グルマンディーズは、フルフルと身体を震わせてエーテルを見つめました。そして、声を上げて笑い出します。
『クッ、ハハハ!《不変の雛》じゃないか!素晴らしい!オマエも喰らえば、ワタシに敵うものは居なくな__『ふっ!』』
クレアルはその隙を見逃しませんでした。グルマンディーズはエーテルに多くの意識を割き、結果としてクレアルへの攻撃が弱まったのです。クレアルは一太刀でグルマンディーズの首を半ばまで切り裂き、返しの太刀で完全に斬り落とした。
ゴロリと転がったグルマンディーズの首はしかし、まだ意識があるようでした。何が起きたのかわからなかったのか、呆然と自身の体を見上げています。
ですが、クレアルはわかっていました。これでグルマンディーズは死なないと。何故なら、自分と同じなのだから。ですが同時に、殺す方法もわかっていました。それは不老不死の源となるエネルギーを喰らい、奪うこと。グルマンディーズが、クレアルにしようとしたように、グルマンディーズを喰らえば良いのです。故に___
『いただきます!』
『……え?』
呆然とした声を出したグルマンディーズの首を無視し、クレアルはグルマンディーズの身体に齧りつきます。鱗も爪も、クレアルにとっては容易く喰らえるものです。グルマンディーズはクレアルの狙いに気がついたのでしょう。必死の声で叫び始め、首のない身体をめちゃくちゃに動かし始めます。
『やめろ、ヤメロヤメロ!ワタシを喰らうな……力を奪うな!』
クレアルはその叫びを無視して喰らい続けます。これまで喰らってきた人の叫びを気にしたこともないクレアルにとって、グルマンディーズの叫びなど価値のないものでした。
『あはっ!とてもおいしいですよ、グルマンディーズ!』
グルマンディーズに笑いかけながらクレアルは喰らい続けます。すると、クレアルの身体に変化が起き始めました。頭がムズムズとして、2本の角が生えてきます。背中に痛みが走り、皮膚を裂いて竜の翼が現れます。腰に違和感が出来て、鱗のびっしり生えた竜の尻尾が生えてきます。
クレアルはグルマンディーズのエネルギーの殆どを喰らう事で、人の身でありながら竜人のような姿となりました。
『ふ、ふざけるな!この力が、この力がなければワタシは……!ヤメ___『ごちそうさまでした!』』
グルマンディーズの身体を全て喰らい尽くし、残るは頭だけでした。グルマンディーズの身体にあったエネルギーはクレアルが喰らい尽くしたため、もうグルマンディーズには蘇る程の力もありません。自身の頭に近づいてくるクレアルを見たグルマンディーズは、しかし嗤い始めました。
『ハッ、ハハハハハッ!バカなヤツめ!ワタシを喰らって人間のままで居られるわけないだろう!ざまあみろ!これでオマエは永遠に死ねない……『…あははっ!』』
クレアルはそんな事を言われるまでもなく気付いていました。自身の身体に収まりきれないエネルギーが身体の中でうねり、クレアルの肉体を変化させたのですから。永遠に死ねない?だから何だというのでしょう。永遠を求めているクレアルにとって最高の状態でした。ですが、まだ残っています。
『な、何笑って……『ふふ…これで永遠に♪』』
クレアルは、グルマンディーズの頭を笑顔で喰らい始めました。グルマンディーズは最初は悲鳴を挙げていましたがそのうち声すら出せなくなり、最期には全てクレアルのお腹に収まりました。