サイバーイヤシカグリーン「それはいいけど、お姉ちゃん。もうすぐシャーレの先生が来る時間じゃない?」
サイバーカミゴエブルー?「もう過ぎてるわよ」
サイバークリミタイナクチピンク「誰!?ゆ、幽霊!?いやー!(ゲーム機を投げる音」
来た道とは別ルートを誘導に従って進み、大通りに戻る。
そこから振り返るとゆっくりと隔壁が閉じていき、閉じ切るともう道などなかったかのように見える壁があるだけだった。
【
行きで使われたルートがどんどん潰されて行っているらしく、調べていたエアが溜息を吐きながら呟く。
話していた感じからは、ヒマリさんはそんなに人自体を嫌っている様子はなかった気がする。
そうすると別な誰かに要請されて、なるべく人目に触れないよう過ごしているのだろうか。
もしそうならば、ミレニアムは技術が進んでいるとはいえ、こんな大がかりなギミックと規模を用意できる組織。あるいは何者かから…?
【…あまり良い予感はしませんね】
エアの言う通り、私もちょっと気になる。
しかし事前に彼女に調べて貰った範囲には、ミレニアムには私にも聞いた覚えのあるような、大きかったり有名だったりする企業はいなかった筈。
アビドスのように隠れて学区を狙っている企業が、他に一杯居ても困る。
【表面上はいないようです。ですが――レイヴン。知り合いが近くに来ているようです】
ざっと情報を調べていたエアが、話を途中で止めて教えてくれる。
誰だろうと思い、彼女が付けてくれたマーカーの方向を見ると相手も丁度見つけた様子で、手を軽く振って見せている。
「こんにちわ。オンちゃ…その恰好の時はレイヴンさんだったわね」
そういって歩み寄り、笑いかけてくれるミレニアムの学徒の一人。
青紫色の長い髪の一部を左右で結い、ヘイローは黒い円を形作っている。
スーツと折ひだの入った黒く短いスカートに、中に白のシャツを着込むその首元には水色のネクタイ。
スーツの上に着る白を基調としたジャケットをはだけているのはアビドスのノノミさんのように、明るく開けた人当たりの良い性格を表しているようにも見える。
大胆にさらけ出している――
腰の大きなベルトには弾薬用と思われるサイドポーチが付けられており、黒の手袋を付けたその手に構えるだろう2丁のサブマシンガンは今は仕舞われて居る様だ。
確か名前は、ロジック&リーズンと教えて貰った気がする。
…マシンガンをぶっぱなす時に、理性が必要となるケースとはどのような状況だろうか?
そんな事を考えている私の近くに歩み寄った女性、
「おっと、往来で撫でるのはまずいわよね…また今度にしましょう。今日はお仕事でコチラに?」『はい。シャーレが来ているので迎えに行く所です』
会う時は大体シャーレに慰安任務を受ける際なので、先生と一緒に撫でていたのだが今は自重するらしい。
往来だと何か問題でもあるのだろうかと考えている私の代わりに、エアが通信機から合成音声で答えてくれる。
「わっ。オペレーターさんも一緒に来ていた――来てるのかしら?相変わらず声だけしか聞こえないけど――まぁ、うん。来てらしたんですね」
『ええ、レイヴンの専属オペレーターですから。いつも声だけですみません』
エアの声に驚くと共に少し疑問に思っていたようだが、ミレニアムに来ていると判断するユウカさん。
エアも謝ってはいるが、専属という点に関してはどこか自慢しているように聞こえるのは私の気のせいだろうか。
そんな彼女の謝罪に気にせず、姿を見せない事に対してユウカさんは笑って手を否定するように横に振る。
彼女が言うには、ミレニアムにも姿を見せず研究に集中(没頭)する学徒は割と多いらしい。
彼女の方から足を運んでたまに顔を見に行かないと、倒れたりしてないか心配なのだとか。
そんな他人を気にするユウカさんの言動は私にとって物凄く珍しく、いつも新しい思想を見せてくれる。素敵だ…。
「
『はい。大体この辺りで合流の予定です』
「あら、私も丁度この近くに用があるの。よければご一緒しても良いですか?」
私を見ていたユウカさんが
それを覗き込んだユウカさんだったが、どうやら彼女も用件が近くである様だ。
私としては特に問題はないし、仕事上秘密にしなければいけない理由もない…筈?
【護衛任務である事を明かさなければ大丈夫です】
「オンッ」
『――はい。レイヴンも問題ないとの事です』
私の疑問に頭の中でエアが答えてくれた。
それに感謝してから、大丈夫だと鳴き声を上げてユウカさんへ頷いて見せる。
エアは一瞬言葉に詰まった様子を見せたが、彼女はそれに少し首を傾げただけで、代弁してくれた内容に良かったと嬉しそうにしていた。
…エアに感謝すると、いつも複雑そうな反応をされるのは何故なのだろうか。
私が様子のおかしい人のように見えたのかもしれない。
実際に先程その人のマネをしたのだから、そういう事なのだろう。
ん。理解した。
頭の中で
そんな私達を見ながらユウカさんと共に合流地点へ向けて歩いて行く。
丁度人の気配の少ない道だったからか、彼女の用件について――愚痴交じりに――聞く事が出来た。
どうやら廃部となる部活があるらしく、その様子を伺うためだとか。
なんでも人員が規定人数に届かず、最新鋭・最先端の名を持つミレニアムの部活として見合う成果も出せていない為、部活廃止と部室
それにも拘わらず(彼女から見て)積極的に動く事はなく、活動したかと思えば賭博行為を始めたり他の部活へ襲撃したり。
その上経費(部費)まで請求してくる…と言った具合に、とてもフォローできる状況ではないままで何か月も経つのだとか。
『それはまた…何故まだ廃止されていないのですか?』
「…まぁ確かに、他の真面目にやっている部活からしたら贔屓目に見られるかもしれませんけど。その部活の子に事情がない訳でもないですし、それに」
エアがなくなってない理由を尋ねると、ユウカさんは指で頬をかきながら言い訳のようなものを話し、そこで一旦区切って目線を泳がせる。
話が途切れたので目線を彼女に向けると、少し困ったように…優しげな表情で笑っていた。
「あの子達は根は悪くない。やればできるって…そう思ってますから」
彼女の表情と目線に、一瞬だけあの人を思い出す。
ルビコンの記憶を思い出して固まり、足を止めた私に代わってエアが会話を続けてくれる。
『っ、それは………いえ。なるほど、そういう事ですか』
ただ彼女も一瞬息を呑んでいたようで、間を開けてしまった。
エアもあの人の事を思い出して、懐かしいと思っていたのかもしれない。
私がお礼を言う時のように複雑そうな声色だった気もしたが、多分それは私の気のせいだろう。
足を止めていた私に気が付き、不思議そうな表情になったユウカさんが振り返るのが見える。
私は目を瞑って首を振り、何でもないと一吠えして足を踏み出して彼女に並ぶ。
まだ大丈夫。あの人ときっとまた会える。
そう考える私を、エアは黙って光を明滅させながら見ていた。
その後も歩く中で私が興味を引いた何かがあれば、ユウカさんはその概要を説明してくれた。
ミレニアム製の数々に私の興味は尽きない。自動販売機、ドローン、自動(電動)二輪車…あの背筋を伸ばした姿勢には何か意味があるのだろうか。
真剣な表情で急いでいそうなのに、
「あれはここの区画内の制限速度をギリギリ超えてそうね…本当なら止める所なんだけど…」
そう言いながら額を抑え、目を瞑るユウカさん。
もう少し詳しい話を聞くと、どうやら場所によって出せる速度が決まっているらしい。
キヴォトスにはエリアによる速度制限があるらしく、車両を運転するにも注意が必要なのだとか。
普段私は(先生やエアの指示の下)公共の交通網を使うし、短距離で車両を使う位なら
しかし移動速度は早ければ早い方が良いだろうに、何故制限などあるのだろうか。
エアも不思議がっていたが、その様子を見たユウカさんは今まで見た事がない顔をしていた。
「お二人はなるべく運転しないで下さいね…」
「オンッ」
『善処しましょう』
任務遂行で必要にならなければ、乗る事も無い。そう思って了解の吠え声をあげる。
エアにもコーラル動力の乗り物なんてキヴォトスにはないだろうから、ユウカさんの考えは
何故か私達の返事に頭を抱えていたが。片頭痛だろうか。
「これは先生と同じで、言っても聞いてくれない奴だわ…!」
ユウカさんの呟きに疑問に思う。確か彼女が先生によく(怒って)言っていたのは無駄遣いという奴だったろうか。
私が聞いたのは先生からの愚痴で、
ルビコンに居た頃であればパーツの衝動買い等、思い当たる節はある。
しかしキヴォトスに来てからは、自発的な浪費はしていない。
しているといえば、先生やエアから言われて
やはり控えるべきだろうか【それは必要経費です】アッハイ。
エアに頭の中で否定されてしまった。
だとすれば一体何がユウカさんの心配になっているのだろうか?先生に聞けばわかるだろうか。
そう考えながら歩いていたら合流地点が見えてきて、丁度先生がこちらを見つけて手を振っていた。
――それと同時に、窓ガラスの割れる音が私の耳に届く。
音の出所に目線を向ければ、近くの建物から回転する
『シャーレ、そこは危険ですよ』
「先生!危ない!」
エアとユウカさんが警告を発するが、それが逆に先生の動きを止めてしまう。
不思議そうにしている先生へ向けてクルクル回る何か(ゲーム機)が迫っている。間に合うか。
私は四つん這いになると即座に
地面から射出するように飛び出し、駆け寄る私に向けて先生は何故か嬉しそうに笑って両手を広げて待っていた。いやそこ危ないよ?
”オンちゃん!久しぶりに会えて嬉し――”
「オンッ!」
更に腰を落として(中腰に)構える先生の上を跳び越す様に、私は跳躍する。
そしてクルクル回ってまるで円盤状に見える何かを――
地面に着地した衝撃もあって口に咥えた何か(ゲーム機外装)にヒビが入った感触もしたが、誤差だろう。
あの人もこの位の誤差は許容範囲と言っていた(言ってない)。
ついでに振り返ってみれば、前方へと地面に突っ伏す先生の尻も見えた。
今日の奴は外出用らしい。ん、黒。
”どうして…”
「先生、大丈夫ですか!?」
『…あれが「不憫だ…」、という奴でしょうね』
悲しそうな先生、駆け寄るユウカさん、何故か同情するエアの合成音声、という順番で状況が評される。
建物の割れた窓から二人の生徒が顔を出すのを見た後、私は一先ず咥えた物を手に取った。
…噛んだ跡がついてるけど、
『歯形付きプライステーション』
旧き良きレトロゲーム機にとある犬獣人の噛み跡と、それを修繕した痕が残っている。
マニアな人には垂涎の、或いは
ご閲覧、しおり、感想、お気に入りやここ好きも頂いておりまして、本っ当っにありがとうございます!!
長らくお待たせしておりまして、申し訳ございません。その間に新しくブルアカxAC作品も増えておりまして、目移りしちゃいますね…。
そんな中でも本作を見て下さる方々には感謝の念に堪えません…!
因みに前書きはただのギャグです。本編には例の青い人は登場しませんのでご安心(?)下さい。
今回も少しずつ、御名前記載をさせて頂きます。
一部時間順ではない場合もありますが御了承の程、お願いします。
(閲覧、しおり、ここすきは御名前が表示されず、感想は今の所個別で返信するため割愛とさせて頂いてますが、いつも感謝しております!)
またもしも「あれ、順番飛んだ?」と思われる方は、こちら(活動報告一覧)にて御記載させて頂いておりますので、よろしければ御照覧下さい。
カトン様。
ご好評を頂きまして、ありがとうございます!
このような僻地(作品)まで訪ねに来られた、ご友人からも楽しんで頂けているとは…恐縮です!
木下ナツメ様、キヨスク様、黒蜜にゃんこ様、カイル012様、ジルグ様、
観測者 樹様、ハンタ・ケン様、ヒョウカミ様、みつさけ様、マインスイーパー様。
お気に入り登録を頂きまして、ありがとうございます!
もしやはっ○ーカッピの主人公のお母様…?ドーナツを頂けるのでしょうか…!?
トルコ語のあずまやが由来だそうですね。JR駅構内でお世話になった方も多いのでは?
もしかして絵描きの方でしょうか。もしそうでしたら絵柄も素敵ですね!
テイ○ズか、サモンナイ○か…後者だったら姉が好きだった記憶があります。自分もスタメンでした。拳ぃ!
ブレイクブレイ○でしょうか。眼鏡、赤の長髪…あっ良き(語録消失
自分は誤字報告頂ける方が嬉しいタイプですので、もし気が向きましたら宜しくお願いします!
日常を彩るささやかさ…素敵だ…
評価も頂いておりまして、ありがとうございます!これからもひと時の楽しみにして頂けましたら光栄ですっ
もしミードの事でしたら、自分も以前飲んでた事があります。紅茶に混ぜて飲むとどこかで見かけて以来、はまっていた時期がありまして。
旧き良きゲーム…!シンプルながらつい続けてしまう奴ですね。3Dverもあるとか――あるんだ!?
御影鈴様
アビドス編、8・16・23・29・33・幕間6話の、
誤字報告頂き、ありがとうございます!
最新話だけなく見て下さるなんて、感激だ…つい心の中のご友人がでる程に嬉しいです!
オマケ?の話:
よろしければ試みになりますが、アビドス編の最後に解放されたアセンブル機能について、組み合わせを1~2セット募集します。前回やろうとして忘れてました。
初回は最速入手順の内、チャプター2開始直後まで…ウォッチポイント襲撃クリアで貰えるものまでとさせて頂きます。
(例:ハンタークラス2報酬のオマちゃんバズーカ、パーツショップ追加のYABAなど)
期限は次話投稿まで。予定的には一週間後までになります。予定は未定
応募先は可能であればハーメルンの本作者メッセージボックスまで。もし手間であれば感想欄でも構いません。
気が向きましたら宜しくお願いします。