100人の彼女と白蛇   作:KQ

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今回から他のオリキャラも定期的に話に関わりますよー



第12話:いっぱい食べる君が好き

 

白蛇神符の朝は、一般の高校生に比べて早い。

 

遠くで働いている父親から贈られる資金を上手く使って生活しており、食事もほぼ自炊。朝早くに起きて弁当を作り、学校に行く。

 

しかし、この日は違った。朝食を済ませると、弁当を作らず、そのまま制服に着替えて家を出た。

 

 

〜〜〜

 

 

場面は変わり、学校の屋上での出来事。いつも通り皆でご飯を食べようとするが、楠莉先輩がお弁当を忘れてしまい、恋太郎は自分のをあげるとそのまま購買に向かった。

 

ハートがファミリーに加入してからは、毎日ってほどでもないが彼も皆と弁当を食べるようになった。

 

「しかしプッチよく買えたな。それ、最近駅前にできたサンジェルメンのカツサンドだろう?」

 

「ああ。この日のためにいつもなら持ち歩かない万札を握りしめた程だからね」

 

ハートは母親が作ってくれた弁当をいつも美味しそうに食べている…宗教に溺れた母は、私にご飯を作ってくれる時なんてこれっぽっちもなかった……もし私がちゃんとした親のもとで生まれたのなら、皆のように親が作ってくれた弁当を味わう事もできたのだろうか……いや…そんな事考える必要もないか……今は皆がいる…

 

「…あ、そうだ」

 

すると、ハートは弁当の包みとは別の丸い容器を取り出した。中には二連のさくらんぼが何個も入っている。

 

「プッチ、小学生の頃にやってたあの技、今でも出来るか?久しぶりに見たくてな」

 

「アレか…分かった、やってみるよ」

 

神符は容器からさくらんぼを一個取り出すと、二つの実を口の中に入れて食べ始めた。そしてしばらくすると…

 

「…できた」

 

枝の部分を持って口から取り出すと、タネの部分がついたまま果肉だけキレイに食べられたさくらんぼの姿があった。

 

『双子の騎士は無事であった』

 

「すごいですね…どうやってやったんですか?」

 

「子供の頃からできた唯一の特技だ。タネをいちいち取り出すのが面倒だから、どうやってそのまま食べられるか模索したもんだ…やってみるか?」

 

『やってやるぜ』

 

静が手を挙げてそう宣言したので、私は容器から新しいさくらんぼを取り出して静に渡した。そして、静は口の中にさくらんぼを入れると…

 

 

モチョ…モチョ…

 

((ん"ん"…ッ‼︎))

 

 

その小さなお口でさくらんぼを一生懸命食べ始めた…危なかった…あまりの可愛さに私と羽々里さんの魂が前回みたいに抜き出るところだった…

 

『すまねぇ…オイラには無理だった…』

 

「大丈夫だ静…君が食事してるところを見ているだけで私は嬉しい…ッ‼︎

 

「アンタは静のなんなのよ」

 

いやぁ今のところを恋太郎に見せられなかったのは実に悔やまれるな…と思いきや羽々里さん!その手に持っているスマホは…!

 

グッ!

 

一生ついていきます羽々里さん!

 

「しかし…恋太郎は見れば見るほど不思議なやつだな…プッチに聞いた話じゃあ、今まで100回失恋してきたのだろう?それなのに高校に入ってまだそんなに時間経ってないのにもう六人の彼女を作っている…さっきの気遣いもそうだが、あんなに人望が溢れているのにどうして今まで彼女ができなかったんだ?」

 

「まぁ…その辺は色々あるのよ…」

 

「そうだな。説明すると長くなるんだが、まぁ詳しくは…」

 

「?」

 

神符は普段持ち歩いている聖書(ヤングジャンプ)とは別の本を取り出すと、ブックカバーを外して中身を渡した。

 

 

 

「この教典(100カノ)を読むといい」

 

「原作第一巻⁉︎」

 

「プッチ宣伝してばっかなのだ」

 

 

 


 

 

「…と言う次第でございまして…原賀胡桃さんを新しい彼女として迎え入れさせていただいてもよろしいでしょうか…!」

 

「ついに中等部の子まで彼女にしたのか…」

 

「ほう…これが新しい彼女が加入する瞬間…!」

 

「伝統行事みたいに言うな」

 

翌日、またもや恋太郎ファミリーに新しい彼女が加入してきた。名前は原賀胡桃。恋太郎曰くお腹が空きやすい体質らしく、原宿系ならぬはらぺこ系の彼女らしい…

 

「先に言っとくけど…あたしは別に恋太郎先輩以外と馴れ合うつもりはないから」

 

「何…?」

 

どうやらあまり仲良くするつもりはないらしい…こんな調子で大丈夫なのか…?

 

「確かに同じ彼女同士だからと言って無駄に関わり合うのは非効率的」

 

「お前なんて事言い出すんだ栄逢凪乃ーーッ‼︎⁉︎」

 

お前…今まで皆と仲良くしてきたというのに……と思いきや、皆自体のことが好きだから一緒にいるらしい。あぁよかった事態が悪化するかと思った…

 

「というか、ここにいる全員が恋太郎先輩の彼女だとするなら、あんたらは何なの?」

 

「ん…私とハートの事か?そうだな……」

 

 

 

「恋太郎の親友だ。それ以上でもそれ以下でもない」

 

「そしてこのハートはそのプッチの親友だッ‼︎」

 

「本当になんなのこいつら…」

 

 

 

「そう言えば皆…これ知ってるか?」

 

すると恋太郎はスマホを取り出すと、画面を皆に見せた。

 

フードファイトフェスティバル!優勝賞品は賞金と三ツ星パティシエの特製ジェラート!」

 

「いわゆる大食い大会か…優勝賞金が曖昧なのが気になるが…」

 

「特製ジェラート…!」

 

「食べたいのだーっ!」

 

「10人までのチーム制で…『男性』もしくは『成人』は2人換算だから、ちょうどここにいる10人皆で出られるんだよ!」

 

『やるっきゃねぇな‼︎』

 

「む?俺も出るのか?」

 

「人数は多い方が効率的」

 

途中で原賀が一人で優勝できると言いだした時はどうなるかと思ったが、結局皆でフードファイトに出ることとなった。

 

 


 

 

そして当日。フードファイトの会場は大盛り上がりだ。

 

 

「ルールは説明不要‼︎とにかく食って食って食いまくった者が勝者だあァーーッッ!!!」

 

「あの女モブキャラにしてはデザイン濃いな」

 

「最初はファミリー入りする予定だったけど、結局ボツにしたとかじゃあないのか?知らんが」

 

「それではルール説明を行います」

 

「説明不要じゃあねーのかよ」

 

 

フードファイトフェスティバル

 

チーム制全5回戦の大食い大会ッ‼︎5回戦全てチーム全員で出場するのも、各回戦ごとに出場メンバーを絞るのも自由ッ‼︎

 

各回戦ごとに順位に応じたポイントを獲得し、合計ポイントが最も高いチームが優勝となるッ‼︎

 

 

「説明全部ナレーションに言われたな」

 

「原作と違ってここは小説サイト…野澤先生の絵は挿入できないからな…」

 

 

全5回戦の前にまずは予選を行うらしく、ここで食べるのは"ご飯"……つまりお米だ。一応救済処置として唐揚げや豚カツといったおかずは用意されてるが、あくまでポイントとして加算されるのはご飯。おかずを食べるだけ後々苦しむだけだ。

 

「さて…予選には誰が出ようか」

 

「全員で出るのが一番食べれるのだ!」

 

「まぁそれもそうですが…恋太郎、ここはメンバーを絞って出た方がいいんじゃあないか?」

 

「確かに…予選で全員満腹になるわけには…」

 

「別にいいよ、どうでも。予選もそのあとの5回戦もあたしは出るから。あんた達は出ても出なくても一緒だよ」

 

「なにィ⁉︎」

 

「なによそれ私達は戦力外だってのっ⁉︎」

 

「殴るなら俺を殴ってくれッ!!!」

 

「別に殴りかかる程キレてないわよ!どんな短気だと思ってんだ人の事」

 

 

〜〜〜

 

 

結局、予選には原賀と恋太郎が出ることとなり、他の皆は二人をサポートする役に。

 

「恋太郎。神道において、食物は神との繋がりを深めるための大切な要素であり、食事は神に感謝し、自然の恵みを頂く行為と言われている。いっぱい食べろ」

 

「ありがとうプッチ…いただきます!」

 

恋太郎は神符がよそったご飯を受け取ると、すかさず口の中にかきこみ始めた。が…

 

「さあ食べるぞ胡桃っ!……胡桃?」

 

 

 

「焼肉…‼︎…とんかつ…‼︎」

 

「開始ゼロ口で」

 

「まぁ確かにおかず無しでお米は食べれないよな…」

 

原賀は羽々里さんがよそったご飯を片手に、会場に並んであるおかずに目線がいっていた。というかこの時間帯にこの回を投稿する作者イカレてんのか⁉︎

 

ダッ

 

「ど、どこへ行くんだ恋太郎⁉︎」

 

「しっこ漏れ『食事中ぞ』

 

恋太郎が徐に立ち上がると、向かった先は…

 

(なっ…おかずを取りにいったのか…⁉︎)

 

会場に並んであった肉を皿に盛り付け、原賀の前に置いた。あいつツッコミしながら肉を頬張っている……

 

そんな原賀を前に他の参加者はと言うと…

 

「何だあの子…開始早々おかずを…」

 

「バカか…?」

 

「ルールを理解してないんじゃ…」

 

「誰だ今バカって言ったやつ名乗り出ろ!!!!そっちの方から聞こえたぞ!!!!」

 

「落ち着け恋太郎!素数数えろ素数‼︎」

 

しかし本当に何考えてんだ…確かにおかずがあった方がご飯は進むが、同時にお腹が満たされる速度も早くなるんだぞ…

 

 

 

 

「おいっしいいいいぃ〜〜‼︎❤︎❤︎」

 

「まるで別人じゃあないか⁉︎」

 

 

 

 

目をキラキラ輝かせながらご飯を食べる原賀を前に、私は唖然とした。先ほどまでファミリーに対してツンケンとした態度をしていた人物とは思えない…

 

すると、周りの参加者はそんな原賀につられ、一斉におかずを取り始めた。

 

これが恋太郎が考えた策だ…原賀は消化が早い分すぐにお腹が空くので、胃の消化が少ない。しかし周りの参加者は違う。参加者がおかずを食べる分、原賀胡桃がリードして行く一方だ!なるほど、そうと決まれば…

 

「ハート!私達は二人のご飯をよそうから、君は原賀のためにおかずを用意してほしい!」

 

「いいだろう!世界(ザ・ワールド)』‼︎

 

ハートは静止した時の中を動いておかずを皿に盛ると、席に置いた。

 

「なるほど…静止している間におかずを取りに行けば、移動時間も短縮できて効率的…」

 

「ふふ…俺だけの時間だぜ!」

 

「しかし恋太郎…君も君でよくお米だけで食べていけるな…無理はするなよ…」

 

「それが全然大丈夫なんだよ…!むしろ箸が止まらないぐらいで…!」

 

どうやら皆がよそうご飯ごとに全部味が違うらしく、おかげでおかずを食べる事なくお米だけでそのまま食べていけるらしい… 皆んな違って皆んないいの最たる例だな……待てよ、となると私がよそったご飯も味が違うのか⁉︎

 

 

〜〜〜

 

 

こうして予選は終了し、上位3位のみの発表となった。予選を通過出来るのは上位の3チーム…恋太郎と原賀のみであれだけ食べれた事だし、いけるといいが…

 

「それでは第3位!男女合計10人で参加の…恋太郎ファミリーチーム!

 

「いやギリギリじゃあないか⁉︎」

 

「危なかったな…恋太郎の作戦がなければあっさり負けていた…」

 

「第二位は成人女性5人で参加の…呉莉羅(ごりら)連合チーム‼︎

 

「ブーケトス以来の登場じゃあないか…‼︎」

 

「なんだあのトンチンカン集団は…」

 

「そういえばハートさんはあの時いませんでしたね…」

 

まさかここで呉莉羅(ごりら)連合と再会するとは…恋太郎ファミリーと呉莉羅(ごりら)連合、もはやこの2チームはライバル関係みたいなものだな…いよいよ第1位の発表だが、一体どんなチームなんだ…?

 

「そして第1位は…なんと1人で出場の…

 

「えッ⁉︎」

 

「何ッ⁉︎」

 

 

 

 

 

 

「タケコ・スーパーデラックス選手‼︎‼︎」

 

「ポルポみたいなやつ出てきたァッ‼︎⁉︎」

 

「『タケコ・スーパーデラックス』…聞いたことがあるッ!かつて俺の生まれ故郷ロンドンの大食い大会を、2位と圧倒的ポイント差で、ぶっちぎりに優勝した巨漢の女!現大食い世界王者の賞金王だッ‼︎」

 

「なにーッ!!?」

 

「どうやらこのフードファイトフェスティバル…一筋縄ではいかないようだ…」

 

 

 

 

 

To be continued →




[次回]第13話:フードファイトの勝者
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