化け物が襲いかかる。
『ごめん嘘!』
五条は虎杖を助けたが、花御には逃げられてしまった。探ってみるが気配が感じられない
『(逃げられた。気配を消すのが上手いな、火山頭よりもよっぽど不気味だ)』
後ろでは虎杖が土下座して謝罪文を述べていた。
『どーもすみませんでした。私のせいで逃げられてしまいまして、でもここに連れてきたのは先生ですよね』
『このレベルの呪霊が徒党を組んでるのか、楽しくなってきたね』
聞いていないのか、五条は楽しそうにする。
『悠仁』
『何?』
『悠仁やみんなにはアレに勝てる位強くなって欲しいんだよね』
『アレに!』
虎杖は正直、あれに勝てるぐらいに自分がなれるのか疑問が浮かんだ。
『目標は具体的な方がいいでしょ』
『いや何が何だかわかんなかったんだけど』
『目標を設定したら、駆け上がるだけ』
『ちょっと予定を早めて一ヶ月映画観て僕と戦ってを繰り返す』
『先生と!(俺生きてるかなぁ)』
『その後は実戦、重めの任務をいくつかこなしてもらう』
『基礎と応用しっかり身につけて、交流会でお披露目といこうか』
虎杖は元気よく手を上げる。
『はい、先生!』
『はい、悠仁くん!』
『交流会って何?』
『...言ってなかったっけ?』
※
ある一室で夜蛾学長と夏油そして伊地知が五条を待ってた。
『....』あわわわわ
『....遅い!』
『(これも千鬼に言っとかないとね)』
五条は結局、制裁の理由をまた一つ増やしてしまったようだ。