最強の3体   作:ちーず

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出会った

 あれから10年が経過した。いきなり飛びすぎかと思うかもしれないが勘弁してくれ。初めの3年間などはとてもじゃないが思い出したくもない。主に羞恥心のせいで

 

 まあ、それ以降の7年間と言えば、普通に友達と遊びつつポケモントレーナーズスクールに通う毎日だった。因みに住んでいる町はトキワシティ。よくキャタピーなんかは見かけていた。

 

 そんなこんなでポケモントレーナーライセンスを無事に貰ったのはいいんだけどさ。一つ問題があった

 

 何故か僕はポケモンに好かれない。寧ろ嫌われてる。

 転生者という他の人とは違ったものを感じ取ってるのかはわからないけど、異常なまでに懐かれなかった。

 

 これにはだいぶ心に来るものがあり、正直ポケモントレーナーになるのを辞めようかとも思ったんだけど。トレーナーズスクールでの成績が良かったせいでそうも言ってられなくなった。

 

 元々ポケモンに対する知識は持っていたので他の人よりも出来るのは当然といや当然なんだけどさ。もし自分のパートナーにも懐かれなかったら、今度こそ辞めようかなと思っている。

 

 

 で、現在マサラタウンのオーキド研究所にやってきている。今日誕生日の人はいないのか来ていないのかはわからないけど、研究所に来ているのは僕だけだった。

 

 少し不安になりながらも研究所の扉を開け中に入る。中は色んな機械が置いてあり、白い服を着た科学者の人の姿もちらほら見えた。

 

 構造はゲームに準じたもののようで、簡単な作りとなっている。奥に見える白い髪の男性がオーキド博士のようだ。

 その横には幾つかのモンスターボールがある。ゲームでは御三家3体だったけど、別に固定なわけではないらしい。

 

 オーキド博士は僕の姿に気付いたのか、手招きしている。

 僕はそれに従い、真っ直ぐとオーキド博士の前まできた

 

 

「君がユウト君かな?」

 

「はい。はじめましてオーキド博士」

 

 

 この世界での僕の名前はユウト、苗字という概念が無いみたいで、ユウトが僕のフルネームだ

 

 

「そうかそうか、よく来たな。新たなトレーナー君。」

 

 

 オーキド博士は僕の答えに満足気に頷くと、隣の机に置いてあるボールから一つのボールを取り出した。

 

 

「今から君にポケモンを授ける。ポケモンについての説明は必要かね?」

 

「いえ、大丈夫です。しっかりと学習してきました。」

 

 

 僕の言葉によろしいと返したオーキド博士は、手に持ったボールを投げてポケモンを出した。中から出てきたのはコラッタで、その紫の尻尾をフリフリと揺らしながら此方を見ている。

 

 

「まずはポケモン達の反応から相性を見る。その中から君に選んで貰うよ。」

 

 

 うん。相性って多分無理だろうね。今もコラッタに威嚇されてるし

 

 

「まあ、そういう時もある。次に行こうかの」

 

 

 オーキド博士はコラッタをボールに戻すと違うボールからポケモンを出した。

 

 

 ポッポ

「クルルッポ!」(羽を広げて威嚇)

 

 マンキー

「ウキャー!」(毛を逆立てて威嚇)

 

 オニスズメ

「ーーーー」(無言で睨みつける)

 

 キャタピー

「」(気絶)

 

 ビードル

「」(怯え)

 

 ピカチュウ

「ヂュー!!」(電気漏電)

 

 フシギダネ

「ダネダーネ」(頭を振って自分からボールに入っていった)

 

 ゼニガメ

「ーーーー」(からにこもる)

 

 ヒトカゲ

(プイッと顔を逸らされた)

 

 

 

 泣いていいですか?

 

 オーキド博士もどうすべきかわからずに困っているよ。どうやらヒトカゲで打ち止めのようだ。やっぱり僕はトレーナーにはなれないのか.....

 

 

「.....少し待っていてくれるかの?」

 

 

 打ちひしがれる僕を見てオーキド博士は奥の部屋に入っていく。あんなところあったんだ。ゲームでは存在しない部屋。どんなアイテムがあるんだろうか。

 

 思考がどんどん壊れて行く僕の前にオーキド博士が戻ってきた。

 その手には3つのモンスターボール。何かを考えている様子でそれを持ってきたオーキド博士を見て、今度はどんな威嚇をされるんだろうかと自虐的な思考に陥っていく。

 

 

「こいつ達は、何故かどのトレーナーにも懐かなくての。どのポケモンにも懐かれなかった君ならもしかしたらと思ったのじゃよ」

 

 

 オーキド博士ひどくないですか?10歳の子供に言うことじゃ無いよ。まあ、転生した僕はその程度へでもない。視界が滲むのは気のせいだ。

 

 オーキド博士は、3つのモンスターボールを放りポケモンを出した。

 そこにはピカチュウ、ピジョン、ロコンの3体の姿が....

 どうしてピジョンに進化しているのだろうか。そう考える僕を3体は無言で見つめてくる.....

 

 

 いや、なになに?いきなり威嚇はされてないけどさ。無言で見つめられるってどう言うこと?何この沈黙。すっごい気まずいんですけど....

 いくら待っても何の反応も見せないので、取り敢えず挨拶をした。挨拶は大事だしね

 

 

「こ、こんにちは。ぴ、ぴかちゅう」

 

 

 あかん。どもってもた。

 

 取り敢えず中心にいたピカチュウに話しかけたけど、緊張のあまりどもってしまった。

 なんという豆腐メンタル。我ながら情けないです。

 

 トレーナー辞めたらどうしようか。何処かのフレンドリーショップにでも就職する為に勉強しようか....

 

 

 思考がどんどんおかしくなっていく僕は、取り敢えず現実を受け止めようと、ピカチュウを見た。

 

 

「ピッカー♫」

 

 

 なんと笑顔で抱きついてきた。って、ぐふっ

 

 

 ピカチュウ、意外に重たいぞ

 

 

「ピカピー♫」

 

 

 頭をすりつけてくるピカチュウ。可愛いな。重いけど

 

 

「どうやら正解だったようじゃの。」

 

 

 色々と思考が脱線していたが、これでトレーナーになれるってことじゃないか!

 素直に嬉しい。俺はピカチュウの頭に手を乗せて笑った

 

 

「これからよろしくな!ピカチュウ」

 

 

 俺の言葉にピカチュウは耳をピクッと動かし、すりつけていた頭を離すとこちらへチョップをかましてきた

 

 え?何がいけなかったの?気軽に頭を触んじゃねえ!ってやつ?

 

 

「ぴ、ぴかちゅう?」

 

「ピカ♫」

 

 

 今度は笑顔。え?どゆこと

 

 

「どうしたんだ?ピカチュウ」ビシッ

 

 

 次はチョップ.....まさか

 

 

「ぴかちゅう?」

 

「ピッカー♫」

 

 

 笑顔で頷いた。なんというイントネーションの違い。普通のピカチュウではなく、柔らかめにピカチュウと言えというのか、このピカチュウは。あえていうなら平仮名で言うような....

 

 

 ちょっと待てよ....この3体は誰にも懐かなかったって言ったよな?

 

 もしかしたら....

 

 

「ろこん?」

 

「クォーン♫」

 

「ロコン」ボゥ!

 

 

 うぉ!火吹いた

 

 

「ぴ、ピジョン」ガッ

 

 

 痛!ピジョンのつつく痛!

 

 

「ぴじょん」

 

「ピジョ!」

 

 

 満足気に頷いてる。この3体、全員がイントネーションが気に食わなかったようだ。

 

 

 ってあれ?ひらがなでこの3体.....

 

 嫌な予感がする.....

 

 

 

 

 

 

 

 結局、オーキド博士は、あまりにも他のポケモンが懐かなかった僕を不憫と思ったのか、3体共僕のポケモンとなった。

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