俺のピカチュウだけでんき技使えないんだけど   作:イリノイ州の陰キャ

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 誤字報告ありがとうございます。毎度誤字が減らねーなぁこいつは。
 それから評価、お気に入り、感想などよろしくお願いします。既にしてくれてる方、拙作を読んでいただいている方もありがとうございます。

 っていつも最初に書き忘れる。途中から言い出すのも何か嫌らしいかなぁ……とか思ったり。
 なんて言い訳してます。ホントはお願いするの照れてるだけなのに。ひねくれててすまん。






8、これが人間流なかまづくり

 

 四月に今年度のジムチャレンジが始まってから、早くも3人の強化生がジムバッジを獲得したという話は、一気に校内に広まった。

 

「噂になってるよ、君達。すごいね」

「あぁ……」

 

 敵意を隠さない視線が増えた。強化生というだけではない、バッジの数でも強化生に追い越される可能性を懸念して、意識せざるを得ないのだろう。

 専門的にバトルを教えているこの学園でも、一般生徒が卒業までに取得するバッジは大体二つから三つ。優秀な奴で四つ。この辺りが普通らしい。

 というのは〝練習生〟かつ理事長の親族であるアコニが、コネで情報を引っ張ってきた。バッジ数も個人情報のはずなんだけどな……。

 

「強化生はみんな出身地方で六つ以上バッジを獲得しているんだろ? 卒業までに四つを取得する必要があるから、その頃には総バッジ数は二桁になるね」

「…………」

 

 これで俺の総バッジ獲得数は九つということになる。総バッジ数に関しては、たまに中規模以上の大会のインタビューで自慢できる以外に利点は特にない。

 そもそも、住民票を置いている地方以外のジムチャレンジには、特別な許可が必要になる。丁度俺達〝強化生〟のように。だから大体バッジ数を聞かれる時は、よほど自慢に思っている奴以外は、その地方におけるバッジ数を答えるものだ。

 

「どうしたんだい? ハサミを縛られたスコルピのような表情をしているけど」

「何だ、その……何だって?」

 

 最近、レブンの素っ頓狂な表現に面食らうことが増えた。ちょっと人とは違う感性の中を生きているようだ。

 

「悩ましげだってこと。ほら、たまに町に出たスコルピが捕獲された時って、人に危害を加えないように――――」

「いや、いい。説明は……」

 

 されても困るし。

 

「で、何なのさ。その憂わしげな顔は。何を悩んでる?」

「何でもない」

 

 懸案の種はアコニのことだった。ジム戦を突破し、その情報を彼女に共有できたところまではうまくいったが、だからといって彼女が急激に強くなる訳ではない。

 それからアバゴーラ。アバゴーラがいるってことはつまり、プロトーガを出してくる可能性もあるということ。ワルビルはいわタイプには有利だが、みずタイプには不利だ。

 

「何とかするしかないな……」

 

 ジム戦を急ぐ必要はない。ただ、彼女に自信を付けさせたいのも事実。うーん、どうしたものか。野生のポケモン相手に経験を積むにしても、学業と両立しながら街と街の外を頻繁に往来する、というのは現実的ではない。

 

「学内で……あぁ〜、うーん……」

「何だよさっきから、何でもないって言ったと思ったら、唸ったりしてさ」

「やっぱ〝研究会〟しかないか……って」

「君も大概脈絡に欠ける男だよね」

 

 自覚あるならやめろって。

 

 

 

 この学園に限らず、学生が自主的に集合し、バトルについて互いの情報を共有、考察などする団体を、俗に〝研究会〟と呼称する。

 事前のリサーチによると、この学園にも多数の〝研究会〟が存在しているようだ。また〝研究会〟同士の紅白戦など、その活動は内部に留まらない。

 

「君も〝研究会〟を作るって訳?」

 

 レブンは肉抜き肉うどん(じゃあもう単なるかけうどんだろ)をすすりながら、興味なさげに聞いてきた。

 

「それしかないかな、と……」

 

 夏にはナイロン学園が資金援助し、学生運営で〝研究会〟のチーム戦トーナメントもおこなわれるらしい。色々な出会いとの経験を積むという意味でも、この機会は外せない。個人的な利益としても、アコニのことを考えたとしてもだ。

 

「いいんじゃない? あ、悪いけど僕は別の〝研究会〟に入ってるから、名前は貸せないよ」

「あーもう頓挫した。おしまいです俺の計画」

「流石に見通しが甘すぎるよ」

 

 どーすんだ。俺とアコニの二人じゃ〝研究会〟じゃなくて指導だぞ。そうでなくともトーナメント戦は4対4なので、あと二人は必要になる。

 この際ユリオを誘うか……? 強化生が二人もいる〝研究会〟とか批判が凄そうだけど。不公平だって。そういうしがらみを無視したら真っ先に誘うんだけどな……。

 それに、もう一人はアコニとそうレベルの変わらない相手を引き入れたい。実力が拮抗している者同士のほうが、競争が白熱する。

 

「で、どうするのさ」

「保留」

 

 どうしようもない。だってぼっちだし。何にも悪いことなんかしてないけどね。嫌われ者だから。

 学食の全面ガラス張りの外向きの席からは、構内の往来がよく見える。あ、アコニだ。あいつ学内に誘致したカフェに入って行ったな。ブルジョワめ。店先の看板にコーヒーワンカップ600円とか書いてあって度肝抜かれたぞ。

 

 

 

 一通りの講義が終わって、ライム達とトレーニングをしていると、あっという間に夕方が訪れる。一年生の男の部屋は寮の最上階。エレベーターなんてものはないので、一番のはずれくじって訳だ。

 

「聞いたよシラン。君も一つ目のバッジを取ったんだってね! まさかあの甘ちゃんお嬢様も取れるとは思わなかったけど」

 

 寮の部屋で夕飯の準備をしていたところ、どこから俺の部屋の位置を聞きつけたのか、ミヤコがノックもなしに押し入ってきた。

 カギ閉め忘れたのか……今度から二重チェックしよ。

 

「話ならまた今度」

「つれないなぁ。ウチみたいな美少女に部屋に来てもらってるのに」

「あっ、あんま近付くなっ」

「え〜? 何何ぃ? やっぱりウチがかわいいから照れて――熱っっつ!!」

「言わんこっちゃない……」

 

 鍋の油が跳ねて、ミヤコの頬に当たった。母親の足下にまとわり付く子供じゃないんだから、人が立ってる時に台所に近付くなよ。

 

「何それ〜……熱かったんだけど」

「白身フライ。な、ライム」

「ピィカ! ピカ!」

 

 ほら、ライムもあんまり台所の近くを走り回るな。君の分の魚はちゃんと茹でてるから。

 

「へぇ〜。美味しそう」

 

 とかいいながら、ミヤコは勝手に奥のソファに座り、机の上のスポーツ誌を読み始めた。もしかして自分の分の飯が出ると思ってる? 厚かましいにもほどがあるだろ……。

 

「ここが君の部屋かぁ。何だか普通だね」

「何を想像してたんだよ」

「もっとバトルの研究で壁中埋め尽くされてると思ってた」

 

 あるのは備え付けのベッドや机だけ。小さな本棚にはバトルの関連書籍など一つも並べていない。カントーから持ってきた小説ばかりだ。

 我ながらその気のない様相だとは思うけどね。バトルに関係するような資料なり何なりは、カントーに置いてきたというのが正しい。荷物になるし。

 

「ほら、食ったら帰れよ」

 

 揚がったフライに千切りキャベツとプチトマトを添えただけのものだが、学生が自炊で作る飯と思えばそれなりだろう。

 俺は彼女の座る反対側に、自分の茶碗と味噌汁を置いて、ライムの皿にも茹でた白身を置いてやると、二本のサイコソーダを持って席についた。

 

「帰らないよーだ。話があるからきたんだし。あ、いただきまーす」

「話? 何だよ。何か用事?」

 

 まだ一度か二度話をした程度の仲で、用事を任されるような間柄ではないはずだ。少なくとも俺の認知ではそうなってる。

 

「そー……おぉ! おいひィー。あ、ソース取って」

「かかってるだろ」

「もっと!」

 

 うわ、人が作ったもんにどばどば調味料かけやがって……そんなにかけんの? 皿にソースの湖ができてるけど、不健康じゃないか?

 

「あのねぇ、勧誘しにきたの。君を」

 

 口の中に米をいっぱい詰めたまま、ミヤコは出し抜けにそんなことを言い出した。

 

「勧誘?」

「そ。勧誘。私の所属してる〝研究会〟にね」

 

 そう言って鋭く目を尖らせた。口の中にものが入っていなければ格好が付いたんだが、口周りだけ見れば殆どホシガリスだ。

 

「前回の研究会トーナメントを優勝した会にスカウトされたんだ。私。すごいでしょ」

 

 去年の優勝研究会は、約40名の構成員を持つ、会長自らが指名した者のみが所属できる研究会だ。

 会長の名前は〝トリトマ・ユリ〟という。現在四年生、つまり最終学年の男。双子の姉の〝シャグマ・ユリ〟と並んで、学園最強と呼び名の高い生徒、らしい。

 強化生最強の名を欲しいままにするミヤコと、最強の研究会ね。響きはいい。何ならその研究会に所属しているというだけで箔が付きそうだ。

 

「〝ユリ姉弟〟の研究会は、いつも掲示板に所属を許可する生徒の名前を貼り出すだけらしいんだけどね。すごいよ。君はわざわざ使いを送られてるんだから」

「つまり、君がその使い?」

「そゆこと。あ、トマトだ。私トマト嫌いなんだよなぁ。ピカチュウくん食べる?」

「ピカ! ピ!」

「嫌? そっかぁ」

 

 研究会……それも、この学校で最もレベルの高い集団ともなれば、俺にも得るものはあるだろう。

 それに、噂の〝トリトマ〟とかいう男にも興味はある。どんなポケモンを使うのか、とか。

 

「で、話戻すけど。もちろん来るよね? ウチらのとこ」

「いや……悪い。光栄だけどね。やめとく」

 

 指名した生徒しか入れないということは、当然ながらアコニは入れない。一番の目的は彼女を強くするためであり、研究会はその手段として考えていたものだ。

 彼女が所属できない時点で、考える余地はない。

 

「えぇ〜!? 嘘じゃん! だってアレだよ!? ウチもいるんだよ!?」

「関係あるか、それ……」

「えぇ〜……? 嘘だぁ〜……もう一気飲みとかしちゃう! うっ……くっ、くっ……」

 

 サイコソーダの瓶の底を思い切り天井に突き上げ、中身を一気に飲み干したミヤコは、その勢いのまま食卓に残っているキャベツやら米を一気に食べ切った。

 

「ぷはぁ! あり得ないんだよなぁ。わざわざウチが来てあげてるのにさぁ」

「だから悪いって」

 

 つーか勝手に押しかけてきて、飯までご馳走になった奴の態度がそれか? 色々間違えている気がしないでもないが……。

 

「ま、いいや。どーせもう一個の方は断れないし」

「もう一個?」

 

 まだ何か話があるというのか。俺今日はもうさっさと風呂入って、ハイネの羽繕ったら寝るつもりだったんだけど。

 長くなりそうな予感がしたので、俺もさっさと夕飯を食べ切って皿を引き上げてしまおうとした瞬間、ミヤコが机の上にサイコソーダの瓶を置き、腕を組んだ。

 

「〝トリトマ〟さんがね、君と話がしたいんだって。これはね、命令。先輩からの」

「……命令?」

「うん。なんかねー、君とは絶対話しておきたいって。明日の放課後、第二競技棟の三階会議室で待ってるってさ」

 

 競技棟は第一から第四まであるが、第二はいつも占有されており、実質その占有している誰かさんの専用となっている。今になって腑に落ちたけど、どうやらその誰かさんというのが〝トリトマ〟率いる研究会のようだ。

 自分のテリトリーに引き込んで話をしよう、というやり方は、カントーで何度も遭遇したシチュエーションだ。何もかんも一人でやってると、何かとデカい団体が杭の頭を叩きにくる。そういう手合いだろ、どうせ。

 

「それ、無視したらどうなる?」

「さぁね? でもトリトマさんの研究会って、直轄のヤツが指名制なだけで、その下にいくつも傘下の研究会があるらしいよ? 今後その人達は仲良くしてくれないかも」

 

 ミヤコにそのつもりはないだろうが、かなり露骨な脅しを付けてきたな。学園全体に睨みが効く影響力が、そっくり敵に回るということか。

 トレーナーなどは全員が潜在的には敵に等しいが、学園内で動きにくくなるのは困る。ハドロン学園には便利な施設がいくつもあるし、それを利用する生徒達とも自然と顔を突き合わせる。下手に立場を悪くするのは得策ではない、かな……。

 

「あ、ウチは別だからね! 寂しくなったらいつでもウチが慰めてあげるー」

「どーも。いいから帰れよ。そもそも男子寮は立ち入り禁止だろ」

「うわ、かたッ。頭いわタイプめ」

 

 ぶつくさとごねるミヤコを部屋から追い出して、俺はようやく息を吐き出すことができた。今は明日のこととか考えたくない。皿洗ってさっさと風呂入ろ……。

 

 

 

 次の日、logと三角関数を相手に導関数ちゃんを助け出す無限の航海に旅立つ頃……というかほぼ睡眠導入だろみたいな授業を受けている頃だった。

 

「今日なんか、すごいね、視線が……あっ、それ間違えてるよ」

 

 いつも一定量の敵視を集めている俺であるが、レブンの指摘通り、今日はレベルが違った。

 何せ大教室の外にまでギャラリーがいるのだ。背後で開放された三つの両開き扉から、数十人がこちらを睨んでいた。つくづく人気者になったと思うよ。羨ましいだろ? 今すぐ代わってやるぞ。

 

「どれ?」

「どれって、どっちが?」

「間違ってる問題しかないだろ」

「ほら、ここ。積の微分公式でいいんだよ」

「何だっけそれ……」

 

 くそ……ポケモン勝負だったらこの教室にいる奴らが束になってかかっても勝てるのに、数学がバトルの何に役立つんだよ……将来に役立つからやってるんだったわ……。

 

「君は他人の評価なんてどうでもよさそうだね」

「どうでもよかったらこんな必死こいて勉強してないよね」

「授業の評価をこの文脈で言う〝他人の評価〟に含める訳ないよね」

 

 何その、「よね」にハマってんの? いや、その語尾を重ねて反論したのは俺が先ではあるけど。

 

「恥とか気にしてられっかよ……クビがかかってんだぞ。微積は必修だろ」

「そうじゃなくてさ。君は〝強化生〟だろ? 他の強化生はみんな、自分の力を誇示するか、コミュニティに受け入れられるために外面を作ってくる。ある意味動物的な社会行動にも思えるよ」

「レブン、お前さ、それ遠回しに俺のことバカにしてる?」

 

 どうせ「君の行動には、社会に反抗するか迎合するための知能に欠ける」とか思ってるんだろ。

 

「はは。バレちゃった」

 

 こいつ……綺麗な顔して口を開けば皮肉ばっかりだな。

 

「ま、なんでもいいけどね。面倒事なら僕は消えるよ。巻き込まれたくないし」

「フシャーッ……!!」

「うわ、威嚇してる。チョロネコみたいだよそれ」

 

 間違った問題だけはしっかり修正してもらって、俺はレブンを追い払った。レブンの奴は既に課題を解き終わっており、もう教室を出てもいいのに、俺をからかうためだけに居座ってやがった。

 もう隣に座らせてやんねーから。問題が解けない時と眠すぎてノート取れない時を除いて。あっやっぱ気付いてないけど何か間違ってる時も許してあげる。

 

 

 

 一般の中でも不良の落ちこぼれみたいな奴と、導関数の課題を解く速さでビリを競ったあと、俺は嫌々ながら指定された第二競技棟三階に赴いた。

 

「ここだよな……うわ」

 

 めちゃくちゃ私物化されてる。個室の控室扉が左右にずらっと並ぶ光景は、カントーで中規模以上の大会に出場した時に見た光景にも似ていた。

 他の競技棟の準備室は男女に分かれているだけで、個室も何もないデカい大部屋だが、ここだけ改造されまくってる。やりたい放題かよ。

 

「一年のシランだな」

 

 三階に上がった途端、なんか二本線の剃り込みが入ってるイカつい坊主の先輩に呼びかけられた。怖いから2メートルくらいは距離を取ってほしいところだ。

 

「来い。トリトマ会長がお呼びだ」

 

 激ヤバ剃り込み坊主の先輩が指差したのは、一番奥の部屋……他の個室とは違い、一つだけ両開きの扉の部屋だった。いかにも頭を張ってる奴の部屋って感じだ。

 二度、ノックをする。中から平坦な声で「入れ」と聞こえてきた。トリトマ先輩って何歳なんだろ。声だけ聞くと未成年とは思えないんだけど。

 

「失礼しまーす……」

 

 なんで職員室でもないのにこんな緊張感を強いられているのだろうか。ムカついてきたな。

 トリトマは、四角いメガネをかけた赤毛の男だった。ブロンドの風味が一切混じらない鈍い銅色の髪が、メガネの下から目にかかっていた。

 

「…………」

 

「…………」

 

 ……あ、あの、先輩、呼び出しといて無言はどうなんすか。

 

「僕の父は……リーグ運営に関連する企業の、少し融通の効く立場にいる社員だ」

 

 無言はどうなんだと思ったけど、これなら無言のほうがマシだった。会って早々自分語りどころか自分の家族の自慢って……。

 

「その関係で、キサマの話は聞いている。何でも、あの〝トキワジム〟のジムリーダーの弟子だそうだな」

 

「………………」

 

 グリーンさんは……確かに俺にバトルを教えてくれた。それから、庇護者のいない俺が自立できるまで、他のトレーナー達に不公平と思われない程度の、最低限の支援も。

 

 ……なぜそれをこの男が知っている?

 

「驚いたよ。チャンピオン相当の実力を持つと噂されるキバナ、実際にチャンピオンまで登り詰めたミクリ、四天王を兼任しているアオキなどをして〝天才〟と畏れられる、あのカントーの最年少リーグ制覇者に、弟子がいたとはな」

「その〝弟子〟ってのはやめてもらえませんか。そんなんじゃないですよ」

 

 弟子なんて名乗れるほど聞こえのいい立場ではないが、確かにあの人は恩人だ。

 そして、そのことを俺自身の口から語ったことは一度もない。グリーンさん本人が世間話程度に漏らすのは除いても、彼自身、〝グリーン〟というネームバリューを俺が利用することをよく思わないはずだ。

 

「あの強化生を介した勧誘は蹴ったようだが、もう一度、僕自身の口から言っておきたい」

「何を」

 

 トリトマは含み笑いを堪えながら、もったいぶった手振りで肩を竦め、足を組み替えた。

 

「我々の共同研究者になれ。シラン」

 

 あーあ。やっぱ手放しにいいもんでもないか。モテるってのは。え? これをモテるの部類に含めるなって?

 

 





倍量! 巨大マンムーハンバーグ

味 :★★★☆☆
栄養:★★★☆☆
他 :★★★★☆

総合評価:★★★★☆

 マンムー並に(言うまでもなく誇張表現)デカいハンバーグ。死ぬほどデカいので、大抵は手持ちのポケモンにも切り分けて食べる。提供する側もそれを想定している模様。
 塩味を押さえ、一定数苦手なポケモンがいる玉ねぎを抜き、代わりに刻んだもやしを混ぜてこねている。ソースは特性デミグラス。付け合わせのサラダはボウルに山盛り。ドレッシングはごま、シーザー、醤油の三種類から選べる。

ライム評:★★★★☆
備考
 ピ!(でっかーい! 面白ーい!)

シラン評:★★★☆☆
備考
 学食にあったので注文したみたヤツその2。あまりのデカさに注文しただけでちょっと見られた。最近人目を引きやすいので、正直イヤになってきている。値段は1400円と安い。妥当かと思われる向きには思い出してほしいが、手持ちのポケモン達全員の食費も含め、一食1400円にできる。その辺は利点か。
 味は……まぁ、何と言うべきか……ウマいことはウマい。しかしそれはひき肉という旨み成分が多い食品を使っているから、ある種必然。つまり大味。しかも油が多くて終盤はツラい。付け合わせのヤケクソみたいな量のサラダはよかった。生野菜を盛るだけのサラダが不味いなんてことのほうが少ないけど。
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