空崎ヒナは幸せでなければならない   作:rilu

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アコちゃんとのほのぼのデート回?残念、メインストーリーだよ!

というわけで過去のお話です。

仕方ないんや...本来普通にメインストーリー追ってたら開示してあるべき情報だったりを全カットして終了後から始めたせいで開示しないと話を進められないんや...許して...
ただしアビドス前半はカットだ!正直内容考えても原作と基本変わらない....

独自設定マシマシです。ご注意下さい。


ちょっと過去:エデン条約にて

 

空が堕ちる。

 

地が灼ける。

 

害意は、すぐそこまで迫っている。

 


 

『私達のよく知るトリニティとゲヘナという様相です!』

 

通功の古聖堂、第一回公会議が成された場所。

今そこに、多数のトリニティ生とゲヘナ生が集まっている。理由は“エデン条約”の調印...

 

「おい!今、そっちのやつが...」

「そっちこそ...!」

 

...まぁ、有り体に言えば2校とも紛争をやめて仲良くしましょうね、というものだ。しかし、まぁ、末端の意識はそう簡単には変えられないもので。どこであろうと小競り合いは起きてしまうものである。

 

幸いにも、正義実現委員会委員長のツルギによってなんとか口喧嘩程度で済んでいるようだが。

 

 

「はぁ...面倒くさい」

『そう文句を言うなってヒナ...』

 

平和を乱す怨念が。

 

「そろそろ調印ですね」

「えぇ、これでここしばらくの騒動も落ち着くはずです」

 

街を混乱に包む悪意が。

 

「“こういうのの話って、眠くなってくるよねぇ...”」

 

会場を白で(紅で)包んだ。

 


 

 

「っつ、うぅ...」

 

状況は...周囲のメンバーは無事、アコも問題なし。襲撃...巡航ミサイルが来たか。傷は治ってる。ってことはヤツら(アリウス)が次に狙ってくるのは...

 

「当たらんよ...!」

 

出会い頭での狙撃...いい腕だが、場所さえ分かっていれば避けるのは容易い。

 

「え、えへへ...避けられちゃいました。あれを受けても傷ついてませんし...すごいですね...でも、この先も痛いことだらけですから、もういっそ...」

『逃すなよ』

「は!はい!そういうことなので...すみませんね...えへへ...」

 

ヒナは起きそうにない。私だけでこの人数を相手取る...なるほど、これは厳しい。でも、こんな場所で止まるつもりはない。先生の救援に行かなければ。

 

「...通してもらうよ、そこ」

 

その言葉と同時にデストロイヤーを乱れ撃つ。反動や神秘の関係でヒナほどの威力と精度は出せないが、弾幕としては十分すぎる。

 

足の止まったヤツには片っ端からリボルバーの弾を叩き込む。これで大体6割程度、か。でも...

 

「穴はできる!」

 

弾幕に大きな穴は空いた。この程度であればゲヘナでもたまに見る。

身を交わして弾幕を潜り抜ける。ヒナであれば全員薙ぎ倒していけただろうが...

 

「くっ...追え!逃がすな!」

「そう簡単にはいかないか...突っ込む!」

 

残ったアリウスに突っ込み、接射で、格闘で、無力化していく。ヒヨリの狙撃は回避。無駄には戦わず体力と弾を温存しておく。

 

...抜けた。古聖堂の位置から先生の居場所を割り出す。後方からの銃弾にはこちらも銃弾で返す。

 

「割り出すまでも無かったな...あっちか」

 

リロードをしながらしばらく走ると、黒い制服が3つに大人が1人。間違いない、先生達だ。

 

挨拶代わりにとデストロイヤーをありったけ撃ち込み、顕現したユスティナを片付ける。

 

「総員、こっちに!」

「あれは...ゲヘナの風紀委員長!?」

「“あれ...?ヒ...ナ...?”」

「細かい事情は後で!今はここを切り抜ける!」

 

アリウスの...確か、ミサキだったか。がヒヨリと連絡をとっているようだ。

 

「...まさか、ヒナに抜けられた?」

『すみません、事前に聞いていたものとは戦い方が違い全員薙ぎ倒されて...』

 

「...任せます。不快ではありますが...今はそれしか方法もありません」

「“でも”」

「先生、今のトリニティ、そしてゲヘナも中枢部は壊滅しています。今ここで先生まで倒れられては収拾がつかなくなってしまいます!」

 

「“...”」

「無事を祈ります、退路は私達で確保します!」

「頼む、先生!」

「行ってください!先生!」

「“ごめん、ありがとう、みんな!”」

「早くこっちに!」

 

...守りきる自信は無い。でも、ここは虚勢を張ってでも意地を通す場所だ。

 

「風紀委員長...先生を...よろしくお願いします!」

「...人違いだが、任された!急ぐよ先生!」

 

走りながら、先生と状況を共有していく。

 

「とりあえず外部へ。あの幽霊みたいなのは無視。最短でいくよ、走って」

「“それじゃあ走りながら聞くけど、君は一体?”」

「空崎ヒナの姉。名前は名乗らんぞ。後で妹から聞いてくれ」

「“へぇ...あ、でも確かにこの前ヒナが言ってた気も...”」

「雑談は後にして。私はヒナのように強くない」

 

進行方向のユスティナを片付けながら走ると、まだ建物ビルの形を保っている区域に到着する。

何回も銃弾に当たっていて服は血塗れだが、傷は回復が早くすぐに塞がった。

 

 

「こっちの区域、急いで!」

「通すと思うか?」

「えへへ...またお会いしましたね、ヒナさん...」

 

「“アリウススクワッド”、勢揃いでお迎えとはね...これはちょっと、厳しいかな...」

 

デストロイヤーを乱れ撃つが、そこはアリウスの上澄み。避ける、弾く、撃ち落とす...やはり自分の気合いも神秘も入っていない弾では限界がある。

ならばとリボルバーを取り出し、数発撃とうとする。

 

「ぐぅっ...」

 

苦悶の声をあげたのは私だ。ミサキのロケットランチャーの爆風で足元を崩され、銃弾を浴びて倒れる。

 

...情け無いな。

 

そう思いながら、視界が黒く染まる。

 

「“大丈夫!?”」

 

本当に?

 

「ゲヘナとトリニティの主要人物はこれで片付いた...後はお前だけだ、シャーレの先生」

 

未来(この先の展開)を知っておいてこの様か?

 

「“君たちが、アリウススクワッド?”」

 

妹の大切な人さえ守れず?

 

「...あぁ、そうだ。私達がアリウススクワッド。ようやく会えたな、先生」

 

みすみす、眺めているだけでいいのか?

 

「アズサが世話になったと聞いた。あいつには今から会いに行く予定だ」

 

だめだ。

 

 

いやだ。

 

 

体は動く。否、動かす。声を上げろ。血を廻せ。心臓を拍動させろ。思考を止めるな。

 

「トリニティとゲヘナを、キヴォトスから消し去る。文字通りにな」

 

意味など無くてもいい。ただ力を、想いを込めて、トリガーを引く。

 

「だが、その前に貴様を処理しておくとしよう」

 

 

「さァァせェェェるゥゥゥゥかァァァァァッッッ!」

「!?まだ動けるのか!?」

 

傷は塞がっている。目も見える。死んでいない。

だったらいいんだ。動けよ空崎ヒカ。止まるなよ空崎ヒカ。

 

 

「私はッ!居るぞッ!まだ、ここにッ!!」

 

「だが、もう遅い!」

 

トリガーに指がかけられている。引かれる。

 

 

あぁ、体が軽い。他人の体を借りてるんじゃなく、まるで自分の体を動かしてるような。

変なことを言うが、これが初めてかもしれない。

 

今だったら、指、足、目...どこでも自在に動かせる。その確信とともに...私は翼でサオリの銃弾を逸らした。

 

翼に傷が付く。痛い。

もうデストロイヤーは役に立たないことは分かった。地面に置く。

 

「“血が...!”」

 

「来た...!セナッ!先生を回収して!」

 

救急医学部の到着...

 

「救急車...!?」

 

「先生、手を!」

「逃すか!」

 

「あんた達の相手は...私だ!」

 

「ま、まだそんな力が...!」

 

しかし、因果は変えられない。先生の腹を貫く弾道を描いた銃弾は、高速で前へと進み...

 

「させ、ない...!」

 

間に挟まった、私の体を穿った。

 

 

あぁ、これでいいんだ。これで...

 

セナに首根っこを引っ掴まれる。

 

今度こそ、私は意識を閉ざした。

 


 

「起きて...さい...起きてください!先生!」

「んなぁ?」

 

なんだここは...というかここ水浸しだ...横になっていたからか背中が冷たい。

目を開けると、そこは青空が見える教室だった。視界には青と白の2人の少女が映っている。

 

「先生!大丈夫ですか!?」

「起きたんですね先生。ずっと起きなかったから何があったのかと」

 

何を言っているんだとも思った。だが、すぐに記憶を掘り下げて見当をつける。

 

「もしかして2人は...“私達”のアロナとプラナ...?」

「肯定。先生の心の中、心象...そのイメージが少しずつ集まってできたのが、このシッテムの箱と私達です」

「ですが、私達は確かに本物です!このスーパーアロナとプラナちゃんがいればなんだってできますよ!」

 

そう言ってアロナは胸を張る。それにつられてなんだか私も誇らしくなってしまった。

 

「うん、心強いね...これからもよろしく」

 

2人の頭に手を伸ばして撫でようとする。しかし、その伸ばした手は2人の頭に触れることは無かった。

 

「何これ、手に靄がかかって...」

 

自分の手がすり抜けたのだ。

体を見回すと全身には薄くぼんやりと靄がかかり、自分の身体がぼやけて見えている。

 

「おそらくですが、まだ“先生”は完全には“先生”ではないことが原因かと思われます」

「いわば、先生は一時的にここに入れているだけ...うーん、どう言えばいいんでしょうか」

 

...なんというか、難しい...というより概念的なものな気がするなぁ。

 

「つまり、私が今は先生であり、生徒でもある。だから本来先生しか使えないここ(シッテムの箱)に今は中途半端にアクセスできてる状態...ってことでいいのかな?」

「はい!多分その認識で合ってると思います!」

「多分なんだね...」

 

あれ、足の感覚が...

 

「...時間が近いです、先生」

「もう?ちょっと早くない?」

「それだけ今の先生が、生徒に近いってことです!それと、先生がずっと寝ていたというのもありますね!」

「うーん、素直に喜んでいいのかな...?じゃあ、しばらくは会えないってこと?」

「先生は、今はまだ生徒です...何か、自分が“先生”である、と定義することができなければ、またここに戻ってくることはできないと思います!」

「難しいね...」

 

「というか、私特に何もしてないよね!?なんで先生にされてるの!?」

「うっ、それはー…」

「そこは私が説明します。先生は気絶する前に、お腹に銃弾を受けて、救急医学部のセナさんに救出されましたね?」

「多分されてたね...え?まさかそれだけ?」

「えぇ...『再現』がされてしまって、“先生”に近くなってしまったのでしょう」

「先生ってそんな概念的なものだったの...?私の記憶では、ただ単に教え導く者って程度の認識だったんだけど」

「...私達の世界で、“先生”は特別なものなので」

「そういうものかぁ...実感ないなぁ」

 

 

その言葉を言った時には、完全に足の感覚がなくなっていた。

 

 

「あ、感覚がなくなって...」

「時間ですね、先生」

「もっとおしゃべりしたかったなぁ...」

「また会いましょう、先生!」

「...うん、またね2人とも!」

 

私の体は靄を通じて見えなくなった。

 


 

...意識が明るくなる。

 

『どこまでも続く、青い蒼い空...青春の物語(ブルーアーカイブ)って感じだ』

 

「お姉ちゃん!?」

 

『ただいま、ヒナ。ごめんね、大事なところでずっと寝てて...』

「ううん、私こそ...ごめん、投げ出して押しつけちゃって...そして、お腹に穴が空いて、それはもう、起きた頃には、無くなってて...もう死んじゃったって...思って...」

 

『大丈夫。今、こうしてヒナと話せてるから...ほら、お互いに謝ったからもうこの話はおしまい!ね?』

「...そうね。それじゃあ...」

 

そう言ってヒナは書類の束と向き合った。

 

「エデン条約が結ばれたけど、しばらくの間仕事は10%増量って感じね...」

『まったく、寝起きにまず見るのが書類の束なんてねぇ...』

 

しかし、まぁ。この、呆れかえるほどの平和というものもいいものだ。





言い忘れてましたが評価バーに色がつきました!ありがとうございます!

引き続き評価、感想はお待ちしております。

番外編(メインストーリーと関係ない過去、掲示板、if等々)は

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