「この世界でもお前と戦えるとはな!アムロ!」
赤いガンダムと白いガンダムが戦場を駆け抜ける。
似て非なる二機は同じ存在でありながらお互いを撃墜するべく刃をぶつけ合った。
「シャア!貴様という奴は…!世界が変わっても情けない奴!」
「そんなことを言いにこの世界まで来たのか!」
「そんなことだと!…関係ない人々まで巻き込もうとした貴様への怒りを!」
アムロの怒りは空間を震わせ、ビットの動きを鈍らせる。
ライフルが火を噴き、ビットは宇宙の塵となっていった。
「大体貴様は!どうしてそう隕石を落としたがるんだ!」
「この世界では未遂で一度きりだ!」
「そういう問題ではないだろうに!」
後ろを取ったビットを白いガンダムはビームサーベルで切り払う。
真っ二つになったビットは煙を上げ爆散した。
「そもそもザビ家への復讐など!セイラさんを置いてまでやることか!」
「アルテイシアは大切な妹だ!私の復讐に巻き込むわけにはいくまい!」
「妹ごと人類を粛正しようとした男が!」
白いガンダムの頭部バルカンがビットを貫く。
ビットのスラスターに着弾し、火花となって消えていく。
「貴様を信じてついてきた部下まで裏切るなど!」
「ザビ家への復讐は私の悲願なのだ!部下には悪いが止めるわけにはいかん!」
赤いガンダムはライフルとビットで弾幕を張り、白いガンダムを狙い撃つ。
白いガンダムは避けるどころか更に加速し、弾幕の中を直進する。
「ならその言葉!カミーユの前でもいってみせるのか!」
「…ええい!黙れ!」
白いガンダムが虚空に撃ったビームは、ビットが通過するであろう場所を狙って放たれていた。
ビットとビームが交差し爆炎が上がる。
「私の両親は犠牲になったのだ!ザビ家だけではなく!アースノイドからの圧政と!
ザビ家を増長させたスペースノイドの!いわば人類が両親の仇だ!」
「貴様はいつもそうだ…!そうやって悲観ばかりして、後先のことを考えない!
シャリアという部下も!ララァのように使うつもりだったのか!」
「黙れアムロ!ララァを殺したお前が!偉そうなことを言えるものか!」
白いガンダムは最後のビットを踏み台にして加速した。
あらぬ方向に蹴り飛ばされたビットは、デブリにぶつかり沈黙した。
「ララァを言い訳にするな!ララァは普通の女の子だったんだ!NTの力があるだけの…
普通の女の子だ!それを貴様が後先考えずに戦場に連れ出して!」
白いガンダムは近くに浮かんでいた武器を手に取った。
それはセイラの軽キャノンが持っていたハンマーであった。
セイラの怒りが赤いガンダムの両膝を打ち砕いた。
「まだだ!まだ終わらんよ!」
赤いガンダムは距離を取りながらビームサーベルを投擲する。
ビームサーベルが白いガンダムの左肩を切断する。
「シャア!」
「アムロ!」
足の無くなった赤いガンダムは白いガンダムにライフルを向けた。
白いガンダムの頭部がビームで吹き飛んだ。
「たかがメインカメラをやられただけだ!」
ガンダム同士の戦いは終わりを迎えようとしていた。
「シャア!これは貴様が後回しにしてきたツケだ!逃げずに償え!」
頭部と左肩のない白いガンダムは、足の無くなった赤いガンダムに向けて引き金を引いた。
天に放たれたビームは、そうなることが決まっているかのように赤いガンダムを打ち抜いた。
「認めたくないものだな…自分自身の若さゆえの過ちというものは…」
ー大佐は責任を背負い過ぎたの…もう楽になっていいのよ…ー
「ララァ…?」
ーアムロがあんなことを言ったのは、大佐のことを想っているからよ…ー
「…アムロと私は対等なライバルだ…それくらいわかっている…」
ー行きましょう大佐…アムロも待っているわ…ー
「ああ…私にも刻が見える…!」
続く