魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ?   作:王道の展開にニチャつく者

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飛べば解決する…戦士は頑張れ

勇者ヒンメルの死より28年、北側諸国デッケ地方のシュヴェア山脈の麓近くにて

 

「いる…いらん…いる…い…らッ…ラックショイ!!」

 

ツルハシを肩に担いだ俺は猛吹雪の中一人山の壁を掘り進めていた。

勿論鼻は赤くなってる…間違いなく半そでなのが原因だろうね。

 

切っ掛けは研究施設で使ってる魔法照明の取り換え分の在庫が不足した事とゼーリエへの土産。

まぁソレ自体は交換すればいいだけなんだがその素材に宝石を、厳密にはルビーを使ってる訳。

流石に天然ものはこの世界だろうと仙界内部だろうとレアなので人口的に生成するんだが…

 

「やっぱシュヴェアはコランダムが良く取れるねぇ…クロムが取れれば言う事無しなんだけど」

 

ざっくり言えばコランダムにクロムが混ざればルビーとして扱える代物になるんだよね。

で、魔法を使ってこの二つを混合させれば晴れて照明の素材として使えるって訳よ。

 

魔法媒体に宝石を始めとした鉱物を導入したのはフランメが死んでからだったかな?

よくあるファンタジーもので魔法を使う時宝石を触媒にするシーンを思い出したのが発端だ。

ルビーは炎でサファイヤは水、オニキスは闇でダイヤは光?って具合いだったと思う。

 

 

「しかし…」

 

顔を上にあげ白い光を仰ぎ見る。なぜ天井から外の景色が見えるのか…答えは至ってシンプルだ

 

「ここらで横にいっとくかな?休憩スペースも必要だし…飯くいたい」

 

そう、直下掘りである。

階段状?NO!言葉通りに真下にひたっっっすらツルハシをカンカンした。

硬い岩盤を人力で掘り起こせるパワーと魔法が使えるから出来るマンパワーのゴリ押しだ。

割と馬鹿だとは思ってるけど飛行魔法あるから階段は必要ないしそもそも俺は転移できる。

 

「とりあえずスペース作るか…再構成(オーバーホール)。」

 

4畳一間くらいあればいいかな?崩した土は固めて即興のイスやらテーブルやらに形成、

ついでに集めたコランダムをひとまとめにして純度をあげとこうか。

 

「で…」

 

さっきから見られてるし探知されてる。盗み見は良くないって話する?

数は4、魔法に長けたのが2とそうでないのが2。タイミングから見てフリーレン達か。

 

「そこの4人!!気が散るからどっかいってくんない?」

 

というか何で山小屋から出てる訳?今日朝は猛吹雪だったんだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どっか行ってくんない?』

 

「魔力の流れがあると思って来てみれば…見に来るんじゃなかった。」

「あの声プレイヤー様ですよね?まさか落ちて出て来れないんじゃ…」

「嫌、飛べるから流石にソレは無い。」

「誰あれ、二人とも知り合いか?」

 

 

「率先して合いたくはない腐れ縁かな…」

「一応フリーレン様の知り合いです。私は以前ハイター様の家で少し話した程度ですが」

「フーン…ん、クラフトさんどうしたんだそんな顔して」

「嫌何、懐かしい顔だと思ってな。」

 

「丁度良いじゃん、私先戻ってるからクラフトは話してきなよ。」

 

露骨に足を返して合いたくないモードのフリーレンに対して魔法使いの先輩である事などを

理由に話したがるフェルンとクラフト。結果としてめちゃくちゃ嫌々だが件の人物に合う事に

なった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだね、合えてうれし…くはないけど。」

「お久ぶりですプレイヤー様」

 

「社交辞令ならやり切りなよフリーレン、フェルンちゃんも久しぶり、元気してた?」

「程々でございます。プレイヤー様こそお元気そうで何よりです。」

「フリーレン、こういうのが礼節っていうんだぞ?」

「……紹介するよ、ウチの前衛のシュタルク」

 

「あ、えーと…そのぉ…よろしく。」

「どったの?このナイスな体にやきもきしちゃった?」

「あぁいやそういうんじゃなくて何つーかアレだアレ…美人だなぁって。」

 

美人、そうシュタルクが言い切った途端プレイヤーがシュタルクを腕で囲んでその頭を

撫でまわす。勿論シュタルクの目には夢と希望が詰まった何某の隙間が映った。

 

 

「おーよしよし素直に言えてエライ子だ、おねぇさんがいい子いい子してあげちゃおう!」

「ゼーリエより年上がおねぇさんって言える歳じゃないでしょ…」

「ハイそこのノンデリカシーエルフ、心に深く傷を負ったので償ってね~」

「え」

 

「プレイヤー様、そろそろシュタルク様が窒息してしまうので*1…」

「ん?あぁそうだった『プハッ!?』…ほんで」

「久しぶりだな()()、まさかまだ生きてるとは思わなかった」

 

「こっちの台詞だぞ撃拳のど腐れ坊主。親父は息災かい?」

「少し前に北方で炎龍のアイリッシュにやられて今は隠居中だ、近々あいにいくさ」

 

あ、フーン…これは間接的にマッチポンプになってるよな?

言い方的に死んでは無いがそうか…アレに殴りかてるくらいにはアイリッシュ強くなったのか。

知人の悲報は悲しむべきだが立場上なぁ…

 

 

「バースの奴ドジったのか…今度笑いにいってやろうかね」

「そうしてくれ。」

 

 

修行僧(モンク)のクラフト、人間の歴史からは消されてしまったがエルフの歴史書や

仙界のコロシアムに確りとその名を刻まれている英雄だ。ついでに言えば戦友の息子。

人魔対戦後期、俺やゼーリエに食らいつけた数少ない騎士バース…と言っても知らんだろうが…

 

 

「それで、こんな山中でツルハシなんか振り回して何掘ってるのさ?」

「ん?あぁコレだよコレ」

「鉄…か?」

「平たく言えばね。シュヴェアはこの鉱石が良く取れるからちょくちょく直下掘りしてんの。」

「……」

 

腕から解放されたシュタルクがその女の凄まじさに気づく。

褐色の全身に刻み込まれた戦闘の記憶(ふるきず)、壁掛けされた使いこまれた大剣、そして

 

「(細さに合わないギチギチに張りつめた体付き…多分クラフトさんよりも…)」

 

その中に一体どれほどのパワーが込められているのか、今のシュタルクに分からない。

 

「何に使うのですか?」

「触媒魔法の核…その魔法のランタンの光源なんかを作るのに使うんだよ。やって見せようか」

 

異空間から色の違う鉱石をどこからともなく取り出したプレイヤーは4人に見せるように

両手にそれぞれの鉱石をもって魔法を掛けた。

 

「まず二つの鉱石から再構成(必要な成分を抽出)…で抽出したコレを99:1で混合。」

 

「色が…赤く!」

「おぉ!」

「(これ調味料を混ぜる魔法か)こういう応用もあるのか…」

 

「赤みを帯びたら圧縮しながらコランダムの粉…あぁコッチの石の残骸ね?で研磨すると…」

 

「コレは…!」

「フリーレン!コレ出来たら路銀なんて幾らでも稼げるんじゃね?」

「無茶言わないでよ。再構成なんて超高度な魔法一日やソコラで覚えられる訳ないでしょ。」

 

それに―――と続けながらプレイヤーを指さすフリーレンはフェルンに目配せを送った。

 

「深海中図書()*2の魔法は口伝禁止…コイツも教えられないんだから。」

 

フリーレンの頭をよぎるソロ活の記憶。

フランメの置き土産を整理していた頃に偶然入場できたが保管されていた魔法の数々は

古代超獣語*3で書かれており現代語の魔導書もその多くがフリーレンの知識や

イメージ力の外側にある物ばかりで碌に習得出来なかったのはフリーレンにとって

かなり苦い思い出だった。

 

「口伝禁止の持ち出し禁止(チェーンブック)、勿論複写も不可。誇り高き魔法師なら覚えてみせろって事よ。」

「プレイヤー様がその魔法を覚えるのにはどれくらいかかったのですか?」

「うーん…魔法理論を構築した所からだから…2年と半月かなぁ」

 

「へ?」

「は?」

「…構築?」

 

「なんだフリーレン、著者見てないのか?あの魔導書の制作・寄贈者は俺だぞ?」

 

一瞬思考停止したのち、再起動したかのようにフリーレンの目がキラキラし始めた。

大方理由の察しはつくが。

 

「プレイヤー…()()、今度でいいので『却下』まだ言い切ってないじゃん」

 

「パスポートを貸せって話でしょ?却下。」

「そんなご無体な」

「そんなにあそこに籠りたいなら自作魔法の寄贈すりゃいいでしょうが。魔王たおして80年、

時間なんて腐る程あっただろうに。」

 

仙界の外にカリヤドネがある時は使いきりのチケットかパスポートによる一般解放がされている。

チケットは帝国なり聖都なり南側なりで少数だが定期販売してるし酷似した魔法ではない独立した魔導書を寄贈すれば恩赦としてパスポートを贈呈されるのだ。

 

にた効果を持つ魔法じゃなければ戦闘用だろうが民間魔法だろうが貴賤は無い。だから

チケットを買って入場し自作の魔導書を鑑定検査・寄贈していく魔法使いは結構いる。

流石にフランメの最盛期程じゃないけどね。

この間、意外な客が寄贈してったのはビビったけど。

 

「80年てあっという『人間一人くらいなら生まれて死ねるぞ』…そうだね…」

 

「っと、ハイ研磨完了。ご貴族様御用達、情熱の宝石ルビーの御登場だ。」

 

手の中に生まれた2つのルビーの小塊をフェルンとクラフトに投げ与える。

神妙な顔付きクラフトはさておきフェルンの顔は…なんだろうこのよくある「うひょおお!」って感じの顔は。

 

「困った時に路銀にでもしなよ。俺は自作できるけど世間にとっちゃ高級品だ、そのサイズなら

シュトラール金貨3~4枚、ライヒ金貨なら2~3枚で買い取ってくれると思うよ。」

 

「こんなんで?マジで?」

「マジ。値崩れしてなきゃだけどね。」

「市場に詳しいんだな?」

 

「魔道具店にちょくちょく物卸してるからね。店主や鍛冶師との伝手は広い方だよ。」

 

 

コレは本当。どこから有益な情報が入るか分からないからダークエルフ達を使って

ドワーフの職人や行商人果ては詩人なんかと伝手を作った。

街中や辺境は物資不足やらそもそもの基本相場のズレから金がかかるもんだからね。

 

そういう点ではカルヴァドスの行商は便利だったんだが…ままならんね。

 

「よいしょと。俺はしばらくこの辺掘り起こしてるから用があったら呼んで頂戴な。」

「懐剣5指でもこなきゃ呼ばないよ。冬の間はクラフトがいるしね。」

 

フリーレンが一足先に飛んで穴を出て行く。シュタルク連れてけよ飛べないんだぞ?

 

「あぁそうだシュタルク君、ちょいとお耳を拝借。」

「ん、何だよ…」

 

肩を組んでひそひそ話モードになったと思ったら顔を真っ赤にしてあたふたするシュタルク。

結局フェルンがシュタルクを連れていく運びとなり、クラフトは自力でジャンプしていった。

 

ハハハ、20メートルくらいあるんだけどな?

 

 

*1
フェルンもなでくり回し経験者なのでそういう意図がないのは知っている

*2
カリヤドネの事

*3
禁断文字




「何だよ?」
「君、女性の好みは胸と尻、どっちだい((髪の毛を引っこ抜きながら))?」
「ば!ちょ!!そんなんじゃ!!」

クラフトから見たプレイヤーは父親の戦友、プレイヤーにとっては当時の英傑である
撃拳バースのドラ息子であり同時に英雄の一人。


フリーレン
相変わらず何やってんだこの人は…の状態。実際の所はオリジナル魔法自体は着手したが
旅の途中で酷似した魔法が湯水のように出るわ出るわ…で萎えた。
「元素記号と分子学?とか意味分からない専門用語だされても分かんないんだけど…」

シュタルク
一瞬だったから良かったものの性癖を壊される所だった。

フェルン
フリーレンとはまた違った方向の高みにいるプレイヤーには多少の憧れがある。
宝石を貰えてウキウキしている。

クラフト
父の友が相変わらずすぎた。この作品におけるクラフトは神話時代以前~人魔対戦終期の生まれ。
父が偉大な戦士な事は尊敬しているがそれはそれとして自分もそこを目指す必要は無いよね?と
修行僧に身を置いている。
当時のプレイヤーの入れ知恵で簡単な魔法なら使える。


再構成する魔法(オーバーホール)
文字通りに一度バラして修復する魔法。治崎 廻 と言えば魔法の全容が分かる人も多いだろう。
性質の改良こそしてあるが結局対象への極めて高い知識・理解を要求される超高難度魔法。
ただバラして直すだけならまだ何とかなるが分離や合成などの応用となると途端に難易度が
跳ね上がる。

調味料を混ぜる魔法
正しくは美味しい調味料を作る魔法。スパイスなどを万人受けする比率で調合できる。
鉱石は調味料じゃないだろって?岩石食の者達いわく鉱石や宝石は味変のポジションらしいので
調味料だろというジョーカーのイメージ故に機能している。

魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか

  • 葬送のフリーレンやぞいけるいける!
  • エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ
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