魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ? 作:王道の展開にニチャつく者
グルルル…
悪いがここまでだ。体、返してもらうぜ。
フシュルル…
あ?次だぁ?お前も分かってるだろうが、次はねぇぞ。
お前を取り込んで分かった事だが…総量は常に一定なんだろ?
ほぼ全部を持ってる俺が生きてる限り、ヤハタ、テメェに次の機会は訪れねぇし何なら俺ごと
力を封印しちまえば済む話だ。だがまぁ暫くはこの力、振る舞わせて貰うぜ。
シャァァ!!
おっと忘れてたぜ。手向けに一発ぶん殴ってやるよ!!
喧噪が鳴りやみ辺りを包むのは土煙と気配を探る魔力探知、そして静寂。
ヒエンとシュタルクの一撃がオガミの急所を確実にとらえた事で一旦活動停止状態になったオガミに注意しながら今か今かと待つ5人。そしてソレは存外はやくおとずれた。
「………んぁ」
「オガミ殿!」
「ようやっとお目覚めか、阿呆が。」
「最後の方はぼんやり覚えてるが…小僧、シュタルクっつったか?あいつぁ効いたぜ。」
「ピンピンしてる状態で言われても説得力ねぇよ…」
「フェルン、もう防御解いていいよ。」
「うまくいった…って事でいいのでしょうか」
「う~ん…概ねは良い筈なんだけどね」
フリーレンが煮え切らないのは先程の一撃を受けたオガミがピンピンしてるのが原因。
二人の一撃は確かにヤハタの合間を縫ってオガミ本体を切っていた。にもかかわらず
当の本人は御覧の有様だからだ。それに加え
「(さっきまでの濁った魔力は…?)」
力を塊を取り込んだとはいえ元々は別の持ち主がいた力。
そう思っていた。
「オガミ、ヤハタは?」
「その事だが…ちょっとおもしれぇ事になった。」
「「「面白い事?」」」
ハモんなよとからかい半分に笑うオガミは続けて説明するだけ面倒といって自分の家へ
5人を招いた。
「うわ」
「相変わらずのボロ家じゃな。」
「オガミ殿、家の前くらいは掃除したほうが…」
崩れた石垣の隙間からボーボーに生えそろった雑草だの花だのが6人を迎え入れる様は
正直な所、家に入るという行動からは余りにもかけ離れていた。
「うっせ、母屋は今ほとんど使ってねぇの。いくぞほら」
そう言って玄関の横から縁側を伝って庭に着いたオガミは2~3度両手を叩き口笛を鳴らした。
「なに今の」
「ウチには居候がいてな。俺がくらす分には離れで十分だから巣の代わりに貸してやってんだ。」
「家を動物に…ですか?」
「そうだぜ嬢ちゃん。獣つったって知恵は有るんだ、汚しちゃいけねぇ場所くらい分かる。」
「「……」」
少しして庭の茂み、その奥にある穴からヌッっとソレは這い出て来た。
「うお!!でっか!」
「ッ!?」
賢い生き物と聞いて犬猫の類いだと思いかがんでいたフェルンは思わずギョっとしたように
尻もちをついた。予想の斜め上というか大分上すぎたのが原因である。
「お~よしよし。シチショウ以外は初めてだな。ウチの居候兼自宅警備員のミズハだ。」
「師よ、確かコレは…」
「クマドリノズチ。神樹がヤハタを産んだ以降に見られるようになった大蛇じゃ。
奴を封印した後、めっきり数は減ったがな。にしても白蛇か、以前は普通の色じゃったが…」
5メートルは優にある大蛇が突然出てきては腰が抜けるのも当然、フリーレンでさえ半歩引いた
始末だった。
「ヤハタを切って少し経った頃だったか、白くなったんだよ。で今こうして奴の力を手に入れて
分かった事だが…コイツ俺の切り刻んだヤハタの肉片を食っちまったらしい。」
「大丈夫なのそれ?コレが次のヤハタになるとか私は嫌だよ?」
「本来ならそうなるんだったろうよ。だが封印だの俺だのと本来想定されてねぇ手間が増えたからだろうな。いろいろ捻じれたみたいだぜ?ミズハ、ちょっと手かじってくれ。」
言われるがまま白蛇がオガミの呪い付きの手をかじる。
「二人とも下がって。」
「コレは、面妖な事に…」
「成程、ヌシとその蛇で初めてヤハタとして機能するようじゃな。いわば鍵と鍵穴か。」
「俺は力があるが自分で引き出せねぇ。ミズハはヤハタの力を引き出すが力がねぇ。
少なくとも俺が死ぬまではこの形が維持されるみてぇで…ってなんだよ。」
無言のままフリーレンからオガミ投げ渡されたのは手鏡。
「嫌…ね、つい反射というかさ。」
「あ?……は!?うぇ気持ちわりぃ!!」
呪いを受け変質したとは言えオガミは人間、神樹の力を一身に受けて使うともなれば流石に
罰当たりという事なのだろう。オガミは角付きの
しかも白蛇だ。
「人やめるつもりなんざ無ぇんだけど…」
「あの時から一切老けておらんし大差変わらんじゃろ。」
「シチショウてめぇ、天下のヤハタ様にそんな口きいていいのかぁ!?」
「取り敢えず鍵?しめたら?」
「……ミズハ、角かんでくれ。」
白蛇がオガミの角を噛むと本来の姿に戻り暴れるような強い魔力も収まっていく。
その時シュタルクがふと気づいた事をなんとなく言い放った。
「なぁオガミのおっさん」
「おっさ…いや歳はジジィか。何だ?」
「大した事じゃないけど、手が…」
「手?あ!?返り血がねぇ!!」
先ほどまで手の甲にあったベッタリと付いていた返り血の痕がほぼ消えていた。
一応線のようなモノが肩まで伸びており気配をたどれば繋がりが弱くなった訳ではなく
場所が変わっただけらしい。
「む~…本体の力が宿る事で起因となる部位が変わったと見るべきか…」
「開封はさっきと同じく角と腕で良いっぽいな。」
「じゃあ」
「取り敢えずコレでヤハタの一件は丸く収まったっつー事でいいんじゃねぇの?」
「うむ。フリーレン、それと二人も此度の助力感謝する。ヒエンよ。」
「宴の準備ですね、では一足先に。」
「嫌そんな長居する気は…」
「何言っておる、あの時【語りは酒でも交えてすれば良い】と言った筈じゃがの?」
「ハァ~~~~……二人はまだお酒ダメだからソレだけは守って。」
「体は出来上がっておるではないか。」
「シチショウそういうの本当に良くない、時代の流れに沿った方がいいよ?」
「お主にいわれとうないわ!」
この後、宴を行ったり今後の態勢や結界の調子など色々と魔法使いとしての視点から
あれやこれやと言いつつ、里に出向いた理由をこなしたりなんだりと2週間ほど里に滞在し
彼らは森を去った。
オガミ/ミズハ(ヤハタ)
ヤハタの残留思念は完全に消え去り、邪悪な力は純粋な闇としてオガミのもう一つの力になった。
余波としてオガミの飼い蛇に憑いていた悪いモノも消えた。
ヤハタ化している時は
神樹の怒りである事には変わりなくミズハが死んでも新しい鍵はどこかしらに沸くがオガミが死んだ場合はその時存在する鍵が次代のヤハタとして機能する。
「この力であのクソ共を張り倒す!!」
フェルン
フリーレンが里で2週間動いている間にこっそりお酒で酔わなくなる魔法を覚えた。
シュタルク
フェルンと同じくヒエンに基礎体力方面を鍛えて貰った。
ちょっとだけ魔力流動に興味がある。
残念ながら魔族戦は無い。
魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか
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葬送のフリーレンやぞいけるいける!
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エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ