ブルーアーカイブ【反逆のルルーシュ】   作:名前が何も思いつかない

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FINAL TURN【ゼロレクイエム】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣が抜かれる、感覚がする。せき止められていた水が吹き出すように、血がダラダラと、そこからとめどなく溢れる。痛い、なんてものじゃない。耐えれるわけもない。けれど、それでいい。

 

「っ······あ······」

 

足がもつれ前に進み、そのままの勢いで滑っていく。恐らく、滑ってきた箇所には血が垂れているだろう。血の道が出来ているだろう。

 

「······お兄、様?」

 

最愛の、妹の声が聞こえる。あの時ギアスを使ってまでフレイヤを奪ったというのに、とても優しい声をしている。やはり、優しいのだろう。どんなことがあっても、彼女は、きっと。

痛みに蠢く身体を無理やり動かし、顔を見た。まだ、何が起きたのかすら掴めていないような顔で、此方を見ている。それでも、自分の目から何かを掴み取った、のか、そっと、手を合わせられる。目が見開かれる。

 

(な、なりー······)

 

気づかれただろうか。それとも───優しい手が、両方包み、感覚が無くなっている腕が持ち上げられる。冷たい。息がしにくい。けれど、彼女の手だけは、ハッキリと分かった。とても、そこだけ、暖かった。

 

「お兄······!愛して······!」

 

もはや、声すら聞こえなくなってきた。周りのざわめきも、自分の中でなる耳鳴りのようなものも、彼女の声ですら。でも、今の彼女は、愛していると言ってくれた。あんなことをしておきながら、まだ、自分のことを愛してくれていた。

 

「······あぁ······俺は······」

 

手を最後の力で握り返し、目を瞑ってしまう前に、ナナリーの見る。死ぬ寸前になると、走馬灯が流れると聞いたことがあるけれど───今の自分は正しく、そうだった。

 

「世界を、壊し······」

 

シャーリー。

 

ロロ。

 

ミレイ会長。

 

リヴァル。

 

ニーナ。

 

扇。

 

玉城。

 

カレン。

 

C.C.

 

スザク。

 

皇神楽耶殿。

 

······ユフィ。

 

······ナナリー。

 

守れなかったものの方が多かった。自らの手で失わせたものも少なくは無かった。ゼロレクイエムを完遂させる為なんて大層な理由をつけて、殺してしまえば、それは正当化などされない。もう、手遅れに近い。でも、最後に───最後の最後に、彼女が、ナナリーが、愛してくれたらなら、俺の人生は、良かったと言えるだろう。

 

「世かいを······」

 

手が、ゆっくりと落ちていくのを感じる。せめて、意識を手放す前までは掴みたかった。けれど、もう持たない。身体すら持ちそうにない。目も見えない。耳も聞こえない。手の感覚だけ、ほんの少しだけ、感じた。

 

「創る······」

 

手が、完全に落ちた。幸せになってくれ、せめて、ナナリー。その願いが届いたのかは分からないが、もう言葉では伝えられない以上、願いしか出来ない。偽りの英雄───ゼロ、スザクよ。ナナリーを、守ってくれ。最後の願いを終えて、意識を完全に手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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