魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ?   作:王道の展開にニチャつく者

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開始

北側諸国グラナト伯爵領、門前。

 

「ジョーカー様」

「今はマスターだよ」

「失礼、マスター様アウラ様より事前に聞いておりますが…タイミングはどのように?」

 

アウラ陣頭の元行われるグラナト領の結界解除作戦、その仕上げ件別プランとして投入された俺は

今リュグナー達3人と伯爵を待ちながら今後の話を進めている。

 

「まぁそう変わりはしないよ。何かしらの引き金が引かれちゃったら俺がアレを破るけど

リュグナーが丸めこんでくれればソレにこした事ないからね。アウラからすれば俺の手は借りたくない筈だからさ。お前らも急に沸いて出た奴に手柄取られるよりは良いでしょ?」

 

「同感、こんな胡散臭い奴に頼る必要ないよリュグナー様。」

「うお…リーニエちゃん口わるいよ?鳴き声は正しく使おうね?」

「不愉快。」

「超愉快♪」

 

結局の所、当初の予定どうり和睦が成立すれば俺の出る幕は無いわけだ。

俺は和睦が成立しない事をしっているからいいがコイツラには話してないし話さない。何故って?

話したらドラートが独断専行しなくなるからだ。死ぬという大役をこなして貰わないと困る。

 

「表向き、俺は俺の魔法で伯爵との話がスムーズにできるようにアウラから派遣された首切り役人の一人って事になってるからそこはよろしくね。」

 

「勿論で…勿論だ。」

 

早速ことばを治すリュグナーのたたずまいは何というか無茶ぶりに慣れている雰囲気があった。

 

「すまないなリュグナー殿、屋敷のごたごたで遅れてしまった。」

「とんでもない、わざわざ伯爵みずからお出迎えして頂けるのですから…」

「そういってくれるとコチラもありがた…ん?新顔がいるようだな。」

「マスター、グラナト伯爵だ。挨拶しなさい。」

 

「七崩賢が断頭台のアウラに仕える首切り役人、名をマスターと申します。」

「最近見つけた新顔でしてね、伯爵方と連絡を取り合うのに便利な魔法を使うもので一度…と。」

「成程…」

 

訝しみながらも伯爵が俺に手を差し伸べる。握手…魔族相手に?

 

「おっとすまない、君たちにはこういう文化はないか。」

「あ、いえ…和睦の使者とはいえ手を差し伸べる胆力につい驚いてしまいまして。長い付き合いになる事を願っています。」

 

コレは俺の本音だ。息子を殺したバケモン相手に社交辞令とはいえ握手をねだる肝っ玉はマジで

称賛すべき代物だ。程々に力をいれて握手を交わそう。

 

「リュグナー殿、中々クチの上手い奴を連れて来たようだな。」

「恐縮です。」

 

「さぁこんな所ではなんだ、移動しよう。生憎馬車はないがね。」

 

 

そういって屋敷までリュグナーと伯爵の会話を聞きながら歩いていると…魔力反応!

サッ!とかばう感じで…それっぽいムーブは大事だもんね。

 

「お二人方、お怪我は?」

「…もんだいない。」

「こちらもだ、下がっていい。」

 

そそくさと小物ムーブに徹するのもたまには悪くないねぇ…乙なもんだ。

ここでリュグナーだけでなく伯爵も守るのがミソって奴。リーニエちゃんはまだしもドラート君は

前でようね?仮にも役人なんでしょうに。

 

 

「伯爵?」

「身支度からして旅の者だろう。少なくとも儂の声は掛かっていない。それに…」

 

視点をフリーレン達に切り替えてリュグナーを流し見る伯爵の目は酷く冷えていた。

 

「死ぬほど憎んでいても今の貴公らは使者、来賓だ。街中で白昼堂々などと…儂がそんなに馬鹿に見えるか?」

「…これはとんだ失礼を。」

 

「牢屋につれていけ。」

「リュグナー様、アレに逃げられても困ります。私も付き添って宜しいでしょうか?」

「との事ですが…」

「好きにしろ。」

 

 

 

名目上はフリーレンが牢屋に入るまでの警備、実際は…

 

「まさかこんな所でお前みたいなのに出会うなんて思わなかったよ…()()のマスター。」

「コッチの台詞だ、ここ数年めっきり話を聞かんしくたばったと思っていたが。」

 

連行されるフリーレンと雑談をしたいだけっていうね。

 

ダークエルフのプレイヤーとしてでも、ましてや半魔半獣のジョーカーとしてでも無く

懐剣5指の親指として。フリーレンと軽く殺し合ったマスターとして俺はここにいる。

今の俺の体は純魔族、改造する前の肉体を復元したバックアップに入っている状態だ。

ドルファディロムの頼みで親指として多少活動してたからか、集魔なんて名前もある。

文字通りに魔法を本にして集める魔族だからだ。

 

「魔王を倒してとりあえず平和になったから前みたいに躍起になる必要はないんだよ。」

「成程、後進育成にようやく着手し始めた訳か…だが短命種に教えて何になるというのか」

「お前がソレ言うんだ。で?単純な戦力ならアウラより上のお前がなんで和睦の使者なんてやってるのさ。」

「言えば殺さないでくれるのか?」

「まさか。お前の方がアウラより危険だしいつか殺すよ。今は伯爵の顔を立てるけど。」

「ほぉ!人に配慮するようになったのか、中々どうして…」

 

まさかアウラに頭下げられたから付き合ってやってるとは言えないからね。

魔族らしく嘘をつくのは当然だよね。

 

「アウラに付いている訳ではなく、利害の一致だ。結界術に前から興味があったんでな。」

「…」

 

そんなウソくせ~みたいな顔されてもねぇ?

 

「さぁついた、沙汰はのちに下されるだろう…精々サビ臭い部屋で縮こまっていろ。

衛兵諸君あとは君たちだけで大丈夫だな?」

 

牢屋の兵士に後を任せてリュグナー達と合流しますか。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リュグナー様、父上って何?」

「さぁ、マスターは分かるか?」

「我らと違い人間はオスとメスによる有性生殖行為によって数を増やします。

その際自分を生産した個体の事をオスなら父、メスなら母と定義します。父上というのは

この場合このオス個体の呼び方の一つです。類似例としてパパや父さん等があります。」

 

「流石、詳しいな。」

「恐縮です。」

「オマエなんでそんなどうでもいい事ばっかり詳しいんだ」

「どうでもよくはないぞリーニエ、私らの食糧が尽きてはいつか飢え死ぬかもしれん。」

 

 

伯爵の息子の部屋に通された時はちょっとびっくりしたが…そうだよな今の俺ってば首切り役人の

1人だもん、殺るなら一人増えた所で変わらんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……!!!

「リュグナー!!あ、様。」

 

「…マスター()、計画はそちらに任せます。われら首切り役人、お好きなように。」

「すぐそこまで伯爵が来てる、戦闘勃発は可能な限り回避だ。」

 

「リュグナー様、あの魔法使いの魔力も感じないよ?」

「今はとりあえず良い、マスター様に従え。」

「分かった。」

 

 

数刻もせぬ内に伯爵が俺達の所へ凸って来た。あっぶね~…色々間に合って良かったわ。

 

 

「リュグナー殿もう一度聞く、お連れの者はどこに?」

 

はいこのタイミングで挙手をするんですね。すると注目が一気に俺に集まるじゃないですか。

で、この一瞬の間を使って…ジャジャーン!こちらドラート君の肉片~(一度バラした時の)!

これをですね今ここから遠隔で再構成する訳ですよ!

するとですね魂のない肉体モドキが一瞬だけど魔力を帯びて構築されるんですわ。

 

「リュグナー様、ドラートは屋敷を出て魔法使いを追っているようです。リーニエ?」

「確かにドラートの魔力が外にある。でも結構削られてるよ?」

 

とこのように独断ではあるが脱獄した魔法使いを追う和睦の使者という状況が出来上がる訳。

さぁ伯爵、どうする?バケモノの鳴き声を信じるか?

 

「嘘はないな?」

「不肖このマスター、己の首をかけて誓わさせて頂きます。」

 

嘘はいってない。現に屋敷の外にドラートの魔力はあるし俺が向こうの立場なら状況から考えて

ドラートが魔法使いを追っているのだと少しでも考えるだろう。

伯爵が外の状況をしり尽くせない()()()()()だけは俺の言葉が最有力候補なのさ。

ソレが命はるって言ってんだぜ?

 

「…リュグナー殿、しばしお付き合いしてもらうぞ。」

「ハイ、いくらでも。」

 

★勝★ち★確きたこれ。

伯爵に連行される最中に分身を精製し本体の俺は影に潜り込んで外に出る。

結界の中心地点は…ココだね。リュグナーとアウラに念話してっと…

 

 

 

ゼーリエは確かにフランメの師匠だけどアレは戦闘魔法しか教えてなかったからね。

フランメの求める魔法の殆どはそういうんじゃない、人の生活を守り豊かにする魔法だった。

だから俺が教えた、民間魔法も…()()()も。

 

「う~ん綺麗な結界だねぇ…とても人間の寿命で出来るような構築強度じゃないよホント。

けど…」

 

2か3度しか言わなかったし然したる弊害も無かったんだろう。というかソレに気づく奴が

いなかったんだろうな。

 

「結界構築のクセ、何度も直せっていったよねフランメ?勉強代は高いぞ~?」

 

マスターの手から放たれた紫色の小さな光がグラナト領の空を覆う結界に触れ無色透明の結界に

薄い彩りを与える。そして―――

 

 

「一旦だけど…魔法を強制解体する魔法(マギラデモリシュ)。」

 

ガラスが割れるような甲高い音を響かせながらソレは為った。

 

首切り役人さんたち、あとはお好きにやっちゃって!!

俺?そりゃお願いは果たしたから帰るよ?…あ~でもフリーレンがアウラと対峙したタイミングで

アウラをココに転移させたらそれはそれで()()()な?嫌しかしそれだと余りにも…ね。

 

 

爆風のようなものを上げてガラガラと崩れる伯爵の屋敷を横目に俺はアウラの元へ転移した。

 




マスター(ジョーカー)
性格が悪く技術屋気質なので普段は殆ど戦わないが1000を容易に超える年月に裏打ちされた
圧倒的な戦闘能力はもはやいう間でも無い。基本的に魔法使いとして振る舞いつつ隙を見て
頭をぶっ叩き気絶させてから逃亡するのが殆どだが必要となれば話は別。
「戦う術がある事と戦いたい事はイコールじゃないから。ゼーリエ聞いてる?」

首切り役人
結界の崩壊をトリガーに原作同様暴れ出したがフェルン達の乱入、無傷の伯爵を取り逃がす。
とはいえ結界の制御装置を探す必要も無いので伯爵を追跡中。
「余計な事を考えず暴力を振るえるこの状況、正直な所たまらなく楽しいと思っているとも。」

アウラ
いやいやだが魔力を抑えて割と近くまで接近済み。
接近してる分フリーレンとカチ合うのは早まるが首無しを伯爵領内へ差し向ける事もできそう。
「まさか本当に結界を…お願いしてみるものねぇ。」

フリーレン
結界が割れるはアウラがそこまで来てるわで割と冷や汗ながしてる。
「さっきまで10㌔以上先にいたはずなのに…まずいかもね。」

シュタ/フェル
伯爵を奪還し撤退済み。領内お抱えの騎士たちと手筈を合わせ首切り役人討伐に出る直前。
どれだけ派手にやってもお咎め無しだと伯爵から許可が出たのでフェルンはゾルトラークの
ガトリング放射する気マンマン。

魔法を強制解体する魔法(マギラデモリシュ)
名前の通り魔法術式を強制的に分解・解体する。術式の繋ぎ目に大量の空白を追加入力したり
なんの意味も効力も持たない術式のカスをブチこみまくったりといくつか発動方法に種類がある。
ジョーカーのお気に入りパターンは魔法そのものが自壊に向かうようにハッキングする方法。
そもそも自分以外の魔法に強く干渉出来る魔法の技術と才覚があって初めて成立する。
本質的にはフリーレンの魔法解除と同じと言えるがコチラはより悪質。

魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか

  • 葬送のフリーレンやぞいけるいける!
  • エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ
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