魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ? 作:王道の展開にニチャつく者
勇者ヒンはメルの死より29年、天脈龍の直下のシュヴェア山脈にて。
「どう?」
「問題ないわね…うん、
「おっし!やっぱ高品質なサンプルがあると制作速度が段違いだね。」
猛吹雪の中、白狼型の魔物の前で腕に取り付けた天秤と皿を輝かせているのはダフト。
アウラの魂に刻まれた魔法の軌跡を解析し魔道具へ起こす事でジョーカーは極めて短期間で
アゼリューゼの魔道具化に成功していた。
「後はこれの増産体制を作るだけなんだけど…」
「問題は情報量…よね?私は
そこが問題なんだよねぇ…解析して分かった事だけど魔族の中でもアウラの
かなり魔法としての情報量が多い。術式として書き起こしたらB4紙3枚くらい必要になる。
ゾルトラーク単体がA4紙1枚で済む事を考えたらその多さはあからさまだ。
なので一般的な魔法使いでも頭で処理しきれる領域までとことん削らないとダメなんだが…
「隷属可能な個体数が∞なのが馬鹿程リソース食ってるんだよなぁ…500くらいに落とす?」
「一つ提案なのだけど」
「多分アウラなら一ついいかしら?じゃない?」
「そう?後で学習しておくわね。で、数に制限を付けるの自体は賛成だけどこうはどうかしら」
施設内で蓄積された様々な魔法知見からダフトが提案したのは隷属制限を大きくすることで
開いたリソースに魂の強制力の強化をする事。
アゼリューゼは強靭な精神があれば体の自由は効かずとも抗う事は出来る。
故にその抗いすら突破する協力な支配が出来るようにカスタマイズする訳か…面白いね。
「せっかくなら首もあったほうが敵も攻撃しにくいんじゃない?」
「自分で大切な仲間を殺すかそれとも大切な仲間に殺されるか…何んかありきたりな気がする。」
「操る力ってだいたいこういった方向性になるんじゃないかしら?」
それはそう。いっそ隷属対象が自爆できるようにするとか…流石にまずいか。
使い捨てじゃアゼる*1意味が無いし何より互譲起爆札とかいう闇を再現したくねぇし…
「そもそも俺は最強の烏合の衆をアゼリューゼで動かしたいんだよね…
「隷属前の強さをって事?結局
「ソコはほら削ったリソースをあてて生前?と遜色ない動きになるようにチョメチョメと…ね?」
アゼリューゼの一般運用はまだだいぶ先になりそうだ。それでも規格品として完成はした。
ダフトが使う分にはコレでいい。まずは帰って切り詰める所を精査だな…
「うし帰るか!もう解いていいよ」
「…コイツら、アルマーニだっけ?アレに渡しましょう?」
…あそう言えば返り討ちにあった時に支配下の魔物は全滅してんだっけ。
ならもう5~6匹捕まえていきますか。
シュヴェアから帰って数日、コロシアム近辺の武器工房に顔を出した。
図面と素材を渡して手直しを丸投げしていた物がひとしきり完成したと連絡があったからだ。
「じっちゃん起きてる~?」
「あらマスター、数日ぶりね。」
「おぉエスティ、何でじっちゃんの所に?あと今はジョーカーね。」
話を聞けば刺繡で使うミシンやら待針の手直しを頼んでるのだとか。
毛色こそ違うがエスティもじっちゃんもプロ意識の高い作り手、面識があってもおかしくないし
針は金属、じっちゃんの得意とする所だ。
「待針ってあのクソデカイ奴?」
「えぇそうよ。こないだ鉱布*2を扱った時に先端が欠けちゃったのよ。
エスティの魔法杖は待針としての機能を有する特注品…というか魔法杖としても扱える待針だ。
衣服を作るのも良し魔法を撃つのも良し、刺突武器として刺すのもまぁ良しと用途は多い。
ジャイアントの衣服を作るともなれば使う機材も当然BIGになるのは当然だけど…あの針、
ちゃんと仕事道具として使ってたんだ。
「おぉジョーの字、時間通りじゃな。」
「やっほーじっちゃん、どうよ最近のアガリは?」
「程々に潤っておるよ。ただ…」
じっちゃん、又の名を元大魔族”造武のメイス”。
魔族の将軍や戦士が好んで使う基礎魔法の一つ、魔力の武器化を自身の魔法とした変わり者。
いつぞやに北方で殺された所を超獣として蘇らせたのを切っ掛けに関係が出来た。
今では俺の頼れる鍛冶屋のじっちゃんだ。
俺が設計しじっちゃんが中身を作ってエスティが外見をデザインする。
この形が確立したのはエスティがフリーレンに殺されるより前、それこそ懐剣5指時代からだ。
厳密に言えばじっちゃんはマスターとしての俺を知らなかったからエスティのバックにやば目の
設計図だけ送り付けてくるヤベー奴がいると当時は思われてたらしいが。
「最近のコロシアムの輩は武器の扱いが雑でな、武器が泣いておるのよ。」
「こないだはアタシが手掛けた短剣もボロボロにされてて流石に泣いたわ…」
「第一強いからと自分の身の丈にあわん武器を使って散々酷使した挙句弱いだ何だと文句を言うのはどうなんじゃ?」
エキシビションとして行う実力者同士の戦いは余計な傷や損傷を付けないから良いとして
バトルロワイヤル方式の時はそれはもう絶叫モンらしい。
「最近の一番胸糞は?」
「侵崩の薙刀を使った馬鹿が会場で溶けて死んだわ」
…流石に笑うしかない、強いて言えば冷笑?
侵崩の薙刀は自分と刀身に触れた相手の魔力を反応させて放射線を精製しぶっ放す。
魔力で体が構築された魔族は放射線浴びても問題ないだろと思って作ったモンだが…
理論通りの性能に仕上がってたという点では成功作、武器としては失敗作だ。
刀身に触れた敵が崩れて死ぬのは当然として次に近い距離にいるのは誰か、そう使用者だ。
「魔族以外は使うなって話だった気がするんだけど誰だよ破ったの…」
「「ヒート」」
あの馬鹿!次にPOPしたら一回人体実験の材料にしてやる…
「で、じっちゃん例のブツは?」
「あぁホレ。微細な傷しかなかったでな、殆ど手は入れておらんよ。」
メイスの手から渡されたのは黒みを帯びた紅色の刀身の直剣、鞘は無し。
片手で触れるギリギリの長さとズシっと来過ぎる絶妙な重さ。そして―――
「…ッ!元の切れ味だ。ありがとう!彼もよろこぶよ。」
「例なら最高の試合を見せてくれと言っといてくれんか。それが報酬じゃ。」
「心得た!ほいじゃお先に失礼…あそうだ」
工房を出ようとしたジョーカーが足を返してエスティにバッジのような物を投げ渡した。
「近々呼ぶからよろしくね。」
「えぇ~~…死ぬのはゴメンよ?仕事が滞ったらマズイもの。」
「流石にそこまでじゃないよ。」
襟にバッジを付けながらエスティはジョーカーを見送って工房の中へ消えていった。
「いつも悪いな。」
「じっちゃんが次の
「期待に応えられるよう善処する。」
「そうしてくれると助かるよ。それで何だけどさ」
「例の件だろう?分かってる。いつでも読んでくれて構わない。」
瞳に無情の炎を燃やしその腕は剣を掲げる。
「うん…馴染むな。」
百蛮と現画と紅蓮。
魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか
-
葬送のフリーレンやぞいけるいける!
-
エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ