100人の彼女と白蛇 作:KQ
実は神符のとある部分が才奇姫歌と被ってる
意図せず被ってしまったぜ
やれやれだぜ
中間テストの結果が貼り出された。こういうのってやっぱ学校によって違うんだろうな。私たちが入学してるお花の蜜大学附属高等学校は結果が廊下に張り出されている形式だ。
「ごめん机の上にスマホ忘れた先行ってて…!」
「いいじゃないスマホなんか今」
「あれは皆との写真や思い出が詰まってる命より大事な宝物なんだっ‼︎」
言うのはいいけど人が集まってるところでは言わないでくれ恥ずかしい………確認だが皆の中には私も入ってるよな?
〜〜
「240人中…25位でした!」
『四十四番目の刺客であった』
「わっ、私だってあんたより一つ上の87位なんだからっ!」
そして試験結果が明らかになった。私は…65位。上の下といったとこか。恋太郎が3人を撫でている。別に私も撫でられたいとは思ってない。うん。
「あの…1位の栄逢さんって知ってる?」
すると恋太郎が突然、私達にそんなことを聞いてきた。栄逢凪乃。長いストレートの銀髪に赤い瞳のスラリとした体格の人だ。
「同じクラスの方でしたよね?」
『窓際で常に勉学に励む姿を』
「すごい頭が良いとしか聞いたことないな…」
「ああ…私は話したことないけど噂なんかじゃ…」
「正体はAIって説があるだとか」
「都市伝説かよ」
「タマネギの表皮細胞の観察とスケッチをします」
場面は変わり、理科の時間となった。二人一組のペアでやるということで、私は静とペアを組んでやることに。
『よろしくお願いします』
「ああ、こちらこそ」
一方の恋太郎はというと、先程話題にした栄逢さんとペアを組んでいる。もしかして……栄逢さんもまた恋太郎の運命の人の一人なのか…?
待てよあの人教科書模写してないか?
効率を重視していると聞いたが、本当のようだな…まるで合理主義をそのまま擬人化したような人だ……
「両刃カミソリは危ないから私が持っておこう」
『わかったよ兄ィ‼︎』
しかし静が顕微鏡を持った瞬間…
グワシャァ‼︎
「きゃッ……!」
「うぉっ!?」
パシィッ!
静が顕微鏡の箱を持った瞬間倒れそうになり、神符は慌ててホワイトスネイクで顕微鏡と静を支えた。
「だ、大丈夫か?」
『すまねぇ……40〜50kgの重りをつけられてるようだった…』
「普通の顕微鏡だぞ?」
意外と力弱いんだな…か弱い生物故に、誰かがこの子のそばにいないと……ん?
ちゅ…ちゅぷ…
何ィィーーーーーッ!!?!!?!!?
な、何をしているんだ栄逢凪乃ッ!?恋太郎の指を咥えているだと……ッ!?吉良吉影じゃあるまいしッ……!
「ふ…ふんっ‼︎別に細胞なんか見えたって何とも思わないんだからねっ‼︎」
「当たり前だろ」
「何と戦ってるんですかあなたは……」
『なんと深い業を背負っておられるのか……』
「41、43、47…」
今、私はとある教室のドア近くに立っている。というのも、その教室には恋太郎と栄逢さんの二人しかいない。男女二人っきりの状況といえば、一つしかない。
「愛城恋太郎…私はあなたが好きみたい…私と……交際して欲しい」
そう、告白だ。効率重視で人との会話なんか一切しないであろう彼女が、自分から告白し出したのだ。そんな栄逢さんの答えに対し、恋太郎も栄逢さんが好きだと伝えた。これでまた恋太郎の彼女が増え…ッ!
「ごめんなさい」
「悪質なドッキリ‼︎⁉︎」
そういうことか…どうやら栄逢さんは恋太郎との恋を終わらせるために告白しにきたらしい。そんな頂上決戦のシャンクスみたいな…
しかし、そこは我らが愛城恋太郎。失恋程度で栄逢さんとの恋は終わらせない。
〜〜〜
-数日後-
恋太郎と栄逢さんは、とある遊園地でデートをすることになった。そのデートさえ付き合ってくれれば、キッパリ諦めると恋太郎は約束した。とはいえ……
本当にそれで諦めるのだろうか?
あの神様は言った、運命の人と付き合うことがなければ、その人は死ぬと…恋太郎のことだ。振られたからといって、無理強いて栄逢さんを何度もデートに誘うことはないだろう。だが逆に言ってしまえば、このデートで栄逢さんを振り向かせないと、彼女は将来なんやかんやあって死んでしまう。ということで……
「来てしまった…」
恋太郎と栄逢さんのデート先の遊園地に来てしまった。遠目からでは私だと分からない程の変装をして、二人を裏でサポートすることに。*1
というか確か恋太郎ってデートの経験なかった気がするが……大丈夫なのか恋太郎…?
「おまたせ」
っそうこうしてる間に栄逢さんがやってきて、二人はデートを始めた。
「よし、私も行くとするか…」
遊園地なんて小学以来だったな…しかも割と広めの遊園地だから見失わないようにしないと…
「思いっきり楽しんでしまった……ッ!」
…現在、私は休憩エリアでコーヒーを飲みながら頭を抱えている。二人を見守るはずが、普通に遊園地のアトラクションで遊んでしまったのだ。
違うだろッ!恋太郎を裏方でサポートしないと、彼女は死んでしまうというのにッ!
しかし不思議なことに、どのアトラクションでも二人とは鉢合わせしなかった。ジェットコースター、バイキング、空中ブランコ……色々なアトラクションで遊んだが、恋太郎と栄逢さんの姿を見なかった。
ま、まさかッ!もうデートは終わって……ッ!?
「ほら!この時は…ちょっと退屈してる。でも…こっちはすごい楽しそう!」
「…当たり…分かるの?…よく感情が無いみたいって言われる」
すると突然、聞き覚えのある声が聞こえ、声のした方を見ると、恋太郎と栄逢さんが同じ休憩エリアの席に座っていた。テーブルの上にはデート中に撮った数々の写真が並べられている。
(マズイッ…!)
私は急いでバッグに入れてた
危なかった…変装しているとはいえ、恋太郎のことだからすぐに私だと気づくに違いない…ッ!もしバレたら口の中に両刃カミソリを突っ込まれる…ッ‼︎
「でもよかった。ちゃんと楽しんでもらえたみたいで……」
「…ええ…とても楽しかった…想定よりも遥かに……」
「…本当…⁉︎…それじゃあ……」
「でも…やっぱりそれだけ。楽しかった……だけ。何を得ることも出来なかった…無意義な1日だった…ごめんなさい」
栄逢さんは無表情のまま、だがどこか悲しそうな顔でそう言った…どうやら、結局振り向かせることは出来なかったらしい。
「……いや……謝るような事じゃあないよ。感じ方は人それぞれだから。変にごまかさず正直な気持ちを教えてくれて嬉しい」
何を言ってんだ恋太郎ッ!ここで栄逢さんを振り向かせないと、彼女は死んでしまうんだぞッ!
「…じゃあ…まぁ……仕方ないけど…無意義だった今日、過ごす価値のなかった今日の事は…
恋太郎は懐からライターを取り出し、束にしてまとめた写真の端っこに火をつけようとした。すると……
バッ!
珍しく動揺した様子で、勢いよく写真を取り上げた。
(……そういうことか)
どうやら恋太郎は栄逢さんに、どうしても気づいてほしくて火をつけようとしたらしい。
幸せな時間には意義があると言う事を…そんな時間を過ごす事こそ、人が生きる何よりの意義だと言う事を……
運命の人のためなら、たとえやりたくない事をやる……いや、この人を愛さないと死んでしまうからとか、もうそんな思考ではないのだろう……
単純に、その人が好きだから、本気で愛したいと思うからこそ、こういう行動が取れるんだろう……
…という事で、栄逢凪乃が恋太郎に改めて好きである事を告白し、二人は付き合うこととなった。一時はどうなるかと思っていたが、平和に終わることが出来た。
(やれやれ…どうやら私が行かなくてもよかったようだ…サポートなんかしなくてもよかったのかもな…)*2
神符はそう思い、席を外してその場を離れようとした。
「白蛇神符はクールにs「白蛇神符、そこで何をしている?」どわァッ⁉︎」
どうやら立ち上がったことで、サングラスがズレて顔が露わになってしまったようだ。突然凪乃に話しかけられ、神符はデカい声を出してしまう。
「ぷ、プッチ⁉︎何でここに…ッ⁉︎」
「い、いやぁ……き、奇遇ですね…お二人共お元気な様子で……」
「ジェットコースターに乗っていたことも、空中ブランコで遊んでいたことも把握済み」
(割と序盤から気づいていたァァァァーーーッ!!?)
「あ、えっと、その……」
「逃げるんだよォォォーーーーーッ‼︎」
「逃げるなァァァァーーーーーーーーッ‼︎」
To be continued →
プ「う〜ん…」
恋「どうしたんだプッチ?」
プ「恋太郎か。プールで着る水着選びに迷っててな…今のところ二択には絞れてるんだが…」
恋「そっか…ちなみにどれで悩んでるんだ?」
プ「十字架形の水着とウェットスーツ…どっちがいいと思う?」
恋「ウェットスーツでいいと思う‼︎」
[次回]第4話:プールに行こう