ちょっと違う新世紀エヴァンゲリオン   作:憲彦

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 大層なサブタイですが特に大きなアレはありません。出てくる使徒が本編最弱とまで言われる足長蜘蛛ですので。


人の領域を超えるとき

「ん?⋯⋯あれ?」

「どうしたの?後ろが詰まってるんだけど?」

「いや。IDが通らなくて」

「は?」

 

 訓練にNERVを訪れたパイロット3人。先頭に立ってたシンジが入り口のカードリーダーに自分のIDを通したが、何故か何も反応がない。いつもなら1秒くらいしたらすぐに入り口が開くというのにだ。

 

「IDの期限切れ?ミサトならやらかしそうだけど」

「2人はどう?」

 

 そう言われ、アスカと綾波が自身のIDを通したが、反応が全くない。流石に真面目な三尉2人が期限切れのままにするとは思えず、これは何かあったなと思うように。

 

「ランプが付いてない⋯⋯まさか停電?」

「エアコンでもつけ過ぎたのかしら?」

「NERVの電源は、正、副、補の3つがある。停電になってもどれかが作動してすぐに通電するはず」

「つまりこれは⋯⋯使徒の攻撃?」

「もしくは、NERVが嫌いなの連中ね」

 

 考えても仕方ないと思いつつ、入り口ゲートの隣にある非常用の入り口から中に入る。入り口から発令所まで徒歩と考えると、歩く前から嫌になってくる。ただでさえ距離があるのに、迷路のように入り組んだ作りのお陰で、移動が面倒で仕方ない。

 

「今度から通路に自転車でも置こうか。移動が楽になりそう」

「それもいいけど、私スケボーがいい!ボタン踏むと爆速で動くやつ!」

「あぁあの死神の便利アイテムの1つね」

「死神?」

「巷じゃそう呼ばれてるのよあのメガネは。マンガ読んでるならコナンも読んだら?」

 

 あのメガネをかけた子供が死神と呼ばれている理由を知らない綾波に、アスカが原作を読むことを勧めた。

 

「ところで、僕たちの歩いてる道って合ってる?」

「え?」

「え?」

「え?⋯⋯えって、アンタ分かってて歩いてたんじゃないの?」

「いやなんとなくで歩いてた。方角的には合ってるから」

「こんな立体的な基地で平面的な見方で歩かないでよ!ちゃんとZ軸も入れなさいよ!!」

「いや後で発令所まで穴開ければいいかなって思ってたから」

「修理費結構かかると思う」

「大丈夫だよ。どうせマダオの財布から払われるんだから」

「そう。なら安心ね」

「穴あけるのは良いとして、今どうするのか考えなさいよ!」

「アスカ分からないの?ほら、気とかで」

「アンタは私のことなんだと思ってんのよ」

「度し難い変態だと思ってる」

 

 シンジのその言葉にアスカが反応し、アイアンクローをかました。シンジも即座に反応し、頭を掴んでいるアスカの右腕の手首を握り、反対の腕でアスカの頭を掴む。そんな2人を見て、平和だなと思う綾波。取り敢えず発令所かエヴァのドッグに繋がりそうな道を探すことにした。

 

「ここ、たぶん行けると思う」

「ん?⋯⋯点検用の通風口じゃない」

「点検用だから全部の部屋に繋がってるはず」

 

 3人揃って中へと入って進む。当然と言うか、点検用の道のため広くはない。四つん這い進むしかないような場所だ。

 

「ねぇ、前から気になってたんだけどさ、アスカの攻撃ってどう言う原理なの?」

「え?どれのこと?」

「空飛んだりギャリック砲出したりビック・バン・アタック出したりするアレだよ」

「あぁ。アレね。エヴァの動きって、とどのつまり、イメージが重要でしょ?だから、滅茶苦茶強くイメージするのよ。そのイメージをA.T.フィールドに乗せてるって感じ。シンジとレイにもできるんじゃない?」

「できるイメージが湧かないわ」

「所詮はイメージよイメージ。取り敢えずデッカイ塊飛んでけーとか、高温のレーザー出ろーとか。後は、これ邪魔!みたいな感じでイメージしたら意外と簡単よ」

「今度僕も試そう。スペシウム光線みたいなのは出してみたい」

「光線としてはイメージしやすいものね〜」

 

 そんな会話をしながら進んでいたら、上からオペレーターの1人である日向の声が聞こえてきた。なんか車のエンジン音みたいなのも一緒に聞こえてくる。

 

「これどう思う?」

「確実にゲートを車で突っ切って来たわね」

「あの人はたまに大胆な行動をとる」

「羨ましいわね」

「うん」

 

 あれくらい弾けてみたいと思う3人だった。だが、日向の叫んでいる内容を聞き、先を急ぐことにした。マジで使徒がここに接近してきているらしい。

 

「発令所行くより、ドッグに直接出たほうが良さそうだね」

「確かに」

 

 進んといくと、LCL特有の匂いがしてきた。恐らくドッグの上に着いたのだろう。シンジが適当な場所を足で踏み抜いてプレートを1枚外すと、作業員たちが手動でエヴァの発進準備を進めていた。

 

「アナタ達どうやって!?」

「良いから!使途が来てるんでしょ!早く乗せて!」

「そ、そうね。3人とも早くプラグスーツに着替えて来なさい。エヴァ3機には非常用の電源パックを着けて動けるようにするわ」

「了解!」

 

 発進の準備が整うと、ハンガーをエヴァ3機が登っていく。ある程度登ると、上からドロドロの何かが落ちてくる。

 

「ん?アスカ、上からなんか降ってきてるよ」

「え?⋯⋯うわっ!?」

「グアッ!!」

「グッ!」

「ヤバッ!そこの横穴に入って!」

 

 横穴に入った直後、大量の溶解液が上から降り注いだ。アレを直で食らえば、エヴァもたまったものじゃない。この前マグマで溶けた部分を直してもらったばかりなのに、また溶けるのは勘弁願いたい。

 

「いや〜。焦ったわ。まさか溶解液で来るとはね~」

「どうする?ライフルはさっき落としちゃったし」

「誰かがフィールドを中和しつつ溶解液を受け止めて、1人がここで待機。1人が下まで降りてライフルを拾い、待機している人に渡す。これが無難な作戦」

「じゃあディフェンスはアスカだね。A.T.フィールドでバリア張れるでしょ?」

「まぁそれくらいは軽いわね。ただ⋯⋯」

 

 そう言って、下に落ちていったライフルに視線を向ける。そこには撃てるか微妙な姿になってしまったライフルの姿が。

 

「あれ撃てると思う?」

「無理ね」

「無理だね」

「シンジ、肉壁になりなさい。私がギャリック砲でアイツを貫くわ」

「嫌だよ!バリア張れないの知ってるでしょ!アスカがやるべきだろ!」

「じゃあ誰が攻撃するのよ!」

「僕がするよ!アスカが防御、綾波がフィールドの中和、僕が攻撃。これで行こう」

「私は構わないわ」

「⋯⋯私も良いわ。でもしくじんないでよ!」

 

 アスカが飛んでいきA.T.フィールドでバリアを貼り、その下に綾波がフィールドを展開し使徒のフィールドを中和。そして下からはシンジが光線を撃とうと構える。

 

「確かにあの光線はこう⋯⋯」

 

 両腕、特に手首の辺りにA.T.フィールドを狭く集中して展開。フィールド同士を干渉させて反発させる。

 

「よし。2人とも避けて!!」

 

 その言葉にアスカと綾波はすぐに回避。腕を十字に組んだ初号機から放たれた攻撃は、落ちてくる使徒の溶解液を全てを蒸発させ、そのまま使徒の胴体を貫いた。

 

「よし。撃てた!」

「初めて撃ったにしちゃエライの撃ったわね〜」

「アスカのよりシンプルね」

「そりゃあね」

 

 全てが片付き、シンジとアスカはいつも通りの報酬を貰いに行く。一応、今回の出撃でマダオは現場に立って働いてくれたため、顔面に一撃で済ませた。とは言え、そのまま気を失ってしまった。流石に今回は頑張ったのにと、気の毒に思う職員がいたとかいなかったとか。

 

「ところで、ミサトさんは?」

「連絡つかないのよ。停電のせいで内部の電話線は機能しないし、地下だから携帯は勿論繋がらない。監視カメラで探そうにも、この混乱の中人的リソースは割けないわ」

「そうなんですね。全くどこで何してるんだか⋯⋯」

 

 エレベーターの扉が開いた瞬間、薄着になったミサトと加持が出てきた。状況的に何があったかは理解できる。だが、見ていて気分の良いものではない。シンジはゴミを見るような目をし、アスカは指をさして笑っていた。山本三尉は汚い物を見せないように、綾波の目を手で覆っている。

 




 個人的な解釈になってくるんですけど、エヴァの操縦がイメージに依存するのなら、シンクロ率が高ければ高いほどアニメや特撮の動きをイメージすればその動きができることになるし、じゃあそれA.T.フィールドにも適応されるくね?となって、ここでの扱いがこんな感じになってます。
 他者と隔てて形を保つ、受け入れて形を変えると言う性質なら、高いシンクロ率があれば現実と想像の境界を歪めてフィールドの性質も変化させて前方に打ち出せても良いんじゃね?的なことを思ったので、アスカに色々撃たせたりしました。

 次の使徒ってどれでしたっけ?自分を質量爆弾にしたヤツかディラックの海のどっちかだったと思うんですけど。どっちにしろ、先にディラック出そうか⋯⋯
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