ちょっと違う新世紀エヴァンゲリオン   作:憲彦

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 昨日のエピソードでは使徒を2つくらい飛ばしてレリエル登場させました。今回は空から来たあれです。


使徒を撃ち返す

 レリエルから出てきて少しした。シンジは無事に退院し、ユイが言っていた場所へと向かう。そこに居た作業員には、足長蜘蛛の使徒が来たときに生徒手帳を落としたとか適当な言い訳をして、また通風口の中へと入る。

 本当にそんな物があるのが少し疑っていたが、進んでいくと金属製の箱が置いてあり、開けるとフラッシュメモリの入った袋と手紙が入っていた。手紙の内容はディラックの海で話した内容と特に変わらない。メモリはNERVのどの端末でも良いから、適当に挿せば良いらしい。

 

「まるで進撃の巨人だな⋯⋯能力的に」

 

 メモリと手紙をポケットにしまい、通風口から出てきた。すぐにミサトの部屋に行ってメモリを使ってしまおうかと思ったが、いくらミサトと言え誤魔化すのは面倒だ。さっさと冬月を捕まえて話をしようと決めた。

 

「噂をすれば丁度いいところに」

 

 考えながら歩いていたら自販機に買い物にきていた冬月を発見。話がしたいと言って冬月の部屋まで行くことに。さりげなく盗聴の心配はないかと確認してから話を切り出した。

 

「それで、要件は何かね?」

「母からの伝言です」

「ッ!?」

「これを」

 

 手紙を渡し、一通り読んだ後にシンジと再び向き合い、何をすればいいのかと尋ねた。

 

「僕は、この世界の未来を、自分が思い描くように変えるつもりです。悪いようにするつもりはありません。大人たちの下らない思想で未来を潰されるのも、使徒に未来を潰されるのも、僕は我慢ならない。だから僕らが安心できる未来を手に入れるために動きます。なので、僕が動きやすいように力を貸してほしいんです」

「良かろう。だが、具体的に何をする気かね?」

「まず、綾波とアレを確実に引き剥がします。もう殆ど三尉にくっついてますますが、万が一と言うことがあります。そうならない為に、綾波には、自分が利用されているだけであると言う事を認識させます。母に変装させて、一時的に出てこれたとでも言えば取り乱して喋るでしょ。チョロそうなんで」

 

 チョロそうと言われたとき、すぐに否定できなかった。あの男をよく知る冬月は、ユイと言う存在に対してゲンドウがどの様な行動を取るのか簡単に想像できたからだ。そして変装した綾波が感情に任せて捲し立てれば、面白いように口を割る確信が冬月にはあった。

 

「綾波があの部屋から逃げるとき、少し時間を稼いでください。1分もあれば充分です。どうせ力抜けてまともに走れるとは思えませんから」

「ふむ。アイツの無様な姿を見るのも一興だな。その後は?」

「アレが部屋から出たら、このフラッシュメモリを端末に差し込み、僕はアダムを取り込みます。綾波の身体を、完全な人間のものにするために」

 

 厳密に言えば、エヴァのコアとなっている人たちを引きずり出すためでもある。危険は付きまとうが、致し方ない事として冬月は受け入れてくれた。

 

「ユイ君の手紙を見るに、これから出てくる使徒で厄介なのは⋯⋯まぁ全部厄介だが、寄生型のバルディエル、単純に能力の高いゼルエル、精神汚染型のアラエルと言ったところか」

「僕もその辺だと思ってます。僕とアスカでゴリ押しできるのが殆どですが、バルディエルはパイロットがいる以上、ただ殲滅すれば良いと言う訳ではありませんので」

「バルディエルは、参号機に寄生しているらしいが⋯⋯パイロットはいったい⋯⋯」

「6割の確率で、クラスメイトの鈴原トウジ、2割でアスカ、1割僕で、残りはダミーです。ですが、アスカの場合は、苗字が違ったので今回は違うかと」

「ふむ⋯⋯しかしこちらにある参号機の報告書には、既にパイロットが選定済みとあるのだが」

「⋯⋯恐らく未来が変わったのかと。この世界は特殊らしいので。名前は?」

「そこまではまだ分からん。NERVと言えど一枚岩ではない。特に日本を本部とすることを気に入らない連中は、我々に対し情報を最低限しか報告にない。ドイツの我々への対応は異例中の異例と言える」

「う〜ん⋯細かい部分がハッキリしないな⋯⋯」

「まぁ、ある意味これは幸運と言うよう。状況を見て臨機応変に計画を変えられる。そうすれば碇⋯⋯六分儀が万が一に君の計画を嗅ぎつけても、いくらでも修正が効く」

「そうですね。分かりました。取り敢えずは使徒の殲滅と綾波のことに注力したいと思います」

「では、私は裏切りの心配がない協力者を集めよう」

 

 恐らく、加持と2人の三尉辺りだろうと予想する。ミサトは実力は申し分ないが、秘密裏に動かなければならない計画には不向きな性格をしているし、リツコは裏切る可能性がある。オペレーターズは、この計画に協力させれば普段の戦闘に支障をきたす。となるとその3人しかいないなと言う考えに至る。

 

「そのメモリ、すぐ使うわけには行かないのかね?」

「最近のMAGIって、なんか不具合多いじゃないですか。正直アレがスパコンって言われても、僕らからしたらデカいだけのポンコツパソコンってしか思ってないんですよ。なのにいきなりアスカのアレを計画に入れた協議をし始めたら、周りから怪しまれますよ」

「あぁ〜」

 

 最近、アスカの能力を加味した上での作戦立案をさせても、3つとも毎回回答拒否してくれる。アスカを外せばまぁ少し有益な回答を出してくれる。お陰で最近MAGIの信用がガタ落ちしているのだ。

 

「第三の少年。人類の存続もそうだが、ユイ君を救い出すことは私の悲願でもある。君に全面的に協力しよう」

「シンジで良いですよ。長いでしょその呼び方」

「はは。そうだな。では、改めてよろしく頼むよ。シンジ君」

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 冬月との協力を取り付けてから数日。表向きには特に変化は無かったが、当事者たちには確かな変化があった。1番の変化は、加持が家を開ける様になったこと。それに合わせて、日給も半額で良いと言ってきた。それと綾波の保護者の山本三尉、彼はいつも以上に綾波に過保護になった気がする。元々オペレーターズからもミサトやリツコからも「お母さんか!」とツッコミを受けることが度々あったが、それが増えた。そしてアスカの方の佐藤三尉は、実戦を想定した射撃訓練と近接格闘訓練を増やしていた。お陰でアスカがより興奮する身体になり、悩みが増えたとか。

 そしてとうとう、次の使徒がやってきた。空から降ってくるアイツだった。強いジャミングのお陰で通信が遮断され、外出しているゲンドウと冬月への報告は後回しに。因みにまたもやMAGIは全回答を拒否。クソの役に立たなかった。

 

「MAGIは使徒の落下計算以外は全く使えない。司令もいない。いても使えない。と言うわけで!あの使徒をエバー3機で受け止めます!」

「「ざっけんな!!」」

 

 シンジとアスカがミサトに食ってかかる。当然だ。シンジはこの作戦を知っていたとは言え、やっぱり実際に聞くとバカなのかと聞きたくなるくらい酷い。しかもエヴァ3機の配置。根拠は女の勘とか抜かしやがった。なのにこれが最適な配置とかどんな豪運してるんだと思う。

 

「まぁ多分アスカとシンちゃんのどっちかが最初に真下に到着するでしょうね〜。そしたらほら、あの円谷式波動砲と鳥山式波動砲をぶっ放して、3機揃うまでの時間稼いで、揃ったらフィールド全開にして押し返せば、多分いけるから」

「多分って⋯⋯あんた正気なの?」

「赤木博士、葛城三佐に錯乱の兆候は?」

「残念なことに無いのよ」

 

 ミサトは不服そうにしていたが、リツコが言うなら仕方ない。錯乱していないならこの作戦で行くしかないと腹を括った。

 

「一応規則で遺書とか書くことになってるけど、いる?」

「パス」

「私も〜」

「私もいらないです」

「だよね〜。無事に終わったらステーキてまも奢るわ。予備の財布が3つほどあるから!」

 

 2人の三尉と加持だなと確信したシンジ。だが何か言えば確実に自分に飛び火するため、取り敢えず喜んでおいた。

 エヴァ3機がスタート地点に到着し、使徒の行動が10万を切ったら電源プラグを捨ててスタート。ミサトの指定した位置が良すぎて、かなり余裕を持って到着できそうだった。

 

「この弾道ならシンジのところに落ちそうね」

「余裕持って真下に行けるよ」

「私は少し遅れそう」

「了解。私がすぐにカバー入るわ」

 

 シンジが真っ先に着いた。その数秒後にアスカが到着。それから更に数秒して綾波が着いたが、使徒はまだ上にいた。

 

「どうする?兵装ビル近くにないよ」

「ナイフじゃ流石に貫くのは無理よね〜」

「これ使う」

 

 綾波は何故かマンホールの蓋を持ってきていた。走ったときに飛ばしたのだろう。それを回収していたようだ。

 

「どうするの?」

「こうする」

 

 使徒まで一直線にA.T.フィールドを使って空気を除去し真空の空間を作り、そこに蓋を親指で弾いて飛ばす。徐々に加速していき、使徒に小さな穴を開けた。

 

「超電磁砲じゃん!なにそれ私もやりたい!」

「アスカはデッカイの撃って」

「えぇ〜⋯⋯1枚残しといてよ!やりたいから!」

「じゃ、僕も撃つか。アスカ、ファイナルフラッシュの準備」

「はいはい」

 

 綾波が連続で蓋を飛ばし、相手のA.T.フィールドを脆くしていく。そこにシンジがスペシウム光線こと円谷式波動砲を放ち落下速度を低下させた。

 

「アスカあとどのくらい!?」

「あと10秒!」

「マンホール、あと1枚」

「残して!」

「言ってる場合か!!」

「よっしゃチャージ完了!撃つわよ!!」

「頼んだよアスカ!」

「ファイナルフラッシュ!!」

 

 アスカの鳥山式波動砲、ファイナルフラッシュは使徒の身体をA.T.フィールドごと貫き、上空で爆散させた。第三芦ノ湖が生まれなくて、発令所は安堵のため息で包まれた。

 そしてミサトは約束通り、3人に食事を奢ることに。ステーキは綾波が食べられないため、美味い屋台ラーメンが来ていたのでそこで食べることに。2人の三尉と途中で拾った加持の7人で食べることに。ギリギリミサトの財布でもった。




 因みに、前回の話で出てきた異世界帰りのシンジは異世界シンジ、巨人に変身できる子供の作品がドラえもん のび太の新世紀エヴァンゲリオンのことです。両方とも更新止まってるんですけどねw
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