ちょっと違う新世紀エヴァンゲリオン   作:憲彦

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 ちょっと使徒の順番変えます。


邂逅

 エヴァンゲリオン3機の修理と改造、そしてこの前の足長蜘蛛が溶解液で開けてくれた穴の修繕が済んでから数日。ジオフロントで、初号機と弐号機が殴り合っていた。

 

「ちょ!ミサト?!これは何の騒ぎなの!」

「あぁリツコ〜。お疲れ〜」

「そんな事はいいから!早く2人を止めなさい!」

「その必要はないわよ。これ訓練だから」

「は?!」

 

 ミサトの言い分としては、いつものシンクロテストや戦闘訓練では、実際に戦っているときの感覚を掴みにくい。特にアスカの弐号機はA.T.フィールドを応用した光線を出しまくるし空を飛ぶし、シンジはこの前の戦いで同じくA.T.フィールドを応用した光線を出した。であれば、いつもの訓練をするより、こうやって殴り合ったほうが早いと言う結論に至ったと言う訳だ。

 

「だからって⋯⋯アンタ、誰が修理費出すと思ってるのよ」

「え?マダ──司令じゃない?どうせNERV本部にいる間は食事も風呂も自由にできるんだし、お金がなくても死ぬことはないでしょ」

「それはそうだけど⋯⋯他の部署の迷惑も考えなさいよ」

 

 なお、この訓練のあと、土木課と施設課、技術課は三千世界の烏をブチ殺せそうな勢いの形相で修繕を行っていた。

 2人の戦いは、アスカが少し優勢だ。やはりA.T.フィールドを応用した攻撃はアスカの方が上。破壊力も抜群な上にバリエーションも豊富。撃たれ続ければ初号機に勝ち目はない。

 

『ほらほらどうしたのシンジ!掛かってきなさいよ!もっと私を興奮させなさい!!』

「なんか、アスカの様子おかしくない?」

「何故か、攻撃受けるたびにちょっち興奮してるのよね〜。シンクロ率も上がるし良いかと思って放置してたんだけど⋯⋯ヤッパ少し気持ち悪いわね」

「少しどころじゃないわよ」

 

 アスカがギャリック砲を放つと、腕をクロスしてガードしながらシンジが突進。間合いに入ったところで、腕にA.T.フィールドを纏わせてアスカを殴り飛ばす。

 

「ァアッ!いい!この痛み、凄く良い!!」

「喰らえっ!!」

「フォォォオ!!!この痛みも、良い!」

「アスカうるさいよ!」

 

 腕を十字に組んで放たれた初号機の光線に、弐号機が吹っ飛ばされていく。まぁここまでで良いだろうと言うことで、2人の訓練は終了。次回からは綾波も入れと言うことになった。

 この訓練から数日後、また使徒が現れた。黒い球体に白いラインが走っている存在だ。

 

「今度は球体か〜」

「作戦は?」

「今のところ、4パターンあるわ」

 

 そう言って、指を折りながら1つずつ作戦を説明していく。

 

「パターンA、アスカが全力で技を撃つ」

「デメリットは、町が吹っ飛ぶことね」

「パターンB、シンちゃんがスペシウム光線を撃つ」

「デメリットは、地面に大穴が開くのが確実」

「パターンC、レイが遠距離から狙撃」

「一見まともだけど、配置によってはカバーが難しいわ」

「パターンD,3機による3方向からの同時攻撃」

「これまた町が焦土と化す可能性があるわ」

 

 ミサトとリツコの漫才が終わると、取り敢えずまともそうなパターンDで行くことに。因みにMAGIはまたもや回答を拒否。最近全く使い物になっていない。

 3機の輸送、配置が終わると、使徒が予定のポイントに来るまで待機する。綾波はロケラン、シンジはスペシウム光線、アスカはビック・バン・アタック。それぞれいつでも攻撃できるようにしている。

 

『3人とも!そろそろ使徒が予定のポイントに来るわ。合図したら一斉に攻撃して!』

「「「了解!」」」

 

 カウントが開始され、予定のポイントを通った瞬間にミサトが撃つように指示。その直後、3人の攻撃が空中で直撃。全員確実に仕留めたと思った。

 

「ん?」

「やった?」

「レイそれフラグ」

「⋯⋯旗?」

「いやそういう事じゃなくて⋯⋯アスカが言ってるフラグは、特定の状況で特定の発言をすると起こる現象?みたいなことだよ」

「そう言うこと。この場合だと、使徒が倒されてないとかね」

 

 その直後、使徒の反応が初号機の真下に現れた。既のところで飛び退きどうにか回避できたが、初号機の立っていた場所の近くにあったビルが使徒の影に飲み込まれて行った。

 

「ちょっと!フラグが現実になるとか有りなの?!」

「アスカが綾波の言葉にフラグとか言うからだろ!」

「説明したのはアンタでしょ!」

 

 言い争っている間に、影はどんどん大きくなり飲み込むペースが速くなっていく。アスカは空を飛びながら近くにいた綾波を回収し安全圏まで下がる。シンジもビルの屋上を跳びながら逃げるが、使徒の速度に勝てず影に半身が飲み込まれてしまう。

 

「やっべ!」

 

 ダメ元でスペシウム光線を撃ってみるが、使徒のA.T.フィールドに阻まれ大したダメージは与えられなかった。急いで飛んできたアスカが手を伸ばしたが、掴むことができず完全に影に飲まれてしまう。この状況に、ミサトは撤退を通達。零号機と弐号機は速やかに回収された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて。どうした物か⋯⋯」

 

 使徒に飲み込まれた直後、試しに光線を撃ってみたが効果は無し。何かをすることが無駄と悟ると、脱出は外にいるミサトたちに任せることにして、生き延びることに注力することに。生命維持以外の機能をダウンさせ、閉じこもることにした。

 

「ねぇ、さっさと出てきてくれない?母さん」

『バレてたか』

「バレバレだよ。初めて初号機に乗った時からね。ここなら普通に話せるんじゃない?監視もないし記録も残らない」

『そうね。何処から話せばいいかしらね』

「じゃ、母さんとマダオの目的を話してよ」

『目的?』

「目的もなしにこんなふざけたことやる?」

『目的⋯⋯目的ねぇ〜。私の目的は、もう忘れちゃったわ』

「忘れた?」

『もう何度も何度も様々な次元や時間をループしてるもの。質が悪いことに、私と初号機を起点としてるせいで、私は意識も記憶もそのままなの。そりゃもう何万回といろんな次元を見てきたわ。だから、色々と記憶が曖昧なの』

「へぇ〜。じゃ、あのマダオの目的は?」

『あの人の目的は1つよ。私に会うこと。どの世界でもそれは変わらなかったわ。そのために周りの物全部利用して⋯⋯最初はそれを受け入れてたけど、何度も見る度に思ったの。コイツシンジ捨てて浮気までして何やってんだって』

 

 この世界の碇ユイ、マダオ絶許だった。

 

「ま、元凶作ったの母さんだから、僕からしたら2人とも、どんぐりの背比べだけど」

『それはごめんなさい。言い訳できないわ』

「じゃあ世界のことを教えてよ。行く末とか、他の世界はどうなったのかとか」

『知ってどうするの?』

「この世界を、僕の良いように変える。薄っすらとだけど、多分母さんを通して他の世界の記憶が流れてきてる。碌でも無い結末や過程を辿ることが多い。だから、この世界は僕の良いように結末を変えてみせる。後、母さんにはここから出てもらうよ。ここに居たらまともに仕返しもできないからね」

『そう⋯⋯そうね。その方が良いかも。じゃ、まずはこの世界の位置からね』

「世界の位置?」

『この世界、かなり独特な場所に存在してるのよ。因みに、同時に見ることのできる世界は他に2つ。異世界帰りのシンジと、異世界から来た巨人に変身できる子供と協力してるシンジの2つを同時に見てるわ』

「何それ見てみたい」

 

 数多く存在する平行世界。基本的に世界は直線上に広がり、あるポイントで選んだ道によって未来が変わる。それと同時に、選ばれなかった道の未来が生まれる。そうやって世界は沢山生まれていき、それぞれが完全に独立している。そして基本的にそれらが直接交わることはない。が、この世界は他の様々な可能性の世界の線が重なり合った場所にあるのだ。

 つまり、言い換えればこの世界の存在は様々な可能性の集合体であり、様々な世界の経験が魂に刻み込まれている。だからシンジは最初からエヴァで異常な強さを発揮できたし、アスカは高いシンクロ率とブッ飛んだA.T.フィールドの応用ができ、綾波も本来よりも高いシンクロ率を持っている。

 

『この世界は、ある種の特異点なの。だから人が変われる可能性がある。なのに、あの人は全く変わらないのよね〜。シンジにボコボコにされるくらい?』

「アレを殴らないって、他の世界の僕って相当優しいね」

『優しいって言うか、諦めてたんだけどね。やっぱり何度見ても良い気分しないのよね〜。最初は私に会うために仕方なくって思ってたけど、繰り返し見ると、なんでリっちゃん母娘に手を出したのかとか、なんで私の細胞から綾波を作ったのかとか、なんで毎回シンジを捨てるのかとか、本当に見ててイライラする物ばかりだったのよ。だから今回はそうならないように色々と誘導したのに、また他の世界と同じ行動をとったから、もう呆れちゃった。許す気になれないし、リっちゃんに謝りたいし、あんなので良ければリっちゃんにとも思ったけど、あんなの渡したら失礼だし⋯⋯』

「マジでダメなオッサンじゃん。で?この後は?」

 

 ユイから、これから来るであろう使徒の情報を聞き、それ以外のこともまとめて聞いておいた。

 取り敢えず、世界その物を変えるにはマダオとゼーレの始末が絶対条件。必要なの物は、自分を人から外すための物。それは恐らく司令室にある。加持が持ち込んだアダム。それを取り込めばシンジの計画は8割方完了する。

 次に必要になってくるのは、全てを知った味方を増やすこと。これには冬月が適任だと確信する。リツコに協力を求める世界が多いが、3割の確率でリツコは裏切る。であれば副司令である冬月を抱き込んだ方がいい。そして綾波を完全にこちら側にする。マダオの目的を目の前で本人に暴露させれば身も心も三尉に付くだろう。

 そして最後の使者。彼をどうするか。殺したくはない。可能なら味方にして、綾波共々身体を完全な人のそれにして生きていて欲しい。どうした物か悩んでしまう。

 

『彼とは話し合いでどうにかなるわ』

「え?そうなの?」

『地球は既に人類のものになっているわ。ドグマに眠っているリリスは、既に人類をどうこうしようと言う意思はない。だから説得さえできれば、彼が敵になることはないわ』

「じゃあ全部終わったらリリスを片付けよう」

『えぇ。その方が良いわ』

「次にエヴァの強化。早い内にS2機関を取り込んでおきたいけど、そう都合よくいかないし⋯⋯」

『もう取り込んでるわよ』

「え?いつ?」

『ここにくる直前』

 

 取り込まれる直前に撃った光線。これがこの人の代表を削り初号機の生体部品に付着していた。そして飲み込まれた直後に撃った光線。それで更に生体部品に付着。話している最中にユイがそこからS2機関を取り込んでおいたのだ。

 

「しばらくはバレないように上手く動かないと⋯⋯」

『その辺は私が誤魔化しておくわ』

「そう⋯⋯ねぇ、話を聞いてて思ったんだけどさ、僕が加持さんを家政夫に雇ったのって」

『魂に刻まれた記憶とでも言うべきかしら。あの人を死なせたくない。何があっても失いたくない。その意志が、魂に刻まれた記憶を呼び起こして無意識にそうしたのよ』

「なるほど⋯⋯じゃあ僕が割と強いのも他の世界の経験値が僕に来てるから⋯⋯アスカと綾波も同様⋯⋯」

『そろそろ時間ね。速く出ないと、キョウちゃんの子が使徒ごと町を吹っ飛ばしちゃうわ。出るのは私がやるから、後は頑張ってね。外に出たら私は自由に話せないから』

「うん。わかったよ」

『あ、それと、この前の使徒の時に3人が出てきた点検用の通風口、あれを進むと昔から唯一誰も手を付けてない所があるの。そこに私が作ったプログラムの入ったフラッシュメモリがあるわ。MAGIに介入して私の意思を外でも伝えることができる。探してみて』

 

 この会話を最後に、シンジはディラックの海から生還した。かなりの時間を過ごしていたようで、そのまま数日の入院となる。シンジの計画が動いたのは、退院した直後だった。




 さて、この世界はこの様になっています。様々な世界の集結点がこことイメージしています。
 ではまた次回、お願いします。感想と次回予告募集の活動報告もお願いします!

⋯⋯⋯⋯だとしてもアスカの変化ヤバくね?
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