魔族に生まれたが色んな魔法使いたいだろ?   作:王道の展開にニチャつく者

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好きな魔法はな~に

4魔の大規模侵攻をなんとか凌いだ魔法都市オイサースト。

一部壁の内外で著しい被害こそ出ているものの町全体の被害としては比較的軽微と言える。

生存者達はその日のうちに探知魔法や浮遊魔法などを駆使しガレキのなかから救出され

悶絶の声をあげながらオーバーホールされたり僧侶の回復魔法を受けたりと色々だった。

 

 

それから3週間後、かねてより行う筈だった1級試験の3次試験、その第二部である

ゼーリエによる個人面談をする運びとなった。

 

コレについては特に言うことは無い…と言えばウソになるな。

この試験はそもそも本来の試験より残っている参加者が多いので当然弾かれる奴も多い。

行ってしまえば1級に昇格出来た参加者に増減は2名しか無いのだ。ただし―――

 

「不合格。但しお前は準(・)1級昇格だ、励め。」*1

 

実力不足の自覚、戦況の見極めなど弱いなりに評価されるべきポイントがあった者については

それらを加味して現在の階級から昇進させる事となった。

 

カンネ&ラヴィーネは4・リヒターとエーデルが準1級へ昇格となるのだが…そもそも今の魔法協会には準1級というものは存在しない。だが今回準1級へとなった者たちには評価すべき要素があり

とはいえ1級へあげる程の高評価でもないというのがゼーリエの見解だったため、準○○級という制度を設ける事となった。今後は各階級で再試験を行い階級の更新を行うとの事。

因みにウォリアー君は今後の1級試験が荒れるのを理由に俺が1級へねじ込んだ。

 

 

そして最後の試験参加者であるフリーレンとゼーリエがその顔を数百年ぶりに合わせる事となる。

 

 

「うわでた」

「流石に失礼すぎない!?俺一応お前の師匠のお友達なんだけど!?」

「クックック…」

 

まぁ俺も同席しているんだけどね?

そもそも準1級や昇格の可否にゴーサインを出しているのは俺なので俺がいるのはむしろ当然。

 

「一時試験の結界とか魔族が来た時に協会の人たちと一緒にいたから察してたけど、まさか試験官だったとはね…」

 

「あの結界どうだった?良い感じに崩しやすかったでしょ?」

「やっぱりわざとか…で?ここじゃ何を話せばいいの?」

「話す必要はない、不合格だからな」

 

 

花の花弁を太陽に透かしながらゼーリエが続けざまに口を開けた。

 

「フリーレン、お前も一級になった自分の姿をイメージできていないな。」

「お前も?」

「直前がウォリアー君…あぁ俺の知り合いなんだけどさ、アレ元は北に出入りする為に

1級になりに来たらしいのよ。いわゆる義務を通しに来ただけって奴。」

「コイツはアレと違ってそういった理由じゃないようだがな。フリーレン、お前は私がお前を合格させるとそもそも思っていない、そうだろう?」

 

「そりゃね」

 

 

花を耳の裏と髪の間に刺したゼーリエが語ったのはフリーレンのイメージ。

つまりゼーリエが自分を1級にするはずがないという強い確信だ。

 

「だが私も鬼ではないからな。同じエルフのよしみだ、一度だけチャンスをやる」

「フリーレン、君が使える魔法の中で一番好きな魔法を教えて?合否はそれからさ」

 

「花畑を出す魔法」

 

聞かれた事に間髪いれず、だが淀みもなく答えるフリーレン。

少しだけ晴れやかな顔で微笑むプレイヤーに対してゼーリエの顔はどこかバツが悪くそれでいて

不機嫌さを感じさせる。

 

「ハァ…フランメから教わった魔法だな。くだらない、実にくだらない」

「戦闘狂&行き遅れババァの固定概念やめな~?」

「殺すぞ?」

「おーこわ。じゃあ俺からも一つ、何で?」

 

「師匠(せんせい)が好きな魔法だったから…かな。勿論、他の魔法が嫌いな訳じゃないよ。」

 

「じゃあフランメが好きじゃなかったら好きじゃない訳?」

 

上げ足をとるような質問にムっとしつつフリーレンは首を横に振った。

 

「私自身、一番好きな魔法がアレでそういえば師匠(せんせい)も好きだったなって。

それだけだよ。」

 

「不合か『ちょいまち』…」

「このロリババァ『おい本気で殺すぞ』はお前を不合格にするつもりみたいだけど…それじゃ

いささか私情が混じりすぎだと思うんだよね。」

 

そう言いながら空間に線を引いて一枚の巨大な絵画をこの場に召喚するプレイヤー。

ある女の手によって描かれた空想と仮想の世界がそこにはあった。

 

「聖邪相噛めば正義と不義の相対ならず。つーわけで俺は俺の私情でお前がこの3次試験を突破できる方法を提示しよう」*2

 

「コレは…」

 

「描かれている世界を追体験する魔道具、想起世界(エリィワールド)。」

 

絵の題名は…と続き垂れかけられた幕を勢いよく剥がし、その壮絶な世界は姿を現した。

 

「戦国武闘会(グレイテスト・チャンピオン)。」*3

 

「ウ…」

 

目にソレが移った時、フリーレンの頭は酷い酔(・)い(・)を覚えた。

描かれた血潮と覇気、そして魔力として目に映る莫大な情報の嵐がフリーレンの三半規管を

際限無く刺激したのだ。

 

「合格条件はそうだな…生きて出てくる事、どうする?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

「ただいま…」

「おかえりなさ…フリーレン様!?何でそんなボロボロに!?」

「お前がそうなるって何があったんだよ?」

 

「ちょっと魔道具の体験をしたというか何というか…うん。」

「面接にいったんですよね?」

「うん、不合格って言われたんだけど別のお題クリアしたら合格にしてあげるって言われてさ…」

 

「これでも勇者一行の魔法使いだからね、なんとかなった…よ…」

「「フリーレン!?」

 

宿に帰り早々碌な説明もできず頭から倒れて爆睡するフリーレンを快方する二人なのだった。

 

*1:
1級魔法使いの現場判断で1級扱いになったり単独で北方へ移動できたり等など一応1級ですよという立ち位置

*2:
聖邪相噛めば正義と不義の相対ならず:仙界のことわざで無理を通せば道理が立たぬと同じ意味を持つ。

*3:
巨大な剣を持つ龍と歪んだ大砲のようなモノを構えた龍が天地を裂きながら凌ぎを削るワンシーン




想起世界(エリィワールド)
絵の中に突入する事で、その中にある世界の住人や登場人物としての人生を実行する魔道具。
想いを起こす魔法(エリィナン)をベースとして仮想空間の生成や時間軸の調律など様々な魔法技術の集合体となっている。
他人の人生の体験ではなく人生の実行である為、中で死んだら絵から死体が吐き出される。

今回の絵では戦国武闘会の決勝戦、その当日に生きている誰かとして生きる事になる。
その為
・シデン・ギャラクシーがグレイテスト・シーザー勝つのを見届ける
・シデンとしてシーザーに勝つ
・シーザーとしてシデンに勝つ
・シーザーとしてロマノフに謀反を起こしステゴロでシデンと真っ当に殴り合う
など相当数のオリチャーが合法的に可能だがドルゲユキムラとかいう特大の死亡フラグが存在する

魔王討伐後の10年やそこらでフリーレンはゾルトラークを習得できるのか

  • 葬送のフリーレンやぞいけるいける!
  • エルフにとって新しい魔法だし厳しいでしょ
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