先月辺りにエヴァのTV版のDVDとリージョンフリーのプレイヤー買ったのに、まさかの今月にTV本編と旧劇場版がHuluで配信されると言うちょっと悔しい現象が起きました⋯⋯
冬月を味方にして、彼の諸々の裏工作が終わってから、シンジは協力が必須な綾波と山本三尉に自分の計画に支障が出ない範囲で情報を提供した。
綾波にまずしてもらうこと、それは⋯⋯
「と言うわけで、この服を着て僕が指定する台詞を言ってほしいんだ」
ピンク色のシャツに黒っぽいスカート、白衣と濃い茶色のウィッグ、黒のカラーコンタクト、シークレットシューズを渡した。あと日焼けサロンのクーポン券。
「綾波は肌が真っ白だから、ちょっと日焼けサロンに行って焼けてきてね」
「碇君。計画をもう1回言って」
「ボクからもお願い」
「えぇ〜⋯⋯じゃあもう1回言いますよ。あのマダオに昔の仕返しをしたいから手伝って欲しいんだ。綾波は僕の母さんに似てるから、コスプレをアイツの前に現れて欲しい」
「それは⋯⋯司令は傷つかない?」
「大丈夫大丈夫!ゴキブリみたいに神経図太いから!」
笑いながらそう言うシンジを可哀想に思った三尉が、シンジの頭を撫ではじめた。三尉は一応シンジの計画を知っているが、シンジの精神がどこかしらブッ壊れてるのではと思い始めたからだ。その様子を見ていた綾波が無言で頭を差し出してきたので、一緒に撫でることに。
「シンジ君のやりたいことは分かったけど、レイにどんな台詞言わせる気?内容によっては止めたいんだけど⋯⋯」
「あぁこれです」
差し出されたメモ帳を開き、内容を読んでみる。読み終わるころには三尉の頬が引きつっていた。
「じゃ、綾波よろしくね!早速台詞の練習しようか!」
綾波もやることにしたのか、メモを受け取り内容を読む。その様子を見て、三尉の口から乾いた笑いが溢れた。もうどう声を掛けていいか分からない。
「台詞は覚えた?」
「えぇ」
「よし!やってみよう!」
「ゲンドウサンコレハイッタイドウイウコトナノ。シンジノコトヲマトモニソダテズニ」
「ちょっと待って綾波。もう少し感情込めようか」
「込めてたわ」
「あれじゃゆっくりボイスだよ⋯⋯アイツの名前を言うのは心底嫌だけど⋯⋯僕に続いて言ってみて」
「分かった」
「ゲンドウさん」
「ゲンドウさん」
「これはいったいどう言う事なの」
「これはいったいどう言う事なの」
「うんうん。そんな感じそんな感じ。ゲンドウさんこれはいったいどう言う事なの」
「ゲンドウサンコレハイッタイドウイウコトナノ」
「あれ?」
その後も根気よく綾波に台詞と演技を教えるシンジ。その姿はなんか兄妹の様に見える三尉だった。自分も自分で準備を進めようと、必要な物の買い出しに行く。
そして迎えた計画当日。冬月には既に連絡済みだ。司令室に2人とも居ること連絡が返ってきた。いよいよ実行の時だ。
コンコン
「ん?冬月、来客の予定なんぞあったか?」
「いや?私は知らんが」
コンコン
「⋯⋯入れ」
「ゲンドウさん!!」
「⋯⋯ッ!?⋯ゆ、ユイ?⋯⋯ど、どうしてここに」
「そんな事はどうでも良いです!」
「いや良くは──」
「アレはいったいどう言うことですか!!何故シンジを捨てたんです!」
「い、いや!それよりも俺は君に会う為に──」
「関係ありません!シンジを捨てて!リっちゃんたちと不倫までして!挙げ句綾波レイってなんですか!!私の細胞から作るなんて意味わかりません!私の代わりのつもりですか!?」
「そんなつもりはない!あれは計画に必要だったから作っただけだ!それ以上でもそれ以下でもないただの道具だ!君に会うただそれだけの為に俺は全てを投げ打ってここまで来たんだ!信じてくれ!」
「もう知りません!アナタには失望しました!!初号機のコアに帰ります!」
バンッ!と扉を閉めて走り去っていく仮装した綾波。追いかけようとするが、上手く足に力が入らずに歩けない。冬月も手を貸す振りをして上から体重をかけて動けないようにしている。
「(よし⋯⋯もう良いか)おい。早く追いかけてやれ」
「あ、あぁ⋯⋯ユイ!待ってくれ!!」
初号機のコアにと言う言葉を頼りに、ケージに向かって走っていく。が、角を曲がったところで強烈な光がゲンドウの目に突き刺さった。
「グワァァア!!目が!目がァァァ!!!」
「あぁすいません司令!大丈夫ですか?」
「や、山本三尉⋯⋯いったいそれはなんだ⋯⋯?」
「これですか?世界一強力なライトです。驚異の100000ルーメンあるヤツ。レイが最近欲しがってたんで買ったんです」
「そうか⋯⋯ところで、ここに誰が来なかったか?白衣を着た女性なのだが」
「⋯⋯?あぁ。向こうに走っていきましたよ」
「そうか。では失礼する」
三尉の指さした方へと走っていった。
「もういいぞ。大丈夫だったか?」
「⋯⋯少し、少し胸が痛いです」
「そっか⋯⋯今日はレイが好きな物を作るよ。一緒に映画でも見て夜更かししよっか」
「はい⋯⋯」
一方その頃、ゲンドウがいなくなった司令室には、冬月の合図でシンジが入ってきた。フラッシュメモリを部屋のパソコンに差し込み中身をインストール。完了するまでの間にゲンドウが隠していたアダムを取り出し一気にそれを飲み込んだ。空になったケースには、シンジがゼラチンで作っておいた偽物を入れておいた。
「良いのかね?躊躇なく飲み込んでしまって」
「構いませんよ。これが目的なんですから。にしても⋯⋯酷い味ですね〜。不味い」
「ま、美味そうな見た目はしておらんからな⋯⋯インストールが終わったようだ」
「よし。これで話せる。盗聴の心配のない端末は?」
「これを使うといい。NERVに支給される携帯で盗聴や傍受、追跡される恐れのない端末だ」
「ありがとうございます。これとMAGIを繋げて⋯⋯よし。作業は終わりました」
端末とMAGIの同期を完了させると、シンジは司令室を出ていく。少しして、ユイを見失ったゲンドウが部屋に戻ってきた。
「追いつけたか?」
「⋯⋯⋯⋯見失った」
「そうか」
「何故平静でいられる⋯⋯初号機からユイが解放されたのだぞ」
「ユイ君の発言から、彼女は自分の意志で初号機のコアから出てこれるのではと予想した。今は慌てるときでは無かろう」
苦しい言い訳の様に聞こえるが、正常に頭の回らない今のゲンドウ相手には充分な言い訳だ。実際に納得して仕事に戻ってくれた。仕事は全くできていなかったが、そんなゲンドウの姿を見て冬月はスカッとしていた。
それから数日。シンジと冬月が警戒していた件のシンクロテストの日がやってきた。やってきたのだが、何故か使徒の気配が無かった。順調にテストが進んでいく。
「アスカのシンクロ率。やっぱり高いですね」
「えぇ。着替え中や移動中に色々と問題起こして、挙げ句に鼻血で貧血になったときはどうなるかと思ったけど、この数字なら安心ね」
なお、アスカはいつも通り着替え中に覗きとセクハラを繰り返し、更に移動中はシンジと綾波の裸を見たことで鼻血を噴き出して貧血を起こしてくれた。流石に綾波も恥じらいとかを感じ始めたのだが、その様子が更にアスカを刺激したようだ。
「アスカには後で説教だ」
「あなたも大変ね」
「一緒にいると飽きないから、そこはいいんですけどね」
「そう。まぁ確かに毎日愉快でしょうね。最近は夜大丈夫なの?」
「ハハハハ。何言ってるんですか赤木博士。大丈夫な訳ないでしょ。最近は寝不足気味ですよ」
「⋯⋯気休めだけど、これあげるわ」
「なぜ男性用ニップレスが⋯⋯」
発令所は今日も平和だった。
テストを受けている3人はと言うと、特別何も問題は起こっていなかった。順調に進んでいる。
(おかしい。そろそろ使徒が出てくる筈だけど⋯⋯来ないな?)
未来を知っているシンジは困惑していた。そろそろ出てくる筈のイロウルが現れないからだ。
(出てこない世界もいくつかあった。つまりここは出てこない世界?まぁそれならそれで⋯⋯てか、アイツなんで出てきたんだ?エヴァに唯一倒されなかったし、MAGI乗っ取ってNERV本部吹っ飛ばそうとしただけだし、僕ら特別被害無かったし。射出されてないって事は⋯⋯まぁいっか)
シンジは面倒な考えを放棄した。この日のシンクロテストで1番シンクロ率が高かったのはアスカだった。驚異の78.9%。精神汚染を起こすギリギリまでの高さまで上げていた。次いでシンジが70%。余計な事を考えていたためだろう。綾波は64%で安定していた。
「そんな訳で、イロウル出てこなかったんですけど、上でなんかありました?」
「出てたには出てたんだ。わずかにだが、調べたら反応があったからな。ただ⋯⋯」
「ただ?」
「君に渡した携帯を見れば原因が分かる」
冬月に促され、MAGIと同期させた携帯を開く。そこに1つのメッセージが表示されていた。
「『アスカちゃんの動き読み込ませたら自壊しちゃったwww』⋯⋯何やってんだろあの人」
「まぁそういう事だ。使徒が好き勝手やる前にユイ君が殲滅してしまったと言うことだな」
「そりゃ現れませんね」
正直、イロウルって本当に何がしたかったのか今だに分からないんですよね。パレットライフルだけで撃破された足長蜘蛛にしてもそうですけど、実力不足感が否めないと言いますか、コイツら出てきて何したかったんだろうなってw
⋯⋯次回はどうしましょう?正直ネタが打止めなんですよねw