グラナダに迫るソロモンを阻止するためシャア・アズナブル率いるジオン公国軍は自爆用ザクによってソロモンを爆破し、軌道を変えるといいう作戦に打って出た。
しかし、作戦中に連邦の白い軽キャノンによって妨害に会い、作戦は失敗。
シャアはソロモン内部の崩壊に巻き込まれ脱出できず、やむを得ずソドンのクルーは撤退を開始を始めた。
「シャア大佐!返事をしてください!」
キケロガのコクピットからシャリア・ブルはシャアに呼び掛けていた。
その時、ノイズ交じりにシャアが何者かと通信している音声をMAの中で聞いた。
その人物はシャアも知らない誰かであった。
『誰だ…お前は…向こう側からきたというのか…?』
「シャア大佐…?向こう側…?」
『なんということだ…刻が見える…!』
その瞬間、赤いガンダムを発生源とした謎の発光現象が起こり、ソロモンを包み込んだ。
未知のエネルギーによる現象はソロモンを球状に削り、グラナダに落下するはずだったソロモンは大きく軌道を変えた。
その後、シャアと赤いガンダムは行方不明となり、戦争はジオン公国の勝利で終わったのだった。
「ここはどこだ…?」
発光現象により赤いガンダムとともに消え去ったはずのシャアは、謎の空間の中に浮かんでいた。
そこは見たこともない…だがどこか温かい光に満ちた場所だった。
「ここが向こう側か?…それともあの世か?」
虹の中にいるような全能感にシャアは意識が融けていくのを感じ…
ー僕が一番ガンダムをうまく使えるんだ!ー
「!?」
突如として現れたプレッシャーにシャアの意識は覚醒した。
スラスターを吹かし、全速力で回避行動をとる。
先ほどまで赤いガンダムが浮かんでいた場所を熱線が通過した。
「何が起こったというのだ…!?」
シャアはメインカメラを向け、敵の姿を見て驚愕した。
「白いガンダムだと!?」
それは紛れもなくガンダムだった。
シャアの乗るそれとは違い、白く、細部も異なっていたが間違いない。
しかもこの感覚は…。
「敵もニュータイプだというのか!」
赤いガンダムは白いガンダムにビームを放つ。
しかし白いガンダムはライフルの引き金を引く瞬間に回避行動をとり終わっている。
「冗談ではない!」
ならばと赤いガンダムはビットを展開した。
破損したはずのビットまでこの空間では復活していたが、今のシャアに気付く余裕はなかった。
ニュータイプだけが扱えるサイコミュ兵器は戦場を支配できる強力な武器だ。
オールレンジ攻撃により一機で多対一という構図を作り出せるそれは、MAV戦術と同じくシャアにとって必勝の手段だった。
しかし白いガンダムは後ろからの攻撃を回避し、それだけにとどまらず振り向きざまに正確な射撃でビットを打ち抜いた。
「奴は後ろにも目をつけているのか!?」
間違いなくビットはカメラの死角から攻撃したはずだ。
しかし白いガンダムは見もせずに攻撃を回避した。
それはNT能力においては相手がシャアを上回っている証明に他ならない。
「ならば!」
シャアはビットを二基赤いガンダムに戻した。
赤いガンダムのビットはオールレンジ攻撃だけでなく追加ブースターとして使えるのだ。
速度を上げた赤いガンダムはデブリを蹴って加速し、白いガンダムに襲い掛かる!
二機のガンダムはビームサーベルで格闘戦を開始した。
ビームサーベルの鍔迫り合いにより周囲はプラズマで明るく染まる。
「今だ!」
膠着状態を破ったのは赤いガンダムだ。
ビットを再度切り離し白いガンダムに向ける。
ビットの対処をする白いガンダムに赤いガンダムは蹴りを放ち…。
シールドで防がれた。
「何だと!」
今の防御でシャアは確信した。
ニュータイプの先読みもあるだろうが、奴は赤いガンダムの攻撃をあらかじめ知っているような動きを見せた。
白いガンダムのパイロットはシャア・アズナブルを知っている!
「アムロ!」
シャアは知らないはずの名前を叫んだ。
ーシャア!ー
聞こえないはずの声が聞こえた。
「今こそ決着の時だ!」
続く