呪霊装術   作:戦艦YAMATO

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25話 団体戦開始

 

 

『京都姉妹校交流会一日目 団体戦

“呪霊討伐猛レース”!

指定された区画内に放たれた二級呪霊を先に祓ったチームの勝利となる!!』

 

パシャパシャ

『あはは、面白いわねこれ』

 

『区画内には三級以下の呪霊も複数放たれており、日没までに決着がつかなかった場合討伐数の多いチームに軍配が上がる!それ以外のルール一切なし!』

 

パシャパシャ

『いや〜、悟のこの姿なかなか見れないよ』

 

『勿論妨害行為もアリなわけだが、あくまで君達は共に呪いに立ち向かう仲間だ。交流会は競い合いの中で仲間を知り、己を知るためのもの』

 

『五条、息できてるか〜』

ツンツン

 

『相手を殺したり再起不能の怪我を負わせることのないように以上、開始時刻正午まで解散』

 

夜蛾学長の話が終わると生徒達はそれぞれのミーティングルームへ向かった。

(一部の生徒は笑いを堪えていた)

 

『....おまえ達、生徒達の前で何をしているんだ』

 

ため息をつきながら夜蛾学長が声をかける。

その視線の先には上半身が埋まっている五条とそれを撮影する夏油と歌姫、五条を突いている硝子がいた。

 

『千鬼、抜いてやれ』

 

『分かりました。五条よかったな』

『学長の話が長くなくて』

 

千鬼は五条の足を持ち、地面から引き抜く

 

スポッ!

 

『ぷはぁっ』という声とともに、土で汚れた五条が出てきた。

 

『おっ、無下限使わなかったんだな』

 

『使ったらキン○バスターとパイルドライバーもお見舞いするって言ったのそっちでしょう!』

『というかバックドロップで地面に埋めるってどういうこと?!』

 

『嫌なら問題行動を減らすことだな』

 

学長も静かに頷く。

『そうだな』

 

『正論やめて!』

『ってあれ?生徒達は!?』

 

『お前の写真を撮った後、それぞれのミーティングに向かったよ』

 

『助けてもくれなかったの!』

 

『さすが、グットルッキングガイは違うね。悟』

 

笑いを堪えながら夏油が揶揄う。

 

『うるさいよ傑!』

 

『いや、面白いものが見れたわね』

『それじゃあ私は、そろそろ教員室に行くわ』

 

『あっ、歌姫話があるからちょっと僕と来てくんない』

 

『歌姫?』

 

千鬼の呟きに気づいた五条は急いで90度に腰を曲げる。

 

『歌姫先輩、お願いします!』

 

『ふふっ、いいわよ』

 

『私達は教員室に向かってるよ。千鬼と硝子はどうする?』

 

『俺も向かうか』

 

『私も行くよ』

 

千鬼は歌姫と2人で話せる場所へ向かおうとする五条に声をかける。

 

『五条、開始までに遅れんなよ』

 

『分かりました!』

 

『悟の最強としての立場がないね』

 

 

 

 

〜京都校サイド ミーティング〜

 

楽巌寺学長は生徒達に指示を出す。

 

『宿儺の器、虎杖悠仁は殺せ』

『アレは人ではない、故に全て不問』

『事故として処理する』

『遠慮も躊躇も要らんぞ』

 

『彼死なないからここにいるんですよね?』

 

『先の虎杖の死は自死だと聞いておる』

『敵対術師に止めを刺す時気をつけねばならんことは?加茂』

 

『はい、死後呪いに転ずることを防ぐために呪力で殺します』

 

『そうだ。他者の呪力でしっかり止めをさせばなんの問題もない』

 

バキィ!

 

突然、東堂が障子を蹴破る。

 

『下らん、勝手にやってろ』

 

『戻れ東堂』

『学長の話の途中だ』

 

『11時からの散歩番組に高田ちゃんがゲスト主演する』

『これ以上説明いるか?』

 

『録画すればいい、戻れ』

 

ビキッ

 

『リアタイと録画両方見んだよ。ナメてんのか?』

 

『いいかお前ら、爺さんもよく聞け』

『女の趣味の悪いお前らには疾うの昔に失望している』

『謀略、策略勝手にやれよ。但し、次俺に指図してみろ』

『殺すぞ』

 

そう言って東堂は去っていき、その後に楽巌寺学長も去って行った。

 

 

『どうします?あの様子じゃ作戦行動なんて無理ですよね』

 

『無理だねー、まぁアイツは東京陣営まっしぐらだろうけど』

 

『あぁ、東堂関係なくあっち側には特級術師が3人いル』

 

『確かに、五条悟ならともかく、夏油傑や千鬼先生は何かしら手をうってるかもしれないわね』

 

『だが、学長は私達のことを見ている可能性もある。

だから形だけ虎杖悠仁を襲撃し、あとは勝手に引くことにしよう』

 

『それでは、その後は呪霊狩りや東京校の妨害に集中すればいいナ』

 

『だったら真希は私にやらせて、できれば一年の茶髪も』

 

『その発言、東堂と同レベルだよ』

 

『....チッ!』

 

『まぁまぁ(汗)』

 

どうやら京都校の意見はまとまったようだ。

 

 

 

 

『で、話って?』

 

『この話は傑と千鬼、硝子にしかしてないんだけど』

『高専に呪詛師...或いは呪霊と通じている奴がいる』

 

『!』

『有り得ない!呪詛師ならまだしも呪霊!?』

 

動揺している歌姫を尻目に話を続ける。

 

『そういうレベルのが最近ゴロゴロ出て来てんだよね』

『本人は呪詛師とだけ通じてるつもりかもね』

『京都側の調査を歌姫に頼みたいんだ』

 

『....私が内通者だったらどうすんのよ』

 

『ないない、歌姫弱いし』

『そんな度胸もないでしょ』

 

ブンッ

 

バシャァ!

 

瞬時にまだお茶が入っている湯呑みを投げるが、無下限によって途中で止められ、床に落ちた。

 

『怖っ!ヒスはモテないよ』

 

『この野郎〜』

『千鬼、ちょっと来てくれない!』

 

歌姫の言葉に五条はすぐに反応した。

 

『ああ!歌姫先輩、待ってください!』

『そうだ。お茶を、おちゃをお持ちしますからー!』

 

 

 

 

〜団体戦会場〜

 

スタート地点に東京校と京都校の生徒がそれぞれ集まっていた。

 

頭にたんこぶがある五条がスピーカーで生徒達に向けてメッセージを送る。

 

『開始1分前でーす』

『ではここで千鬼先生にありがたーい激励のお言葉をいただきます』

 

『えっ?』

 

『ではどうぞ!』

 

『(この野郎...)あー...夜蛾学長が仰っていた通り、交流会とはあくまで同じ術師として仲間を知り、己を知るためのものであります』

 

『よってある程度の妨害や怪我などは仕方ないことです』

『その過程で、もしかしたら不測の事態が起こる可能性もあります』

 

千鬼はチラッと楽巌寺学長の方を見る。

 

『その場合は“私達”が即座に対応するので、生徒諸君は遺憾無く己の力を発揮してください』

 

わずかに口元を歪める五条と夏油を横目に千鬼は

続けた。

 

『以上、わたくし、龍山千鬼の激励の挨拶となります』

 

『ありがとうございます』

『では団体戦、スターート!!』

 

合図ともに生徒達は駆け出した。

 

 

『(さて、見ますかね)』

 

千鬼は少し目を瞑ると視界には全員で固まって行動する東京校の姿が見える。

 

千鬼は事前に団体戦の区画内に蝿頭を多数配置していた。

(視覚共有は千鬼本人だけなので、冥冥のように映像に出すことはできない)

 

『(おそらく楽巌寺学長のことだ。何かしら企んでいるんだろう)』

『(俺の目標は悠仁達を誰1人死なせずに団体戦を終わらせることだな)』

 

千鬼が見ていると東京校の前に東堂が現れる。

 

『(やっぱくるよなぁ葵)』

『(どう出るかな東京校は)』

 

東京校は即座に虎杖だけを残して分かれた。

 

『(いい判断だな、虎杖なら東堂の相手もできるだろう)』

 

東堂は虎杖に対して激しい攻撃を仕掛ける。

死んだのではという場面もあったが、当の虎杖はピンピンしているので対処する必要はなさそうだった。

 

『(頑丈だな....それよりもなんで京都校は虎杖を囲んでるんだ?)』

 

京都校の近くにいる蝿頭から見ると、京都校は全員虎杖の周りに集まっていた。

冥冥が映し出している映像は虎杖の周りだけ何故か乱れることが多くなっている。

 

『(なるほど、生徒達に虎杖悠仁を殺せという指示を出したんだな)』

『(冥冥さんは金で買収できるし、交流会で死んだとしても悠仁なら事故として処理できるって感じか)』

 

『(だが...大丈夫だろ)』

 

よく見てみると虎杖に対して全員攻撃しているが、殺す気はないようだ。

適当に襲撃して少ししたら呪霊狩りに戻るのだろう。

 

そうこうしているうちに東堂が京都組に何か言い、全員離れて行った。

 

『(やっぱ大丈夫だったか)』

 

こちらに目線を移した五条に大丈夫だとサインを送る。

 

『(さて、悠仁のことは東堂に任せるとして)』

『(ここからが本番だな)』

 

気持ちを切り替え、他の場所にも意識を集中させる。

 

交流会は始まったばかりである。

 

 




〈たんこぶの原因〉

歌姫は硝子に抱きつく。

『硝子、こんなこと言われたのよ!』

『それはひどいですね先輩...五条、ギルティ』

『おい五条』

ビクッ
『....はい』

『トゲつきとトゲなしどっちが良い?』

『メリケンサックは確定なんだ』

『俺が決めるか?』

『トゲなしで!』

ゴツン!

酷く鈍い音が響いた。

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