魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ?   作:王道の展開にニチャつく者

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存外なる接戦

ハイパーモード…アイリッシュの体に実装した覚えは無くあるとすれば自己発露だろう。

それはそれで素晴らしい才能なんだろうがその体の基盤は俺が組んだ物だ。

つまりアイリッシュの体はハイパーモードになれるという何よりの証拠となる。

死なない程度に弄り回せばそう遠くない内にハイパーモードの安定して実装できる体制も整う筈。

その為にまずは…

 

 

「ステ振りは火力とスピード重視かな?」

「死ねぇぇぇぇぇええ!!!」

 

何重にも編み込まれた蒼炎の面が空気を焼きながらジョーカーの周囲を切り裂き圧する。

無酸素化と冷却を併用して火力を弱めつつ脱出したジョーカーは今の炎を見様見真似で部分再現、

アイリッシュの両足を縛りにかかった。*1

 

「パワー馬鹿に見えて器用だね、こうかな?」

「なん!の!ダアアァァ!!」

 

チリチリと地面の草が煙を発し始める程の高温に高まった結界内部は地獄のサウナ。

下手に入れば肺が焼けて即オダブツだろう。

かくいうジョーカーもそれなりに汗をかきながらアイリッシュの相手をしていた。

 

(俺の冷却より強く早い加熱…炎熱カテゴリーならヒート級かな?)

「考え事とは余裕だなぁ!!!」

 

 

記憶にある炎馬鹿のにやけ顔を思い出しつつ背部で発した爆炎で急加速してきたアイリッシュの

ラリアットを盾で受ける。そしてそのラリアットが囮である事も当然予想済みだ。

 

「蒸し焼きが好きみたいだね?」

「バレた所で追いついておらんのなら結果は同じだ!」

 

アイリッシュの肉弾戦は基本的に注視させる事を主に置いた使い方をしてきている。

長い年月と種に裏打ちされたパワーがその身を襲うとなれば対応は必須、だがそのパワーが主目的ではなく対応させ続ける事で逃げるという選択肢を潰すのが基本のようだ。

 

そして自身の熱波によって肺が焼け付くほどの空気を滞留させ効率的かつ確実に体力を削る。

バカっぽい口調とは裏腹にちゃんと考えて戦っている…こざかしい事この上ないけどね。

 

「(今!!)ハッ!」

「あっち!!面白い事するねぇ!!」

 

熱波を再利用したバックドラフトとは随分とテクい、流石に今のは初見じゃ避けられないね。

幸い直撃はしてないけどそれでも痛みをしっかり感じるダメージだ。

 

「お前の魔法は炎だったはずだけど何をどうしたら熱操作に派生したのさ!」

「今いうわけなかろうが!」

「そりゃそうだ!」

 

炎を司る魔法(フェルノロード)、それがアイリッシュに与えた魔族としての魔法だ。

炎の生成・操作に特化させた分使いやすくリソース管理もしやすい簡単な魔法のはずだが

そこに熱の操作は含めた覚えはない。

原理的には炎は正の熱のプラズマ現象な訳だから延長線として操作が出来てもおかしくは無い。

問題なのはそんな()()()()の解釈をどうやって手に入れたのかだ。

 

整流+圧縮+押し込み+射速強化+冷凍光線(ブルーレーザー)!!」

「っ!!カアアアアァァァァ!!」

 

近距離からの増幅された冷凍ビームを口から吐いた炎ブレスで打ち消すアイリッシュ。

弾けたエネルギーが目くらましとなり懐に潜り込んだジョーカーのハンマーが腹をどつく。

 

「よいしょぉ!!」

「ウッ…カハッ!?ぁぁぁぁぁあああ!!」

 

声にもならぬ叫びをあげながらジョーカーを引き戻そうとするハンマーごと引き寄せ

炎を纏った尻尾で顔を打ち払う。肉のやける音が僅かにジョーカーの耳に障った。

 

 

 

実の所、武器を含めた近接戦は仙界3姉妹のお陰で結構自信ありなんだけどこういった魔法込みの

殴り合いだの格闘戦は中々経験する機会がなくて正直付け焼刃というか何というか。

今この瞬間もアイリッシュのやり方をリアルタイムで自身に反映させてる状態なんだよね。

そのせいでほぼほぼ後手が確定するのが何とも…ていうか火傷いたいんですけど!

ヒートの炎とは違って長々と焼いてくる感じメチャクチャ不快なんですけど!?

 

 

「あっつ、ジュクジュクするねぇ…」

「(イケる、通じている!!届く!!いや届かせる!!)」

 

こんなことなら対ゾルトラーク型のボディとか作るんじゃなかったな…肉体欠損しないのが

かなりめんどくさい。なにせ常にフルスペックで戦える訳だから肉体アドバンテージが取れない。

厳密には弱点をいじめる事は出来ない。

 

「換装」

 

武器をハンマーから薙刀に切り替えてアイリッシュの両爪に振り下ろす。

さて…()()()()()()

 

「ふっふっふっ…」

「ん…ちぃ!面倒なモノを持ち出しおって!!」

 

爪に当たる瞬間、両腕に炎を纏わせて薙刀と直接の接触を避けさっさと弾くアイリッシュ。

帯びる魔力の性質を咄嗟に理解したのかそれとも直感か、どちらにせよ判断は正しい。

 

「あらバレた?」

「明確な殺意をソレから感じただけの事だ、文句なら制作者に言うのだな」

 

侵崩の薙刀。

魔族意外も一応使えるが使ったら大体死ぬので魔族専用の大型薙刀として規格した物だ。

つまり俺が使っても問題なく、アイリッシュに当たっても極端に効く訳でもない。ただし―――

 

「後で言っとくね!ソラソラソラソラ!!」

「持ち手が伸びるのか!?厄介な…!?」

 

 

アイリッシュ、君には普通の魔族より効果てきめんだろう?

人としての側面を持つ分、純粋な魔力集合体ではなく加えて超獣(クリーチャー)をベースにしたアイリッシュにこの牙は致死量の毒になりうる。

 

「俺が熱瘴(脱水)で落ちるかお前が毒で死ぬかチキンレースといこうか!!」

「貴様も町も全て焼き尽くす!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁしんど…南まずそうだね…もしもし?いける?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オイサースト郊外、南門前。

 

「増援か?それも前衛、ますます楽しみが増えたようだ。」

 

「丁度よかった、ユーベルだけじゃ攻めあぐねてたんだ。」

「ちょっと眼鏡君、面と向かって言うなんてひどいじゃん。事実だけどさ」

「故あって加勢する。イゾルディとでも呼んでくれ。」

 

「ワタシでも知ってる騎士の名門じゃん、眼鏡君、せっかくだしもうちょっと頑張ろっか。」

「ここで退いたら流石にマズイでしょ。やるだけやるさ。」

 

天より開きし黒い門は黒紅の騎士を呼び寄せた。

圧倒的な膂力には圧倒的な膂力をぶつける、シンプルなプレイヤーの思惑ゆえに。

 

「砂縛のアラックだ、泣き言いってくれるなよ?」

スタンイゾルディ、ただの騎士くずれだ。」

*1
炎というありふれた魔法系統とはいえ初見の技に対応してコピーしてくるクソ仕様




Q:結界解けば?
A:俺がバレるし解いた所で熱源が死んでないからほぼ無意味なのよね

魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか

  • 葬送のフリーレンやぞいけるいける!
  • エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ
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