魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ? 作:王道の展開にニチャつく者
勇者ヒンメルの死から28年、リーゲル峡谷を抜けた森の中。
「うーん?ここらへんだった筈なんだけど…」
「なぁフリーレン、さっきから何探してんの?」
「…そういえば以前言ってましたね、峡谷を抜けた先の森に知人がいるって」
シュタルクとの邂逅を果たしたフリーレン達は峡谷を抜け、その先にある城塞都市ヴァールを目指し歩みを進める真っただ中。だがその途中にフリーレンが立ち寄りたい場所があるらしい。
曰く目印の小さな木像があるとフェルンは聞いていたが・・・
「あったあった。相変わらず小さすぎるんだよね…」
「何ですこの…像?」
「あ」
烏と人を足して割ったような姿の小さな木像に首をかしげるフェルンだったがシュタルクにはその姿に覚えがあった。
「やっぱりシュタルクなら分かるよね、アイゼンから聞いたの?」
「ガキの頃だけどコレと同じ顔の面を付けた人を見たんだ。シチ…シチ…なんだっけ」
「カザナギ流のシチショウ。80年くらい前に流行ったカタナっていう剣の使い手ね。」
「そうソレ!」
「有名なのですか?」
「カザナギ流自体は数百年前からあるらしいよ。表に出て来たのが最近ってだけ。」
「80年は最近ではありませんよフリーレン様。」
「あ~…うん、そうだね。」
時間間隔の差を感じながらもフリーレンが木像の手に花を一本持たせると像を囲むように
そよ風が起こりフリーレンの髪を遊ばせた。
「今日はアッチか。」
フリーレンが言うには森の先にある集落にはいる為に像が吹かせた風をたどり次の木像を見つけ
それを繰り返すとその内つくらしく3~4度コレを行い森の奥へ奥へと突き進んでいくのだが…
「そこの3人、止まれ!」
「うお!?」
「フリーレン様!?」
「大丈夫、お迎えみたいなものだから杖と斧しまって。」
二人を言い聞かせ、両手の平を上にあげて交戦の意志がない事を示すフリーレン。
「ここより先は
引き返して貰おうか。」
「え~…シチショウ族長に合いに来たんだけど?」
「風長の名を…ん?貴殿もしやフリーレン殿か?」
「あ、目的より名乗りが先なんだった。そうだよ。」
「しばし待て。」
森に木霊する声が止む。魔力は感じられない。気配こそあるが煙に巻かれたように希薄で
つかみどころは無い。まるで木々と話をするようだとのちにフェルンは言ったという。
「おぉ!フリーレン殿じつに久しい!」
「ん…ごめん、誰?」
「まぁ無理もない、あの時とは随分ナリも変わったからな。シマキと言えば分かるか?」
「あぁ、族長のドラ息子。」
「う…間違ってないがもう少し手心のある記憶をして欲しかったぞ…」
「フリーレン、知り合い?」
「うん、この先にある里をまとめる長の子だよ。里守だなんて立派になったもんだ。」
「お二方は初めてだな。シマキという。」
二人が軽く挨拶を交わし、してと話題を戻すシマキ。
曰く今の里は魔族関連で揉めているらしく被害を外に出さぬ為にも持ち込まぬ為にも
事実上の鎖国状態なのだとか。
「とはいえだ…フリーレン殿、一つエルフの知恵をお借りしたいのだが」
「前の時と同じだよ。報酬は?」
「良い感じの枝を見つける魔法でどうだろうか?やりようによっては杖の素材にもなる筈だ。」
「いいね、分かってるじゃん。エルフのお姉さんが今回も知恵を貸してあげよう。」
「……」
フリーレンの顔を見るフェルンの顔にはこう書いてあった。のちのシュタルクいわく
(が、ガキくせ~~!!)
と。
里についた一行は導かれるままに一際おおきな長屋に入り
詳しく聞き、里の奥に広がる森の中へと足を進めた。
「しかしそっか、シチショウが今の
「父が帰られる少し前にお隠れに。気難しやだったが慕われていた故、流れた涙は数知れずだ。」
「…今回の問答終わったら墓の場所教えてよ、前の時に世話になってるし」
「なぁフリーレン、森主って村長とかと違うのか?」
「うん。村長が貴族で主が王様って感じが近いかな。神樹を守る最後の砦でもあるけど」
今回の鎖国の発端は外部からの魔族の不法侵入―――否、侵略行為。
森の中心にそびえる神樹とソレを囲む7つの聖樹、そして聖樹を守る形で起こった村7つ、
それがこの風隠の里だが件の魔族は神樹の膨大な魔力を求めてこの地にやって来たらしい。
今は聖樹を使った結界で守っているらしいが…
「シマキ様、何で結界に態々穴を?それでは結界の意味がないのでは」
「敢えて一か所だけ確実に通行できる場所を作る事で結界の強度を上げているんだよ。」
「然り。神樹は森の中心、どこからでも行く事が出来る。どこからでも攻められる訳だ。」
「…あ、だから侵攻できる場所を絞る訳ですね?」
聖樹につき結界は一つ、そして聖樹は7つある。つまり独立した強固な結界が7重に掛った壁を
態々いちから解除して押し進むのと待ち構える敵を蹴散らしながら穴を通るの、果たしてどちらが
早いかは流石に件の魔族も理解している。
最悪の場合を考えて聖樹には守護の為にいくらか人員を回しているものの基本的には真正面からの
ぶつかり合いになるのが今回のやり方なのだが…
「幸い、結界が1枚や2枚破られた所で雨の日などに繕えばすぐ再展開ができる。貴公らには
目の前に全力で当たってもらえればと思う。」
「雨の日?そりゃまた何で?まさか奴さん、雨が苦手とか言わねぇよな」
シュタルクの意見は最もだが意外にも帰って来たのは肯定の頷きだ。
「配下の、それも木っ端のような輩は別だが奴は雨の日には来ない。奴と奴直属の者達であろう
魔物やそれに準ずる輩は基本的に月夜にしか侵攻しない。」
「そういう魔法って事か。」
「然り。奴にとって神樹はわざわざ調子の悪い時無理して手に入れる物でもないらしい。」
雨・曇り・嵐。とにかく月が見えない日はせめて来ないというのがコチラ側の見解であり
事実ソレはいまの所正しい。
「神樹の力をもってすれば雨の2~3日降らし続けることは出来るがソレをやるとな…」
「社の封印が緩くなる。」
「然り。が今回はフリーレン殿がいてくれるからな。一度は諦めた策にも希望が出た。」
「策?」
「時に御一考、今どこに向かってると思う?」
神樹を中心に構成されたこの森は神樹に向かえば向かうほど森は深く暗くなっていく。
既にそこそこ暗い現地点でも十分に奥へ進んだといえるが…
「まさかと思うけどさ長達も揃ってるって事?」
「嫌、社には父らだけだ。元より月夜を出さぬよう父と兄弟子二人が社に常駐している。」
「なぁフリーレン、話が見えてこないんだけど…」
シュタルクの声に振り返るフリーレンの顔付きは酷く嫌そうで。ついでに言えばシマキの顔も
苦笑いのソレだった。
「二人とも、魔族を討伐する前の大仕事になるよ。気合入れてね。」
「えぇなにその言い方!?怖いんですけど!!」
「その大仕事というのはこの先の嫌な魔力と関係が?」
ソレを聞いておもわず『ほぉ』と驚くシマキは続けざまに
「今回件の魔族を討伐するに辺り神樹の力を強める為に社の封印を解く。フリーレン殿らには
社に封印された暴君、
「シュタルクが鍵だよ。メチャクチャ頑張ってね。」
「え、ちょ…はい!?」
風隠の里
仙界からコッチに移り住んだ一部の自然文明の民を祖とする原住民の集い。
聖樹と神樹の近くの合計8つの村で構成され、それぞれの村に人間だったりエルフだったりと
特定の種族の人数に偏りがあるが神樹の村はその時代の森長の種族や性格によりけり。
余談だが神樹と聖樹は竹とタケノコの関係であり本質は同じ。
カザナギ流
風攻凪と書いてカザナギ。
もとは心身を鍛えて移ろう風のように心豊かに行こうぜって感じのフィーリング流派だったが
ヤハタのせいでそうも言ってられずいつしか斬る事に特化した剣術となった。
カザナギ流を名乗る内は準一人前、自分の型を生み出したり守破離をもって独流となる事で
一人前とされる。
シマキ
現森主の子供(長兄)でありシチショウ流の使い手。本来ならシチショウの後を継ぎ長にならねばいけない立場だが諸事情で里守をしている。聡明な父に跳ね返る擦れたドラ息子だったが時間が
解決してくれた。ほぼ人間だが超獣の血が濃いめに出ており烏天狗のような風体。
魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか
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葬送のフリーレンやぞいけるいける!
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エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ