バカとテストと召喚獣 ~少し人間不信な少年の物語~ 作:漆黒
~教室~
「それって、バカの代名詞じゃなかったけ?」
クラスの誰かがそんなことを口にする
「ああ、確かにバカの代名詞だ」
「そこはせめて否定の姿勢を見せろ、即答すんな」
いけない、キャラが…
観察処分者
簡単にいうなら、学校の問題児につけられる不名誉な処分
勉強が出来ない奴とか、やばいぐらいの問題を起こしたりするとつけられる
僕はちょっとした問題でつけられてしまった
「そういえば、それってなんなの?」
島田さん…
よく知っておこうぜ、それぐらい…
「具体的には教師の雑用だな。力仕事とかいそういう類の雑用を、召喚獣で特例としてこなす」
「私たちは無理なの?」
「お前は、1年の時に言われただろ?」
そう、普通の召喚獣じゃモノには触れれない
学校には特殊な工夫を凝らしてるみたいだけど
でも、僕はみんなと違いモノにも触れれる
「それって、意外にすごくない?」
「残念たけど、当然デメリットもある」
楽じゃないかと思えばそうだけど実際には逆
召喚獣は基本教師の監視下でし呼び出せない
自分勝手に呼び出すことはできないということ
もう一つは、フィードバックだ
召喚獣の負担が何割か僕に帰ってくる
簡単に言うなら、召喚獣がダメージを負ったら、その何割かが僕に帰ってくるってこと
自分のためには使えないし、疲労や負担が何割か戻ってくる
これはある意味『罰』に等しい
これが『観察処分者』という本質
これのせいで、バカの代名詞とも呼ばれる
たとえ本当にバカでもなくても…
「なぁ、それって試召戦争で召喚獣がやられると本人も苦しいってことだろ?」
「だよな、それじゃ簡単に召喚できず戦力が減るくないか?」
まぁ端的にいえばそうなるんだろうね
「いや、よく考えてみろ。教師の雑用をこなしているということは、それだけ召喚獣を操作しているということ。そしてこなすには操作技術が必要になる。ここまでいえばわかるだろう?」
『???????』
「お前ら、本当にバカばっかだろ…いいか、要するに、操作技術なら学園内で明久の右に出るやつはいないんだよ。点数の差なら操作技術でこいつは埋めれるんだよ」
「それって、すげぇことなんじゃねぇか?」
教室の士気がさらに上がっていく
「みんな、この境遇は大いに不満だろう?」
『当然だ!!』
「ならば全員
『おおーー!』
「俺たちに必要なのは卓袱台ではない!Aクラスのシズテムデスクだ!」
『うおおーー!!』
「おー」
いや、瑞希ちゃん無理に真似なくていいからね
「ということで、まずDクラスを落とす」
「だったら使者は俺に任せろ!!」
あれは、交渉に関しては相当評判のある須川君じゃないか
実際は知らないケド
「ああ、須川死者を頼む。無事逝って来い」
「坂本、今字面がおかしくなかったか?」
「気のせいだ、逝って来い」
須川くん、気のせいじゃないと思うよ
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~屋上~
あの後、須川くんが命からがら帰還し、屋上でミーティングを行うことになった
「須川、宣戦布告はしてきたか?」
「ああ、今日の午後に開戦予定と伝えてきた」
「ということだ、先に飯にすんぞ」
「それじゃ、瑞希ちゃんこれ」
「ありがとうございます」
僕は瑞希ちゃんにお弁当を渡す
「今日は明久か。どれ俺にも分けてくれよ」
「仕方ないねぇ、んじゃその豚の生姜焼きを」
「オッケー、トレードだ」
「いいなぁ、アキのご飯って美味しいのよね」
「それじゃ、みんなで一品ずつ作って食べるってのはどうかな?」
「それでいいんじゃね?」
そこで須川くんが口を挟む
「で、いつミーティングをはじめるんだ?」
「おっと、明久の弁当をみて忘れちまったぜ」
「そこまで吉井のってうまいのか?」
「ああ、例えて言うならこれを食べたら、三つ星の料理ですら食べられなくなるほど」
「そこまで、すごいのか…」
雄二は意識を元に戻すかのように鋭い目つきになる
そこで秀吉が質問をする
「雄二、そういえば一つ気になっていたんじゃが、どうしてDクラスなんじゃ?段階を踏むならEクラス、勝負に出るならAクラスじゃろう?」
「それには僕が答えておくよ。簡単に言うなら、まず戦うまでもない相手なんだ」
「でも、クラスはわしらよりうえじゃぞい?
「周りのメンツをよく見てみて?」
「代表一人、少女が2人、観察処分者にバカとむっつり」
「て、的確だね…これを見て気がついた事は?」
「よくわからんのじゃが?」
「要するにこのメンバーに問題が無かったらEクラスと正面から戦っても勝てるんだよ。そこで無駄に戦っても無意味なだけ。Dクラスの場合、確実に勝てる保証はないんだ」
「じゃが、別にDクラスじゃなくても良いような気がするんじゃが…」
「そこなんだ。もしもの話、格下が格上の敵を倒したらどうなる?」
「調子にのる」
「まぁ、正解なんだけど…士気が確実に上がる。上を倒したことによりみんなのやる気を引き出すんだ、ね、雄二?」
「だいたいそういうこった」
そこで瑞希ちゃんが訊く
「Dクラスに負けたら意味がなくありませんか?」
「負けるわけがない」
自信満々に雄二は言い放つ
「お前らが俺に協力してくれるなら勝てる」
「いいか、お前ら。うちのクラスは―――最強だ」
なんの根拠もない言葉
なのになぜかその気になってくる
雄二にはそういう能力が備わってるのだろうか
「いいわね、面白そうじゃない」
「そうじゃな、Aクラスの連中を引きずり落としてやるかの」
「………(グッ)」
「が、がんばります!」
「燃えてきたぜ」
打倒Aクラス
荒唐無稽な夢かもしれない
実現不可能な絵空事なのかもしれない
でも、みんなといるとそうは思えない
「…なにかを成し遂げるのもいいかもね」
「なんか言ったか、明久?」
「別に」
「そうか、それじゃ、作戦を説明しよう」
涼しい風がそよぐ屋上
そこには、楽しそうな男女がいた
一人を除いて―――
「ふ~ん、案外楽しそうにしてんじゃない?」
次回は、Dクラス戦となります
前後半には分かれることはないと思います
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