俺のピカチュウだけでんき技使えないんだけど 作:イリノイ州の陰キャ
・グラスタウン
ハドリア北部にある共同体。閑静でアクセスはそこまでよくない上に、目を魅く建造物もレジャースポットもない。しかし一定数の観光客がおり、町として成立している模様。
この町で作られるガラス製工芸品は、国内外で「ハドリアン・グラス」と呼ばれ、精緻な細工と鮮やかなグラデーションが好評を博している。
33、It’s almost summer, guys!
例えば我々を構成する細胞を平面的に図示したとして、どこか一部を切り出した部分に隙間なく若い三角形が並んでいたとする。
それは単なる偶発的な充填構造であり、一部分のみを抜き出してデローニー分割のようである、と喩えるのは、リリックにしてもいささか過剰な情緒だ。
それで言えば、この学校はやはり細胞分裂に近い。多角形が互いに隙間を潰し合って、その画数を増やそうとしている。
リスペクトとか健闘とかいう耳に優しい励ましは、ここにおいては無価値だ。より角の多いものが、おそらくは直感的に想像できるだろうが、すなわちその全長も大きいということになる。
「そこまで」
俺のほうのフラッグが上がった。二の腕で口許の汗を拭いながら、駆け寄ってきたライムを抱き上げる。
先日、ヘリクスにいいようにやられたことを悔しく思っているようで、このところは誰よりも気合が入っている。絶好調、というものとはまた違うが、少なくとも動きはいい。
「〝かげぶんしん〟の操り方、練習した甲斐があったね」
「ピカ!」
ライムは嬉しそうに鳴いてから、胸にどすどすと頭突きをしてきた。痛い痛い。元気があり余ってる。最近は誰よりも選出回数が多いのに、どこにこんな体力を隠しているのか。
「ありがとうございました」
「……ありがとうございました」
対戦を終えた選手同士は必ず一礼と挨拶をする。トリトマ会長が敷いた研究会内のルールだ。
ミヤコはいつもこの儀式に、勝っても負けても不服そうにしている。ジム戦などではジムリーダーのほうから握手を求められる場合がほとんどだが、プロの試合になれば互いに自身のトレーナーボックス(指示を出す位置)から離れないので、挨拶をするかしないは、プレーヤーによってマチマチだ。
「次は勝つから……そしたらあのエルレイド、出してよ」
「勝てたらね」
研究会の試合、というか学内でおこなわれるバトルで、エルレイドを戦わせたことはない。
これはエルレイドを出してしまっては一方的な試合になるから、などという驕り高ぶった考えのおこないではなく、単に夏休みが近付いており、同時にその期間中におこなわれる研究生大会も近付いてるので、なるべく手の内を隠している。
「そんなこと言ってられるのも今のうちだよ。ウチ、〝秘策〟を用意してるんだから」
勝てる戦いを反復するのも時に必要だが、同時に苦戦も大切だ。苦しい立場を強いられている最中は気付けないかもしれないが、あとから動画を見直してみれば、相手の巧さや自分の失敗を知れる。
そういう意味で言えば、いつ白星の数を逆転されるか分からない彼女とのバトルは、俺にとって得るものは多い。
「勝てるといいな。期待してるよ」
「そんな減らず口も聞けなくなっちゃうからね!」
研究会内のバトルで一番苦戦を強いられるのは、やはりミヤコを相手にしている時だ。あのブリジュラスには毎度のこと、肝を冷やされる。
雨を偽装に使い、晴れたところで〝パワフルハーブ〟を用いた奇襲をおこなってきた時などは、勝ちを拾いにいくために本気でエルレイドを出すか迷ったりもした。何とかライムとシロミで返したが、彼女も着実に手品を増やしつつある。
「各自休憩! 1時間後に集合だ」
屋根付きのベンチで自習をしていたトリトマが、勉強する手を止めて声を張り上げた。勤勉な人だけど、こういうメリハリはしっかりしてるんだよな。
それにしても、もう昼休憩の時間か。休憩を挟みつつとはいえ、まだ2回しかバトルをしていない。
やる気を持て余し気味だし、ここはもう少し自主練を……などと考えるのは素人だ。
ぽんっ!
なぜなら、ほら、ポリさんが勝手に出てきて俺をすんごい目で睨んでいる。飯を食わせないと暴れるぞ、の目だ。分かってるよ。分かってるから戻れ。
割合には春一番とも呼べなくなってきた温い風がコート上の芝を倒す。全校集会でお辞儀させられる生徒等のように、同じ向きに倒れる芝の目を、俺はぼーっと見下ろしていた。
「ぶぇあぁぁーーッ……!」
奇声を発しながら芝生コートに寝転がると、その場にいた研究会員の全員がギョっとした顔でこちらを見た。ごめんね。
「そういうのやめるだけで、もっと見る目が変わると思うわよ」
アコニが全く冗談の通じなさそうな表情で俺を見下ろしてきた。しかも一分の反論の隙もないことを言ってくる。
真面目に説教するのやめてくれないか。同い年に本気の叱られ方すると、こう、クるものがある。
「だってさ〜……」
今、俺の体には発作が起きている。この時期に特有の発作だ。別に肺がどうこうとか深刻な話ではない。いや、俺にとっては深刻なのだが、これを誰かに話すと、大抵微妙な顔をされる。
「夏が……夏が遠いんだ」
夏が遠いんだ。夏まであと一週間もあるなんて……俺はそれまで生きていられるのか……?
「突然深刻な表情になったと思ったら、そんなこと?」
「〝そんなこと〟じゃない」
ここにきて、持病の夏待ち遠しすぎる病が発症してしまった。なぜ夏は期間限定なのか。永遠に夏でいてくれたらいいのに。
いや、それでは風情に欠けると、俺の中の情緒を解するほうのシランが言っている。短い間だからこそより素晴らしく感じるのだと。
しかし、本能タイプのシラン(野生味という単語を基に、諸君のイメージに近い俺の像をそっちで勝手に想像してくれ)が地団駄を踏み出しているのだ。
いい加減夏が来ないと、信号待ちの先頭で創作ダンスとか踊ってストレスを解消するぞ、と。
「何言ってんの? もうとっくに夏でしょ」
「六月は夏じゃないんだよッ!!」
「は……?」
ほら、この顔。「何だこの糞便にたかるハエ以下の救い難い生物は」くらいに思ってそうな冷たい眼差し。
「六月は、夏じゃないんだよ……!」
俺は夏が好きだ。
夏とかき氷とサイコソーダが好きだ。暑すぎてバニリッチが冷蔵庫に引き篭もるのが好きだ。テッカニンが群れで騒ぎ出すのにキレ散らかすおっさんを見るのが好きだ。エアコンを付けっぱなしの部屋で眠るのがもう大好きなんだ。
でもそれは今じゃない。暑いとはいえ一部の授業はなぜかエアコンが付かず、窓を開けて受けさせられているし、かき氷も売っていない。そもそもハドリアでかき氷が食えるのかという懸念もあるが、それは七月を待ってから考えよう。
「暦の上ではもう夏よ。それに、今でも充分暑いでしょ」
「違うんだよ……こう、雰囲気が! 雰囲気が違うんだよ。夏特有の雰囲気がさ」
「何それ。私は夏なんて嫌い。暑いし」
そういうアコニは既に夏服仕様だ。燻され気味の赤い半袖のワイシャツから、校章と同じ刻印の入った銀色のループタイを垂らしている。バトルの練習が増えるからという理由で、下はスカートではなく制服の短パンだ。
オシャレしたくてこの学校に入りました! ってヤツが一定数いるのが頷ける程度には、制服のバリエーションが多い。私服どころかタトゥーが許されるくらいだし、その辺りを魅力にして入学希望者を増やしているのか。
「何? 人のことジロジロ見て」
「夏服かわいいな……」
俺が夏が好きな理由の一つだ。道行く人の服がかわいい。アコニのシンプルな制服も、中性的ながら細部に可愛げのあるこだわりがあって、実に彼女らしい。
普段はブレザーの襟で隠れている首元が見えるので、彼女のタトゥーの全容もよく見えている。最初見た時はギョッとしたが、こう見るとオシャレだな。
「はあぁぁぁーー…………」
俺を見下ろしながら、アコニが長い長いため息を吐いた。まるで晴れ間に草の根から出てきたケムッソの〝たべのこし〟を見るような目だ。
「起きろバカ」
痛っ、ちょっ、いっ痛い、蹴らないで、脇腹はやめろって、分かった、起きるから。
翌る日、学園内も夏を目前に色めき立っていた。
七月初頭から始まる長期休暇の計画を練って、友人等と盛り上がる声や、研究会大会に向けて気合が入っているどっかの研究会が、本棟の大ホールを除けばいくらでも見つけられるだろう。
俺の懸念はそんなところには一切ない。これから見るものが肝心だ。
「頼む……!」
一学期終業前の修得単位発表。今更神に祈ってどうなることもないが、固く組んだ手をいつまでも解けなかった。
この紙ペラ一枚に書いてあることで、俺の去就が決まる。強化生の単位修得失敗に、学園は結構厳しめだ。
特に必修を落とすと、一発で強化生認定を取消になる可能性もある。学園内で特権を得ている以上は、一般生徒に示しの付かない成績は取るな、ということか。
「セーフ……はぁ、心臓に悪い……」
数理科目が軒並み「C」判定であること以外には、特にまずいところはない。公欠等の事情もあり、結局補修を三度ほど受けたが、無駄にならずに済んだようだ。
強いて言えば次の半期で必修バトル学が始まるので、雰囲気を掴むために一学期のうちにやっておくべきだったかな、というくらい。これで夏休みも心置きなくバトルができるというものだ。
「うわ、Cばっかり」
後ろから近付いてきた。アコニが、挨拶もなしに俺の修得表を覗いてきた。
噴水前とかいう人目のある場所で修得表を確認していた俺も悪いけど、だからって了解もなしに覗くのはよくないだろ。
「勝手に見るなよ」
「あんなに教えてあげたのに」
「感謝してる。でなきゃこの欄全部Zだったね」
週に一度、大抵は休みの一日目に勉強会を開いてもらっていた。会と言っても普段は俺とアコニだけで、たまに研究会の先輩、どうやら最近アコニと仲良くなった女生徒が来るくらいのものだけど。
おかげで俺のあってないような学力にも、何とか横から支柱を立てられている。というかその支柱のほうが太い。
「誇って言うことじゃないわよ」
何だよ。ギリギリでも「D」以下じゃなければいいだろ。結局取れてしまえば「A」だろうが「C」だろうが同じ単位数だ。
「そういうアコニはどうだったんだよ。見せろ」
「あっ、ちょっと! 勝手に……!」
勝手に見たのはそっちもだろ。俺にだって見る権利はある。
アコニは二年生なので、一年次の修得分も合わせて、俺よりも少し行が長かった。俺が取ったのと同じ教科はこの辺りか……?
微積、A判定。
線形、A判定。
数学基礎論、S判定。
構造科学基礎、S判定。
社会史、S判定。
法学概論、A判定……。
…………途中で見るのが嫌になってきた。
何だこのAとSが交互に繰り出されるグロ画像は。本当に俺と同じ人類なのか?
「け、結構やるじゃん……」
「声震えてるけど」
アコニは修得表を取り返すと、それを封筒に戻し、もはやお馴染みの呆れ顔で片手を腰に当てた。
「そんなことはどうでもいいのよ。それより、今日は何の用事?」
そうだった。そのためにいつもの場所、つまり噴水前に彼女を呼び出したんだ。もう成績のことは忘れよう。
「夏休みの計画立てようと思ってさ」
折角の長期休暇だ。休養も大切だが、この自由時間をバトルに使わないのはもったいない。
「それだけ聞くと小さい子みたいね……」
「確かにな。でも、内容は遊びじゃないぞ」
最近のアコニの成長には目を見張るものがある。基礎を踏み固めるのはこれくらいで充分だ。そろそろ発展的な内容にも挑戦させていきたい。
この夏で、同じ二年生の一般生徒を全員ブチ抜く勢いで強くしてやる。もちろん、俺自身も強くなる。二者を均等に、かつ高い水準でおこなうことが、俺のミッション。
「その前に、屋内に移動しない? 暑いわ」
やべ。そうだ、これを忘れていた。ミッションその3。もうちょっとデリカシーとか配慮とか呼ばれるものが得意になること。かな。
最近の彼女はもう慣れっこみたいなことを言うが、こうも呆れ顔を連発されると、流石に申し訳なく思わされる。
あぁでも、その前に。
「競技棟でいいよな。サイコソーダ買ってくるから、先行っててくれ!」
あれがないと始まらない。こっちじゃラムネは売ってないし。レモネードなら売ってるんだけどね。
七月から八月の最終日まで、二ヶ月の大きな休みがある。ここの使い方が、トレーナーとしての成長にかかっていると言っても過言ではないだろう。
「研究会大会には参加しよう。もちろん君もメンバーに入ってもらう」
「第二チームはあなたが好きにしていいって言われてるんだっけ」
「あぁ。だから二人は確定として、問題はもう二人だね」
八月初頭には研究会大会が開催されるため、メンバー探しは重要な課題の一つだ。
アコニが研究会で仲良くしているとかいう先輩を誘ってみるか。彼女は先輩だが、トリトマ率いる第一チームに招集はかからなかったそうだし。
「これはもう今考えてもどうしようもねーし、あとで何とかするとして……」
とにかくバトルがしたいな。そしてアコニにもバトルをさせたい。何なら俺が彼女とバトルをしたい。練習ではなく、公式戦に則る本番に近い方式で。
グリーンさんやらエルレイドのことでヘラってた(我ながらキモすぎた)時は、ムクバードの調子を見られなかったから、どんなもんか確認しておきたいというのが一つ。
「あ、そうだ。あれは? あなたが学校を休んで挑戦してた……」
「〝ソッテラネア〟か?」
「そう。それ」
確かに、あそこはまだ未達成だ。途中で抜けてからまだ、一度も再挑戦していない。
今度はアコニと二人で、迷宮の全階層踏破を目指す……結構いい考えではなかろうか。この際だ、俺も最初の階からやり直して、二人で同時に最後の階を踏めばいいのでは?
俺としてもクリアせずにおくのは性分ではないし、彼女も、手持ち以外の慣れないポケモンで戦う経験を積むことで、汎用的なテクニックを磨く成長の場となるかもしれない。
「あー、でも……そういや」
「何? 心配事でもあるの?」
忘れていた。紹介が必要なんだった。あの時はたまたま、俺が既にバッジを取ったジムのジムリーダーであるトラノヲさんが来てくれたので、その場で紹介を得られたが、また彼が偶然来てくれることに期待するのは流石に望み薄だ。
それに、紹介なら書面で充分だろうし、他にやりようがあるはずじゃないか? ということであれば……あぁ、俺と同じようにしてしまえばいいのか。
「その前にさ」
アコニはおいしいみずを飲みながら、覇気のない表情で背もたれにかけていた。これは俺の計画ってか、君の計画なんだぞ。もう少し興味ありげにしてくれないか。
「そろそろジムに挑戦してみないか」
無表情だったアコニの目に驚愕と、それをあとから塗り潰すようにして、不安混じりの闘気が宿った。
この時を待ち望んでいた、という表情だ。俺の目から見ても、もうジムに挑戦するに足る能力が育ち始めている。むしろ遅すぎたくらいだと思っている。
「そんで、ついでに勝ったジムリーダーに紹介状書いてもらおう」
「紹介状?」
「ま、とにかく、ジムに挑戦。これは決まりね」
勝利したとして、紹介を書いてくれるかは分からないけど、頼んでみるのは無料だしね。我ながら情けなくなるくらい場当たり的な計画だが、やってみる価値くらいはある。
それに、本題はジムだ。強化生として、彼女に最低二つはバッジを取らせる必要があるし、彼女自身も新たなステージに上がりたいと思っているはずだ。
「私も、遂に……」
ここまで来てアコニがジムを突破できなければ、それはもう俺の指導に非があるものと言っていい。どうあっても勝たせなければならない。責任は重大だな……。
そんなこんなで始まった夏休み。寮に残る生徒は少なく、大抵は実家に帰省するので、学内は珍しく静かな雰囲気に包まれていた。
残ったのは俺等みたいな寮生だけ。流石に学食ではない飲食店は、この時期は休業するが、この広い学内を少ない人数で使い放題だと思うと、心踊るものがある。
「シラン、準備できた?」
「ちょっと待って。モバイルバッテリーどこだっけ……」
とはいえ、寮生ながら俺とアコニは初日から学園外に遠征だ。利用できるのは帰ってからになる。
「ここからグラスタウンまで、高速を使っても4時間よ。早くしてよね」
「焦るなよ。当日挑戦じゃないんだからさ」
町に到着したら、ジムリーダーに挨拶をして、今日は終わり。あとは自由時間だ。
というのも、移動時間が長いので早乗りで到着しておきたかったというのと、ジムリーダー側の都合が付かなかった。今日はジム内でポケモン達の調整をおこなうようだ。
「挨拶が遅くなるのは失礼でしょ。いいから早くしなさい」
「分かったよ。ライムー、行くぞー」
「ピカー!」
彼女の家の使用人、何人かいる専属ドライバーの一人が車を出してくれるらしい。しかも事前に確認したら、俺でも名前を知ってるような高級車だった。
身の竦むような思いだ。小市民の俺とは住む世界が違う。乗り込む時に靴とか脱いだほうがいいのだろうか。
「いい? これはジム巡りなのよ。遊びじゃないんだから」
クールぶって、彼女は高揚感を隠しきれていなかった。弾むように歩きながら、時折振り返って俺を急かしてくる。
かわいい奴だな。素直にジム巡りの旅が楽しみだって言えばいいのに。
モモンのおいしい天然水
味 :★★★☆☆
栄養:なし
他 :★★★☆☆
総合評価:★★★☆☆
ジョウトの飲料メーカー「午ライコウ」の定番商品。ふわりと香るモモンのみの芳香と、ほどよく甘い果物の果汁のような味が人気。ポケモンにも飲ませられる! が売り文句。頻度さえ気にすれば与えてもいい模様。
一パック92円と、全国的に物価の上昇傾向の昨今には珍しい飲料。ただ、全国ではそこまで有名ではないのか、大手スーパーではあまり見かけない。
ワルビル評:★★★☆☆
備考
グァ(ふつー)
アコニ評:★★☆☆☆
備考
シランがたまに飲んでいる紙パックのソフトドリンク。桃色の柄がかわいらしいが、彼が片手で持っている姿はかわいくなかった。
1リットルのパックにそのままストローを刺して飲む姿には、女子高生か、とか、それにしても一回り世代が違うだろ、などと野暮なことを言いたくなる。
味に関して言うべきことは何もない。スーパーで売っている普通の安い飲料。