3号機の使徒乗っ取り事件から数日。怪我から復帰したミサトとリツコは回収された3号機をどう改造しようか考えていた。冬月のお陰で、3号機に関する全権がNERVジャパンへと移り、好きにしていいことになった。
「しっかし副司令、どうやって3号機の全権をもぎ取ったのかしら?と言うかアメリカもよく納得したわね」
「使徒汚染を予見していたのではとカマ掛けたら、それが事実だったらしいわよ」
北米支部のMAGIが、輸送経路に問題ありと判断を出していた。どんな問題があるのか上げさせたら、小さい可能性だったが使徒による汚染が上げられていた。それを知った上で経路の変更をせずに日本に送りつけ、結果今回の事件が起きた。
松代の地下施設は被害が大きく廃棄が決定。死傷者多数。エヴァ1つ貰ってようやく補填できるレベルと冬月が噛みついた結果、3号機の全権移譲で話がついたとのことだった。
「で?この3号機どうするの?正直、修理だけでもとんでもない費用掛かりそうなんだけど」
「そうでもないわ。うちのエヴァ3機、修理頻度が少ないから予備パーツがいくつか残ってるの。それを使えば予算は掛からないわ。最新鋭機のお陰で拡張性も高いし、本当に修理しなきゃいけないのは頭くらいよ。あと胸の大穴」
「アスカの撃った魔貫光殺砲ね〜。記録確認してきたけどアレは凄かったわ」
「いい加減、エヴァで変な事をするの止めて欲しいわ。いやマジで本当に困る。真面目に研究してるこっちがバカみたいだもの」
リツコのタバコと酒、胃薬の消費量が爆増した。
所変わってシンジたちの中学校。真希波がアスカに絡まれていた。
「ねぇマリ〜。なんでアンタだけ制服違うのよ」
「えぇ〜。私日本に来たばっかりだし〜。用意できてないんだよね〜」
「いや。もう1週間は経ってるでしょ。用意できてないのはおかしいわよ」
「⋯⋯その、言っても怒らない?」
「⋯?怒らないけど」
「うん。そのね、サイズが無いんだ⋯⋯特注になるから時間がかかるって」
「あぁ〜。確かにアンタの大っきいもんね〜(モニュ」
「スッゴいナチュラルに揉むじゃん。私されるよりしたいな派なんだけど」
「は?私は揉みしだきたいんだけど?」
「ちょっ!姫?!エッチな揉み方禁止!」
「エロい身体してるアンタが悪い!」
そんなやんややんややっている2人の元に、クラスの女子数名が近寄ってきた。そして真希波にそこそこ大きい袋を渡す。袋に描かれているロゴは商店街の服屋のものだ。
「そ、その⋯⋯真希波さん!私たち応援してるから!!」
「⋯⋯え?」
渡すだけ渡して、全員すぐに引っ込んでいった。アスカに何しでかしたのかと聞かれたが、真希波には全く心当たりはない。袋を開けて、中身を広げてみると、そこにはゆったりした服が数着。
「なにこれ?」
「マタニティードレスじゃん。なに?マリ妊娠でもしたの?」
「してないよ!まだ誰ともそう言う関係になってないよ!」
「えぇ〜。シンジとの子じゃないの?」
「にゃぁぁ!!私まだワンコ君とはそう言うことしてないからぁあ!!」
顔を真っ赤にしながら否定する真希波を、アスカは指さしながら笑っていた。その光景を見た、自販機帰りの綾波は、巻き込まれないためにそっと教室から離れた。
そして教室の端の方にいたシンジは、トウジとケンスケに絡まれていた。
「ッ!碇!昇進したんだな!おめでとう!」
「え?あぁ。そうだった。ありがとう」
「なんや?また偉くなったんか?」
この前の3号機の事件のあと、シンジは特務二佐から特務一佐へと昇進。放課後NERVに用事があるときは、制服の首元にそのピンバッジを着けている。その手の話題に詳しいケンスケはテンション爆上がりでシンジを讃えていた。
「ただ、あまり学校でそう言う話はしないで。色々とアレだから」
「あぁ悪い悪い」
「まぁ丁度良えやろ。ワシらからの祝いや」
「祝い?」
こっちではシンジが紙袋を渡されていた。紙袋を破くと、そこには結婚式関係の雑誌がズラリと。ご丁寧におすすめの結婚式プランまで同梱されている。
「なにこれ?」
「それだけじゃないぞ!これも見るといい!」
今度は新居のカタログ。新築一軒家から状態のいい中古物件までたくさん。値段も500万から2000万までと、割りとシンジの財布事情にも考慮された物件が選択されている。
「この式場なんかいいと思うんだ。妊婦の結婚式の経験もあるみたいだし、プランも豊富だ」
「ワシは家はこれがいいと思うとるで。子どもと暮らすなら広いほうが絶対いいで!」
「ばっか!お前それ1500万もする新築だぞ。碇の稼ぎから考えればそれくらい買えるだろうけど、式だ子育てだに入り用なんだから、俺はこの中古物件を勧める。ちょっと古いが、家具付きで800万。NERVから補助金とか手当とか出るから、俺はこの物件がいいと思う。どうだ?」
「まずさ、どう言う事か説明してもらおうか?」
シンジのアイアンクローが2人に炸裂。床から少し浮いている。
「だ、だってシンジ真希波と婚約したんやろ?!」
「忙しい碇に代わって、俺たちで式場とか物件とかの手伝いをと思ってイテテテテテ!!」
「子育てどうこうは?」
「できたって聞いたで!もう学校中その噂で持ちきりや!」
「あ?」
「ウゴァァア⋯⋯!!」
「いったい、いつ誰が、僕と真希波が婚約したって言ったよ!!」
「「ワァァア!!!?」」
全力で壁目掛けて2人を投げ飛ばした。聞き耳を立てていたクラスメイト全員、頭に?を浮かべていた。あれ?違ったっけ?と言う声が至るところから聞こえてくる。真希波も流石に恥ずかしいのか顔を赤くして頭から湯気が出ている。そんな真希波の肩に手を置き、サムズアップするアスカ。もうツッコミなんか起きない。
「噂の真偽を確かめずに暴走するのはどうかと思うんだよ僕は。しかも今回はほとんど行くつくとこまで行き着いた暴走だよ?式場のカタログ持ってくるは不動産のカタログ持ってくるは⋯⋯常軌を逸してるよね?」
「うぉぉ⋯⋯!頭が砕ける⋯⋯!!」
「あぁ碇!力緩めてくれ!頭から鳴っちゃいけない音がなってるから!!」
「まずは2人とも⋯⋯反省が先だろ!!」
英雄2人が犠牲となり、今回の騒動は幕を閉じた。取り敢えず、物件や式場のカタログは燃やすことに。真希波が貰ったマタニティードレス達は、取り敢えず取っておくことにした。
「全く2人とも災難だったわね〜」
「見てて気の毒だった」
「綾波。こう言うときは見てたら止めようよ」
「⋯⋯巻き込まれたくなかったから」
「お陰で私たち偉い目に遭ったけどね⋯⋯」
「で?実際のところどうなの?シンジ、マリにムラっと来ることないの?」
「ねぇ姫、それ私を前にして聞くこと?」
「気になるでしょ?で?どうなのよ」
「あのねアスカ。僕も男だよ。正直あるにはある」
「あるの?!私ワンコ君からそう言う目向けられてたの?!」
「良かったじゃない!おめでとうマリ!」
「おめでとう」
「だから、間違いを犯さないためにも僕の部屋には入らないでね?君何度か侵入してるから正直冗談で流すには難しいときがあるから」
「フゥー!こりゃ2人の子供が本当にできるのも近いわね!」
もう止めてやれって言いたくなるくらい、真希波が赤くなって俯いている。と言うか満更でもない顔をしている。だからシンジも強くツッコめない。
「じゃあ2人にこれあげるね」
どこかで手に入れた避妊具を2人に一箱ずつ渡した。すぐにアスカのカバンに投げ込み、取っ組み合いの喧嘩になる。
「それは何?」
「ねぇレイちゃん⋯⋯お願いだから今の私に追い打ちかけないで⋯⋯恥ずかしくて死にそうだから⋯⋯⋯⋯」
「アスカがアナタを弄る気持ち、なんか分かる」
「分かんないでお願いだから!!」
ウチでの真希波の扱いはこれで行きましょう。自分がそう言う対象になったとき途端にタジタジになるそんな感じでw