100人の彼女と白蛇 作:KQ
いよいよ羽香里奪還編に突入!
あと今回ちょっと短めです
前回、波瀾万丈だったが、何とかブーケトスで勝利を納めた恋太郎ファミリー。
しかしその直後、恋太郎は羽香里から別れてほしいと言われてしまう……
あの後私は、花園羽香里に関係する手がかりがないか徹底的に調べた。ネットで花園という性で調べた時、私はそれを掴んだ。
『花園グループ』
様々なビジネスに裾野を広げ、トップの名前は花園羽々里。大金持ちの資産家らしい。
「…羽香里はその花園羽々里の実の娘、そう考えてもおかしくない…あんな突然のお別れ、不自然にも程がある……」
きっと羽々里は、もう二度と恋太郎が羽香里に近づくことがないよう、羽香里を連れてどこか遠くへ引っ越すつもりなのかもしれない。確かに恋太郎はたくさんの異性と付き合っているような奴で、そんな奴と自分の娘が付き合っているのなんて、見るに耐えられないのだろう……
〜〜〜
「人と人の間には『引力』があり、その力によって出会いと別れを繰り返す…」
私は以前、恋太郎に対してそんなことを言った。恋太郎が彼女たちと出会うのは必然であり、運命でもあった。だがそれと同様に、別れもまた引力によって生じる。
これは、神が定めた運命なんだ…恋太郎が入学式の時、羽香里と出会ったその時から、二人の運命は決まっていたんだ…
我々人類は…運命から逃れることは出来ない……
「そんな運命などはね除けてしまえばいい!」
ふと、私の耳にそんな言葉が聞こえ、思わず振り返ったが、誰もいない。
今の言葉は何だったのだろうか…だが、その声は私がよく知る人物の声によく似ていた。
(…そうだ。恋太郎ならこういう時、彼が真っ先に取る行動は一つしかない……)
すると、突然スマホが鳴り響いたので手に取ると、恋太郎から『自然公園に集まってほしい』と連絡が入った。神符はその場から立ち上がり、身支度を済ませると家を飛び出した。
運命は変えられない……だが、もし"運命を変えられる"とするなら……!
(…神よ。貴方が定めた運命に抗うことを、お許しください)
〜〜〜
-自然公園-
「羽香里の親が無理矢理別れさせようと……ッ!!?」
その夜、恋太郎と唐音たちは自然公園に集まり、恋太郎は事の発端を話した。
「そ…そんなのどーすんのだ恋太郎っ!!?」
「…俺は、これから屋敷に忍び込んで羽香里を迎えに行く」
恋太郎は皆に、一人で羽香里を救出しに向かうと告げた。どこまで逃げ切れるか分からない大金持ち相手に、単身で挑もうとしているのだ。
「でもいつか必ず俺達はここへ…皆の所へ帰ってくるからっ‼︎だから…
「…なに都合のいいこと言ってんのよ。いつまた会えるかも…本当に会えるのかも分からない奴を、
「…だから、私も行くわよ」
「……え…?」
「だからっ…!私も一緒にあのバカを迎えに行ってやるって言ってんのっ‼︎」
「楠莉も羽香里とカケオチするのだーっ‼︎」
「0.01%でも成功率を上げるため、協力者は多いに越した事はない」
『いざ行かん愛の逃避行へ』
「ま、待ってくれ皆…!これはそんな簡単に決めていい話じゃ…っ‼︎」
するとそこへ、一人の男がやってきた。
「やはり花園邸か…いつ出発する?私も同行する」
「プッチ…ッ‼︎」
「恋太郎。君のことだから、一人で羽香里を救出しようとするだろうと思っていた。君は自分の彼女たちのためなら、自分の身を投げ出すような男だからな…」
「…でも、身を隠して生活するって事はもう学校にも…家にも…家族にだって会えなくなるんだぞ…⁉︎」
「分かっている……だが、これだけは分かってほしい…」
「ここにいる全員、羽香里のことが好きだという気持ちに何も違いはないんだ…皆一緒なんだよ。羽香里を助けてあげたいという気持ちは…ッ‼︎」
「…そっか……分かった…それじゃあ…」
「行こう。皆で…羽香里を迎えに‼︎」
バーーーン
-花園邸-
こうして我々は、花園邸へとやってきた。庭には大きな噴水が置いてあり、屋敷は柵で囲まれている。
「まずはこの柵を越えていかないと…」
「案ずるな。この程度の柵…」
すると神符のホワイトスネイクが突然姿を現し柵の上へ登ると、神符たちに手を伸ばした。
「『ホワイトスネイク』に引き上げてもらうとしよう」
「こういう時に便利よね、あんたのその、スタンドってやつ…」
「……いつの間にか持っていただけで、望んで手に入れた力でもないがな…」
「?」
ホワイトスネイクが一人ずつ順番に引き上げ、全員が花園邸に侵入することに成功した。
「いいな皆…
『任せときなブラザー』
〜〜〜
その後は金持ちの猫に振り回されたり、凪乃が爪を怪我してまでドアを開けてくれたおかげで屋敷内に入ることに成功。
「!…何か、唸り声が聞こえるぞ…‼︎」
すると……
ノシ…ッ…ノシ…ッ…
暗闇の屋敷の中、大きな影が姿を現した。
「く…ッ…熊なのだッ!!!」
「いや違うッ‼︎あれは……」
「金持ちの家の犬…‼︎‼︎」
それは唸り声を上げながらこちらを睨んでいる大きな犬だった。
「まずい…‼︎あんな犬に襲われたら無事じゃすまない‼︎皆一旦
一同は急いで家の外に出た。
「あやうくしっこ漏らして
「だから犬だっつってんでしょ」
「…待て‼︎静はどうした⁉︎」
すると…
『お、オイラなんか食ってもおいしくないでやんすよぉ〜‼︎』
「静ちゃん‼︎⁉︎」
静だけまだ逃れることが出来ず、絶対絶命のピンチに。
「まずいッ‼︎『ホワイトスネイク』ッ‼︎DISCを一枚この私にッ‼︎」
「待って白蛇神符‼︎あの犬は…‼︎」
するとホワイトスネイクは一枚のDISCを出して神符に差し出すと、神符はそれを手に取り…
「『しばらく寝てろ』…お前に命令するッ」
犬に向かってDISCを投げた。DISCは犬の頭部に入り込み、次の瞬間。
「アゥーン…」
「…⁉︎」
犬はその場で眠りについた。
「⁉︎い、今何をしたの⁉︎」
「記憶の入っていない『空のDISC』を使って命令した。今あの犬は、自分の意思とは関係なく眠りについている」
「記憶抜き取ったり幻覚見せたり何でもアリだな」
「白蛇神符。あの犬は好本静を襲う様子じゃあなかった…」
「え…そうなのか…?」
「犬には動物や人の赤ん坊などの弱い生き物を守る本能がある」
「じゃああの犬は静を襲うつもりで近づいたのではなく、むしろ守ろうとして近づいたのか……なんか罪悪感が…」
「まぁどっちみちあの犬どうにかしないと先進めなかったから…」
〜〜〜
一同は先へ進むと、赤外線センサーがビッシリと張られた廊下に着いた。楠莉がちょうど持っていた『赤外線が見える目薬』のおかげで、恋太郎と唐音は突破することに成功した。
「それじゃあ、俺と唐音は先に進む…四人は屋外に隠れて逃亡の準備を整えてくれ…!」
『御意』
「…恋太郎、気をつけて進め」
「うん…プッチ、三人を頼む」
「ああ…」
神符、静、凪乃、楠莉は来た道を戻って外に出ようとした。
「恋太郎と唐音、心配なのだ…」
「恋太郎ならやってくれます。彼を信じましょう…」
ガシィッ
「…?」
神符が外に出ようとした瞬間、突如何かに足を掴まれる感覚に襲われる。
「なんだ…?」
神符が下を向いて確認しようとすると…
バシィッ
「⁉︎」
突然視界が真っ暗になり、口も塞がれ、声も出せない状態に。
(な、なんだコレは⁉︎何か分からないが…束になってる何かが、私の足を掴んでいる‼︎目も口も塞がれている…い、一体…⁉︎)
そして……
グオオォォン
そのまま神符は屋敷の中へと引き摺られてしまい、静たちはそれに気づかずそのまま行ってしまう。
-花園邸のどこか-
「うっ…」
神符が立ち上がると、そこは花園邸の中だった。
(な、何がどうなっているんだ…私を引き摺った何かも気になるが、それ以前になぜ私だけ屋敷の中に…?)
神符が辺りを見回すと……
コツーン…コツーン…
突然後ろから足音が聞こえ振り返ると、そこには一人の女性の姿があった。
「…お侵入者様。本日は花園邸にお越しいただき、ありがとうございます」
シニヨンに束ねた黒い長髪に糸目、白いメイド服姿のその女性は、メイドらしい控えめな口調でそう言うと、神符の前で頭を下げた。
「……随分と礼儀正しいな、名前は?」
「…銘戸芽衣。羽々里様の下に仕えるメイドの一人でございます」
「メイド…?なら、話は早いな………君の主がいる部屋に案内してほしい。羽々里と話がしたい」
「…ご挨拶はこの辺に致しまして、ご用件を言わせていただきます……これから、貴方様を木に吊します」
「え?」
ガシィッ‼︎
「うがァッ⁉︎」
次の瞬間、芽衣の髪の毛が伸び始め、神符をあっという間に拘束した。
「…お侵入者様、羽々里様の命により、貴方様は私めの『ラブ・デラックス』様が排除致します」
(は、花園邸のメイドは……『スタンド使い』……⁉︎)
To be continued →
[次回]第9話:ホワイトスネイクVSラブ・デラックス