Dr.カズマはテラから抜け出したい‼︎   作:切嗣

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研修旅行で海外から日本へと戻ってきました。
これから少しずつ執筆していきます。
お気に入り登録、高評価ありがとうございます。


このファッション狂人の悪魔娘に祝福を

カズデルに1人のサルカズが訪れていた。

彼女はW。傭兵だ。

長期間の遠征からカズデルへと戻ってきたのである。現在の彼女は一時的に傭兵仲間とは別行動をとっていた。

 

「ここ、カズデルよね…」

 

カズデルは廃墟だった。

この世の地獄や掃溜めと形容されるような場所。

彼女の記憶ではそうだった。

しかし、彼女の目に映るのは

 

「寄ってらっしゃい! 見てらっしゃい!」

「新鮮なじゃがいもを使ったじゃかバターだよ!」

「栄養満点の野菜スティックはどうだい!今ならお買い得だよ!」

 

活気に満ちた光景。

凸凹だった地面は整備されており綺麗な道が出来ている。

道の横には水路があり、綺麗な水が流れている。

様々な屋台が並びあっており、道行く人々の雰囲気も明るく感じられる。

 

「アルバイト募集中だよ!収穫の数に応じてボーナスも出るよー!」

 

畑まで?

ここが本当にあのカズデルが疑わしくなる。

 

Wは声かけを呼び止め、カズデルで何が起きたのかを尋ねる。

 

「何だい、姉ちゃん? カズデルには戻ってきたばかりか」

「ええ、それでこの様子は何が起きたの?」

「ああ、バベルとテレジア殿下のおかげだよ。何でも新種の肥料や聖水で農作物が豊かになったとか。殿下たちには頭が上がらないぜ」

 

バベル?新種の肥料?聖水?それにテレジア殿下?

訳がわからない。

 

Wの頭は疑問でぐちゃぐちゃになっていた。

 

「さっぱりわからないわ」

「じゃあついてくか? そっちの方が早いだろ」

 

──────────────────────

 

Wは収穫アルバイトに参加することにした。

 

「何でキャベツが飛んでいるのよ!」

 

Wは驚愕した。

目の前にはキャベツが群れとなって空を飛んでいた。

理解不能だ。

 

「重装部隊が抑えるから、手の空いてるやつは収穫を頼んだぞ!」

 

叫び声と共に重装備のサルカズたちがキャベツの群勢に突っ込む。

 

「ぼさっとしてないであんたは収穫してくれ!」

「ぐっ、うるさいわね。わかってるわよ!」

 

近くにいた同じアルバイトにどやされ、Wはキャベツを捕まえようと近づく。

そしてキャベツの群れ目掛けて飛びかかる。

 

「捕まえ…あ、痛⁉︎」

 

キャベツはひょいとWを避ける。

そこへ後続のキャベツがWの後頭部にぶつかってくる。

バランスを崩したWは、重力に従って地面に叩きつけられる。

 

「くっ、ありえない。この私が野菜如きに」

 

土の味がする。

野菜如きに、こんな醜態とは屈辱だ。

口に入った土を吐きだす。

 

「野菜如きに舐められてたまるもんですか!」

 

Wはキャベツの群れに突っ込んだ。

 

 

 

──────────────────────

 

 

「ちゃんと収穫したでしょ!この換金額はどういうこと!」

 

Wはキャベツを収穫し終えた後、換金所の店員と揉めていた。

 

「あんたの収穫したやつにレタスが混じってたんだよ!」

「何でよ!」

「何でって、そんなこと俺に言われても困るんだよ。というか初めての収穫なんだろ? 皆最初はそんなもんだぞ」

「あの華麗なるキャベツ泥棒じゃあるまいし。でもあの人の手捌きは見事だったぜ」

 

店員は収穫が上手かった人物の名を自慢げに語ってくる。

Wにとってはうざったらしくてたまらないが。

 

「ああ、もうとにかくだ。お前さん、じゃがいもにした方がいいぞ。じゃがいもは飛んだりしないからな」

 

換金額自体は悪い物ではない。

むしろ、傭兵仕事より割りの良い仕事だ。

野菜の収穫の方が傭兵より金になるところは思うところがあるが。

Wは渋々頷き、提示された金額で精算する。

受付に行き、じゃがいもを収穫する旨を伝える。

 

「はい、どうぞ。じゃがいもの芽には毒がありますので気をつけてください」

 

小柄なコータスの少女から軍手を受け取り、礼を言って離れる。

畑をほじくり、じゃがいもを袋に詰めていく。

 

キャベツは飛ぶのに、じゃがいもは飛ばないってよく分からない。

というか自分は何故野菜の収穫をしてるんだっけ。

 

そんな疑問を持つが、振り払って目の前のじゃがいも掘りに集中する。

 

「サンマだ!」

「誰か捕まえてくれ!」

 

大声が聞こえた。

そこには空中を自由自在に泳いでいる鱗獣がいた。

 

鱗獣が何故ここにいる?

川に生息しているはずだ。

 

疑問が次々と出てくるW。

しかし、キャベツが飛んでいる光景を先ほど見ていたため、そういう物だと受け入れる。

 

「捕まえてくれたら、特別ボーナスも出すぞ!」

 

ボーナス。

先ほどの換金額からして特別ボーナスも期待できそうだ。

 

「良いじゃない。ちょうどじゃがいもの収穫に飽きてきたところだし、少し遊ばせてもらうわよ」

 

先手必勝。

最短最速で終わらせるため、サンマ目掛けて走る。

キャベツの収穫で飛び回るものに対してどう対応すれば良いかコツは掴んでいる。

 

「捕まえた!」

「『スティール』!」

 

同時だった。

Wがサンマを追いかけているとき、前方から少年がWの方へと向かってきていた。

二人は交差した。

キャベツがWを横切っていく。

少年はキャベツを追っていたのだ。

Wはサンマを捕まえることに夢中で気づかなかった。

それは少年も同じだったのだろう。

 

Wは違和感を覚えた。

下半身が不思議とスースーする。

そして、理解した。

自分の大事なものが無くなっている。

傭兵稼業をしているとはいえ、女であったためおしゃれに気を使っていたW。

決して安くはない値段で購入した─

 

「あ、あのー、ごめんなさい。これ、お返しします」

 

申し訳なさそうに少年はWに手を出しながら、話しかけてくる。

少年が差し出したのはWのパンツだった。

 

──────────────────────

 

「この度はうちのドクターがとんだご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした」

 

サルカズの魔王が頭を下げていた。

魔王はドクターと呼ばれる少年の頭を掴んで、下げさせていた。

 

「ドクター、改めて何があったか説明してもらえる?」

「はい、私はキャベツの収穫を手伝っていました。1玉だけ逃げ出したのがいたのでそれを追いかけてスティールをしました。その際に、Wさんを巻き込んでしまいました」

「つまり、故意ではないのね?」

「はい、その通りです! 事故です! 事故なんです!」

「Wさん、この通りです。ドクターも悪気があったわけではないの。許してもらえないでしょうか」

 

私も女性だから気持ちは分かるといった旨の気遣いの言葉をテレジアから受けるW。

 

「ドクターも男の人だからそういうことをしたくなる気持ちはわかるの。でも、女性の下着を盗むのはいけないと思うの」

 

少年に対して怒っているようでテレジアは笑顔だが目は笑っていない。

なお、この間テレジアは、少年に対して頭を掴んでいる状態のままだ。

ミシミシという擬音が聞こえてきそうだ。

 

「痛い! 痛い! テレジア、アイアンクローは止めてくれ!」

 

テレジアには少年の声が聞こえていないようで、少年に対する愚痴を吐いている。

 

「あの、少し良いですか?」

「何かしら?」

 

深呼吸をするW。

 

「誰か説明しなさいよおぉぉぉぉ!」

 

今日一日、自分の常識を壊す経験をたくさんしたWは既に限界だった。

 




何だろう。Wが叫んでばかりになっちゃっいました。
可笑しいな。気が付いたらこのすば要素に乗っ取られていた。

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