魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ?   作:王道の展開にニチャつく者

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かたずけた事による方方

魔法とは実に面白いもので同じ系統の魔法であれば出力方向が違っても本人の認識とイメージ次第で似たような事が出来てしまう。

 

例えば氷を生成してビームのように打ち出す魔法があるとした場合、過冷却水の生成・操作をする魔法でも使い手の制御次第では前述のような結果を得る事が出来るという訳だ。

 

逆説的に熱というデカイ括りから派生した炎を操る魔法なら技巧次第で熱操作の領域に足を踏み入れる事も可能だろう。

 

「ん~~?冷気が伝わらない…ね!!」

「練度では俺に分があるようだ!!」

 

今の結界内部にはアイリッシュに由来する熱と俺に由来する冷気が完全に2分割された状態で滞留している。

どうやら戦闘中に熱を動かして冷気が空気と混ざらないようにコントロールしているようだ。

俺から発せられた冷却用の冷気は別として放出し終わった冷気は全て数か所に纏められている。

それだけなら良かったんだけど…

 

「よいしょお!?あぶな!」

「ダッハッハ!冷えた空気は良く膨らむなぁ!」

 

空気膨張を利用して態勢を崩しすかさずボディブロー…1000年に裏打ちされた実力はある。

俺が楽しく(遊んで)戦える領域からは外れてるスペックは嬉しいやら悲しいやら。

 

「少し舐めてた、謝るよ。」

「そのまま死んでくれると助かるが?」

「そりゃ無理だよ~。だってさぁ」

 

 

魔族である限り、それはない。

 

速さを変える神仙法(ミラーチュージB)

黒渦の門を作る仙法(ディメトール)

時間を引き延ばす神仙法(ショートタイマー)

 

「「「合技(年上に勝つなんて無理でしょ)」」」

 

あるガチ勢の目を死ぬほど頑張ってかいくぐった視聴から得た連続転移による超加速からの一撃。

綴り行う者たちはソレをこう呼んだ。

 

「「「虚数転生(イマジナリー・リローデッド)!!」」」

 

「ウグ!?ガハ!?グホォォ!?」

 

引き延ばされた1秒の中、黒渦に吸い込まれた熱波と冷気が黒渦ごと消え失せ結界内部を

急速に正常化、大量に開いた渦を通るたびに加速する3体のジョーカーが繰り出す無情の三撃は

アイリッシュの意識を余りにも容易に刈り取った。

 

 

「スーパーヒーローチャクチっと。久方振りに良い運動になった事には感謝しとく…聞こえてないか」

 

顔面を3回蹴りこまれ気絶したアイリッシュを見下ろしながらこの後を考える。

取り敢えずはコイツについて来た奴らを撤退させるのが最優先だね。

北門にいる魔族と魔物は基本的にアイリッシュの傘下、ならアイリッシュが声を掛ければ動く。

 

「え~と…あったあった。」

 

小さな門をカリヤドネの禁書庫に繋ぎ1冊の魔導書を取り出しページを開く。

 

「こうして…ここがこうで?あー変数なのね…でコレを繋いで…まどろっこしぃな」

 

魔族の魔法を魔法を記録する魔法(アカシック・ペースト)で魔導書にした場合、その本に言語というものは存在せず

表紙から後書きに至るすべてが魔法陣とそれを構築する術式の文様と数式で構成され、結果として

文字の無い絵本のような体系を取る事が大半だ。

コレは魔族の魔法が他者が使う事を一切考慮せず自分だけがその神髄を理解している物である事が原因だと俺は思っている。早い話【俺が使えればそれでいいでしょ】という事だ。

 

そしてその過程で研究と研鑽を重ね効率化し出力を上げ無駄を削り原石は宝石となる。

詰まる所、魔族の魔導書はより長生きした個体から得た魔法であればあるほど洗練され同時に

()()()使()()()()()()になる。

 

「後でアプデしてもらおうかな…想いを起こす魔法(エリィナン)、想起投影」

 

体は赤く、マントの様な翼を生やし竜を思わせる姿をその身に纏う。

いやいやながらも20分以上しっかりとこの脳内には今が記憶されている。

 

「炎龍アイリッシュ…ん~~?物資不足?墓荒らし?」

 

アイリッシュを演じる事でその記憶の海を泳いで分かったのは断片的な記憶。

やっぱエスティじゃないと記憶の完全投影は厳しいのかな?

北方で使われている共同墓地で墓荒らしが大変ってのは分かったが…うわ身長たっか。

 

「な~んか見た事あるんだよなぁ…包帯で顔隠してなきゃわかりそうなもんだけど」

 

この墓荒らしの主要人物に心辺りは無いけど隙間から見える眼力には何か引っかかる。

いつのどこだ?ここ100年やそこらじゃない、もっと昔だな…?

 

「親指時代か?思い出せないな…まぁいいか」

 

ポッドで休憩中の体を呼び戻してアイリッシュを縮小し腕の中へ。

フルスイングされたプレイヤーのハンマーを受けアイリッシュごと結界が割れる形を作る。

 

「へいバッチコーイ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北門戦線の中央に炎の狼煙が上がる。

 

 

「おいテメェどこに行く気だ?」

「撤退しろとのご指示故失礼する。」

 

「誰が行かせるかってんだ!」

「殿、前へ。」

 

ウィアベルを始めとした魔法使い達に立ち塞がるように魔物が群れを成して遅いかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不覚…」

「言ったわよね?アタシが負ける道理はないって…あら、炎柱?」

「む…退却!?御仁、死合うのは…また後日のようだ」

「あっそ。次があったらちゃんと対策しときなさいな。」

「阻まぬのか?」

「最初から殺すつもりなんて無いけど?勝手に死ぬのは知らないけどね」

 

 

不服そうな顔付きで影にもぐるイチクラに手を振りながらエスティは魔物の群れに目を向けた。

 

「足りないのは後衛かしら?ここからは後始末ね。想いを起こす魔法(エリィナン)…メルキス!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「撤退…しくじったか?丁度観客もいなくなった所だ。ヘックシ!…帰りますか。」

 

太陽照らす昼の前、無音と極寒につつまれた狂歌は唯一人その脚を返した。

 

「……」

「……」

「コナクソ、出しやがれ!!」

 

数分前まで優秀な魔法使いだった氷像をいくつも残して。

 




北:人類側の勝利
西:魔族の勝利?
南:門前でクレーターを作りながら交戦中
東:侵入を許し、交戦中


神仙法
厳密には仙法ではなく、異世界の能力や概念をジョーカーが魔法として再現したものをベースに
バンキッシュを始めとした上位存在がアプデを施した現象。
基本的に制作者の許可があって初めて使用可能であり解析しようとしても強力な解析妨害が施されているのに加え、妨害を突破しても禁断文字や異世界言語を用いた魔法式が理解を阻む。

魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか

  • 葬送のフリーレンやぞいけるいける!
  • エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ
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