魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ?   作:王道の展開にニチャつく者

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ゲッケイ「はぶられていると?笑止、後ろを任されている故無用な手出しはせぬ」
アイリッシュ「誰にいっているのだ?」


与えたロールでしか

アイリッシュと拳を交えてはや20分、想像以上に粘って来るな。

自慢じゃないが俺はダークエルフだろうが魔族だろうが超獣だろうがフィジカルには自身がある。

加えて魔法も神話以前という年月に裏打ちされた最低限の洗練度も持ってる。

仙界のコロシアムにもよく顔を出してはスタン君に小間切れにされて…いやコレはいいや。

ともかく!俺を前にして長く生きられる魔族は少ないって事だ。

 

それを踏まえて目の前の犯罪者ことアイリッシュを見て欲しい、20分も生きているじゃないか。

THEテンプレ魔王みたいな役回りをさせてきたのにどうやらマメに訓練はしてたらしい。

恐らくだが…

 

(仮想的は(プレイヤー)…嫌、ジョーカーか)

 

魔族を束ねる物として強くあれと己を磨く。ソレ自体にオカシイ所はないけど元来の性格と

今のアイリッシュの上昇志向に若干の違和感があるんだよね。

アイリッシュから上がる報告は俺の気体通りのものだった。それ故に放置もしていた。

そしてこの数十年で何度かダークエルフとして力をみる為にやりあったから分かる。

()()()()()()()()()()()()()()()()()。底を隠してたのはあるだろうけどだとしても

200年…は流石に盛りすぎだろうけど150年分相当の鍛錬をその体から感じられる。

 

仙界の内外では時間の流れが違うから仙界で200年すごしても外では100年しか経ってない何て可能性はある。だけどアイリッシュは魔王の死後ずっと外にいるはずだ。

魔王が死にヒンメルが死んで今にいたる役100年で何をしたんだ?

 

「後は俺が一人でやる、片角相手しながら下がっていいよ。」

「悪いな、こっからは足ひっぱりかねねぇ…」

「ゲッケイ、奴を。」

「御意。」

 

アレを相手にしながら俺の援護が出来るスペックの高さ、個人的には1級に推薦したいな。

さて。

 

「なぁアイリッシュいい加減探り合いは無しにしない?」

「何がいいたい?」

「魔力の圧縮を解けっつってんの。」

「制限なぞ鼻からかけてはおら『そういうのいいから』…簡単に死んでくれるなよ?」

 

魔力制限と魔力圧縮は根本的に別の技術。

制限は放出量を抑え誤認させるものであり圧縮は濃度を高める事で魔力に適した強い体、つまり

魔力量に秀でた肉体を作り上げる事を旨としたものだ。

圧縮を解いた瞬間に詰められた魔力が本来の量に戻り魔力が回復したように見えるけどそれは

そう見えるだけ。強いて言えば現代魔法使いは圧縮した魔力の()()を認知できないのが

悪い。

 

 

周囲からは突然魔力が回復し始めたように見えるんだろうね、壁内からドヨついた声がする。

…それにしても随分と濃くしたな。圧縮の練度はドルファよりちょい下くらいか?

まぁアレは別格だし開祖だしで外れ値ではあるんだけどね。

 

「俺も探り合いはもうしない。だからとっておきだ。」

 

周囲2~3キロを外から中が見えないように組んだ結界をはって空間を隔て転移門を開く。

出口はココ、そして入口は…俺の研究施設の培養ポッド。

 

「な!?エルフ貴様…何者だ!」

「何度も言うけどダークエルフだよ。強いて言えば…」

「この(ジョーカー)の手によって生み出された始祖のダークエルフだよ」

 

プレイヤーが呼び出したのは自らの本体とも言えるジョーカーとしての肉体。

一つの魂で同時に二つの体を体を動かす離れ業が出来て初めて成立する超常だった。

 

「俺達始祖種は子孫が絶滅しても大丈夫なように始祖種どうしで契約してんの。*1

「魔族始まりの世代である俺とダークエルフの始祖が繋がりを持っててもおかしくないでしょ?」

 

「クッ…ジョーカー‥‥」

「アイリッシュ、お前には北方を任せてた筈だし報告にもそう書いてあるけど…あれオイサーストだよね?何しに来たの?」

 

「や、やりたいようにやって良いと貴様も言ったはずだ」

「いずれ王になろうって奴が最前線で殴り込みってのは俺の解釈とは違うんだけど」

「何、知り合い?*2

 

「君と同じ俺の手の平の上のオモチャだよ。」

「玩具だと?ふざけ『玩具でしょうが』!?」

 

魔法研究の一環で素質があったから4魔に選ばれただけでコイツラには特に()()()()()

…訂正、シェリー以外には価値は無い。時間はかかるけど人体を元にした強い魔族はコイツラから取ったデータをベースにいくらでも見繕える、つまり魔王は産み放題だ。

 

「別にお前じゃなくても俺はいいんだよ?ただ最初に残ったのがお前達ってだけ。」

「使い捨ての駒にしちゃ随分強く仕上げたね…俺でも2割くらいで負けそうなんだけど」

「…成長具合いは目を見張る、それを加味してこのまま帰るならお目こぼししてあげる。」

 

どうする?と2択を投げかけるジョーカーの顔は酷く冷徹。

心底どうでもよさげな顔付きをしていたと思う。

 

「グヌヌ…じゃあお前が」

「うん?」

「お前がこの町をどうにかしろ!」

 

…かえってやるからお前がやれと?妥協案のつもりなら何んと馬鹿げた提案だろうか。

俺はアイリッシュにお灸を据えたいしそのために2~3発ひっぱたく気マンマン。

さっきまでの小競り合いみたく面白半分で戦う気はない。

 

「そもそも我らの拠点が北に追いやられている現状がこの事態の引き金なのだ!」

「だから南下する為に俺の手を貸せってのは虫がよすぎるよ?何か支払えるなら別だけどさ」

「何故だ、お前だって魔族だろう!?何故そう人間の味方をする!」

「………大きな勘違いをしているみたいだけどさ」

 

 

 

 

ジョーカーを名乗る者が生きて来た数千年の長い年月、人間はさまざまに躍進を遂げ

そう遠くない未来、かの七崩賢の完全解体を完遂するまでに至る。

それは素晴らしい事であり…俺にとって余計な茶々が入るケースの減少に繋がっていく。

強いて言えばトートちゃんが気がかりだけど…

 

「俺に味方なんて存在も概念もないよ?俺は俺を含む全てが駒さ、この世界を遊ぶ為のね。」

 

強いて言えば仕事仲間と共産者の概念はあるかな?

こないだなんかバンキッシュ氏に渡した変速の魔法をアプデしてみたよ~みたいなノリで

強化版もらったけどありゃすげぇよ、技術屋としてのレベルが文字通り上位存在というかさ。

何をどう改造したら時間干渉の区分化なんて領域に片足つっこめるんだって話。

 

「味方ではないなら俺の邪魔をするな!」

「困るんだよねぇ…」

 

そう小さく愚痴りながらいくつかの強化魔法をプレイヤーから受け取ったジョーカーは

 

「は!?」

「ホイ」

 

アイリッシュが認識出来た時にはすでにその腕が首根っこを掴み地面へ投げ終わっていた。

 

「グハッ!?」

「俺の手の上で転がらない凹凸は削らなきゃだよ。」

「ガハ!?ま、まてああああぁぁ!!?」

 

 

傲慢は…まぁいいよ魔族なんだから。だけど言う事を聞けないのは別。

コイツは俺の魔王像をやっていればいいのさ。

 

「鱗を剥がしながら皮を開いて『ア゛!?』、臓をよけて心臓をっと…」

「わ~おエッグ、生きたまま捌いてやんの」

「さぁ選べ、心臓を握り潰されるか帰るか。」

 

                  ものか

 

 

「へ?」

「うん?」

 

「なるものか‥‥」

 

心臓を掴まれたまま自身を焼き尽くす勢いで炎を噴出するアイリッシュに対して

流石に熱いのは嫌なのかジョーカーが手を放しプレイヤー共々距離を取る。

 

「魔王が!俺が!たかだか道一つ!阻まれてた程度で!!」

 

「へぇ!」

「模したとはつまりサンプルを内蔵すると同義、ならコレもまた道理…なのかな?」

 

赤い爆炎と共に魔力が爆発的に膨張する。

爆炎の色が紫に変わるとそれは徐々に人型を得て、横たわってた者に新たな色を与えていく。

 

 

「自らの信念を歪めて!」

 

蒼炎の亀裂がアイリッシュの全身を駆け巡る。

傲慢なる魔族の王であれと存在させられた魔族。

いつしか彼はソレを自らの心の核に置いた。

やらされているのではなく、確固たる己の意志で。

()()()()()()()へと至るのは俺なのだと。

 

 

「ポッドで休息入る、処理頼むわ」

「OK…戦闘データのサンプリングはこうでないとね」

 

「なるものかぁ!!!」

 

 

 

大魔族 炎龍のアイリッシュ、ハイパーモード突入。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 東門内部

 

「や、やめ!」

「近衛…なんと不味そうな先付け*3か…」

 

フリーレンたちとの戦闘のスキを見て壁内の侵入したアルマーニは後ろから襲うおびただしい数のゾルトラークを舞うように躱し魔力による斬撃で家屋を破壊、あぶり出した民間人や近衛兵を片っ端から食い散らかしていた。

 

「赤子…運が良い、調味料も酒もあるようだ」

 

仕留めた赤子にワインをぶっかけ、麻布の袋に詰めて肩で担ぐ。

 

「みつけた」

「酷い…子供まで…!!」

 

「ハァ‥‥しつこい。もう20か30腹に収めれば帰ると言っておろうに。」

 

第二世代魔族アルマーニは人間しか食わない偏食家。しかも女子供を非常に好む。

魔族元来の殺人衝動とこの食癖は人類にとってあまりにもむごいかみ合わせ。

加えて、アルマーニ本人が戦闘を中断・遅延してでも戦えない者を率先して食いに動く性質の悪さがこの惨状を生み出していた。

 

「だが疲労の見えるその顔付き…良い。女肉は世の好む所…目に魔力を込めるのだったか。」

 

アルマーニの右目に現れた魔法文様と共に家屋から何本もの包丁がフェルンを切り裂きに

襲い掛かった。

とは言えその速度は大したものでもなく、かといってパワーがある訳でもない。

フェルンの全面防御で十分防ぎきれるレベルだ。

 

「スンスン…幼子がいるな。子供をギャン泣きさせる仙法(ベビーサイン)。」

「させないよ」

 

前方に業火、後方から光の矢がアルマーニを囲う。

かつての因縁を晴らすためか、それが魔族ゆえの心の闇かそれはフリーレンだけが知る所。

だが間違いなく目の前の魔族を殺すという強い意志の表れだった。

 

 

 

「あの時は助かった。だが今更古木に構うひまなぞ無い、退け。」

「何がなんでも断る」

 

人類史上もっとも魔族を殺したエルフと人類史上最も相容れぬバケモノの火蓋が

 

「ハァ…刈り時か。」

「狩られるのはお前だよ。」

 

今きられた。

*1
厳密には始祖個体と種としてのクイーン(繁殖用)個体がリアルタイムで観測され続けている

*2
ゼーリエ経由で盗聴されてるかもしれないので別人のふり

*3
いわゆる料理のお通しに値する物




アイリッシュ(ハイパーモード)
炎熱魔法のパワーアップをコツコツやってたら体の中から何かが語りかけて来た事を切っ掛けに
発露、のちにアルマーニが後続として続き「超獣ってそういうもんなのか」と解釈をした。
全身のヒビから蒼炎が吹き出し両手とマントのような翼からは紫炎がゆらめく。
ぶっつけ本番という訳でもないので普通にテクい事も出来る。
ジョーカーが知らないのは単純にアイリッシュ自身が切り札として隠していただけ。

アルマーニ
昼間は自分の魔法を使えないので指輪10ピアス4魔眼2の合計16種の魔道具をこさえてきた。
治療を終えたばかりで魔力の流れが悪い状態を解決するためアイリッシュの進行に便乗し食事をしに来た。今は質より数なので血抜きもしないし臓腑もそのまま食いちぎっている。
人類にとっては超優先駆除対象。
アルマーニにとっての長寿のエルフは()()()()()()()()()()なので嫌い。
「抗いを止めはねせぬ、被食者とはそうあるべき故な。」

魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか

  • 葬送のフリーレンやぞいけるいける!
  • エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ
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