空崎ヒナは幸せでなければならない 作:rilu
皆様、周年ガチャの方いかがお過ごしでしょうか。私はアロナがデレにデレて星3確率13%を記録しました。いっぱいすり抜けで新規入手生徒が来たので嬉しかったです。
ドレスヒナかわいいよヒナ
「“全てが上手くいっているわけではない”」
「“この世界は、何か一つのボタンを掛け違えただけで結末が変わってしまうほどに脆い”」
「“最良の選択が、必ずしも最善の結果になるとは限らない”」
「“だから、私達は許容しなければならない。救えた犠牲を。抑えられた被害を”」
「“幾千、幾万、幾億と続く、この最低で最高の
「“先生というテクスチャを持っても私達は、ただの臆病者でなければならない”」
「“全ての道筋の先に、空崎ヒナの幸せがあると信じる限り、私達が足を止めることは許されないのだ”」
「“何も覚えていなくても、どのような困難に道を塞がれても、その全てを乗り越えていくまで、夢の元まで歩き続けるしかない”」
「“貴女が諦めない限り終わらないこの物語を、よろしくお願いしますね”」
「“ヒカ、どうしたの?大丈夫?”」
「“大丈夫です。少しナーバスになっていただけですよ”」
ここ最近、変な夢ばかり見る。いや、最近…というほどではないかもしれない。具体的には最終編が終わった辺りからだ。
別にあのパッチワークの部屋で大人数に詰められるのはいい。別に良くはないのだが…あれは、自分の生まれが関係していると簡単に分かるからかあまり気にならない。様々な人間の無駄な記憶の整理のためにあの夢をやっているということ。いわばバグを一箇所に集めて一掃しているだけなのだ、あれは。そもそもあの夢は生まれてこの方ずっと見続けている。見ていて気持ちのいいものではない、が、まぁ、仕方ない。
だがしかし、もう一つの夢はなんだろうか。私が今まで『近づいてはいけない』、『関わってはいけない』、『親しくなってはいけない』と感じていたその直感に理由を付けるようなものばかりだった。
起きる時にはもう断片的にしか覚えていない。だが…全て、私が死んでいる。
消滅、身代わり…でもヒナは死なない。死んでいない。あの夢は結果までは毎回見せてはくれない。
…御託を並べているが、一言で言ってしまおう。あれはバッドエンドだ。所謂バッドエンドスチル、あれを見せられる。
毎回私は居ることから、この世界の並行世界であることは分かる。だがしかし、それ以外が何も分からない。ある程度推理できるものもあるが、推理が限界だ。起きた時に覚えていることだけで推理する必要がある。
こういうのはこの世界において重要だろうという考えの元、夢日記をつけている。ヒナの体を使って飛び起きて書いていた。
推理も含めて書いているので結構な厚みがある。忘れる前の殴り書きのためほぼ平仮名片仮名で字も雑だが…まあ、たまには読み返すとしよう。あと、いくつか書き足せることもあるだろう。
今頃マコトはシャーレで大真面目に議論をやってるだろうしな。朝ぐらいはサボろう。
すなはら。おそらくアビドスさばく
きゅうじょたいしょうのむねでかい ノノミか
おおきなヘビ たぶんビナーだとおもう
なぜきたのか おかしい
ビームちょくげき、それであんてん。ヒナはぶじなのか
追記:今の今まで心当たりはなし。アビドス3章の説が濃厚か?しかしホシノの姿はなく、ビナーが現れる理由が分からない。ノノミの救助を行なっているのも意味不明。
めのまえにせんせいとヒナ じゃあみているわたしはだれだ
せかっこうはほぼヒナとおなじ でもくろふくにたのんでいるぎたいではない
そのあとはおそらくしょうめつした なにかせんせいとはなしていたがおぼえていない
追記:状況が不明。先生たちと敵対していたようだが、なぜ?そもそも私はどこに入っているんだ?
そらをみあげる なにかがみていた きえた こわい これについてかくのはやめよう
追記:
がれきのやま ぼうしかぶってるせいと
むねをうたれた うたれたあとちゃんとなおしていたはず
もうあいまいだ よくおぼえていない
追記:帽子の生徒というのは恐らくサオリ、瓦礫は調印式の時にミサイルでできたものだろう。私が腹ではなく、比喩抜きに
ピンく おそわれた
まけたのか
きずなおしすぎ しょうめつか
たましいのけずりすぎだろう
追記:多分ホシノ。テラーか臨戦かは分からないけど多分ホシノに殺されてる。傷の治しすぎは魂をゴリゴリ削っているのと同義なのでこれからも気をつけるべきかもしれない。
ヒナのなかでいっしょにねむるだけ
なぜこのゆめをみた
ただのゆめのはずなのにここにかきとめるべきなきがする
追記:今考えると普通の夢だろこれ
あかいかげ にげきれなかった
のみこまれた
ぼうしのせいとがよこにいた まえにもみた
追記:帽子の生徒はサオリのことだろう。その他に心当たりはない。赤い影って何?
追記2:恐らくついこの前、ベアトリーチェに追いかけ回された時。腕だけではなく、全身を持っていかれたのか?
しろいせいとにころされた
あおいひかりがある
あれはだれだ
追記:白い生徒って誰?ヒナ?心当たりがない
追記2:青い光の部分から、あのアリウス生達と同質のもの?細かい個人名は不明。
あかいのがめのまえをおおってあんてん
ぐしゃりというかんかく
つぶされたのか
追記:赤いのは前にも出てきた赤い影と同じ?あと、人の頭を潰せるようなやつを私は知らない。
追記2:赤いのはベアトリーチェ?だが潰されるような機会は無かった。警戒をするべきだろうか。
新しく分かりそうな部分を『追記2』と書きながら読み返している。
「何も分からない、な」
片腕でペラペラとページを飛ばしながら日記帳を見ている。
そもそもの話、この日記帳に書いてある夢を私は覚えていない。覚えていないからこそ、書かれている内容から推測するしかないのだ。
この夢が何かの警告なのか、それとも世界が戯れでみせているただの悪夢なのか。それは分からない。
夢からの情報を受け、考察し、対策する。それしか私にはできそうにない。
…あ、そうだ。サオリにでも会いに行こう。確かあの後救急医学部に引き渡されたよな。
「…で、どういう状況なんだ?」
「はなーしてー!おじさん、後輩達に迷惑をかけちゃう!!」
「離しません。精密検査を終えて怪我が無いか確認してからです」
セナとホシノが取っ組み合っている。幸い周囲の物が散乱するような惨事にはなっていないが、そのままプロレスとして放映を始めても視聴率が取れそうなぐらいだ。
「…サオリ、これどういう状況?」
「カゲ…じゃない、ヒカか。いや、ホシノが帰ろうとしたんだが、それをさっきから彼女が止めていてな。もう1時間ぐらいこうしている」
「2人ともよく体力保つなぁ。サオリはこう…逃げたりしないの?ここ一応公的機関だよ?」
「まぁ、そこは信頼…だな。別に、通報とかはしないだろう?それに、そろそろちゃんとした場所で検診なんかを受けた方がいいと思ってな…」
「まぁ、そうだなぁ…」
「ヒカちゃん!見てないで助けてよー!」
「ヒカさん、患者の拘束をお願いします」
「…」
無言でスマホを取り出し、アヤネと連絡を取ることにした。
「…こちらからはなるべく中核のメンバーを出しておきたい。そちらの報告によると、物量押しは有効ではなさそうなのでな」
「我々としても同意見だ。ツルギやハスミ、ミネも可能なら出しておきたいところだね。あれは放置していてはまずいと、私の勘が言っている」
「そうなれば自ずと本来の業務に支障が出るのですが…正直に言って、今回はそれを気にする余裕も無さそうですので」
2校の会談は想定以上に円滑に進んでいる。互いに共通の脅威があるからか、皮肉は飛ばず、悪態はつかず、そしてその口から飛び出してくるのは真面目な内容のみであった。
「今回の合同軍事演習の開催地ですが…」
「どうする?そちらになにか用意があるのか?」
「いえ、トリニティとゲヘナの緩衝地帯となり得る場の用意はできていません。なんせ、昨日の今日で決定した会談ですので…」
「…ゲヘナ内部と考えればいくつか見繕えるが、緩衝地帯となると厳しいな」
「“私がいくつか見繕おうか?”」
開催地の決定も近い。
「先生、いいのですか?」
「“うん。学園交流会に使ってる場所一帯、シャーレが一時的に借り受けてるみたいな状態なんだけど、あそこ結構広いからさ。許可さえ取れれば使えると思うよ”」
トントン拍子に会議は進む。皆に共有されている危機感からか、余計な発言のない会話が交わされていく。
「キキキ。ならば決まりだな。先生、場所の申請を頼めるか?」
「“分かった。ところで、どこで開催するの?”」
「ゲヘナでいいだろう。あのスラム街のような場所ならば人目も少ない。トリニティは河川敷で外部から視認される可能性も高いしね」
「そうですね。今回は大規模になりそうですし、川があると邪魔になりそうです。マコトさんも大丈夫ですか?」
「異存ない。その代わり、第二回はそちらで開催する形でいいか?」
「その方がいいでしょう」
「決まりだね。手配を頼むよ、先生」
分かった、と一言答え一旦書類を取りに戻る先生。
「問題は、どのようにして呼び寄せるか」
「少なくとも、アリウス生の元に出現するということは分かっているのだが…」
「なに、簡単なことだろう」
マコトは指を組み、目を覗かせる。
「アリウススクワッドを
「…それは」
「はっきり言おう。私はあいつを捩じ伏せられるなら手段を厭わないつもりだ。風紀委員会と協力するのも、貴様らと手を組むのも、アリウスの人間を餌として置いておくのも…な」
「しかし、我々ではアリウススクワッドとのコンタクトは…」
「問題ない。こちら側で1人を確保している。1人居れば十分だろう」
「…ナギサ、私としてもこの案には賛成だ」
「なっ…!」
「安心してくれ。嫌な予感はしないさ。彼女に、悪いことは起こらない」
「“話は聞かせてもらった!!”」
会議室と化した教室の扉を開き、先生が帰ってきた。
「“アリウススクワッド、いっそのこと全員集めちゃったら?”」
「え」
「“むしろ、その方がみんな守りやすいと思うんだけど…どうかな?”」
…この案は…通った。アツコ、ヒヨリ、ミサキの3人は、先生が頼み込んで連れてくることに。
そこからは細かな調整になる。誰と誰を組ませるか、配置計画、迎撃の策、治安維持組織の主力が不在の間、自治区の防衛はどうするのか。
そして時間が経ち空が紅くなりだした頃、ここにトリニティとゲヘナの密約が交わされた。
世にも珍しい、裏切りも謀略もなく公的な者達が交わした『約束事』である。
「決行は…4日後だ」
「…そろそろ行くか」
次の日、アヤネが無事ホシノを回収しに来たその時、アビドスに向かうというアポを取り付けた私は、アビドス高等学校にやってきていた。
「ようこそヒカちゃん。改めてアビドスへようこそ」
「なんだかんだ、荒事以外でここに来るのは始めてかもね」
ははは、と乾いた笑いを上げる。柴大将とかも会いに行きたかったけど時間が無かった。
「とはいえ今回も仕事と関係がない、というわけじゃないんだがね」
「…続けて」
対策委員会の面々は一気に真剣な顔つきになる。プレッシャーが凄い。
「3日後、トリニティとゲヘナの合同軍事演習が行われる。それに参加してもらいたい」
「珍しいですね。トリニティとゲヘナが合同で…」
「それに参加って…大丈夫なの?私達は全く関係ない外部の人間なんだけど」
「書類の偽造程度なんとかする。そもそも風紀委員会はかなり広大な組織、それに今回の軍事演習は機密性が非常に高い。風紀委員からの印象も大体は『あーこんな人いたかもなー』程度で済む。私の身内ならどうとでもなるしな」
考え込んでいる。これに首を突っ込めば何か面倒事に巻き込まれると感じているのだろう。別にそれは間違いではない。むしろ的を射ている。
「と、まぁ、御託はここまでとしよう」
「さっきから私は軍事演習だなどと言っているが、別にこれは軍事演習などではない」
「「「「「え?」」」」」
ぽかんとした顔つきになる。でも実際そうなんだもん。作戦に参加しない風紀委員に告知された軍事演習の内容とか全部嘘っぱちだし。
「ホシノがこの前戦ったあの生徒達。あの大元を潰したいと我らが議長はお考えらしい。正直に言って、戦力が欲しい。外部の戦力を入れることの許可は既に出ている。これは取引じゃない。ただのお願いだ」
椅子から立ち上がり、5人に向き直った上で頭を下げる。
「力を貸してほしい。私にできる範囲ならなんでもする。だから…だから、どうか力を貸してほしいんだ」
「なんでもって…なに?」
「足を舐めるぐらいは遠慮なくするが」
うわ、という目で見られたがなんなんだろうか。先生もやってるんだぞ足舐めは。
「じゃあ一緒に銀行強盗とか…」
「シロコ先輩!?」
「いいね、やろう。私もやってみたかったんだ」
「ヒカさんまで!?」
こうして約束は交わされた。私はアヤネにシロコと一緒に絞られた。ひどい。ちょっとした冗談じゃないか。ちゃんと頼まれたらやったけど。
「ん?アリスー、メール来てるよー?」
「アリスにですか?ユウカからでしょうか」
アリスの持っている携帯電話の画面には、賢者…空崎ヒカから届いたメールが映っている。
着信:昨日
〈送信者〉空崎ヒカ
〈受信者〉天童アリス
〈件名〉依頼について
こうしていきなりの連絡となったこと、申し訳なく思う。今回はアリス、ひいてはゲーム開発部にある依頼をしたく連絡をさせてもらった。…君たちの本業であるゲーム開発でこうした依頼ができないのは非常に残念なのだが、背に腹は変えられないということでこのような形になってしまった。
機密性の高い案件なので、もし話をするならできればここのカフェで話をしたい。明日の1600から1800まではその喫茶店にいる。もし受けるつもりがあるならここに来てくれ。
【添付されたファイルを表示】
「モモイ!ミドリ!ユズ!賢者からクエストが届きましたよ!!」
「えっ、クエストってなに!?」
「賢者…って、ヒカさんから?」
「それでここに来たと」
「はい!アリスはクエストを受けにきました!」
喫茶店で美味いコーヒーとサンドイッチに舌鼓を打ちながら待つこと大体20分。ゲーム開発部がドアを潜って現れた。ぱんぱかぱーんと大声で言いながら入ってくるものだからマスターがちょっとびっくりしてたぞ。
「それじゃあ、依頼の内容だ」
そこから依頼の内容を話す。概ねアビドスの面々と話したことは一緒だ。それに対してゲーム開発部は
「賢者のクエストなら、これが重要なクエストのはずです!なので、アリスはこのクエストを受注しました!」
「アリスが行くなら、私達も行くよ!」
「お姉ちゃん!?…仕方ない。私も行きます」
「わ、わたし、も、行きます…足をひっぱらないよう、がんばります」
そうだ。あとはいくつか聞いておきたいことがあるんだ。
「アリス、ケイは元気?」
「はい!今はエンジニア部のみんながボディーを作っているところです!」
「良かった。それと…」
これが本題だ。アリスにしか聞けない大事なこと。
「“私”は、上手くやれたのかな?」
「…はい。賢者は、素敵な人でした」
良かった。それしかいう言葉がない。
ゲーム開発部との協力も取り付けた。あとは、全力で迎え撃つのみ。
スラム街のように見える場所。学園交流会で使われるゲヘナ自治区の一部は、物々しい雰囲気に包まれていた。対立する2校が同じ場所に居るから…ではない。これから起こりうる出来事への警戒と、気持ちの高揚のためである。
「“スクワッドのみんなも、こんなこと頼んじゃってごめんね”」
「気にしないで、先生。これぐらいは大丈夫」
「あ、久しぶりー!アリウスのみんな!」
「ゲッ、聖園ミカ…!」
「“ミカ!?なんでここに…”」
「それがさー、この前の会談サボったんだから今回ぐらいは行けってナギちゃんがさ。酷くない!?」
「“あ、あはは…”」
『先生、聞こえているか?』
「“うん。聞こえてるよマコト”」
『各人員の配置が完了した。いつでも始められるぞ』
錠前サオリやゲーム開発部、アビドスの面々などの配置も終わったようで、通信がかかってきた。
そして始まる。ゲヘナ風紀委員会、正義実現委員会、万魔殿、ティパーティー、アリウススクワッド、アビドス廃校対策委員会、ゲーム開発部。揃った。
「“各員、作戦開始────!!!”」
戦いの火蓋が切られた。
「行くよ、ヒナ」
「うん。お姉ちゃん」
Rabbit小隊出てもいいかなとか考えましたがどう考えても不自然にしかならないので出番はありません。