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昔、昔、本当に遠い昔。1つの大きく栄えた王国がありました。その名もグルマンディーズ王国です。王国には守護竜がいました。初代国王と契約を結んだ暴食の竜、グルマンディーズ。
王国の名はその竜から取ったものであり、王国が栄えていたのもグルマンディーズの守護があったからでした。
そんな王国の国王夫妻の元に、1人の子供が産まれます。名を、『クレアール・アイヴィ・グルマンディーズ』。王妃によく似た可愛らしい女の子でした。しかし、王家を立て続けに不幸が襲います。
クレアールは生まれつき身体が大変弱く、産まれてきてすぐに生死の境を彷徨いました。それでも様々な治療を施し生きながらえさせていた中、クレアールの母でもある王妃が亡くなります。
これを国王は大層悲しみました。そして、妻の忘れ形見であり身体の弱いクレアールを何としても育て上げると決めたのです。
国王はクレアールに様々な薬や治療を施しました。それでもクレアールは何度も生死の境を彷徨いました。病弱なために様々な病にかかり、その度に治療を施しました。身体が弱いため、ちょっとした事で大怪我を負ったりもしました。
それでも、クレアールはなんとか14歳を迎える事ができたのです。産まれてきてすぐ生死の境を彷徨っていたクレアールがここまで生きてこれたのは、奇跡のようなものでした。
しかし、クレアールの病弱な身体が治った訳ではなく。14歳の誕生日、クレアールは倒れてしまいます。宮廷医師はクレアールを診るなり、顔を青ざめさせました。
クレアールは、不治の病にかかってしまったのです。医師の見立てでは成人までは生きられないだろうとなりました。
クレアールは、それを粛々と受け入れました。クレアールにとって、物心ついたころから死は隣り合わせでした。そして、父がそれをなんとかしようとするあまり少しずつよくない手段に手を出し始めている事にも気づいていました。今なら、まだ間に合うはずだと。父は手を染めきってないと、クレアールは考えていたのです。
それを受け入れられなかったのは、父である国王でした。愛した妻の忘れ形見である、妻によく似た可愛い娘。その娘が成人を迎えることもなく死ぬと言うのです。到底国王は諦めきれませんでした。
そして様々な文献を漁り、少しでも情報を集めようとしました。少しでもクレアールが助かる可能性を探しました。
……そして、決して手を出してはいけない領分に手を出したのです。